フリーライター木村嘉代子のブログです。日々感じたことを綴っています。Copyright(C)2005-2018 Kayoko Kimura
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過去記事ブログを開設しました

過去にメディアに掲載された記事のアーカイブです。
フランスやイギリス情報、美容や恋愛、ジェンダーから、原発、社会問題、サッカーまで、1990年ごろ以降のさまざまな分野の記事を掲載しています、

よかったらご覧ください。

おしゃべりな毎日part2





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by k_nikoniko | 2018-05-11 16:38 | ひとりごと

”首はとられ”ないが社会を変えるフランス政治家スキャンダル

フランスでは、女性スキャンダルで政治家が“首を取られる”ことはないが、こうした騒動は、女性に関する法律や社会を動かすきっかけになることもある。

フランスの大統領フランソワ・オランド氏は、女優ジュリー・ガイエさんとの密会が週刊誌で取りざたされ、バレリー・トリルベレールさんとの事実婚が崩壊した。

こうしたスキャンダルがあると、すぐに話題に上るのが、世論調査。オランド大統領の浮気が発覚した直後も、フランスの世論調査が「浮気に関する意識調査」を行っている。
ミッテラン元大統領が引退後に隠し子が報道されたときにも、まじめな総合誌を含め、マスコミはいっせいに「浮気」をテーマに特集を組み、「浮気」議論でわいたのだ。
ちなみに、今回の「浮気」調査は、1970年からの意識の変化が示されている。もともとフランス人が浮気に寛容だったわけではなく、男女平等が進むにつれて、考え方が変わってきているのがわかる。

ミッテラン大統領の浮気騒動があった90年代当時、浮気された妻の独白をつづった小説がベストセラーになるなど、“耐える妻”の存在がクローズアップされたりもした。
それが直接関係しているというわけでもないだろうが、フランスで婚外子の相続差別がなくなったのは、2001年12月。婚外子の差別が撤廃されたのは1979年だが、相続差別はそのままになっていた。

スキャンダルではないが、シラク元大統領政権時代の1997年から2002年に首相を務めたリオネル・ジョスパン氏の事実婚パートナーが話題になったこともあった。
この期間には、1999年に同性または異性の成人カップルを認めるパクス法、2000年に男女平等政治参画を規定したパリテ法が制定されている。

DVへの対策として新たな法律が制定されたのは、2010年。サルコジ元大統領の前妻セシル・アティヤスさんが夫のDVを暴露したのは、2007年の大統領選挙中だった。アティヤスさんは今年に入り、自叙伝を発行した。

次期大統領候補といわれたドミニク・ストロス=カーンが性的暴行容疑で逮捕されたのは2011年5月。この事件を受け、フランスのフェミニストたちは、新聞紙上で論争を展開した。セクハラ法が改正されたのは、2012年のことである。

オランド大統領の就任後、昨年には同性婚を認める法律が制定された。

日本の政治家は辞職するだけで女性に何の影響も与えない。

日本の政治家と女性スキャンダル
以下のなかには、女性スキャンダルというより、性犯罪も含まれている。
刑事責任を問われるべきケースも、辞職だけですまされているのがほとんど。

1989年
宇野宗佑首相(故人)
愛人だった神楽坂芸者が告発
宇野内閣は直後の参院選で惨敗、首相も史上最短の在任期間で退陣

2000年
中川秀直内閣官房長官、自民党衆議院議員
写真週刊誌等に愛人と一緒に撮影した写真やビデオが掲載される
辞任

2003年6月
筆坂秀世、共産党議員
酒席で女性へのセクシャルハラスメント
党中央委員会から解任、議員辞職

2009年
鴻池祥肇官房副長官、自民党参議院議員
静岡県熱海市に女性と泊りがけのゴルフ旅行に出かける、議員宿舎に女性を招く
辞任

2006年
細野豪志・民主党
山本モナとのキス&不倫旅行

2010年3月
中井洽・国家公安委員長、民主党
銀座ホステスとの路上キス、女性に議員宿舎のカードキーを貸し与える

2011年6月
高橋千秋・外務副大臣、民主党
宿直前に20代女性と深酒し、胸や尻を触るセクハラ行為

2011年8月
筒井信隆・農水副大臣、民主党
30歳下の女性と腕を組んで歩き、マンションに入る不倫疑惑

2011年5月
後藤田正純衆院議員(41)、自民党
ホステスと不倫、2人で議員宿舎にも入っていった
役職を辞め、議員宿舎を引き払う、妻に叱られ

2011年
民主党・伴野豊衆院議員(50)、国土交通委員会委員長
韓国人女性が住む東京・西麻布のマンションに頻繁に“お泊まり”

