フリーライター木村嘉代子のブログです。日々感じたことを綴っています。Copyright(C)2005-2018 Kayoko Kimura
by k_nikoniko


「黄色いベスト」高齢者介護施設の組合が賃上げを求め政府に警告

フランスの高齢者介護士の組合は要求の回答がなければストを打つ、と政府に警告しました。
邦訳が届いたので、アップします。

「一触即発の状態」に対して緊急措置を取るよう、介護士組合が合同で政府に警告した。

高齢者介護士合同組合連合(CFDT, CFE-CGC, CFTC, CGT, FA, FO, FSU, Solidaires, UFAS, UNS)および高齢者介護責任者管理協会は、「国家から無視された」と12月20日の記者会見で訴えた。全国7300の老人ホームで働く介護士を束ねる組合代表が大統領に接見要請をしたが拒否されたという。

「2017年10月からマクロン氏に3通の手紙を出した。11月28日、大統領府の名前で回答が来たが、『状況に注意している。協議中だ』とだけ書いてあった」。昨年5月末になされた未曾有のデモの後、2019年から2020年にかけて3億6千万ユーロの追加予算を与えるという発表があった。およそ10の組合組織は、この措置を不十分だとし、数千人の雇用を創出するとともに、即時賃上げの「緊急措置」を要求した。

「1月初めから集会を重ね、関係者の要求を整理し、その結果を1月31日に大統領府に通告する」と組合代表は述べる。具体的な回答がなければ、ストライキを打つと脅す。フランス全国の老人ホーム関係者(介護士と所長)の3分の1が行った昨年12月30日のストから数えてちょうど1年の節目に当たる日を、大統領の回答期限日に設定した。

昨年のストライキから約1年経ったが、状況は変わっていない。彼らの怒りも衰えない。「我々は倫理的問題に苦しんでいる。このような悪い条件で働かされる中、老人への暴力をどうしたら避けられると言うのか」と問いかける。結果、病欠する介護士数の急激な上昇、半分以上で代替が利かない状況、見捨てられたという抜き差し難い感情が職場を支配する。40パーセントの老人ホームは医師不在の状態に置かれていると言う。


# by k_nikoniko | 2018-12-21 09:17 | フランス

「黄色いベスト」警官の怒りを鎮めるために未払の残業代支給を検討

フランスの警官の抗議への政府の対応について、抄訳が届いたのでアップします。

過労により「疲弊した」警察官の怒りを受けて、2億7千4百万ユーロの残業代支払いスケジュールを政府は練り上げ始めた。「毎年、およそ300万時間の残業が行われている。残業すべての支払いをするための費用は2億7千4百万ユーロに上る。これから決めるスケジュールに則って、残業代支払いがなされることを私は確約する」と内務大臣付き副大臣が述べた。

「これらの残業代はここ数ヶ月や一年間で累積されたのではなく、数十年間の積み重ねだ」と内務大臣が火曜に述べたばかりだ。

三つの警察組合、Alience, Unité-SGP-FO、UNSA-Policeと開始された話し合いは火曜夕方、いったん打ち切られ、水曜に再開される。結果を待ちながら、「警察署を閉めよ。すべての警察官に告ぐ。緊急事態以外には警察署を出るな」というAlienceの呼びかけにUnité-SGP-FOも合流した。

それ以外に「黄色いベスト」のデモ中に動員された警官に300ユーロの手当を与える方向で政府は、2019年国家予算を審議中の国会に補正予算案を提出し、火曜から水曜への夜間に可決された。この手当の費用は合計3千3百万ユーロに上る。11万1千人の警官が受給するこの手当の措置は叩き台であり、最終的に受給する警官と憲兵の数については議論中である、と内務大臣付き副大臣が述べた。







# by k_nikoniko | 2018-12-19 21:12 | フランス

「黄色いベスト」に続きフランスの警察官が労働条件の不満でデモ

フランスからルモンド紙の記事の翻訳が届いたので、投稿します。

フランスの警察官が、労働環境と給与に抗議して、デモを行うという報道です。

「黄色いベスト」の抗議デモが沈静化に向かう一方、新たなタイプのデモが政府を襲う。労働条件と給与に不満を持つ警察官の反抗である。

警察の三大組合はそれぞれ独立に、示威行為を近日中に行うと発表した。Unité SGP-Police-FOは「黄色いベスト」による週末デモに呼応する形で12月15日(土)の宣言ですでに、一月に行うデモの準備を始めている。Alience Police nationaleは19日(水曜)に警察署を閉じ、緊急の場合以外は応じないよう警察官同僚に要請した。UNSA-Policeは12月8日以降、軽犯罪は取り締まらず、「最小限の任務」しか果たさないと発表した。

