再審請求が棄却された恵庭OL殺人事件
2014年 04月 22日
札幌地裁は4月21日、恵庭OL殺人事件の再審請求を棄却しました。
札幌地裁は、弁護団が示した「新証拠」を認めず、確定判決が認定した状況証拠を前提に、「受刑者は犯人と認められる」と指摘しました。
2000年3月、会社員のHさんの焼死体が見つかり、「三角関係のもつれによる犯行」と、同僚の女性(以下、Aさん)が逮捕された事件。Aさんは一貫して無罪を主張しましたが、一審、控訴審とも有罪判決が下され、2006年に懲役16年が確定しました。
この事件は、直接証拠がまったくなく、警察による証拠隠しや報告書ねつ造などが発覚したにもかかわらず、裁判所は検察側の主張を認め、Aさんを犯人と断定しました。
この事件は当時、「恋人を奪われた恨みによる犯行」という警察側の情報にマスコミがとびつき、人権(特に女性の)を踏みにじる卑劣な報道が繰り広げられました。
性犯罪の可能性も否めないにもかかわらず、そのあたりはまったく触れず、単に「女の嫉妬」だけを強調し、面白おかしく報道されたのです。
聞いた話によると、Aさんは、警察や裁判所だけでなく、マスコミから受けた精神的苦痛に、いまだ癒されていないそうです。
刑が確定した後、Aさんは落胆が大きく、人との接触を避けるようになったといいます。面会していたのは、ごく限られた人だけでした。
弁護士らが、2012年に再審請求の話を持ちかけたときも、Aさんはあきらめの気持ちのほうが強く、迷っていたそうです。
しかし、彼女のアリバイを成立させる目撃証言が偽造されていたことが検察の証拠開示で判明し、また、燃焼工学の第一人者による科学的証拠を得たことで、再審請求に踏み切りました。
「再審を請求し、Aさんは最近元気を取り戻してます」と聞いていましたが、4月9日に主任弁護士の伊東秀子さんが接見したときには、再審請求について次のように述べていたそうです。
「一時は希望をもったけれど、あまり期待したくない。一審でも控訴審でも、裁判官からは犯人だという目で見られているのがわかり、私が何を言ってもダメだった。裁判所がちゃんと判断してくれる、と思っていたのに…。今回も期待して、同じような絶望感を味わうかもしれない。裁判所を信じられない」
そして、昨日の再審請求の棄却。
決定書を読んだAさんは、接見した弁護士に、「こんな内容の紙きれで、私の人生が決まってしまうのでしょうか。開かずの扉は本当に開かない」と言ったといいます。涙をポロポロ流す場面もあったそうです。
札幌地裁にはAさんのお父さんの姿もありました。
「ひどい決定ですね」と声をかけたら、少し間をおいて、「ひどい…けど、これが日本の裁判なんだよね」と淡々とした口調でおっしゃいました。裁判所には裏切られてばかりなので、今回もあまり期待しないようにしていたそうです。
弁護団は「検察を擁護する決定と憤りと失望を感じる」と不服を表明し、即時抗告する意向を示しました。
こちらもご覧ください。
札幌地裁は、弁護団が示した「新証拠」を認めず、確定判決が認定した状況証拠を前提に、「受刑者は犯人と認められる」と指摘しました。
この事件は、直接証拠がまったくなく、警察による証拠隠しや報告書ねつ造などが発覚したにもかかわらず、裁判所は検察側の主張を認め、Aさんを犯人と断定しました。
この事件は当時、「恋人を奪われた恨みによる犯行」という警察側の情報にマスコミがとびつき、人権(特に女性の)を踏みにじる卑劣な報道が繰り広げられました。
性犯罪の可能性も否めないにもかかわらず、そのあたりはまったく触れず、単に「女の嫉妬」だけを強調し、面白おかしく報道されたのです。
聞いた話によると、Aさんは、警察や裁判所だけでなく、マスコミから受けた精神的苦痛に、いまだ癒されていないそうです。
刑が確定した後、Aさんは落胆が大きく、人との接触を避けるようになったといいます。面会していたのは、ごく限られた人だけでした。
弁護士らが、2012年に再審請求の話を持ちかけたときも、Aさんはあきらめの気持ちのほうが強く、迷っていたそうです。
しかし、彼女のアリバイを成立させる目撃証言が偽造されていたことが検察の証拠開示で判明し、また、燃焼工学の第一人者による科学的証拠を得たことで、再審請求に踏み切りました。
「再審を請求し、Aさんは最近元気を取り戻してます」と聞いていましたが、4月9日に主任弁護士の伊東秀子さんが接見したときには、再審請求について次のように述べていたそうです。
「一時は希望をもったけれど、あまり期待したくない。一審でも控訴審でも、裁判官からは犯人だという目で見られているのがわかり、私が何を言ってもダメだった。裁判所がちゃんと判断してくれる、と思っていたのに…。今回も期待して、同じような絶望感を味わうかもしれない。裁判所を信じられない」
そして、昨日の再審請求の棄却。
決定書を読んだAさんは、接見した弁護士に、「こんな内容の紙きれで、私の人生が決まってしまうのでしょうか。開かずの扉は本当に開かない」と言ったといいます。涙をポロポロ流す場面もあったそうです。
札幌地裁にはAさんのお父さんの姿もありました。
「ひどい決定ですね」と声をかけたら、少し間をおいて、「ひどい…けど、これが日本の裁判なんだよね」と淡々とした口調でおっしゃいました。裁判所には裏切られてばかりなので、今回もあまり期待しないようにしていたそうです。
弁護団は「検察を擁護する決定と憤りと失望を感じる」と不服を表明し、即時抗告する意向を示しました。
こちらもご覧ください。
by k_nikoniko
| 2014-04-22 12:47
| ー恵庭OL事件