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フランス結婚は減少しても少子化に歯止めの理由
フランス国立人口問題研究所(INED)のシンポジウム(2000年)資料から、Henri LERIDON(国立人口問題研究所ディレクター)「家族:崩壊と継続」の一部抜粋です。
家族における進化は2つある。 ひとつは、少子高齢化で、家族構成は再編成されている。 少子化で、兄弟姉妹、従兄弟、義兄弟の数は減ったが、両親、祖父母、曾祖母は減らない。二人の両親、四人の祖父母、八人の曾祖母は変わらないままである。 しかも、高齢化で、これらの縦の関係は延長しているともいえる。 子供たちにとって、同世代の横の関係は縮小しているが、縦の関係は拡大しているのである。 もうひとつは結婚の衰退で、70年代からその現象ははじまっている。 1945年生まれの女性の92%、男性の88%が50歳以前に結婚をしているが、1967年生まれになると、女性の71%、男性の65%が50歳以前に結婚し、30~35%が未婚という計算になる。 この未婚率の高さは、結婚制度が成立して以来、前例のない数字である。 離婚は増加し、1980年には結婚したカップルの3分の1が離婚している。 婚外子も増加し、1997年の出生数のうち、40%が結婚していないカップルから産まれた子供である。 これらもまた、結婚制度が成立して以来初めての現象である。 25歳以下の子供を持つ片親家族も増加している。そのうち、母子家庭が圧倒的で、85%を占める。 ただし、結婚の減少が、独身者の増加とはならない。 結婚以外の方法で、男女関係を築く、新しいカップル生活が生まれているのである。 カップルで生活する人のうち、同居から始めた人は、1968年の15%から、1988年の90%に上昇している。 1994年の調査によると、20~49歳の男性の51%が「既婚」、20%が「同居」、8%が「安定した恋人がいる」、21%が「恋人がいない」という結果になった。 男性の場合、同居の多い年齢は、25~29歳で33%。30歳以降は、結婚が5割を越す。 女性の場合、20~49歳の女性の56%が「既婚」で、18%が「同居」、8%が「安定した恋人がいる」、18%が「恋人がいない」。 同居と結婚の関係をみると、同居が5年続いているのは48%、籍を入れたカップルが30%、22%が崩壊。 10年前に同居を始めたカップルの場合、47%が結婚し、21%が同居を維持している。 20~49歳の男性で同居の経験がないのは21%。 同居相手の数は、63.8%が1人の相手、2人以上相手が変わったのは14.6%。 女性は、同居未経験者は14.6%、1人と同居が72.5%、2人以上が12.9%。 もうひとつの特徴として、カップルになった段階では、子供が介入してこないことがあげられる。 パートナーとの時間を最も重視し、二人の生活を楽しもうとする。 そして、子供を持つと決心した段階で、結婚へと移行するケースが多い。 ただし、子育ては物質的な問題だけでなく、カップルの関係維持の点においても難しい。 それが、子供を作るのをためらう理由になっている。 ■
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by k_nikoniko
| 2016-11-28 09:42
| 男と女
英国シングルマザー事情(1993年)
1993年7月11日のテレグラフ紙日曜版の記事の翻訳。
イギリスでは130万人がシングルペアレント(片親)で、その数は20年前の2倍に上る。そのうち、90%が女性で、イギリス人の母親の1/5がシングルマザー。しかも、若い女性が多い。 シングルマザーの70%が生活保護を受けており、40%が生活保護のみの収入。 政府は社会保障予算の負担増加を懸念している。シングルペアレントに対する国民年金給付は、ここ10年で30億ポンド以上増加した。 問題は、シングルマザーの貧困にある。 オックスフォード大学のある教授は、「両親のそろった子供に比べ、シングルペアレントの子供は病弱で、学校の成績が悪く、失業しやすい傾向にある。犯罪や非行に走りやすく、親と同様の不安定な生活を繰り返す。寿命も短い」と語る。 政府は、暴力が蔓延する荒廃の文化が広まるのを恐れている。 One plus One(結婚&恋愛リサーチ団体)の調査によると、「シングルペアレントの子供は健康状態が十分ではなく、胃潰瘍や大腸炎になりやすい。