2013年2月
徳田毅元国土交通・復興政務官
19歳だった女性に飲酒をさせ、泥酔させた上、ホテルで無理矢理性的関係を結ぶ
東京地裁に提訴されたが、女性に謝罪し計1000万円を支払う、辞任

2013年7月
内閣府副大臣・西村康稔(50)、衆院議員
2012年7月、視察に訪れたベトナムで現地のホステスを買春

衆議院議院運営委員長・佐田玄一郎(60)
東京・上野のキャバクラで知り合った女子大生と湯島のラブホテルで1回4万円の援助交際を20回
議運委員長を辞任

2013年8月
山本太郎(38) 参議院議員
隠し子




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by k_nikoniko | 2017-09-07 13:23 | 男と女

北海道新聞セクハラ疑惑事件の第2回口頭弁論

今日発売の『週刊金曜日』のアンテナ欄に北海道新聞セクハラ事件の続報書きました。

仮に「セクハラの事実がなかった」としても、この会社は男女雇用機会均等法セクハラ規定の措置義務に反する、と。

社員への啓発など、「事実がなかった」場合のセクハラ対策を講じていない様子。
新聞社がこれでは困る。

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by k_nikoniko | 2017-01-27 11:29 | ジェンダー

フランス結婚は減少しても少子化に歯止めの理由

フランス国立人口問題研究所(INED)のシンポジウム(2000年)資料から、Henri LERIDON(国立人口問題研究所ディレクター)「家族:崩壊と継続」の一部抜粋です。

家族における進化は2つある。
ひとつは、少子高齢化で、家族構成は再編成されている。
少子化で、兄弟姉妹、従兄弟、義兄弟の数は減ったが、両親、祖父母、曾祖母は減らない。二人の両親、四人の祖父母、八人の曾祖母は変わらないままである。
しかも、高齢化で、これらの縦の関係は延長しているともいえる。
子供たちにとって、同世代の横の関係は縮小しているが、縦の関係は拡大しているのである。

もうひとつは結婚の衰退で、70年代からその現象ははじまっている。
1945年生まれの女性の92%、男性の88%が50歳以前に結婚をしているが、1967年生まれになると、女性の71%、男性の65%が50歳以前に結婚し、30~35%が未婚という計算になる。
この未婚率の高さは、結婚制度が成立して以来、前例のない数字である。

離婚は増加し、1980年には結婚したカップルの3分の1が離婚している。
婚外子も増加し、1997年の出生数のうち、40%が結婚していないカップルから産まれた子供である。
これらもまた、結婚制度が成立して以来初めての現象である。
25歳以下の子供を持つ片親家族も増加している。そのうち、母子家庭が圧倒的で、85%を占める。

ただし、結婚の減少が、独身者の増加とはならない。
結婚以外の方法で、男女関係を築く、新しいカップル生活が生まれているのである。
カップルで生活する人のうち、同居から始めた人は、1968年の15%から、1988年の90%に上昇している。
1994年の調査によると、20~49歳の男性の51%が「既婚」、20%が「同居」、8%が「安定した恋人がいる」、21%が「恋人がいない」という結果になった。
男性の場合、同居の多い年齢は、25~29歳で33%。30歳以降は、結婚が5割を越す。
女性の場合、20~49歳の女性の56%が「既婚」で、18%が「同居」、8%が「安定した恋人がいる」、18%が「恋人がいない」。

