フリーライター木村嘉代子のブログです。日々感じたことを綴っています。Copyright(C)2005-2018 Kayoko Kimura
by k_nikoniko


ピケティ解説「黄色いベスト」:ルモンド紙2018年12月8日朝刊

政権を救いたければ、マクロンは即座に富裕税(ISF)を復活させなければならない。その収入は、燃料税の上昇で一番苦しんでいる者の損失補完に当てられなければならない。

「黄色いベスト」危機はフランスだけでなく、ヨーロッパに重大な問いを投げかけている。つまり税制上の公正である。事実・歴史・政治に関する一連の過ちを現政権は犯した。この過ちはすぐに修正すべきであるし、それは可能である。

富裕税は富裕層資産の外国逃避を引きおこす。それを避けるために富裕税を廃止したとマクロンは正当化してきた。しかしこれはまったく事実に合わない。1990年以来、富裕税を申告する人数、そして額は連続的に、また驚くほど上昇している。これは富裕税が課せられる層すべてに見られ、特に最も富裕な層に当てはまる事実である。

1990年から2017年の期間に10億ユーロから40億ユーロへと富裕税徴収額は膨らんだ。同期間のGDPは二倍になっただけだ。富裕税を課せられる条件が最初1990年には資産60万ユーロ以上の世帯だったのが、2012年には130万ユーロに上げられた(つまり課税される層がより高くなった)。それでもこの数字だ。

この税金の徴収に関する監査は従来からずっと不十分だった。通常の所得税の場合は税務署が収入を事前に把握し、収入申告書にすでに額が記入されている(フランスでは源泉徴収がなされず、各自毎年申告します。小坂井注)。しかし、このやり方が富裕税には一度も適用されてこなかった。必要な情報を税務署に知らせることは銀行にとって何も難しくない。2012年には300万ユーロ以上の資産に関しては詳細を申告する必要が無くなり、単に資産総額を記入するだけでよくなった。これでは監査のしようがない。

税務管理がしっかりしていれば、富裕税の徴収額は今日100億ユーロ以上に上るはずだ。固定資産税の増額が400億ユーロに上る事実から考えても、それは驚くことでない。監査不十分な現状であっても、富裕税は1990年から2017年にかけて10億ユーロから40億ユーロへと増加したのである。このまま富裕税を維持していれば、2022年には60億ユーロ近くまで増えたことだろう。富裕税が廃止され、そして代わりに不動産富裕税(IFI:不動産だけに課税される資産税)が導入されたが、それにより徴収額は2018年に10億ユーロに減った。つまり30年後退し、現在から2022年の期間で少なくとも50億ユーロの減収を意味している。

政府の犯した誤りの二つ目は歴史理解だ。時代錯誤の判断をした。米国と英国は1980年代に累進課税の原則を次第に壊した。そして1990年代および2000年代初期にはヨーロッパもその動きにならった。ドイツとスウェーデンで資産税が廃止されたように。しかし、この政策は思惑通りの成果を上げただろうか。2008年の危機、そして特にトランプ政権誕生、Brexit、ヨーロッパ各地で起きた外国人排斥を求める投票結果以降、格差拡大と庶民層が見捨てられた感覚から生まれる危険がはっきりしてきた。そして資本主義経済の新たな制御方法を模索する必要を多くの人間が理解した。このような状況において、2018年にさらに最富裕層を優遇する政策を加えたのは、賢いやり方ではない。1990年代の大統領ではなく、2020年代の大統領でいたいなら、マクロンは今すぐ政策を現実に合わせるべきである。

一番哀しいのは、環境問題に恐るべき損失を与えたことだ。燃料税が成功するためには、環境移行で生ずる損害の補填に、徴収した総額を当てなければならない。しかし政府はその正反対のことを行った。2018年の燃料税の40億ユーロ増収分、そして2019年に見込まれる同額の増収分のうち、政府は10%しか損失補填に当てず、残りは富裕税廃止による減収補填と、資本利益のフラット・タックス導入による補填に使われる。任期を満了したければ、マクロンは富裕税を即時に復活させなければならない。そして燃料税で一番苦しむ人々の救済に富裕税の徴収分を宛てなければならない。それをしないならば、金持ち優遇という時代遅れのイデオロギーを選択し、温暖化対策に背を向けたことを意味する。


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# by k_nikoniko | 2018-12-11 21:30 | フランス

仏女性記者解放、に思う(2005)

昨年のカンヌ映画祭が開催されているとき、「バッシング」の評判について、パリに住む知人に聞いてみた。

日本人のイラク人質事件を描いた映画に、フランス人はあまり関心を持たなかったらしい。

というのは、その当時、フランス人女性記者とその助手がイラクで人質になり150日経過しているからだ。
その女性記者は、後日、無事解放された。バッシングされるどころか、シラク大統領が自らお出迎え。