心の病をわずらう人も多い。また、成績もよくなく、学校でおちこぼれる。男子の失業率は、両親を持つ人の3倍」とのことだ。 シングルペアレントの増加は、結婚生活の崩壊と深い関係がある。 家族で暮らす場合、結婚しているケースが一番多いのは20年前と同じだが、1961年の392000組以来、結婚する人の数は徐々に減っている。 最近著しいのは、再婚、再々婚の増加で、1961年は5000組だったのが、1989年には50000組に達した。 この傾向は、離婚の増加とも関係があり、1961年の離婚は27000組だったが、1989年には164000組となり、結婚したカップルの1/3が離婚し、この数はヨーロッパ平均の2倍である。 一方、事実婚は、1961年には5%以下だったが、1988年には約50%を占めるようになった。 離婚はまた、財政を圧迫している。離婚にかかる負担は、年間13億ポンド。8.5億ポンドは生活手当、3.2億ポンドは住宅手当、7300万ポンドが法律上の費用、2700万ポンドが養育費に使われる。 最も頭を悩ませるのが、養育費である。というのも、シングルペアレントのほとんどは、再婚するか事実婚をするのだが、再び別れるケースが多いのだ。事実婚が増加していても、事実婚の崩壊は結婚の3倍で、結局、子供だけが増えていくことになる。 現在のイギリスでは、出生の30%が婚外子で、16歳以下で親の離婚や別離を経験している子どもが1/5におよぶ。 イギリスも北欧型になりつつある。北欧では、事実婚が多く、結婚したカップルの半分が離婚、出生の50%が婚外子である。 One plus Oneの調査によると、「離婚した男性が心臓病を患う確率は、既婚者の2倍。離婚者が心の病にかかる率は4~6倍。自殺を図るケースは、男女とも離婚者が4倍になっている。さらに、循環器と呼吸器の病気、もしくは事故で若くして命を落とす傾向にある。また、別れた相手の死が、ストレスの原因にもなる」とのこと。 British Medical Journalは、「シングルペアレントの子供は、他の貧困家庭の子供に比べても、最も死亡率が高い」と発表した。 再婚してもうまくいかない場合が多く、離婚率は高い。シングルペアレントの再婚により、子供は傷つくことが少なくない。 離婚が簡単にできるようになり、出生率が減少し、離婚や事実婚に対する偏見がなくなり、働く女性が増加した。このような社会で、伝統的な家族の価値へ立ち返るのは容易なことではない。 住宅および家族ローンなど、シングルマザーに不利なシステムを改善するのは可能だろう。 また、逃げる父親を追跡するサポートシステムを強化することもできるかもしれない。 もしくは、税金や他の年金システム(結婚手当てなど)で結婚したほうが有利にするか。 ■
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by k_nikoniko
| 2015-06-27 07:51
| 男と女
不倫をめぐる論争で白熱するフランス
日仏2プラス2の詳細を知りたい。
日英防衛協力といい、幕末の英仏権力競争を見ているようで気味が悪い。 そんななか、フランス大統領の不倫という、どうでもいいニュース。 軍事関係の取材はできないけど、フランスの不倫情報はわかるよ、というわけで、1999年に女性誌で書いた記事です。 恋愛至上主義のフランス人も不倫は許さないのです。 日本で婚外子の差別が問題になったとき、「フランスでは差別がない」と報道されましたが、フランスの婚外子は、不倫関係で生まれた子どもというより、「事実婚」のカップルに生まれた子どもが対象になっています。 以下は、90年代末に話題になった”本妻シンドローム”について女性誌に書いた古い記事の一部です。 自分より若い女性のもとへ走った夫に対する、妻の悲しみのメッセージといえる小説『本妻(La première épouse)』が1998年4月に発売され、1年間で24万部、ベストセラー・トップ10の5位になった。夫の女好きを知りながら、夫の甘い言葉を信じ、愛しつづける従順で誠実な50代の妻が主人公。愛を維持する難しさ、夫の浮気の苦しみ、結婚の現実など、女・妻・母である主人公の生々しい感情が切々とつづられている。 作家フランソワーズ・シャンデルナゴール自身の経験をもとに、微妙な女性心理を描いた小説は、フランス女性にとって身近な問題だったようで、多くの共感を得た。 発売直後には、フランスの女性誌で、作家のインタビューや"本妻シンドローム”といった特集記事が掲載された。 "本妻シンドローム”とは? 幸福な家庭を守る従順な妻の悲劇は、"第一夫人”のおごりからはじまる フランスは愛の国。女性は自由に恋愛を楽しんでいるんじゃないの? 確かに、統計だけでみると、2.5組に1組が離婚しており、結婚という形式にとらわれないユニオン・リーブル(事実婚)もあわせると、くっついたり離れたりは日常茶飯事。しかし、フランス女性が鋼鉄のような図太い神経をもっているわけではない。 夫から別れを告げられ、無気力となり、どん底に落ち、自暴自棄になり、夫を責め、自問し、後悔し、怒り、泣く…。 小説の主人公のように、本妻シンドロームに陥る女性もいるのだ。 「私はライバルに嫉妬しなかった。"第一夫人”であることに、すっかり安心しきっていた」 過剰なほどの自信…。25年連れ添った夫が突然、それまで愛人だった女性との新生活をはじめ、妻を捨てる。絶望、痛み、憎しみ、愛。残された妻は途方にくれ苦しむ。 女好きに気づきながらも、夫が私をだますなんて一度も考えたことがなく、夫のために生き、寿命と同じく長期的な愛を望み、「君は僕の人生で一番大切な女性」とささやく夫を信じつづける妻。”夫の浮気には無関心を装い、目をつぶることに慣れてしまった”妻は、”責任感の強い現代女性として、毅然としていなければならない”とがんばり、”沈黙を守り、見て見ぬふりをし、忘れようと努め、じっと耐える”。 夫が去ったことで、妻はすべてを失う。 浮気は結婚生活における必要悪なのか? 真実の愛を求め、不倫をめぐる論争でいつも白熱 そもそもフランス語に”浮気”という言葉は存在しない。一般に使われる”infidélité”は「不実」を意味する。愛を誓った相手に不実であっても、これが本気になる可能性は十分あるのだ。 夫に浮気された女性の感情は、フランス人も日本人もあまり変わらない。違いがあるとすれば、結婚に対する考え方だろう。 フランスでも、結婚は本人同士の愛情よりも、家庭を作るという意識が強かった。結婚してたくさん子どもを授かるのが最も大切なことだとされていた。 女性が自由を獲得した1968年の5月革命で、結婚の意味が大きく変化した。お互いの意志での結婚。お互いの自由を認めた関係。しかし、ここで新たな問題が生じた。相手を束縛しないのなら、浮気も自由なのか? 現実には、「ノン」と否定する人が圧倒的だ。フランスでの離婚の大きな原因は、夫か妻以外の人との恋愛関係。特に女性は夫の不貞に厳しく、離婚の7割は女性からの要求によるもの。 結婚は家庭作りのたもではなく、男女の愛が中心となった。であれば、浮気が決定的なダメージを与えるのは当然である。 「パートナーの浮気の事実をはっきり知りたい」と答えたフランス人は、1983年には46%だったが、1994年は65%に増えた。 浮気アンケート(1994年のフィガロ紙&調査会社ソフレが実施した調査) ・相手が浮気をしていると疑ったことはあるか(男女) ある 20%、ない 72%、無回答 8% ・相手の浮気の事実を知りたいか(男女) 知りたい 65%、知りたくない 26%、無回答 8% ・相手が浮気していたらどうするか(複数回答、男女) 何が起きたのか理解するために話し合う 53% 離婚を申し出る 18% ケンカする 17% 相手を取り戻そうと努力する 16% 一時的な別れを申し出る 13% 浮気相手と別れるよう要求する 10% 自分も浮気する 8% 何も言わない 5% 無回答 10% 『VoCE』 1999年8月号 ■
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by k_nikoniko
| 2014-01-12 00:22
| 男と女
「命を継承していく場所じゃなくなったんだな」福島で話したこと(3)
2011年5月に開催された福島の母親の講演会で、妙に心に残った一文があった。