同居と結婚の関係をみると、同居が5年続いているのは48%、籍を入れたカップルが30%、22%が崩壊。
10年前に同居を始めたカップルの場合、47%が結婚し、21%が同居を維持している。
20~49歳の男性で同居の経験がないのは21%。
同居相手の数は、63.8%が1人の相手、2人以上相手が変わったのは14.6%。
女性は、同居未経験者は14.6%、1人と同居が72.5%、2人以上が12.9%。

もうひとつの特徴として、カップルになった段階では、子供が介入してこないことがあげられる。
パートナーとの時間を最も重視し、二人の生活を楽しもうとする。
そして、子供を持つと決心した段階で、結婚へと移行するケースが多い。
ただし、子育ては物質的な問題だけでなく、カップルの関係維持の点においても難しい。
それが、子供を作るのをためらう理由になっている。


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by k_nikoniko | 2016-11-28 09:42 | 男と女

フランス女性もうらやむスウェーデンの育児対策

ヨーロッパで最も育児政策が充実しているのはスウェーデン、というのは、フランスでもたびたび語られる。
1999年の女性誌では、「スウェーデンの政策をフランスに導入できるか?」と問いつつ、スウェーデンの育児政策を取材して記事が掲載された。

スウェーデンには行ったことがないためよくわからないが、サッカーのサポーターのかなり無礼な態度に接し、唖然としたことがある。
レディファーストの習慣はあまりないのかも?
男女同権だから、といわれれば、納得できないわけでもない。

以下、フランスの記事の翻訳です。

先月、スウェーデン出張のため空港へ向かっているとき、先方の秘書から携帯に電話が入った。会議のキャンセルしたいという社長から申し出だ。社長の子供が熱を出して学校を早退することになったが、妻は仕事を抜けられない。仕事中の妻に代わって、父親である自分が面倒をみなければならない、と言うのだ。
フランス人にしてみれば、「超現実主義者」といえるが、スウェーデンでは違う。民主主義と男女平等が結びつき、男女の権力と責任が分担されている国スウェーデンでは、25年前からこういうことが珍しくないのだ。

国会の44%、市町村議会の41%、県議会の48%が女性で、20の大臣のうち11人が女性であり、政党のほとんどが男女同数であるスウェーデンは、世界で最も男性社会ではない国である。
スウェーデンでは、25~55歳の女性の80%が働いている。
1995年までは、アイルランドの次にヨーロッパで出産率が高かった。このところの不景気のため、1990年の2.1人から1.5に減少した。
女性が仕事と家庭の両立が、スウェーデン政府の優先目的であり、国家予算も明確だ。スウェーデンの法律は、働く母親のためにあるのだ。
スウェーデンでは、子供1人につき年間60日間の有給休暇(給与の80%を支給)が認められている。男性も、子供の病気の場合、会社を休む(年間平均7日)。
育児休暇はほぼ完璧だ。給与の80%支給が11ヶ月あり、子供が8歳になるまで分割して休みをとることができる。カップルの仕事の状況に合わせて、休暇を取得する自由がある。
唯一決められているのは、有給休暇の60日間のうち、30日を父親、30日を母親がとらなければならないことである。スウェーデン人の多くが、11ヶ月の育児休暇を取得している。
政府の奨励もあり、男性も次第に育児休暇をとるようになっている。1998年には、30%の男性が1ヶ月から半年の育児休暇をとった。

保守党の若い女性議員は、「育児政策のおかげで、少しずつ考え方が変わった。女性は、仕事か子供かの選択をもはやする必要はない」と言う。
4歳と2歳の子供を持つ33歳の彼女は、完璧なモデルといえる。政治の世界に入る以前、男性社会の本拠地ともいえる海軍の長官だった。それでも、二人の子供を出産し、キャリアを犠牲にすることなく、出産休暇を利用した。
議員に選出されたとき、同じく海軍に勤務していた夫は、朝7時30から15時30のパートタイム勤務を選んだ。そうすれば、子供を迎えに行き、夕飯の世話ができるからだ。