警察官のほとんどが組合に組織されている状況で、これら抗議声明は重い意味を持っている。12月始めに行われた組合選挙において、これら三つの組合は合計で全得票数の80パーセントを得ただけでなく、投票率も80パーセントを超えていたからだ。

内務省は要求内容にも困惑を示す。要求が盛りだくさんなだけでなく、予算が苦しく、要求すべてを満たせないからである。支払いの遅れている2300万時間の残業代を警察官は要求する。法で定められた休日も休めず、毎日働かせられている警察官にとって、この多大な負債は労働条件のシンボルになった。年末を迎え、ただでさえ疲労した警官は「黄色いベスト」危機のせいで、さらに酷使された。その上、ストラスブールのテロによる残業が重なった。残業代の全額支払いがすぐには無理でも、支払い開始はすぐに始めよと組合は要求する。

怒りは給料にも集中する。「黄色いベスト」デモの警備に動員された警察官には特別手当てを出すというマクロンの措置が不十分だと言う。15万人いる警察官のうち、この手当てを受けるのは8万人にすぎない。「こんなことで怒りは収まらない。手当てで警察官は誤魔化されない」とUnité SGP-Police-FO代表は述べ、警察官全員に1月1日付けで115ユーロの給与ベースアップを要求する。

最低賃金の労働者に対するマクロンの約束と呼応した要求も出された。「黄色いベストの怒りを和らげるために出した政府の提案を知り、現場の警官は不満を募らせる。何故なら警官には何も与えられないからだ」とAlience Police nationale代表が言う。「国家を守る最後の砦として警察官は頑張った。負けなかった。具体的な報酬を警察官は期待している」。

給料だけでなく、警察官の労働条件についての包括的な検討を組合は要求する。不十分な物的および人的条件の下で警察官は任務に就く。機動隊即時強化の要求はその一例だ。「黄色いベスト」デモの期間に従事した60部隊のほとんどにおいて、任務に就けなかった機動隊員は25人から30人に上った。

12月18日に内務大臣と主要な組合との話し合いが始まる。今のところ、組合はそれぞれ別個に要求を連ねている。しかし、これから組合が結束すれば、事態は一変するだろう。デモ参加者の暴力に対抗して警察官は団結した。しかし低賃金で働く警察官は内心、ロータリーを封鎖するデモ参加者の気持ちがわかると心情を吐露する。

「ほとんどの警官は黄色いベストの知り合いがいる。彼らの反対側に毎日いるのは苦しい」と警察側も認める。今のところはデモ隊に加わった警察官は報告されていない。警察官は個人的に私服でのデモは許されているが、制服を纏ったままではデモに参加できないのである。

しかし、このタブーはすぐに破られるかも知れない。年始すぐに、彼らの要求が満足されなければ、統一デモを1月26日に行うよう、Unité SGP-Police-FOはすべての組合に呼びかけた。


# by k_nikoniko | 2018-12-18 23:30 | フランス

マクロン陰の顧問サルコジ(ルモンド紙 2018年12月11日)

「テレビ演説前にマクロンは前大統領のサルコジと会談」記事の抄訳が届いたので、アップします。
7日に、マクロンの要請でサルコジがエリゼ宮を来訪し、昼食を共にした。先週土曜の「黄色いベスト」のデモ前日のことだ。そして、デモを取りやめてくれるように購買力上昇のための政策を示したマクロン演説の三日前のことである。

マクロンの決定にサルコジは確かな影響力を持ち、今回の演説の「共同執筆者」だとまでマクロン側近の一人は言う。しかし、サルコジの周囲は「そんなことはまったくない」と否定する。「サルコジは政界と距離を置いている。民主主義のために前任者の経験を分かち合っただけだ。大切なのはフランスだ」。「マクロンのミスで生じた火を消すために、前大統領が現大統領と話すのはいいことだ」。「異常なのは、2012年から17年までオランド大統領が我々の助言を聞かなかったことの方だ」と元内務大臣は述べる。彼も現内務大臣と来週会談を持つ予定である。

大統領側もサルコジとの会談事実を認める。他の政敵と異なり、今回の危機に際してサルコジはまったく口を閉ざしていた。それが会談を導いた。

しかし大統領の党、特にその左派はマクロンとサルコジの接近を危惧する。「より多く稼ぐためにより働けと言うサルコジの助言に耳を貸し、マクロンと同様、フランス人の一部から嫌われながらも支持基盤を維持した前任者のやり方から学ぶこと自体は問題でない。しかし、アイデンティティと移民問題に関してサルコジと同じラインを採用してはならない」。