「『息子が年下の女性と結婚するとしたら、今、学校給食を食べている世代かなぁ』と想像したとたん、給食に汚染された食品が使われるのではないかと心配になった」 これを聞いて、「息子の嫁の心配ね~」とちょっと思ったけど、なんだかとてもリアル感があり、ふと、彼女が孫である赤ちゃんを抱いている姿が目に浮かんだ。 「汚染された食品は危険」という言葉では得られない、感触やヴィジュアルで“いのち”に近づいたというか。 命をつなぐ、というのは日常的な営みにあるのだなぁ、と。 この話をしたら、その発言をした女性が、地元新聞のコラムを見せながら、こう言った。 「これだと思ったんです。男の人も父性愛があるし、子孫繁栄を考えている人もいるんだろうけど、子どもがいるいないにかかわらず、女性の性って、『種を守る』ことにあると思うんですよ」 これを受けての会話。 Aさん:一番何が悲しいって、福島が命を継承していく場所じゃなくなったんだな、というのが、それがすごく悲しいです。 Bさん:うちの娘は高校1年生ですけど、「私も避難したほうがいいのかな」と言うから、「これから子どもを産む人は避難したほうがいいって言われているね」と答えたら、「私、産まなくてもいいや」と。 Aさん:高校生の女の子は、そう言いますよ。「子ども産まない」って。 Bさん:高校生の女の子にそういうこと言わせるこの社会って、なんでしょう? そんなこと言わせてるんだ、私たち…。 Aさん:私もそれは感じます。これは大人の責任だ、と。福島で20マイクロシーベルト超えてたときに、情報が流れなかったから、雨の中で子どもを被ばくさせてしまった、と友だちが悩んでて。どれだけ子どもの体に影響があるのか、自分でインターネットで調べたら、「子どもを産むのにはダメだ」とわかって。「私、結婚しないから」と娘はお母さんに言ったそうです。それを聞いたら、涙が出てきてしまって。 ■
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by k_nikoniko
| 2013-09-24 09:06
| 原発・核
90年代末にフランスで売れた本『独身女性とハンサム王子』2/2
「独身者」の存在が社会的に認められるまでの歴史。
「独身者」への視線から、「結婚」のあり方が見えてくる。 面白い。 以下、翻訳です。 第1章 1 ひとりで生きる:長い歴史 独身の歴史は、特に女性の歴史である。「嘲弄の言葉、さもなければ、枠外、さらにはアブノーマル」(Farge 1984 p296)。独身にいたる長い道のりはどこからはじまったのか? 結婚すること 人間社会を構成するものは、①宗教:社会関係のオリジナルの形、②結婚:文明の基礎であり、人間の歴史を貫いている。民俗学では、結合という言葉を好むが、この言葉は、結婚の中心的機能を表す。より大きなコミュニティにおける結合であり、戦争を避けるための小さなグループを含む(女性の交換)。 夫婦生活の具体的なあり方に何の意味も与えない起源から、結婚は中心的な位置を占めていたといえる。それは今の時代とは全く違ったあり方であり、種族によって全く違っている。ある社会では、夫婦は別々に暮らしていた。重要なことは、結婚によって封印された血族関係であり、2つの家族、2つの社会のグループを結びつけることである。しかし同時に、特別の二人の結びつきでもある。公共の秩序と、集団的利益の問題。結婚は、二人の人間の個人的結合(ユニオン)とみなされてきた。 ユニオンという言葉は、より強い意味として捉えなければならない。現代のカップルは、パートナー間において、普通より親密で、相互主体的なコミュニケーションの方法が開かれている。平行して、特に、個人の自律が強調される。これが不安定さの要因となり、同盟(alliance)契約の崩壊へと導く。反対に、原始社会では、私たちのような親密さが存在しなかった。結婚としてのユニオンが全てであり、個人を超越していた。完全な永続的な構成だったのである。 耐えがたい独身者 それゆえに、独身者は、自然に反すると考えられていた。このような社会において、独身という事実が生じたとき、それは耐えがたいものとして感じられる。非常識さと危険性をそれぞれが包み隠そうとした。もしくは、とんでもない不幸者に結婚を強要させ、独身者を抹消しようとした。アフリカのChaggaでは、女性との接触を恐れ、結婚を拒否する男性が現れることが何度かあった。それは、首長が関わるほど、重要な問題であった。 「独身の男性ほど、アブノーマルで、軽蔑され、敵意を持たれる地位などない」(Heritier 1996)。 不屈の人々の中には(とても珍しい)、独身を維持している人もいた。彼らは、呪われていると疑われ、悪い精神とみなされた。そして、彼らを排斥することで、社会秩序が回復される。やもめは、以前結婚していたということから、少しだけよかった。未亡人は反対に、独身女性よりましと考えられることはほとんどない。現代でも、結婚から離脱した女性は、同じ状況の男性より否定的で、非常識とされている。もちろん、独身女性は、未亡人よりひどい。