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フランスの離婚補償手当と養育費

日本で検討されている「親子断絶防止法」の原案には、養育費について具体的な記述がありません。

フランスでは裁判で離婚が成立するため、養育費もきっちり算出し、支払いは義務化されていて、とても厳しいです。

また、離婚補償手当という制度もあります。
離婚補償手当というのは、離婚後の生活が困窮する側に対して、生活をサポートするために支払われるもの。
支払期限は、就職や再婚が決まるまでの一定期間で、3年程度だそうです。

やや古い内容(10年ぐらい前)ですが、離婚補償手当についてまとめました。

フランスの離婚補償手当は、離婚が原因で一方の配偶者の生活条件が悪化しないよう、不均衡を是正するために制定されています。
離婚補償手当は生活扶助料ではなく、過失に対する制裁金でもありませんが、一括契約的な特質を持つ手当で、離婚により生活水準が大きく低下する配偶者への弁償として支払われます。
そのため、二人の収入や財産の差がはっきりしていない場合は、支払いに同意する必要はないそうです。
妻が働き、夫との収入の差がほとんどないのなら、基本的には妻から要求することはできません。
また、一方的に離婚を要求する場合も、相手に支払いの同意を得ることはできません。
この補償手当は元金(3回分割での支払いが可能)か、定期(終身年金か一時金)の形で支払うことができます。
協議離婚の場合と、離婚裁判で通告命令が出たときだけ、定期金の期限付き支払いや、金額の修正ができます。
この定期金は、受け取り側が死亡するまで続き、補償手当支払い者が配偶者より先に死亡した場合、財産相続人が支払い義務を負います。
この補償手当は不変で決定的な一括契約的な特質を持っていますが、次の2つのケースにおいてのみ、修正が可能です。
ひとつは不正行為があった場合で、配偶者のひとりが財産や収入について離婚時に虚偽が認められたとき。
もうひとつは非常事態の場合で、訴訟手続きにおいて支払いの義務を保留・延期し、裁判所の判断に委ねられたとき。

以下は、フランスの雑誌の記事より抜粋です。
補償手当が悪、という内容ですが、参考まで。

離婚補償手当を払えずて刑務所に入った男
ジルベールは、控えめな男だ。かなり内気で、典型的なお人よしといえる。
彼は、昨年71日間、刑務所で過ごした。3ヶ月の服役予定だったが、模範的な行いにより、早く出所できた。
しかし、再び刑務所入りになるかもしれない。先日の判決で、4ヶ月の服役を言いわたされた。
離婚時の収入が不均衡だったため(元妻は無職、自分は月収7000F)、彼は元妻に毎月1500F(約3万円)の支払いを命じられた。
よい仕事に恵まれ、今の収入は8500Fである。支払うのが困難なわけではない。
でも、支払いたくないのだ。裁判所が彼を非難するのは当然である。
強情、頑固、幼稚だとわかっていても、彼は支払わない。
なぜなら、不平等だと思うから。支払いは間違っていると思うからだ。
ジルベールは妻をとても愛していた。離婚したいと言ったのは妻である。
「バレンタインデーの前日に突然」と彼は言う。
妻を裏切ったことなど一度もなかった。
1982年に出会ったとき、13歳年上の彼女には3人の子供がいた。
1985年に結婚し、1991年に離婚したいといわれた。
「妻と暮らして幸せだった。夫婦喧嘩などしたことがなかった。悲しみに耐えるのは辛かった。工事現場の50mの塔から飛び降りようとしたこともある。同僚が救ってくれなかったら、飛び降りていただろう」
刑務所に入るのは、さらに辛い試練だった。
上司と両親にだけに事情を伝え、仕事へ行くかのように刑務所へ行った。
事実を知っている人は少ない。
出所しても、閉所恐怖症におそわれる。
それだけではない。「写真を撮ろうとしたら、小児愛者だから刑務所に入れられたと、町中の噂になった」と語る。
住んでいた小さな町を出て、彼はパリにやって来た。
仕事がなく、匿名で職探しをしている。
弁護士は、控訴のための費用として、給料の2か月分を請求する。判決をひるがえすチャンスなどほとんどないのに。
ジルベールは、ひとりで使用人部屋に住んでいる。両親も友人もいない。
明るい将来のために、やり直すためには、失望や愛、悲しみ、そして支払いを忘れるしか方法がない。

