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おしゃべりな毎日

フリーライター木村嘉代子のブログです。日々感じたことを綴っています。Copyright(C)2005-2023 Kayoko Kimura   

イギリスの若者が不景気を乗り越えたワケ

私の住むところは、いつも景気が悪い。

90年代初頭のイギリスは大不況、その後暮らしたフランスは景気が停滞、そして札幌も寂しい状況。

つまり、私が疫病神なのかもしれない。

その証拠かどうか、私が去った後、イギリスはバブル期を迎えた。
ただ、フランスはいまだ景気が回復していないので、札幌の不況は私のせいだけではないと思う。

とにかく、イギリスの復活ぶりは目をみはるものがあった。
不機嫌そうな人が多かったのに、景気が良くなったら、親切な人が増えたのは印象的だった。

聞いても道を教えてくれない、と信じていたけれど、バブリーになったとたん、聞いていないのに道を教えてくれる人まで現れた。
「お金の力ってすごい」と実感したものだ。

日本のバブルがはじけてしばらくたったころ、知り合いの会社員にそんなイギリスの話をしたら、「不況のときにイギリス人がどう耐えたのか教えてもらいたいよ」とつぶやいた。

それは私も疑問だ。

どん底の厳しい時代に10代を過ごしていた若者は、どのような将来像を描いていたのだろう?

その当時、うなだれて、不満いっぱいに見えたイギリスの若者や青少年が、同じ人種とは思えないぐらいに生き生き活動しているのだから、不思議になってくる。
もちろん、すべての問題が解決されたわけでもなく、犯罪に走ったり、貧困に苦しむ若者もいるが。

元気に欠ける日本の若者が、景気回復とともに活発になり、この国を盛り上げるだろうか…。

「イギリス人がどうやって不況期を乗り越えたか?」 

その答えはなかなか見つからないのだけど、先日、イギリス人の夫を持つ友人がこんなことを言っていた。

「社会保障制度が確立していて、将来の不安が少ないからじゃない?」

いざというときは国が守ってくれる、とイギリス人は信じているらしい。
だから、変にふてくされたり、極端に荒れたりしないで、不況時でも未来を描くことができた、と。

イギリスの景気が回復したとき、若者の勢いが顕著だった。
若者の活躍の場が用意されている、と感じた。

42、3歳のブレア首相の誕生もその象徴ともいえる。
その当時、ブレア首相より年上の男性に、「若い首相でも応援するか?」と聞いたら、「もちろん」という明るい答えが返ってきたのを覚えている。

イギリス人は、若い世代に道を譲るのが上手だと思う。
若者の能力を疑ったり、いつまでもでしゃばる中高年者は少ないように見受けられる。

国の基盤がしっかりしているため、自信と余裕を持って次の世代に任せることができる。がむしゃらに地位にしがみついたりしないのである。
というのは、友人の弁だ。

「国が守ってくれるかどうかわからず、信じていいものか??」と日本人は疑いながら過ごさなければない。

だから、若者の活躍に脅威をおぼえる。
健康で元気なのは喜ばしいことだが、若者と張り合うのは大人げない。

「国が守ってくれると信じている」という言葉を聞いて、ハーっとため息が出た。

イギリス人は、老後や失業といったセーフティーネットを確信しているのだという。

もし国民を裏切るような気配を感じたら、国民は黙ってはいない。
政府に対して異議を唱え、自分たちを守ってくれる世の中に修正していく。

一方、日本は?

景気が回復しても、不安が払拭されそうもないのだから、最悪ともいえる。



by k_nikoniko | 2006-11-21 22:55 | ーイギリスの若者