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フリーライター木村嘉代子のブログです。日々感じたことを綴っています。Copyright(C)2005-2018 Kayoko Kimura
by k_nikoniko


外国語が苦手なのは日本人だけじゃない、オーストラリアの女性の場合

彼女は、ボーイフレンドと一緒にパリにやって来た。
オーストラリアでは、ファッション誌のグラフィックデザイナーで、パリでも同じ職を探していた。
彼女の祖母はアイルランド人で、国籍も取得していたため、仕事をする権利をもっているという。
一番のネックは言葉。
彼女は英語以外の言葉が話せなかった。
「若いうちにやらなくちゃね。ちょっと遅すぎたのよ」 
恥ずかしがり屋の彼女は、なかなかフランス語を話そうとしない。
ほとんどどこでも通じる英語が母国語だと、外国語を学ぶ必要もなかったのだろう。
「何か言って、笑われたら…」と躊躇しているのが、ひしひしと伝わってくる。
そんなに気にしなくてもいいのに、となかば開き直っている私は、こう思ってしまうのだが。
ある日、彼女と二人で地方の印刷所へ行くことになった。
駅に着いたら、彼女は銀行でお金をおろしたいと言い出した。
場所がわからないので、キオスクの人に教えてもらおうことに。
彼女は駅のベンチに座り込み、フランス語会話集を取り出した。
「銀行は、banqueでしょ。どこは、ouだから、Where is a bankは…」と、一生懸命に英語からフランス語に直訳を始めた。
「『銀行、どこ?』と、2つ単語並べるだけで通じるんじゃない?」と私は思うが、それを英語で伝えるのも面倒。
なにより、必死になっている彼女を見て、少し安心した。
「語学が苦手なのは、日本人だけじゃないんだ」と。
ところが、その後、アリスンは、フランスで仕事を見つけ、フランス人に囲まれて働いたため、驚くほどフランス語が上達した。
とてもついていけないまでになってしまった。

1995年、パリにて
by k_nikoniko | 2014-01-19 08:04 | ひとりごと
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