広告デザイン会社を経営している35歳の女性は、11歳、4歳、2歳の3人の子供を持つ。第一子のときは出産休暇を11ヶ月とったが、後の二人の子供は、広告代理店の社員である夫と育児を分担した。二人でやりくりを続けている。週2回、夫は15時30に退社するので、彼女は夜遅くまで仕事をすることができる。

スウェーデン人は、他のヨーロッパ人よりも仕事と育児をうまく両立しているのだろうか?
ストックホルムに住むフランス人によると、ストレスが少ないという。
「この国は子供に優しい。家庭生活が社会と結ばれている。8時~17時という就業時間は、学校の授業時間に合わせてある。19時には、すべてのスウェーデン人が家族一緒に夕飯をとる。ベビーシッターを雇う人は少ない。この国では特に、母親というイメージが満足感を与えるものとみなされている。家庭生活が社会生活に完全に一致しているのだ。レストランでは、ビジネスランチをしている男性のすぐ横で、子供をベビーカーに乗せた女性が食事をしている。パリの有名レストランではありえない話だ」

スウェーデンは完璧なのだろうか?
いやそうでもない。「もっとよくなるはず」とスウェーデンの女性は要求している。男性はワイシャツのアイロンをかけるようになったが、民間企業の責任あるポストについているのは男性である。男性は女性より平均で15~20%給料が高い。
「組織は男性社会のままだ。その結果、大半の社長は重要なポストに男性を選ぶ。一方、女性の多くは、弾圧を恐れて地位を要求しない」とある女性は言う。

実際、80%の働く女性は、パートタイムで働き、伝統的な職種にとどまっている。
知っての通り、スウェーデンはヨーロッパで最も税金が高い。3/4の勤務時間であれば、フルタイムより課税の面で有利だ。
無料の幼稚園は存在しない。1~6歳の子供は託児所に入るが、その費用は、国家が約70%を負担し、残りは収入に応じて決められる。
つまり、収入が少ないほうが税金や託児所の費用が少なくなるのである。

重要なポストにつくスウェーデン人であっても、他のヨーロッパ諸国に比べて時代遅れのところもある。ベビーシッターや家政婦(政府から何の援助もない黒人が多い)を雇うのは、スウェーデン社会ではよく見られない。
また、「排除的な」スウェーデンでは、企業が多忙なエリート管理職に加担するケースもみられる。ベビーシッターや家政婦の料金を、労働者が負担するよう、契約の際に交渉することも可能だ。男女の社員に、育児休暇の補助金の80%の加算を求める企業もある。

フランス人の目からすると、次のように見える。
将来母親になる可能性のある女性は、企業にとって心配の種であり、その代償としてお金を徴収されている。
若い母親に対し、育児休暇後に同じポストと同じ給料で復職させないなどという、法を守らない雇用者に気をつけなければならない。
「問題をはらんだ防御策だ。最近、管理職の女性のひとりが、1年間の休暇後に電話をかけてきた。『来週仕事に復帰する』と。彼女の代理で働いていた人は、その女性と同様に有能なのだが、私には選択の余地がない」


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by k_nikoniko | 2016-11-27 10:15 | ジェンダー

北海道新聞セクハラ疑惑の民事裁判初日

本日11月4日10時より、函館地方裁判所で傍聴。
北海道新聞函館支社のセクハラ疑惑の民亊裁判の初日だった。

当時、同支社の嘱託看護師だった女性が同社男性社員2人からセクハラ行為を受け、同社が適切な対応をしなかったなどを理由に自殺したとして、遺族が訴えている。

セクハラ事件はとても難しい。

まず、わいせつな行為は、人が見ていないところ、人がいても見ていないとき、に行われる。
そのため、目撃証言がなかなか得られない。
加害者とされる側は当然、「目撃者がいないのに、そんな事実は認められない」と言い張る。

そして、酒の席での無礼講はある程度許される、と考える人が多い。
男性だけでなく、女性も、酔っぱらうと、超えていい境界線のハードルが下がる。
酔った勢いでのボディタッチは、する側もされる側も、それを見ている側も、「このぐらいOKじゃん、酔ってるし~」みたいな雰囲気になったりする。
”笑ってがまんしている”女性に、酔っぱらってハイになっている周囲は気づかない。