中国皇帝の時代において、男性と関係を持たずに死んだ処女は、他の悪魔がその道から離れるほど危険で冷酷な悪魔と見なされた。しかし、やもめのように容認されない未亡人は、女性にとって、とてもアブノーマルだということを意味する。Ojibwaでは、未亡人は3、4年、喪に服す。人里離れ、髪をとかさず、ボロ服を着て、灰におおわれて過ごす。インドの伝統では、未亡人は、夫婦のベッドにもはや寝る権利はなく、土間に寝て、質素な食事をし、孤独で控え目な生活をする。死によってのみ名誉を回復し、夫の葬式で生きたまま焼かれた。 グレート・バッファロー・ウーマン 結婚の義務に従わない人もいた。身体障がい者や他の先天性障がい者は、規範のノーマルとして認められず、コミュニティから排除される。より自発的な方法で、禁止に立ち向かうこともあった。変質者は悪魔と交流を保つと非難されて生きた。男性は特に、独身であることで、誤解されることが多かった。しかし、社会秩序において、それほど危険がないのならば、女性の独身者より容認された。女性独身者は、コミュニティがなければ何の価値もなく、男性がいなければ、何の価値もない。独身女性は二重に耐えがたかった。 それに挑もうとする女性の中には、計略を用いて耐える人もいた。Francoise Heritierによると、インディアンのOjibwaのグレート・バッファロー・ウーマンのように、特別の才能を証明する人も存在した。彼女は、自給自足の方法を学び、狩りの規則を尊重しつつ、男性の地位に達した。女性でありながら、彼女は社会的に実際の男性となった。 反対に、独身男性は、女性的な面を発達させることはめったにない。どちらかというと、家庭の女性によって担おうとする。彼らが恥を感じずにできる唯一の家事・料理は、男性のシンボルである火に関したことである。だから、男性は肉を焼くのを好み、バーベキューの肉を焼くのは男性なのである。 パラドックス的に、逆境の中にいたにもかかわらず、初期の独身女性は、男性独身よりもより大きく自律心を発達させていくことに成功した。しかし、これらのケースは、例外的であり、すべての女性は男性に服従するというモデルはそのまま残った。バランスの概念に基づく社会においては、結婚が社会秩序のベースとなっていたため、独身の男性もまた、例外だった。ある日、このバランスが崩れた。 More ■
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by k_nikoniko
| 2013-09-11 08:30
| 男と女
それでも恋人がほしいあなたに贈る4人のメッセージ
いまどきの女性は専業主婦願望が高いらしい。
仕事と家庭の両立に悩み、女性の生き方を模索して、がむしゃらになる世代(私たちなんだけど)は、ちっとも幸せそうにみえない。 だから、専業主婦になって、好きなことをやってお気楽に生きよう…。 男女の役割分担とか、いい関係が整ったわけではない。 それでも、「女性の生き方」をまじめに追求するなんて、流行遅れなんですよね。 90年代はじめ、女性誌のライターとして、恋愛や結婚、仕事など「女の生き方」をいろいろ書いていた。 今読み直すと、時代は変わったなぁ、と感じる。 以下は、1991年の記事です。 ふと心によぎる不安「結婚しないかも……」。そう思い始めている女性たちをルポルタージュ(『結婚しないかもしれない症候群』 主婦の友社)した谷村志穂さん。本命の彼にめぐりあえない女性たちの恋愛心理は? 「恋愛に対してモラトリアムな女性が増えているように思いますね。感情に盛り上がりが見えないというか。決定的に恋愛をせずにここまできてしまい、愛情というより愛着という程度の感情で恋愛を繰り返しているのでは。ボーイフレンドのたくさんいる人というのは、嫉妬もしないし、失恋してもさほどショックを受けない。一度でも心身ともに変化が起きてしまうような恋愛を経ていると、次の恋でも、同じぐらいの心のボルテージを求めますよね。そこまでいかないと満足できなくなると思うんです。でも、それを知らないと、AさんでもBさんでもCさんでも、というような恋愛になりがちなのです」 かっこ悪くても、一直線に走ってみる。それが本当の愛を手に入れる近道、と谷村さん。 「テレビドラマをまねしている風潮ってありますよね。グループでつき合ってまわりくどく。それは楽しいのかもしれないけど、その後の恋愛が続かないんです。2ヶ月で別れたり。結構恋愛期間が短くて。