# by k_nikoniko | 2018-12-13 19:12 | フランス

ピケティ解説「黄色いベスト」:ルモンド紙2018年12月8日朝刊

政権を救いたければ、マクロンは即座に富裕税(ISF)を復活させなければならない。その収入は、燃料税の上昇で一番苦しんでいる者の損失補完に当てられなければならない。

「黄色いベスト」危機はフランスだけでなく、ヨーロッパに重大な問いを投げかけている。つまり税制上の公正である。事実・歴史・政治に関する一連の過ちを現政権は犯した。この過ちはすぐに修正すべきであるし、それは可能である。

富裕税は富裕層資産の外国逃避を引きおこす。それを避けるために富裕税を廃止したとマクロンは正当化してきた。しかしこれはまったく事実に合わない。1990年以来、富裕税を申告する人数、そして額は連続的に、また驚くほど上昇している。これは富裕税が課せられる層すべてに見られ、特に最も富裕な層に当てはまる事実である。

1990年から2017年の期間に10億ユーロから40億ユーロへと富裕税徴収額は膨らんだ。同期間のGDPは二倍になっただけだ。富裕税を課せられる条件が最初1990年には資産60万ユーロ以上の世帯だったのが、2012年には130万ユーロに上げられた(つまり課税される層がより高くなった)。それでもこの数字だ。

この税金の徴収に関する監査は従来からずっと不十分だった。通常の所得税の場合は税務署が収入を事前に把握し、収入申告書にすでに額が記入されている(フランスでは源泉徴収がなされず、各自毎年申告します。小坂井注)。しかし、このやり方が富裕税には一度も適用されてこなかった。必要な情報を税務署に知らせることは銀行にとって何も難しくない。2012年には300万ユーロ以上の資産に関しては詳細を申告する必要が無くなり、単に資産総額を記入するだけでよくなった。これでは監査のしようがない。

税務管理がしっかりしていれば、富裕税の徴収額は今日100億ユーロ以上に上るはずだ。固定資産税の増額が400億ユーロに上る事実から考えても、それは驚くことでない。監査不十分な現状であっても、富裕税は1990年から2017年にかけて10億ユーロから40億ユーロへと増加したのである。このまま富裕税を維持していれば、2022年には60億ユーロ近くまで増えたことだろう。富裕税が廃止され、そして代わりに不動産富裕税(IFI:不動産だけに課税される資産税)が導入されたが、それにより徴収額は2018年に10億ユーロに減った。つまり30年後退し、現在から2022年の期間で少なくとも50億ユーロの減収を意味している。

政府の犯した誤りの二つ目は歴史理解だ。時代錯誤の判断をした。米国と英国は1980年代に累進課税の原則を次第に壊した。そして1990年代および2000年代初期にはヨーロッパもその動きにならった。ドイツとスウェーデンで資産税が廃止されたように。しかし、この政策は思惑通りの成果を上げただろうか。2008年の危機、そして特にトランプ政権誕生、Brexit、ヨーロッパ各地で起きた外国人排斥を求める投票結果以降、格差拡大と庶民層が見捨てられた感覚から生まれる危険がはっきりしてきた。そして資本主義経済の新たな制御方法を模索する必要を多くの人間が理解した。このような状況において、2018年にさらに最富裕層を優遇する政策を加えたのは、賢いやり方ではない。1990年代の大統領ではなく、2020年代の大統領でいたいなら、マクロンは今すぐ政策を現実に合わせるべきである。

一番哀しいのは、環境問題に恐るべき損失を与えたことだ。燃料税が成功するためには、環境移行で生ずる損害の補填に、徴収した総額を当てなければならない。しかし政府はその正反対のことを行った。2018年の燃料税の40億ユーロ増収分、そして2019年に見込まれる同額の増収分のうち、政府は10%しか損失補填に当てず、残りは富裕税廃止による減収補填と、資本利益のフラット・タックス導入による補填に使われる。任期を満了したければ、マクロンは富裕税を即時に復活させなければならない。そして燃料税で一番苦しむ人々の救済に富裕税の徴収分を宛てなければならない。それをしないならば、金持ち優遇という時代遅れのイデオロギーを選択し、温暖化対策に背を向けたことを意味する。


# by k_nikoniko | 2018-12-11 21:30 | フランス

仏女性記者解放、に思う(2005)

昨年のカンヌ映画祭が開催されているとき、「バッシング」の評判について、パリに住む知人に聞いてみた。

日本人のイラク人質事件を描いた映画に、フランス人はあまり関心を持たなかったらしい。

というのは、その当時、フランス人女性記者とその助手がイラクで人質になり150日経過しているからだ。
その女性記者は、後日、無事解放された。バッシングされるどころか、シラク大統領が自らお出迎え。

