フリーライター木村嘉代子のブログです。日々感じたことを綴っています。Copyright(C)2005-2018 Kayoko Kimura
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女性除染作業員の取材追記(2)

「道路工事に出くわすように、除染現場に出くわすことがあります。子供を連れていて、マスクも何も用意してなくても、その道を通らなくてはならないんですよ」
福島市在住の女性はそう言っていた。
「でも、今は雪があるから、除染はしてないですよ。計画通りにはやってないです。そうそう、高校の敷地内に除染した汚染物質が積み重なってるので、ぜひ行ってみてください」

そう教えられ、ホテルでの朝食後、さっそく学校へ行ってみた。
ちなみに、私が滞在したホテルは、復興庁のあるビルにあったので、平日の朝食は、作業員らしい人や、職員らしい人(みな顔色悪い感じ)と一緒になった。
地産地消がホテルの朝食の売りらしく、福島産コシヒカリや牛乳などが並んでいた。

説明通り行ったら、高校にたどりついた。通学路に沿って、敷地内にずら~っと放射性汚染物の袋が並ぶ。
除染作業は終了していないようで、ここに一時保管しているらしい。

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福島に住む別の女性が、「美術館と図書館の横に汚染物が積まれていた。開館してないと思ったら、通常通りやっていて、びっくり」と言っていたのを思い出し、美術館にも行ってみる。


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by k_nikoniko | 2018-06-07 09:07 | 原発・核

女性除染作業員の取材追記(1)

3月11日発売『週刊女性』で女性除染作業員を取材した際、記事にできなかったことを書いていきます。
「除染作業員のなかに、女性もいますよ」と聞いたのは、今年はじめ。
除染作業がどのように行われているか。その時点ではまったくわからなかった。
私が最後に福島へ行ったのは、2012年9月。福島市内の町中で見かけることはなかった。
そのころすでに、除染事業はスタートしており、飯館村に行ったときには除染作業をしているのを見たぐらい。

福島市の友人に聞いたら、「若い女性が働いていて、『え!』って驚いたことがある」との返事。
被ばく労働に詳しい方からは、「ハローワークでも募集してるし、求人サイトを見てください」と言われる。
ハローワークの求人情報で「福島 建設業」を検索してみると、「作業員」の職種で「除染作業員」の募集があった。
グーグルなどで、「福島 除染」のキーワードを入れると、数百の除染作業員募集にヒットする。
除染作業員の求人広告には、「素人でも大丈夫」「簡単な作業です」「高収入」と、目を引くキャッチが並ぶ。
特別な資格が必要なわけでもなく、日給10000円以上の魅力的な賃金。
就職難のこのご時世、軽々しく飛びついても不思議ではない。
「軽作業なので女性にもできます」「女性も活躍中」と女性を募集する業者も。
年齢の下限は18歳。
将来子どもを産むかもしれない女性たちも、何の制限もなく除染の仕事に就くことができる。
「18歳以上」とあるが、男性であっても、10~20代、30代の若者が、被ばく労働をしていいのか疑問だ。


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by k_nikoniko | 2018-05-31 08:27 | 原発・核

福島県大熊町の復興についての記事掲載のお知らせ

『ニュースソクラ』に記事が掲載されました。

福島原発事故で避難地域となった大熊町の復興について書きました。いまでも町の9割が帰還困難地域で、「戻りたい」町民は1割ほど。一方で、新庁舎など復興をみすえたインフラ整備が進んでいます。



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by k_nikoniko | 2017-10-24 20:00 | 原発・核

大間原発建設差し止め裁判と建設現場

10月18日、東京地方裁判所で、大間原発建設差し止め裁判の第10回口頭弁論が開かれました。
毎回、収容席数98席の広い第103法廷で行われ、いつも定員数以上並ぶので、抽選で傍聴券が配られます。
はずれは少ないはずなのに、クジ運悪く、はずれた…でも、悪運に強く、傍聴券を譲ってもらい、この日も傍聴できました。

今回は、原告側(函館市)の代理人弁護士が、「竜巻による大間原発の危険性」をプレゼン。前回は、「火山の影響の想定誤りによる危険性」でした。

裁判については、函館市のHPに詳しく情報開示されています。

先日、函館市に行ったときに、大間町を訪れ、建設中の大間原発を見てきました。
この大間原発建設工事状況の日付ごろなので、私が遠目から見たのは、この状況です。

函館から大間までは、フェリーで1時間半。

朝9時半に函館港を出港し、11時に大間港着。
夏以外は1日2往復しかないため、帰りは大間港発14時10分に乗船。
超短時間の滞在でしたが、実際に町を歩き、地元の方と少し会話でき、行った価値がありました。
まず驚くのが、大間港から大間原発がくっきり見えること。
見たくないのに見える。人家に近い。それだけでゾッとする。
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写真中央、クレーンの右の白い屋根の灰色と水色の建物が原子炉建屋です。