あえて感情に歯止めをかけている人って、プライドについて勘違いをしていると思います。プライドというのは自分から男性を誘わないとか、けんかしても自分から謝らないとか、そういうところにあるのではなく、もっと違った、本来の自分の魂の美しさに初めて持つものだと思うんですよね。今やろうとしていることは、自分に正直なことだろうかって。ぼんやりしていたら、ずっと本気の相手を見つけることができないのではないかしら」 「本音でいうと、私は絶対結婚しませんとか、ひとりで生きます、という女性はそんなにいないと思いますよ」 パートナー探しの情報誌『ミスター・パートナー』の編集長・井形慶子さん。結婚産業の現場に近接しているため、男女が抱くさまざまな結婚観を目の当たりにしている。 「恋愛ベタの若者が増えているように感じます。特に、最近の女性は企画型の人が多いですね。恋愛をする場合、相手の気持ちをこちらに向かせるために、ある程度の精神的な駆け引きとか、自分を演出するとかが必要だと思います。魅力的な人は、やはりその辺の駆け引きがうまいんですよね。異性の喜ぶ言葉とか態度とか知っていて。でも、そのように振る舞える女性が少なくなったという印象を受けます」 けっして押しつけがましく男に媚びるのではなく、上手に自分をアピールできる女性。この一瞬が、本命との出会いかもしれないのだ。 「女生と会話ができない男性が増えているといわれてますが、レベルの高い男性と対等に話のできる女性も少ないと思います。淡々とした毎日を過ごしている人は、いざというときに会話が続かないんですよ。それは、日常生活の幅で決まると思うんです。日常生活の中でどれだけ興味の目を向けているかが、態度や会話に発揮されるのです。幅を持っている人は、会話の内容も豊かだし、どんな話題でも興味を持って会話についていけますね。ほんの1時間や2時間の出会いで、日ごろの蓄積が発揮されるのです。そのためにも、毎日の生活で自分を磨くことが大切ですね」 More ■
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by k_nikoniko
| 2013-07-13 20:40
| 掲載記事(1990以前)
女の一生が分断されないフランス(『フランス式美人道A to Z』)
カップル単位で行動するのが習慣だったフランスでは、少し前まで、独身女性に対する世間の目が厳しかったそうです。
実際、ひとりでがむしゃらに生きる女性には、めったに出会ったことがありません。 フランスのように個々が自律している社会では、進路も生き方も、パートナーも、あらゆることを自分で選択していかなければなりません。 決定するのは自分であり、責任をとるのも自分です。 すべてを決断するのは、ときには孤独な作業でもあります。 「日本女性にとってひとり暮らしはチャンスであり、寂しいと嘆く人はいない」と書いていたフランス人ジャーナリストがいましたが、裏を返せば、日本女性は本当の意味での自己選択を迫られていないからともいえるでしょう。 フランスの場合、独身=彼氏なし、ではなく、女性の生き方もしなやかです。 女の一生が、ときには山あり谷ありを経験しながら、滑らかなラインのように進行していきます。 恋をして同居がはじまる。結婚したり、未婚の母になったり、再び独身に戻るかもしれないし、子持ちと結ばれて出産せずに親になるかもしれない。 女性誌の作り方においても、フランスのファッション誌には、子どもの記事がほぼ毎回掲載されるなど、女性の生き方に区切りがないように思われます。 日本の女性誌は、ティーン、学生、OL、主婦、シニアなど細分化されています。 「働く女」「妻」「母親」と立場ごとに生き方が分断され、しかも、それぞれの女性間のつながりは浅く、対立がおきることもあります。 日本女性は、目指すべき統一的なイメージを抱きにくいのです。 『フランス式美人道A to Z』より ![]() ■
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by k_nikoniko
| 2013-06-21 10:38
| 掲載記事(2000~2010)
それぞれの当たり前を尊重するのが人間中心主義
少し前のことになるが、東京新聞の元旦の社説を読み、共感と疑問を抱いた。
