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おしゃべりな毎日

フリーライター木村嘉代子のブログです。日々感じたことを綴っています。Copyright(C)2005-2023 Kayoko Kimura   

ライブドア事件の気になる点

どこもかしこも、この話題。
今回の出来事にはさまざまな要素が含まれ、いろいろ考えさせられます。
「人の心はお金で買える」と考える人間が育つ日本社会は怖い。
他にも重大な問題があるのにもかかわらず、このニュースだけに集中してしまうのもおかしい。
ホリエモン逮捕が日本経済に与える影響は大きいのかもしれませんが、個人的には、食の安全(米国牛肉輸入)や地震での建物崩壊の危険性(耐震強度偽装)のほうが身近で、人間の命にかかわる事態を引き起こしたモラルの欠如は相当なものです。
結局、日本では経済問題が最重視されるのですから、社会そのものがホリエモン的とえいます。
なんだか、上手くごまかされているような気さえしてきます。

ところで、法律違反はもちろんいけないのですが、「楽して儲けたから悪い」というのは、少しズレています。
昨日から、「汗水流して働かなければ」といった言葉をよく耳にしますが、このフレーズからは、「残業して、人一倍働く」労働者の姿が浮かび上がります。
これは、日本が目指そうとしている働き方とは違うのではないでしょうか。
「労働時間を減らし、人と過ごす時間を大切にし、精神的に豊かに暮らす」のが、これからの社会で求められているのだと思っていました。

イギリス人やフランス人の働き方を見てしまってからは、「汗水流して働く」ことに疑問を抱くようになりました。
彼らは、「自分の余暇を充実させるために」仕事をしている印象を受けます。
もちろん、社会的責任や生きがいも働く上で必要ですが、それが全てではないと考えているのです。

たとえば、日本での農業は、マイナスイメージがなきにしもあらず。
最近は変わりつつあっても、高齢者、自然との闘い、長時間労働といったイメージがぬぐいきれません。
私がフランスで会った酪農家は、フランス東部の田舎の自宅で羊と馬を飼っていて、妻は併設のレストランを経営しています。
彼らの家には、パリでもめったに見たことのないジャクジー付き浴槽があり、子供部屋にはサッカーゲームやカラオケまでそろっていました。
夏のバカンスも欠かさず、アフリカなど海外で数週間過ごすそうです。
儲かっているかは知りませんが、農業をしながら、人生を存分に楽しんでいる様子が見て取れました。

また、日本の場合、ライターもカメラマンも、昔はアシスタント(丁稚奉公的な)からスタートしたものですが、イギリス人は学校を卒業したらすぐに独立したがります。
いきなりフリーでも、実力があれば成功するのです。
もちろん、常識に欠けていたり、礼儀知らずは、相手にされないけれど。

一見「楽してる」彼らですが、これが私生活を大切にする働き方ともいえます。
もちろん、先進国の暮らしは、発展途上国の人々の過酷な労働に支えられている部分もありますが。

「汗水流さない働き方」=最近の若者=悪い、というのは大きな誤解です。
by k_nikoniko | 2006-01-24 00:48 | ー働き方