過去に2回、見たくなくて見えてしまった原発に、ゾッとしたことがあります。
ひとつは、岩内のホテルの窓の真正面に見えた泊原発。
朝、爽やかな気分でカーテンを開けたら、目の前にくっきり泊原発の姿。

もうひとつは、フランスのパリからアヴィニョンに向かう電車TGVの窓から見た、ロワール川沿いに建つベルヴィル原発。
すごい至近距離で、ひっくり返りそうになりました。

この大間原発も、見たくないのに、フェリーに乗るたびに見てしまう近さ。
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西吹山展望台から見た建設現場。
この近くに、「陸(おか)マグロ」と呼ばれる大間牛の牧場がありました。
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のどかな風景です。
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こちらが漁港。マグロ漁船も。
そして、大間崎。
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大間埼灯台の向こう、津軽海峡をはさみ、函館市が見えます。
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大間原発建設差し止め訴訟の第1回口頭弁論で、工藤壽樹市長は次のように意見陳述しています。

福島の原発事故によって、はっきり分かったことは、ひとたび原発の過酷事故が起きると、地方自治体、その地域が事実上半永久的に消え去る事態に陥るということです。……
地震や津波のような自然災害も大きな被害をもたらしますが、まちを再建することはできます。……
戦争もまちに壊滅的な打撃を与えますが、復興は可能です。……
しかし、放射能というどうしようもない代物を広範囲にまき散らす原発の過酷事故は、これまでの歴史にない壊滅的な状況を半永久的に周辺自治体や住民に与えるのです。……
私たち函館市民は、承諾もなく近隣に原発を建設され、いざというときに避難もままならない状況の中に置かれることになります。
自分たちのまちの存続と生命を守るために、この訴訟を起こしたのです。……
世界を震撼させた福島原発事故を起こした我々世代の責任として、最低限立ち止まって考えるべきだということを申し上げたいのです。そのため私が訴えてきたのは、原発建設の無期限凍結なのです。
福島の事故を目の当たりにし、その後の福島の現実を見て、原発に大きな不安を抱く多くの人たちに対し、国や事業者は真摯に向き合い、もっと丁寧な対応をすべきだということを申し上げたいのです。
今はその努力、姿勢が全く欠けていると言わざるを得ません。……


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by k_nikoniko | 2016-10-30 20:50 | 原発・核

「3.11甲状腺がん子ども基金」が設立

9月26日から福島市で、子どもの甲状腺がんをテーマにした国際会議が開かれているそうです。
福島県が福島第一原発事故時に18歳以下だった約38万人に実施している「県民健康調査」では、6月末現在で135人が甲状腺がんだと診断されました。

福島では、子どもが甲状腺がんと告知されても、当事者の子どもも家族も世間の目を恐れて孤立し、患者の家族同士がつながることさえ難しい状況だといいます。
先行検査(2011~2013年)で小児甲状腺がんが確定した福島の子どもは85人、そのうち手術待ちは23人でした。
こうした子どもや家族を支援しようと、「3.11甲状腺がん家族の会」が発足したのは今年3月12日です。

個人的な話ですが、私の身内は3人、がんを告知されています。
当事者でないにしても、生存率が高くても、がんの告知を聞くのは落ち込みます。
何回聞いても慣れるような話ではありません。
誰にも相談できない状況を想像すると、とても胸が痛みます。

小児甲状腺がんと診断された本人や家族は、治療などの経済的負担も大きく、困窮しがちだそうです。
まずは経済的に支援を、と「3.11甲状腺がん子ども基金」が設立され、9月17日に設立記念シンポジウムが開催されました。
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シンポジウムでは、代表理事の崎山比早子さんが、日本甲状腺学会雑誌で放射線被ばくが「甲状腺がんのリスクファクター」の最も高いグレードAであると紹介。

この日本甲状腺学会雑誌(2010年10月)の「甲状腺がんリスクファクター」の部分(特集「甲状腺腫瘍の診療ガイドライン」)は、PDFでネットにアップされています(雑誌の99ページ、PDFの4ページ目)。
Q&A方式で、「甲状腺癌のリスクファクターにはどのようなものが存在するか?」との質問の回答は次の通り。