たとえ目撃者がいたとしても、なかなか名乗り出ない。
面倒なことに首を突っ込みたくない、からだ。
それほど仲のいい人でもないのに、自分を犠牲にしてまで、助けたいとは思わない。
これまた、理解の範囲内の心理。

最悪だが、よくあるのは、何がセクハラ(女性が嫌がる行為、発言)なのか、男性はわかっていない。
自分の行為や発言が、相手を傷つけていると気づかない。
男性が多い職場で、かつ、そこで働く女性は野心や出世欲が強い職場の人は特に、デリカシーに欠け、女性の微妙な心理がわからない。

私もその種の仕事を長くやっているので、そうした行為、発言にときどき出くわす。
いちいち気にしていたら、仕事にならない。
女性の心理など、なよなよしたこと言うな、みたいな。
だから、やりすごしてきた。が、大きな間違いだった。
やりすごしてきたから、いまだにこうした行為や発言がつづいているのだ、と。

セクハラや性暴力の被害者が亡くなっている場合、「死人に口なし」をいいことに、相手側は好きなだけ自分の弁護ができる。
現世で辱められ、命を断ってもまだ、蹂躙される。
どれだけ悔しいか。

今朝の函館は気温3度。11月にしては早すぎる冬の寒さ。
そしてもうすぐ、今年もまた、忘年会の季節がやってくる。
彼女がセクハラを受けたとされるのは、2年前の12月、忘年会でのことだった。

関連記事はこちらです。
社内のセクハラ被害で自殺 『道新』の対応を民事提訴(『週刊金曜日』2016年8月26日号)
問われる『道新』の企業責任(『週刊金曜日』2016年3月18日号)
形骸化した「男女雇用機会均等法」実効性の実態(『週刊金曜日』2015年12月25日号)
Sexual harassment at bōnenkai, inept handling, a suicide(『The Japan Times』2015年12月9日 邦訳)


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by k_nikoniko | 2016-11-04 23:10 | ジェンダー

過去の調査結果でも女性は「ずっと仕事をつづけたい」と

先週、「『子どもができても、ずっと職業を続ける方がよい』と答えた人が54.2%に上り、1992年の調査開始以降、初めて半数を超えた」とのニュースが流れました。
10月29日に内閣府が発表した「男女共同参画社会に関する世論調査」結果です。

これに対し、内閣府の担当者は、「『社会の意識が変わってきた可能性がある』と分析」(東京新聞)、「『女性が働くことへの理解が広がってきた』とみている」(朝日新聞)とありますが、なんだか寝ぼけた発言。これが”分析”なのか、とも思います。

まったく腑に落ちないので、手元にある『昭和家庭史年表』をぱらぱらめくってみました。

1976年11月5日、内閣広報室の調査によると、「男は仕事、女は家庭」に同感しない者40%、女性が仕事をもつことが地位向上につながるという意見に59%が肯定。

回答の男女比はわかりませんが、40年前には、4割が「男は仕事、女は家庭」に否定的で、女性の社会進出での地位向上に約6割が肯定的だったようです。

この調査を尊重し、女性の活躍を意識した政策を行っていたら、いまごろは本当の意味での「女性が輝く社会」になっていたかもしれません。
「女性の活躍」というフレーズを聞くたびに、最近は腹立たしさを覚えます。

結局、どんなに調査結果が変化しても、政策には反映されず、そして、その調査結果をただ報道しただけでは、女性の働く環境は変わらない。
ということです。

私が就職したころの1978年、「女性の労働人口は2,010万人で全労働の37.4%」(総理府、初の『婦人白書』)だったそうです。

1980年1月3日、総理府の「婦人に関する世論調査」によると、「1人立ちできれば結婚しなくてもよい」「子どもができても仕事を続ける」女性が合わせて23%。前回(1973年)の倍。