その違いは何なのか、を考える以前に、「44歳の女性新聞記者がイラクで取材をしている現実」に、日仏の差を感じさせられた。

フランスと日本は似たところがある、とさんざん書いているが、やはり違いは大きい。
特に、男女問題や家族のあり方に関しては、英米や北欧より遅れているとされるフランスでさえ、日本とは開きがありすぎる。

それにしても、いつも思うのだが、外国の現実を正しく伝えるのは、本当にとても難しい。

(2005-06-14 23:15)

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# by k_nikoniko | 2018-11-11 08:51 | 社会問題

北海道胆振東部地震の外国人観光客のこんな反応

9月6日(木)3時過ぎに起きた北海道胆振東部地震。
「外国人観光客が困惑」との報道がありましが、実際はどうだったのでしょう。

9日(日)の昼ごろに新千歳空港に到着。
外国人観光客の話を聞こうと、国内線の到着ロビーから、国際線ターミナルに直行してみました。

飛行機はいつもと変わらず到着したのですが、国内線出発ロビーで地震の影響を実感、
ショップがすべて閉店していたのです。
こんなに閑散とした新千歳空港ははじめて。
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# by k_nikoniko | 2018-10-25 10:05 | 社会問題

「死を待つ少女たちと彼女たちを救う男性」デニ・ムクウェゲ医師

戦争の性暴力は日本に限ったことではない。
というのは、ウソではないでしょう。
世界中の紛争地で、多くの少女や女性たちが性暴力の犠牲になっています。
だからといって、日本もやっていいわけがありません。
日本がその慣例を容認するなんてもってのほか。
そんな悪癖は徹底的に撲滅すべきです。
日本が「慰安婦」問題と真摯に向き合い、犯した過ちを謝罪することは、同時に、世界中の戦争による性暴力の被害者の救済にもつながります。
日本が深く反省し、二度とこのような被害者を生まないように訴えるのもまた、価値ある国際貢献だと思います。
経済援助だけが国際貢献ではありません。
残忍な性暴力をなくすために、なによりも戦争をなくすために行動する日本だとしたら、それほど誇らしいことはないでしょう。

「死を待つ少女たちと彼女たちを救う男性」イヴ・エンスラー

毎年数えきれないほどの女性たちがひどい性暴力を受けているコンゴでは、デニ・ムクウェゲ産婦人科医が彼女たちの傷ついた体と心を癒している。イヴ・エンスラーはその医師を訪ね、恐怖に震えながらも希望を見出した。

私は地獄から戻ってきたばかりだ。なんとかして、コンゴ民主共和国で目にし、耳にしたことを伝える方法がないか頭を悩ませている。あなたに途中でさえぎられることなく、ページをとばさせることなく、過剰に動揺させることなく、これらの残虐な話を伝える方法はあるのだろうか?

兵士のグループにレイプされた9歳の少女の話や、ライフルの一撃で内部が吹きとんで排泄のコントロールができなくなってしまった女性の話を、どのようにあなたに語ったらいいのだろう?


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# by k_nikoniko | 2018-10-06 19:57 | 社会問題

noteをはじめました!

よろしくお願いします!

「三国ナンパ論」「マインド・ザ・ギャップ~すれ違いにご用心~」をアップしています。





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# by k_nikoniko | 2018-09-12 14:02

イラクで失業や水・電気の供給を求めて抗議デモ

猛暑がつづくなか、イラク南部バスラを中心に、デモが頻発している。

「ここ3か月、大きなデモがイラク全土に広がり、特にイラクの南部バスラ周辺でつづいています。特別なことを要求しているのではなく、水と電気、仕事の供給を求めているだけです」とイラク南部のバスラに住むフサーム・サラ医師は語る。
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「デモの参加者はほとんどが若者です。若者たちは大学を卒業して働きたくても、仕事に就くことができません。彼らは大学を卒業したのに、何もすることがなく、路上にいるしかないのです。
バスラのこうした若者たちが自然発生的に集まり、関係機関や大企業の前でキャンプをはじめました。それが次第に各地に拡大していきました。日に日に人数が増え、新しい人がどんどん加わっています」

「イラク戦争から15年経ったにもかかわらず、生活に必要な水と電気の供給が十分ではありません」とフサーム医師。

電気は数時間止まるため、多くの人が自家用発電機のコードを公共送電線につなげ、蜘蛛の巣状態になっているという。


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# by k_nikoniko | 2018-09-05 17:28 | 国際ニュース

