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「黄色いベスト」に続きフランスの警察官が労働条件の不満でデモ

フランスからルモンド紙の記事の翻訳が届いたので、投稿します。

フランスの警察官が、労働環境と給与に抗議して、デモを行うという報道です。

「黄色いベスト」の抗議デモが沈静化に向かう一方、新たなタイプのデモが政府を襲う。労働条件と給与に不満を持つ警察官の反抗である。

警察の三大組合はそれぞれ独立に、示威行為を近日中に行うと発表した。Unité SGP-Police-FOは「黄色いベスト」による週末デモに呼応する形で12月15日(土)の宣言ですでに、一月に行うデモの準備を始めている。Alience Police nationaleは19日(水曜)に警察署を閉じ、緊急の場合以外は応じないよう警察官同僚に要請した。UNSA-Policeは12月8日以降、軽犯罪は取り締まらず、「最小限の任務」しか果たさないと発表した。

警察官のほとんどが組合に組織されている状況で、これら抗議声明は重い意味を持っている。12月始めに行われた組合選挙において、これら三つの組合は合計で全得票数の80パーセントを得ただけでなく、投票率も80パーセントを超えていたからだ。

内務省は要求内容にも困惑を示す。要求が盛りだくさんなだけでなく、予算が苦しく、要求すべてを満たせないからである。支払いの遅れている2300万時間の残業代を警察官は要求する。法で定められた休日も休めず、毎日働かせられている警察官にとって、この多大な負債は労働条件のシンボルになった。年末を迎え、ただでさえ疲労した警官は「黄色いベスト」危機のせいで、さらに酷使された。その上、ストラスブールのテロによる残業が重なった。残業代の全額支払いがすぐには無理でも、支払い開始はすぐに始めよと組合は要求する。

怒りは給料にも集中する。「黄色いベスト」デモの警備に動員された警察官には特別手当てを出すというマクロンの措置が不十分だと言う。15万人いる警察官のうち、この手当てを受けるのは8万人にすぎない。「こんなことで怒りは収まらない。手当てで警察官は誤魔化されない」とUnité SGP-Police-FO代表は述べ、警察官全員に1月1日付けで115ユーロの給与ベースアップを要求する。

最低賃金の労働者に対するマクロンの約束と呼応した要求も出された。「黄色いベストの怒りを和らげるために出した政府の提案を知り、現場の警官は不満を募らせる。何故なら警官には何も与えられないからだ」とAlience Police nationale代表が言う。「国家を守る最後の砦として警察官は頑張った。負けなかった。具体的な報酬を警察官は期待している」。

給料だけでなく、警察官の労働条件についての包括的な検討を組合は要求する。不十分な物的および人的条件の下で警察官は任務に就く。機動隊即時強化の要求はその一例だ。「黄色いベスト」デモの期間に従事した60部隊のほとんどにおいて、任務に就けなかった機動隊員は25人から30人に上った。

12月18日に内務大臣と主要な組合との話し合いが始まる。今のところ、組合はそれぞれ別個に要求を連ねている。しかし、これから組合が結束すれば、事態は一変するだろう。デモ参加者の暴力に対抗して警察官は団結した。しかし低賃金で働く警察官は内心、ロータリーを封鎖するデモ参加者の気持ちがわかると心情を吐露する。

「ほとんどの警官は黄色いベストの知り合いがいる。彼らの反対側に毎日いるのは苦しい」と警察側も認める。今のところはデモ隊に加わった警察官は報告されていない。警察官は個人的に私服でのデモは許されているが、制服を纏ったままではデモに参加できないのである。

しかし、このタブーはすぐに破られるかも知れない。年始すぐに、彼らの要求が満足されなければ、統一デモを1月26日に行うよう、Unité SGP-Police-FOはすべての組合に呼びかけた。


by k_nikoniko | 2018-12-18 23:30 | フランス
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