1984年9月、総理府が行った「婦人に関する世論調査」で、男女の地位が「平等になっていない」と思う者73.9%、自立できれば結婚を望まない女性が3割を超える。

こうした女性たちの声はなぜ、いまのいままで、反映されないままなのでしょう。

もっとさかのぼって、面白い調査結果を発見しました。

1948(昭和23)年の「職業婦人に関する世論調査」(内閣府広報室)です。
東京23区内で働く1,724人(回収率98.9%)に個人面接質問法で実施。
この前年9月に、男女同一労働同一賃金などを規定した、労働基準法が施行されたのを受けて行われたようです。
1950(昭和25)年の女性の労働人口は1,416.9万人で女性総数の48.7%(2010年国勢調査「労働力状態」)。

その結果によると、約7割が仕事に興味を持ち、13.5%が「できれば一生つづけたい」と回答しています(「結婚するまで」が34.9%、「結婚しても子どもができるまで」が4.7%)。

そして、「現在の社会状態では家庭に入っても婦人が勤めにでることができるでしょうか」の設問に、「できる」が38.4%、「できない」が41%。
できない理由は、「育児」6.7%、「家事など」25.8%、「体が続かない」1.3%、「家庭生活がつまらなくなる」6.0%、「その他」1.2%。

つまり、「家庭が大事」という理由で仕事ができない女性は6%(家庭生活がつまらなくなる)でしかなく、育児や家事など女性の役割分担による理由が大きいということではないでしょうか。

70年ほど前の世論調査で、女性の働きにくさは明らかになっているのに、延々と同じことを繰り返す日本。

今年発表になった調査結果を、単なる調査結果で終わらせたくないですね。


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by k_nikoniko | 2016-11-03 21:20 | ジェンダー

BBCが雇用の多様性戦略で”白人の男性”を解雇

イギリスのBBCラジオのプレゼンターが、「”女性とアジア人を増やす”というBBCの雇用多様性戦略で、”白人で男性”の自分がクビになった」と訴える記事を見つけました。
この記事を読み、「女性でアジア人」の私としては、2つの意見が交錯。

ひとつは、「白人の男性であるのは、自分のせいではない(no fault of my own)」と彼は言うけれど、”自分のせいではない”肌の色や性で、これまでどれだけの人が、”白人の男性”に差別されてきたかを考えたら、その言い分はセコい、という気持ち。
このプレゼンターが悪いわけではないけれど、”自分のせいではない”肌の色や性で差別されるのは屈辱だということを、”白人の男性”も知るべき、という冷やかな感想がひとつ。

もうひとつは、仮にだけど、この男性がクビになり、その代りに「女性でアジア人」の私が採用されても、喜べないな、という思い。
単に「女性でアジア人だから」との理由で仕事をもらっても、うれしくない。
実力を買われたわけではなく、お情けなら、逆に屈辱的。

イギリスでは、テレビや新聞などジャーナリズム業界の男女や人種の偏りが問題になっているようです。

今年3月に発表された、ロンドンシティ大学の調査によると、「イギリスのジャーナリズム業界では、94%が白人で、55%が男性。男女の賃金格差は大きく、そこに暮らす他の民族の声は取り上げられていない」という結果になったそう。
でもね、「55%が男性」ということは、「45%は女性」ということで、それだけでも、日本より数段良いと思ってしまいました。

この調査の完全版に、「経験年齢別の女性が占める割合」が載っていました。

経験30年以上:女性33%
経験21年以上:女性42%
経験11~20年:女性46%
経験6~10年:女性52%
経験3~5年:女性50%
経験2年未満:女性65%

この数字を見ただけで、単純にうらやましくなります。
とりあえずジェンダー問題だけで言うと、女性が多ければ、取り上げるテーマも変わるし、視点も変わるし、報道の内容も変わると思うのです。
それと、経験30年以上は50代なので、その世代に女性が3割いるというのも、報道の内容に大きな影響をおよぼすはず。