イラク南部バスラで増加する子どもの白血病と脳腫瘍

イラク南部バスラで小児がんの治療にあたっているフサーム・サリ医師。
増加する白血病や脳腫瘍、厳しいイラクの医療体制について語った。

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「私が勤務するバスラ小児がん(腫瘍)センターは2003年5月に設立され、2010年に新しい病院として再スタートしました。
2004~2017年秋までに診た患者は約2180人で、主に白血病、その他リンパ腫や固形がんの患者です。外来患者は毎月450人、2017年の小児がんの発症は216人でした」


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# by k_nikoniko | 2018-08-26 21:45 | 国際ニュース

アイヌ遺骨問題の記事掲載のお知らせ

アイヌ遺骨問題の記事がジャパンタイムズに掲載されました。


研究のために持ちだされたアイヌの人骨は全国の大学に1600体ほどあり、そうした遺骨は2020年のオリンピック・パラリンピックに合わせてオープンする白老に「象徴空間」の慰霊施設に集約する計画が進んでいます。
これに反対し、ここ数年、北海道ではアイヌ遺骨の返還を求める訴訟が相次いでいます。
今年は北海道命名150年で、8月5日に記念式典が開催されます。この事業では、アイヌ文化のみ強調され、先住民族の歴史はまったく触れられていません。
この機会に、アイヌ民族の問題について、関心を持っていただけましたら幸いです。

仮訳はこちらです。


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# by k_nikoniko | 2018-08-08 08:55 | 社会問題

「明日、ママがいない」変更すべきは社会的養護の意識

虐待された子どもたちが施設でたくましく生きる姿に心打たれるだけでいいの? 子どもたちが本当に必要としているのは、傷つけないことではなく、充実した社会的養護

普及が遅れる里親養護に悪影響も

「里親のお試し期間の場面、子どものほうから断るなどありえないし、現実とは違いますよね」 日本テレビ系のドラマ「明日、ママがいない」を観て、Aさんはそう感じたという。Aさんは7年前に里親になり、現在は2人の里子を養育中だ。
 このドラマでは、第3話までのところ、里親がネガティブに描かれている。それでなくても、日本では里親や養子縁組に対してマイナスイメージがつきまとう。ドラマによって、里親への偏見が助長されるのではないかと心配するのは、Aさんだけではない 。
 里親とは、要保護児童を家庭的な環境で育てる制度。児童が実の家庭で養育できない場合、国や地方自治体などが要保護児童を養育することを“社会的養護”というが、この言葉が公的に使われだしたのは2003年からで、日本にはまだなじみが薄い。
 社会的養護には、家庭的養護と施設養護の2つに分けられる。家庭的養護の中心的役割を担うのが里親制度だ。
 家庭的養護は、子どもに一般的な家庭環境を与え、特定の大人と安定した人間関係や信頼関係を築くことができる。虐待を受けた児童のケアには特に、「温かい家庭」が必要だ。
 児童虐待はここ20年50倍超にも膨れあがり、児童養護施設で暮らす子どもの半分以上が被虐待児だ。入所する子どもの数は年々増加し、施設はほぼ満杯状態。施設職員の人員は不足し、専門的なケアを必要とする子どもたちに目が届かない現実がある。
 にもかかわらず、日本では要保護児童の約9割が施設に入所し、里親委託児童の割合は12%と、他諸国に比べて極端に低い。
「海外では、養護施設より里親に委託される子どものほうが圧倒的に多いのに、日本ではその逆なんです」


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# by k_nikoniko | 2018-06-13 21:00 | 社会問題

女性除染作業員の取材追記(2)

「道路工事に出くわすように、除染現場に出くわすことがあります。子供を連れていて、マスクも何も用意してなくても、その道を通らなくてはならないんですよ」
福島市在住の女性はそう言っていた。
「でも、今は雪があるから、除染はしてないですよ。計画通りにはやってないです。そうそう、高校の敷地内に除染した汚染物質が積み重なってるので、ぜひ行ってみてください」

そう教えられ、ホテルでの朝食後、さっそく学校へ行ってみた。
ちなみに、私が滞在したホテルは、復興庁のあるビルにあったので、平日の朝食は、作業員らしい人や、職員らしい人(みな顔色悪い感じ)と一緒になった。
地産地消がホテルの朝食の売りらしく、福島産コシヒカリや牛乳などが並んでいた。

説明通り行ったら、高校にたどりついた。通学路に沿って、敷地内にずら~っと放射性汚染物の袋が並ぶ。
除染作業は終了していないようで、ここに一時保管しているらしい。

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福島に住む別の女性が、「美術館と図書館の横に汚染物が積まれていた。開館してないと思ったら、通常通りやっていて、びっくり」と言っていたのを思い出し、美術館にも行ってみる。


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# by k_nikoniko | 2018-06-07 09:07 | 原発・核