推奨グレードA:放射線被曝(被爆時年齢19歳以下、大量)は明らかなリスクファクターである。
推奨グレードA:一部の甲状腺癌には遺伝が関係する。
推奨グレードB:体重の増加はリスクファクターである。
これ以外に科学的に立証されたリスクファクターは今のところ存在しない。

このガイドラインによると、科学的に立証されたリスクファクターは、放射線被曝、遺伝、体重増加だけで、これを福島の子どもに適用すると、「放射線被ばく」は最も重要なファクターとしてはずせないということになります。

にもかかわらず、県民健康調査を担当する福島県立医大は「放射線の影響は考えにくい」と主張しています。
しかも、福島県では、甲状腺検査が「過剰診断」との意見も出ており、検査縮小に向けた見直しの動きがでているそうです。


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by k_nikoniko | 2016-09-27 23:51 | 原発・核

「シン・ゴジラ」を観ました

東京に突如出現したゴジラの対応に右往左往する政府。
東日本大震災や福島第一原発事故などでの政府の対応が少しずつ明らかになっている今、その描き方がかなりリアルでした。

”ゴジラ”は実際に現れないだろうけど、災害や有事の際に、この国はこんな対応をするんだろうなぁ、と、フィクションでありながら、現実を突きつけられます。

不測の事態でも、組織のルールにしばられて身動きできない政治家や官僚。
災害にはまったく脆弱な東京という街。
自衛隊の存在のあり方、米軍とのからみ。
アメリカの関与、そして、国際社会における日本の立場。

シン・ゴジラ」では、日本を守ろうと必死に動く優秀な人たちが登場しますが、ノンフィクションでもそういう人たちが活躍するのだろうか…。

この作品、ジェンダーの視点からも興味深いです。

まず、政府など会義のシーンは男性ばかり。政治家も閣僚も男性ばかり。
会議や対策本部の準備でホワイトボードなどを運んでいるのは女性。
そして、お茶を出すのもおばさん(片桐はいり)。

1954年の「ゴジラ」の予告編でも、政府の会議シーンは男性ばかり。
東京の街並みは完全に変わっていますが、60年以上たっても、日本の政治の世界はほとんど変化なしです。

日本側で光っていた女性は2人だけ。

ひとりは防衛大臣。
余貴美子が演じ、自衛隊に出動命令出すときの迫力、やや薄ら笑いするところが怖い。
というか、現防衛大臣と重なります(この作品の製作時には、彼女ではなかったので、もしかしたら、現東京都知事をイメージしていたのかも)。

もうひとりは、環境省の課長補佐(市川実日子)。頭は切れるが、この肩書。

それとは対照的に、アメリカ大統領特使は、石原さとみ演じる女性。
日本人の祖母を持ち、将来の大統領候補という役どころ。

ちらりとしか出てこないけれど、ドイツ人の科学者も女性でした。

意図的なのかはわかりませんが、女性のエンパワーメントがこう描かれています。

最後に、ゴジラは放射能廃棄物を食べて進化し、上陸して放射能をまき散らし、東京を汚染する、という設定です。
脱原発作品、といえなくもありません。
官邸前デモ(「ゴジラをとめろ」とか叫んでました)も一瞬映ります。

これだけのスポンサーで(「協力:電通」ともあった)、こうした作品を上映できるということに、少なからず感動を覚えました。
日本にもまだ、表現の自由があるのだと、安心もしました。


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by k_nikoniko | 2016-09-14 23:05 | カルチャー

19歳女性除染作業員の思い

『週刊女性』2014年3月11日発売号に書いた記事です。
ブログ「おしゃべりな毎日part2」に移動しました。
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女性除染作業員の取材追記(1)
女性除染作業員の取材追記(2)

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by k_nikoniko | 2015-05-07 08:04 | 原発・核