その違いは何なのか、を考える以前に、「44歳の女性新聞記者がイラクで取材をしている現実」に、日仏の差を感じさせられた。

フランスと日本は似たところがある、とさんざん書いているが、やはり違いは大きい。
特に、男女問題や家族のあり方に関しては、英米や北欧より遅れているとされるフランスでさえ、日本とは開きがありすぎる。

それにしても、いつも思うのだが、外国の現実を正しく伝えるのは、本当にとても難しい。

(2005-06-14 23:15)

# by k_nikoniko | 2018-11-11 08:51 | 社会問題

北海道胆振東部地震の外国人観光客のこんな反応

9月6日(木)3時過ぎに起きた北海道胆振東部地震。
「外国人観光客が困惑」との報道がありましが、実際はどうだったのでしょう。

9日(日)の昼ごろに新千歳空港に到着。
外国人観光客の話を聞こうと、国内線の到着ロビーから、国際線ターミナルに直行してみました。

飛行機はいつもと変わらず到着したのですが、国内線出発ロビーで地震の影響を実感、
ショップがすべて閉店していたのです。
こんなに閑散とした新千歳空港ははじめて。
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# by k_nikoniko | 2018-10-25 10:05 | 社会問題

「死を待つ少女たちと彼女たちを救う男性」デニ・ムクウェゲ医師

戦争の性暴力は日本に限ったことではない。
というのは、ウソではないでしょう。
世界中の紛争地で、多くの少女や女性たちが性暴力の犠牲になっています。
だからといって、日本もやっていいわけがありません。
日本がその慣例を容認するなんてもってのほか。
そんな悪癖は徹底的に撲滅すべきです。
日本が「慰安婦」問題と真摯に向き合い、犯した過ちを謝罪することは、同時に、世界中の戦争による性暴力の被害者の救済にもつながります。
日本が深く反省し、二度とこのような被害者を生まないように訴えるのもまた、価値ある国際貢献だと思います。
経済援助だけが国際貢献ではありません。
残忍な性暴力をなくすために、なによりも戦争をなくすために行動する日本だとしたら、それほど誇らしいことはないでしょう。

「死を待つ少女たちと彼女たちを救う男性」イヴ・エンスラー

毎年数えきれないほどの女性たちがひどい性暴力を受けているコンゴでは、デニ・ムクウェゲ産婦人科医が彼女たちの傷ついた体と心を癒している。イヴ・エンスラーはその医師を訪ね、恐怖に震えながらも希望を見出した。

私は地獄から戻ってきたばかりだ。なんとかして、コンゴ民主共和国で目にし、耳にしたことを伝える方法がないか頭を悩ませている。あなたに途中でさえぎられることなく、ページをとばさせることなく、過剰に動揺させることなく、これらの残虐な話を伝える方法はあるのだろうか?

兵士のグループにレイプされた9歳の少女の話や、ライフルの一撃で内部が吹きとんで排泄のコントロールができなくなってしまった女性の話を、どのようにあなたに語ったらいいのだろう?


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# by k_nikoniko | 2018-10-06 19:57 | 社会問題

noteをはじめました!

よろしくお願いします!

「三国ナンパ論」「マインド・ザ・ギャップ~すれ違いにご用心~」をアップしています。





# by k_nikoniko | 2018-09-12 14:02

イラクで失業や水・電気の供給を求めて抗議デモ

猛暑がつづくなか、イラク南部バスラを中心に、デモが頻発している。

「ここ3か月、大きなデモがイラク全土に広がり、特にイラクの南部バスラ周辺でつづいています。特別なことを要求しているのではなく、水と電気、仕事の供給を求めているだけです」とイラク南部のバスラに住むフサーム・サラ医師は語る。
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「デモの参加者はほとんどが若者です。若者たちは大学を卒業して働きたくても、仕事に就くことができません。彼らは大学を卒業したのに、何もすることがなく、路上にいるしかないのです。
バスラのこうした若者たちが自然発生的に集まり、関係機関や大企業の前でキャンプをはじめました。それが次第に各地に拡大していきました。日に日に人数が増え、新しい人がどんどん加わっています」

「イラク戦争から15年経ったにもかかわらず、生活に必要な水と電気の供給が十分ではありません」とフサーム医師。

電気は数時間止まるため、多くの人が自家用発電機のコードを公共送電線につなげ、蜘蛛の巣状態になっているという。


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# by k_nikoniko | 2018-09-05 17:28 | 国際ニュース