「人間中心主義を貫く」のは大賛成。 でも、途中のある文章で首をかしげた。 「結婚し、子どもをもち家庭を築く、そんな当たり前の願いが叶わぬ国や社会に未来があるはずがありません」 “結婚し、子どもをもち家庭を築く”のが、当たり前の願いなのだろうか? ここでの“結婚”には同性愛者は入ってないだろうし、何らかの事情で子どもがもてない人はいるし、家庭を築くのに入籍する必要は特にない。 日本が範とするヨーロッパで、「“結婚し、子どもをもち家庭を築く”のが、当たり前の願い」と言ったら、失笑を買うだろう。 「結婚はしてないが、子どもをもち、家庭を築いている」ほうが当たり前だったりするからだ。 これら3つの願いが叶わないから、未来がない、というのは、おかしい。 当たり前の願いは、人それぞれ異なる。 法と倫理に反することなく、社会的責任と義務を果たすという条件で、それぞれの人がそれぞれの当たり前の願いを達成してもいいと思う。 そして、多様な“当たり前の願い”を尊重しあうのが、人間中心主義の社会なのでは。 これを読んで、今年の目標を決めた。 日本のいろいろな“当たり前”にいちいち疑問を持ち、問い直してみよう、と。 この社説でもうひとつ。 「結婚し…」の文章は、「若者や働く者に希望を与えなければなりません。まず雇用、そして賃金。」につづいている。 雇用や収入が不安定だから、結婚して家庭が築けない、という意味なのだと思う。 でも、これは男性に限った問題で、女性はあまり関係がない。 女性は、夫や子どもを養う必要がないからだ。 先日、20代のパートの女性が、「どうしたら金持ちと結婚できるかな~」と言い出した。 同じくパートの女性たちのアドバイスは明快だ。 お金持ってる年寄りを狙えばいい。 40代からアラ還ぐらいでも、正社員で小金もちの独身男性はたくさんいる。 女性の肩書きがパートでも派遣社員でも、男性はいっこうに気にしない。 逆に、「外資系企業のデキるキャリアウーマン」より、パートのほうが結婚相手として望ましい。 雇用や収入が不安定でも、女性の場合、結婚にはさほどひびかないのだ。 残念ながら、日本女性はこのように育てつづけられている。 男性だけが、「妻や子どもを養わなくては」と、誰が決めたかわからない“当たり前”の重責を負いながら。 そんな“当たり前”から、いい加減解放されたらいいのに。 雇用と賃金の問題は男女とも深刻だ。 にもかかわらず、「結婚・子ども・家庭」を理由に、男性のみの問題として語られるのは、おかしい。 女性はパートでも“当たり前”で、その状況が「結婚・子ども・家庭」の障害にならないのも、おかしいに違いない。 まずはこのあたりから考えてみようかなぁ。 ■
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by k_nikoniko
| 2013-01-29 23:35
| 男と女
木嶋佳苗を考える(1)
この事件、さほど興味がわかなかったのはなぜだろう?
マスコミが騒ぐほど、彼女が奇異に感じなかったからか…。 男性を殺害した理由はまったく理解できない。 でも、それ以外では、どこかにいそうな女の子と思えてしまうのだ。 「フワフワして、よくわからない人だな~」みたいな女の子。 性を売り物にしている人はいたし、セックス好きの女性もいたし、ブランド好きは珍しくないし。ウソつきってのも。 会ったことがあるような気がする、こんなタイプの子。 私が彼女の事件にそれほど関心がなかったのと同じように、彼女は自分の人生や未来に夢や希望がなかっただけなんだと思う。これは推測ですが。 日々楽しく、リッチに優雅に、好きな人と好きなときだけ会う生活で満足し、それ以上の夢や希望なんて、なかったんじゃないのかなぁ。 この国は、希望をもたない人を「かわいそう」「ひねくれてる」「やる気がない」と責めるけど、希望をもてない人だっている。 夢を持ってるふりをしてても、実際はそうじゃない人なんて、たくさんいそう。 “希望”って声高に言われると、鬱陶しくなるときもあるし。 どうして彼女はそうなっちゃったんだろう、とは考える。余計なお世話だけど。 田舎(という表現は好きじゃないが)ではあってもちょっとした名家に生まれ、モダンな暮らしをし、頭が良くて、早熟で、思春期に男を知り、自分の身体でお金が稼げる術を覚えた。 (売春で)出会った男たちは、“高い位”でも、寝てみたらみな同じ(じゃないか?)。 「こんなもんかぁ~」って。 30代で70歳ぐらいの域に達しちゃったのかも。人生経験抱負だもん、彼女。 結婚にあこがれていた、というのもどうだろう? 彼女は文章が上手だったそうだ。 男性に「普通の女の子」と思わせるために、結婚にあこがれてるふりをしてたとか。 “高い位”の男をはじめ、出会った男は既婚者も多く、「男は女遊びするもの」とインプットされていただろう。 それでもなお、男を信じて結婚にあこがれるだろうか? 彼女の場合、“外向性引きこもり”な印象を受ける。 一般に言われる“引きこもり”は家にこもるけど、彼女は、人(女友だちはいなかったらしいので、友だちではない男)と会うし、外出もする。 でも、自分が作り上げた世界のなかで生き、外界を現実ととらえず、深い人間関係を拒否する。 どこで彼女は踏み外したんだろう。それを他人がとやかく言ってもしょうがないのかな。 彼女そのものの奇異さより、彼女をとやかくいう人たちのほうが、この時代の奇妙な日本を反映しているようにみえる。 ■
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by k_nikoniko
| 2012-08-31 10:34
| 男と女
放射能と離婚
福島原発事故の放射能が引き金になり、離婚を決意した女性たちに取材した。
離婚など珍しくないご時世だが、彼女たちの話を聞くのは、とても胸が痛かった。 “放射能”の心配がなければ、離婚の危機などなく、夫婦生活をつづけていたであろう。 私が話を聞いたのは、子どもをつれて避難し、夫との二重生活を経験した後、離婚協議に入った女性たちだ。 避難していない女性の多くは、放射能について夫に相談もできずにいるという。 仮にお金で補償されたとしても(取材した女性たちは自主避難なので、補償の対象ではない)、壊れた夫婦関係は修復できない。 人間関係は、お金で解決する問題ではない。 放射能と夫婦関係の取材ではつねに、「子どもを守るために避難したい母親」と「家族を養うために留まって働くことを優先する父親」が話に出てきた。 家族における男女の役割は、“最先端の原発技術”を誇る日本で、何十年も変わっていない。 原発事故と男女の役割を一緒くたにするな、と言われるかもしれないが(この問題はどんな場合でも議論にならず、後回しにされる)、この取材をしている間つねに、やるせない気持ちになった。 伝統的な家族の役割分担が、“放射能”という生命にかかわる一大事を乗り越えるものどころか、夫婦関係に重くのしかかっているからだ。 「子どもを守るために避難したい母親」も、「家族を養うために留まって働くことを優先する父親」も、“放射能”に加えて、慣習だとか常識だとかに縛られ、がんじがらめになって苦しんでいる。 こうした状況が、日本特有のものなのか知りたく、何人かに質問してみた。 日本在住のイギリス男性「妻と夫の立場やそれぞれの意見は、人間の正直な言い分として理解できる。その上であえて言うとしたら、母親が幼い我が子の健康を心配するのは至極当然で、それを優先すべきなのももっともなこと。夫は、幼子の命を思い、仕事や居住地を変える選択をしてもいいのではないか? その決断ができないのは、自分に自信がないからか。会社の辞めて新天地で就職することに臆病になっているのではないか。日本男性は変化を好まないからかもしれない」 イタリア在住の日本女性「夫婦で話し合わないのでしょうか? イタリアでは政治的意見が正反対の夫婦が珍しくないのですが、こういうときには、とことん議論すると思います」 フランス在住のフランス女性「フランス人にとって仕事は二の次。男性も家族を優先し、仕事を辞めて避難するはず」 イギリス在住の日本女性「日本では今でも、『夫が家族を養う』という考えが残っているのですか?」 ヨーロッパの家族のあり方が正しい、と言っているわけではない。 日本の伝統的な家族で、女性も男性も幸せであるのなら、何も問題はない。 が、本当に、これで幸せといえるのだろうか…。 震災後、“絆”という言葉が、美化されて用いられている。 私個人の意見としては、“絆”は、危機が起きたときに急遽見直されるべきものでもないと思っている。 そして、“絆”を結ぶには、激しいぶつかりあいも必要だと思っている。 相手に従属するだけでなく、お互いを尊重する関係でなければ、“絆”は築けないとも思う。 取材した記事は、10月21日発売の『週刊金曜日』に掲載されています。 ■
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by k_nikoniko
| 2011-10-22 06:52
| 原発・核
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