「被爆者の最高の姿を撮りたかった」と写真家の森下一徹さん

昨日は、「世界ヒバクシャ展」主催の「写真家・森下一徹 半世紀の軌跡 ~広島、長崎から世界ヒバクシャ展へ~」トーク&記念パーティーに参加しました。

40年以上にわたって、広島、長崎の被爆者を撮りつづけてきた森下さん。被爆者と初めて出合いを振り返り、次のようなお話をされました。

初めて被爆者を撮ったのは、写真学校を卒業してアシスタントをしていたとき。
原水爆世界大会がはじまって10年目に、原水禁と原水協に分裂したため、カメラマンが足りなくなり、1964年の京都大会に呼ばれたのが最初だった。
そこで、長崎の被爆者・渡辺千恵子さんに初めて会った。彼女が確信に満ち溢れた態度で演説する姿を見て、驚いた。たくましく、美しく、きれいな声で話したからだ。
それまで、被爆者は弱く、みじめな人と思っていた。
千恵子さんが壇上に上がると、ざわざわしていた会場がしんと静まり返った。
それ以来、被爆者をどうとらえたらいいか、考えるようになった。
惨めでかわいそうだから助けなければならない、などと言うのはおこがましい。
自分の写真には、惨めさを出さないで、強さを表現しようと思った。
被爆者の写真を撮りはじめて14年経ち、写真集を出そうと出版社にかけあったが、出版してもらえなかった。
ケロイドや傷をもつ惨めでかわいそうな被爆者の写真でなければ、本にはできないと言われた。
でも、それではだめだ。それでは、被爆者は喜ばないし、観る人に会われ実を求めてはいけない。
結果的に、そう決意して良かった。
写真集が出版されて一番喜んでくれたのは、被爆者だった。

突然、渡辺千恵子さんの髪の毛が抜けてしまったことがあった。お見舞いに行きたかったが、「強そうにしてるけど、女性だから、髪のない姿を写真家に見せたくないだろう」と言って、周囲の人が入院先の病院を教えてくれなかった。
後に千恵子さんにその話をしたら、「どうして来てくれなかったの?」と責められた。
「あれが原爆でしょう。原爆が原因で髪の毛が抜けたのです」と。
それを聞いて、びっくりしてしまった。自分が弱かったと…。
女性だからいやだろう、と思ったが、被爆者はそうではなかった。その姿を撮ってほしかったのだ。とても残念だった。
被爆者にはそういう強さがある。
それから、自分の思い通りに被爆者を撮ってきた。
被爆者は積極的に撮らせてくれた。だから偽りがない。
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by k_nikoniko | 2014-12-15 23:03 | 原発・核

ミナモザの『みえない雲』を観ました

原発事故をテーマにした舞台『みえない雲』を観てきました。

原作は、グードルン・パウゼヴァングの青少年向け小説。
チェルノブイリ事故がきっかけで書かれた作品で、1987年に日本語版が出版されました。

西ドイツで原発事故が起き、家族を失い、自分も被ばくした14歳の少女と、彼女を取り巻く人々、そして、彼女が事故後の社会で生き抜く姿を描いています。
この小説に出てくる原発は架空のもので、少女の身に起こったことも、社会の反応も、すべてフィクション。
ですが、福島原発事故後にこの小説を読んだとき、まるで今の日本社会を見て書いたのではないかと思ったほどのリアル感を抱きました。

今日は、この本を翻訳した髙田ゆみ子さんのトークショーもあり、どんなふうに舞台化されるのか、楽しみに出かけました。

舞台の『みえない雲』は、小説に忠実な演出。
主演の上白石萌音さんが、とにかくすばらしかったです。
体は小さいけれど、ステージでは凛とした存在感。
ラストシーンが、やはり圧巻です。

個人的には、独白シーンは too much でした。時間的にもセリフ的にも。

そして、この舞台を福島の知人に「観てね」とは言えないなぁ、と思いながら観ていました。
10月、11月と、飯館村や楢葉町に行ってきたばかりなので、私には生々しくもあり…。

東京(都会)の人たちによる、東京(都会)の人のための舞台、という印象を持ちましたが、東京の人たちが、福島で何が起こっているかを伝えるには、こうした舞台の力が大きいと思います。
ぜひ多くの人に観てもらいたいです。

世田谷・三軒茶屋のシアタートラムにて、12月16日まで、です!
14日(日)14:00/18:00
15日(月)19:00
16日(火)14:00/18:00

ミナモザ『みない雲』



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by k_nikoniko | 2014-12-13 22:19 | カルチャー

福島市から南相馬へ

福島市から南相馬まで114号線を車で走る。
川俣町では、除染作業のなか下校する子どもたちを見かけた。
飯館村はあちこちに除染袋。人家はあれど、人には出会わなかった。

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南相馬のジュリーのライブで署名。

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終わって福島市に戻ってきました。

ジュリー、反原発歌う 8日、南相馬でコンサート:朝日デジタル



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by k_nikoniko | 2014-10-08 23:50 | 原発・核