後妻の嘆き
彼女と同じ立場にいる多くの女性は、絶望し、逃げたくなるだろう。
彼女の夫は、脳障害が原因で深い失望感に襲われ、5年前から沈みこんでいる。
二人は海外で働いていたが、帰国を余儀なくされ、彼女は自分の仕事を失った。
50歳の今、彼女はフランスで仕事を見つける望みがほとんどない。
月2500Fの生活手当では、夫と6歳の子供との3人暮らしは不可能だ。
84歳の母親の家に同居させてもらうしかない。
夫の年金(21000F)は全額、前妻への補償手当に消える。
しかし、彼女は投げ出すタイプの人ではない。
逆境の中で、ますます強くなっていくように見える。
「夫が離婚したとき、彼の二人の子供はほとんど成人に達していて、妻とは10年以上別居していた。でも、彼は全てを受け入れた。騒ぎを起こしたくなかったし、争いにウンザリしていたからだ。彼のように、脅された人はみなこんなふうになる。お人よしというわけではなく、単に心身をすり減らして疲れ果ててしまった結果といえる。早く全てを終わらせたいと思っているだけのことだ」
積み上げられた資料を、彼女はほったらかしにしている。
「この社会は、被害者を作っているだけ。法律は、前妻が億万長者になるためにあるようなもの。すべての権利を持っているのは彼女で、裁判でもつねに正当化される。後妻には何もない。家族が見捨てられるのを嘆くこともできない。夫が何も残してくれなくても、最初の離婚で次の生活が壊されても」
果てしなく続く訴訟が、生活を次第に蝕んでいく。裁判所がほとんど重視していないのに(すでに2年も待っている)“緊急”といわれるたびに、訴訟に全力を注がなければならない。
こうした延々と続く議論や話し合いは、2つの家族を内破することになる。
1つ目の家族は、二人の子供が最終的に母親の側につき、2つ目の家族は普通の生活ができなくなる。
「いつまで戦わなければならないのだろう。昼も夜もこんなことばかり話し続けなければならないのだろうか。フランスでは一夫多妻が禁止されているのだから、別れた妻を気にして生きる必要はないのに」
実のところ、彼女も2回目の結婚だ。
最初の夫はとても金持ちだったが、離婚の際、彼女は何も要求しなかった。
自分の責任として引き受けたかったし、争いたくなかったからだ。
彼女は何に対して憤怒しているのか?
「最初の結婚で自分のために拒否したこと、再婚後に起こりうることを想像しなかったこと、そして、今になって悪夢に耐えていること」と彼女は答えた。

亡き夫の借金の遺産
55歳の彼女は、2番目の夫の死からまだ立ち直っていない。
1981年に出会い、1987年に結婚し、夫は1993年に亡くなった。
「現在の状況は悲惨だけど、美しいラブストーリーだった。やり直せたらいいのに」
彼女が今耐えているのは、惨めな生活状態、閉ざされた将来、ストレスによる健康の心配、少しだけ残っている財産を失うかもしれないという恐れ、娘の子供の親権を奪われるかもしれないという恐怖である。
元職業軍人で民間企業の技術者だった夫に、彼女は大切にされていた。
しかし、今は、家政婦のアルバイトで得る給料と、友人の援助で生活している。
夫の死で、ほとんどすべてを失った。
まず、二人が住んでいた家。
夫が彼女のために購入した家だったが、第一用益権を持つ義母に譲られた。
それから、二人の口座にあった預金。
夫の最初の結婚で生まれた3人の子供への財産相続として支払い、全額失った。
さらに、彼女のお金は、夫の前妻に奪われた。
夫は離婚の際、前妻に補償手当を支払うよう命じられていた。
唯一残っているのは、生まれ故郷のイタリアにある家だけだ。彼女と夫が半々で購入したものである。
しかし、この家も失うかもしれない。
というのは、夫は生前、子供たちに40000Fの資金援助をする約束をしていたからだ。
彼女に現金はなく、家を売るしかない。
それどころか、毎月2000Fを前妻に支払い続けなければならない。
「払いたくないわけではなく、払うことができない」
彼女は、支払額の修正を申し出る方法があることを知っている。しかし、約2年間、裁判は行われていない。弁護士に頼む気にはならない。お金がかかるからだ。

離婚・日本とフランスの違い


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by k_nikoniko | 2016-11-18 15:38 | 男と女