ちなみに、日本のメディアでは、「雇用の多様性」がほとんど話題になっていません。
ググっても、ヒットしませんでした。

女性の割合は、少し古いのですが、2011年の内閣府男女共同参画局がまとめた「メディアにおける女性の参画に関する報告書」を参考まで。

新聞関連が26.8%、放送関連が25.9%。出版関連は50.5%。

年齢別の女性の割合は、新聞・放送・出版の総計で次の通り。

60代以上:女性13.2%
50代:女性15.6%
40代:女性24.5%
30代:女性33.0%
20代以下:女性49.6%

出版は比較的女性が多いので、新聞・放送に限れば、全体的に女性の割合は減り、特に50代以上の割合はぐっと下がると思います。

BBCの多様性戦略、「女性やアジア人」を優先するやり方が必ずしもいいとはいえないかもしれないけれど、日本の場合、そのぐらいの荒療治をしないと、ず~とこのまま、女性の声が届かない状況がつづくような気がします。


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by k_nikoniko | 2016-10-15 08:03 | メディア

「シン・ゴジラ」を観ました

東京に突如出現したゴジラの対応に右往左往する政府。
東日本大震災や福島第一原発事故などでの政府の対応が少しずつ明らかになっている今、その描き方がかなりリアルでした。

”ゴジラ”は実際に現れないだろうけど、災害や有事の際に、この国はこんな対応をするんだろうなぁ、と、フィクションでありながら、現実を突きつけられます。

不測の事態でも、組織のルールにしばられて身動きできない政治家や官僚。
災害にはまったく脆弱な東京という街。
自衛隊の存在のあり方、米軍とのからみ。
アメリカの関与、そして、国際社会における日本の立場。

シン・ゴジラ」では、日本を守ろうと必死に動く優秀な人たちが登場しますが、ノンフィクションでもそういう人たちが活躍するのだろうか…。

この作品、ジェンダーの視点からも興味深いです。

まず、政府など会義のシーンは男性ばかり。政治家も閣僚も男性ばかり。
会議や対策本部の準備でホワイトボードなどを運んでいるのは女性。
そして、お茶を出すのもおばさん(片桐はいり)。

1954年の「ゴジラ」の予告編でも、政府の会議シーンは男性ばかり。
東京の街並みは完全に変わっていますが、60年以上たっても、日本の政治の世界はほとんど変化なしです。

日本側で光っていた女性は2人だけ。

ひとりは防衛大臣。
余貴美子が演じ、自衛隊に出動命令出すときの迫力、やや薄ら笑いするところが怖い。
というか、現防衛大臣と重なります(この作品の製作時には、彼女ではなかったので、もしかしたら、現東京都知事をイメージしていたのかも)。

もうひとりは、環境省の課長補佐(市川実日子)。頭は切れるが、この肩書。

それとは対照的に、アメリカ大統領特使は、石原さとみ演じる女性。
日本人の祖母を持ち、将来の大統領候補という役どころ。

ちらりとしか出てこないけれど、ドイツ人の科学者も女性でした。

意図的なのかはわかりませんが、女性のエンパワーメントがこう描かれています。

最後に、ゴジラは放射能廃棄物を食べて進化し、上陸して放射能をまき散らし、東京を汚染する、という設定です。
脱原発作品、といえなくもありません。
官邸前デモ(「ゴジラをとめろ」とか叫んでました)も一瞬映ります。

これだけのスポンサーで(「協力:電通」ともあった)、こうした作品を上映できるということに、少なからず感動を覚えました。
日本にもまだ、表現の自由があるのだと、安心もしました。


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by k_nikoniko | 2016-09-14 23:05 | カルチャー

フランスDV夫殺害の女性の減刑が大々的な支援で不利に

フランスで、DV夫を殺害した女性の仮出所をめぐり、大きな話題になっている。

ジャクリーヌ・ソヴァージュさん(68歳)は、47年の結婚生活で暴力をふるいつづけた夫を殺害し、2015年に禁固10年の刑が確定した。
彼女の境遇に同情を寄せ、情状酌量を訴える支援運動が広がり、仮出所を求める署名は43万筆集まった。
2016年1月にはフランソワ・オランド大統領が「恩赦」を発表し、すでに3年以上を服役しているソヴァージュさんは、4月中旬に釈放される見込みだった。
しかし、8月12日、刑罰適用裁判所は、ソヴァージュさんの仮出所請求を却下。

