フリーライター木村嘉代子のブログです。日々感じたことを綴っています。Copyright(C)2005-2018 Kayoko Kimura
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女性除染作業員の取材追記(1)

3月11日発売『週刊女性』で女性除染作業員を取材した際、記事にできなかったことを書いていきます。
「除染作業員のなかに、女性もいますよ」と聞いたのは、今年はじめ。
除染作業がどのように行われているか。その時点ではまったくわからなかった。
私が最後に福島へ行ったのは、2012年9月。福島市内の町中で見かけることはなかった。
そのころすでに、除染事業はスタートしており、飯館村に行ったときには除染作業をしているのを見たぐらい。

福島市の友人に聞いたら、「若い女性が働いていて、『え!』って驚いたことがある」との返事。
被ばく労働に詳しい方からは、「ハローワークでも募集してるし、求人サイトを見てください」と言われる。
ハローワークの求人情報で「福島 建設業」を検索してみると、「作業員」の職種で「除染作業員」の募集があった。
グーグルなどで、「福島 除染」のキーワードを入れると、数百の除染作業員募集にヒットする。
除染作業員の求人広告には、「素人でも大丈夫」「簡単な作業です」「高収入」と、目を引くキャッチが並ぶ。
特別な資格が必要なわけでもなく、日給10000円以上の魅力的な賃金。
就職難のこのご時世、軽々しく飛びついても不思議ではない。
「軽作業なので女性にもできます」「女性も活躍中」と女性を募集する業者も。
年齢の下限は18歳。
将来子どもを産むかもしれない女性たちも、何の制限もなく除染の仕事に就くことができる。
「18歳以上」とあるが、男性であっても、10~20代、30代の若者が、被ばく労働をしていいのか疑問だ。




「除染は市内のいたるところでやっているよ」と聞いたが、取材したのが大雪の直後だったため、作業がストップしていた。
そこで、「除染情報プラザ」のビデオで、どのように除染しているかを見る。
ここに展示してあるパネルに、福島全域の除染状況が手書きで更新される。
あまりの数にクラクラ。これだけ除染して、本当に効果があるのだろうか。
福島市の進捗状況(2月末現在)は、公共施設94%、住宅59%、農地100%、牧草地47%、森林(生活圏)1%。
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女性除染作業員は、線量の低いといわれる地域の宅地除染を主にやっているらしい。
なので、福島市内に住む人から、「女性作業員を見た!」という話はけっこう聞いた。
線量が低いといっても、福島市のこの日の線量は0.15μ㏜で、平常時0.04μ㏜の約4倍である。
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驚いたことに、福島第一原発から20キロ圏内の田村市東部で、若い女性作業員が働いていたという事実が、鹿島建設のホームページからわかった。

除染作業は、放射能に対する感覚がマヒした環境のなかで、一般の道路工事や草刈りの延長のように行われている。

この国で、いや、この世界でも、除染作業員という職種は珍しい。そして恐ろしく危険な被ばく労働である。
原発事故が起きなければ、必要のなかった仕事。
除染はまだまだつづき、それに従事する労働者はどんどん増える。
どれだけの人が被ばくすれば、この国は完璧に除染されるのだろう。
除染の効果がないのに、被ばく者を増やしているだけではないか?

(2014.03.22 13.41)

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by k_nikoniko | 2018-05-31 08:27 | 原発・核
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