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おしゃべりな毎日

フリーライター木村嘉代子のブログです。日々感じたことを綴っています。Copyright(C)2005-2023 Kayoko Kimura   

海外で出会った人々:ケベックの女性

パリの北駅近くにある安ホテルで、朝食を食べていたときのこと。
彼女はあいている私のテーブルの椅子を見つけて、「ここ、いい?」と言って座った。
お互い女の一人旅。
「もしよかったら、一緒に観光しない?」
そう誘われて、彼女とパリ観光することに。
「私、何も決めてないし、どこでもいいの」
気の向くまま、ポンピドーセンター、パレロワイヤル、リュクサンブール公園などをブラブラと見学。
日本人のように、ぴっちり予定を決めることなく、ショッピングすることもなく、いきあたりばったりの観光を楽しんだ。
やることがなくなると、「映画を観よう」と言い出す。
「これ観たかったのよ」と彼女が選んだのは、マレーネ・デートリッヒの「モロッコ」。
24才の女性にしては渋い。
新しいものだけを追い求めるキャピキャピギャル日本女性とは大違い。
彼女の親はアーティストだという。
以前、日本人の20代の女の子が、「古い映画はちょっと」と言っていたのを、ふと思い出した。
彼女はケベック出身で、フランス語がペラペラだ。
何をするにも、自信に満ちていてカッコいい。
何よりも、全く人種を越えて、時代を越えて、好きなものを認める心の広さには驚かされた。
「お母さんは、日本の化粧品が気に入ってるのよ」と、かなり日本びいきらしい。
「和食も大好き。今夜は、和食にしようよ」
そこで、サンミッシェルの安い串焼き屋さんに入った。
ちょっといいところを見せようとしたが、店員は日本人ではなく、メニューもフランス語のみ。
結局彼女の世話になってしまうはめに…。
国際的って、どういうのを言うんだろう?


1993年、パリにて
by k_nikoniko | 2014-01-24 20:49 | ー海外の若者