その理由は、「メディアでの大々的な支援キャンペーンでソヴァージュさんの被害者意識が高まり、加害者としての反省に欠ける」といったものだった。
「ソヴァージュ事件のメディアでの報道」は弁護士や支援者たちが画策でもあり、それによって大統領の恩赦を引きだしたが、皮肉にも受刑者の出所に不利に働いたというのだ。

”人権”、そして”愛”の国といわれているフランスだが、この国でもDVは深刻な問題だ。
それ自体への関心もさることながら、今回の事件で私が最も驚いたのは、メディアを使った支援運動が、女性の減刑の妨げになったという点。

日本でもDV夫が原因の殺害事件は日々起こっているが、暴力に耐えつづけた末に夫を殺害した女性を支援する動きが、大きくメディアで報じられることはほとんどない。
ましてや、そうした支援運動に心を動かされ、首相が恩赦を与えるなど、たぶんありえない。

ソヴァージュさんは、15歳で結婚して以来、夫から殴られつづけ、娘たちも強姦され、息子も虐待されていた。
2012年9月、息子が自殺した翌日に、彼女は夫の背中をライフル銃で3発撃ちこんで殺害した。

2014年10月に禁固10年の刑を言い渡され、2015年12月の 控訴院でも「正当防衛」の主張が棄却された。
この12月の判決の後、ジャクリーヌさんの娘は、フランソワ・オランド大統領に母親の恩赦を陳情。
「10年の禁固刑は不当」と訴え、著名人らが支援会を立ち上げ、約150人の賛同人を集めた。政治家も右派左派にかかわらず、ソヴァージュさんを支援。
仮出所を求めて、43万筆の署名が集まった。

オランド大統領は、1月29日にジャクリーヌさんの娘と会談し、1月31日に恩赦を発表。
大統領の恩赦は、釈放後の「危険性」について心理学の専門家などからの審査を経て、条件付き(たぶんGPS監視のもと)仮出所を即時請求できるというもの。

ソヴァージュさんは2月初旬に、「危険性」の審査を受けるために、別の刑務所に移動させられていた。
この審査で、彼女に”不利な意見”が出たといわれ、「彼女にはいまだ精神的なサポートが必要」と判断された。

そして、「この事件がメディア化され支援さたことで、ソヴァージュさんは犯罪者という状況から一気に被害者として有利な立場になり、罪の意識を忘れてしまっている」との理由で、仮出所が却下された。

この決定に、弁護士や専門家、そして多くの支援者たちは騒然となった。
ソヴァージュさんの弁護士や刑務所管理者、多くの専門家は、「彼女は何の危険性もなく、常習犯の恐れもない」と主張している。

この決定を受け、ソヴァージュさんは、「自分への司法の嫌がらせに疲れ果てた」と弁護士に述べ、再請求をあきらめる意向を示した。
しかし、8月21日(日)に仮出所の再要請を行ったという。8月22日が要求手続きの期限だった。

「メディアの過剰報道が不利に働いた」との指摘から、ソヴァージュさんの支援会は、公開活動を縮小することを決めたという。

ソヴァージュさん自身はこれまでメディアで何の発言もしておらず、支援者たちはインタビューやテレビ出演を自粛することを発表した。
9月10日にパリで予定されていた集会も中止する。

ただ、仮出所却下が決まった翌日の8月13日にはじまった署名だけは継続するという。
署名は、8月22日19時現在で242000筆以上集まっている。

今回の事件がきっかけで、正当防衛の適用範囲を見直す議論も巻き起こった。
ソバージュさんのように、長年繰り返された暴力に対して相手を殺害した場合は、フランスの法律上の正当防衛に適合しないため、家庭内暴力の被害者へも拡大するよう、女性の人権団体などが訴えている。

ジャクリーヌ・ソバージュ事件について、日本語の記事はこちら。
暴力夫を殺害した女性受刑者に恩赦、仏大統領(AFP)
47年間の忍耐の末に…。(オヴニー・パリの新聞)


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by k_nikoniko | 2016-09-01 23:06 | ジェンダー