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フランスの離婚補償手当と養育費

日本で検討されている「親子断絶防止法」の原案には、養育費について具体的な記述がありません。

フランスでは裁判で離婚が成立するため、養育費もきっちり算出し、支払いは義務化されていて、とても厳しいです。

また、離婚補償手当という制度もあります。
離婚補償手当というのは、離婚後の生活が困窮する側に対して、生活をサポートするために支払われるもの。
支払期限は、就職や再婚が決まるまでの一定期間で、3年程度だそうです。

やや古い内容(10年ぐらい前)ですが、離婚補償手当についてまとめました。

フランスの離婚補償手当は、離婚が原因で一方の配偶者の生活条件が悪化しないよう、不均衡を是正するために制定されています。
離婚補償手当は生活扶助料ではなく、過失に対する制裁金でもありませんが、一括契約的な特質を持つ手当で、離婚により生活水準が大きく低下する配偶者への弁償として支払われます。
そのため、二人の収入や財産の差がはっきりしていない場合は、支払いに同意する必要はないそうです。
妻が働き、夫との収入の差がほとんどないのなら、基本的には妻から要求することはできません。
また、一方的に離婚を要求する場合も、相手に支払いの同意を得ることはできません。
この補償手当は元金(3回分割での支払いが可能)か、定期(終身年金か一時金)の形で支払うことができます。
協議離婚の場合と、離婚裁判で通告命令が出たときだけ、定期金の期限付き支払いや、金額の修正ができます。
この定期金は、受け取り側が死亡するまで続き、補償手当支払い者が配偶者より先に死亡した場合、財産相続人が支払い義務を負います。
この補償手当は不変で決定的な一括契約的な特質を持っていますが、次の2つのケースにおいてのみ、修正が可能です。
ひとつは不正行為があった場合で、配偶者のひとりが財産や収入について離婚時に虚偽が認められたとき。
もうひとつは非常事態の場合で、訴訟手続きにおいて支払いの義務を保留・延期し、裁判所の判断に委ねられたとき。

以下は、フランスの雑誌の記事より抜粋です。
補償手当が悪、という内容ですが、参考まで。

離婚補償手当を払えずて刑務所に入った男
ジルベールは、控えめな男だ。かなり内気で、典型的なお人よしといえる。
彼は、昨年71日間、刑務所で過ごした。3ヶ月の服役予定だったが、模範的な行いにより、早く出所できた。
しかし、再び刑務所入りになるかもしれない。先日の判決で、4ヶ月の服役を言いわたされた。
離婚時の収入が不均衡だったため(元妻は無職、自分は月収7000F)、彼は元妻に毎月1500F(約3万円)の支払いを命じられた。
よい仕事に恵まれ、今の収入は8500Fである。支払うのが困難なわけではない。
でも、支払いたくないのだ。裁判所が彼を非難するのは当然である。
強情、頑固、幼稚だとわかっていても、彼は支払わない。
なぜなら、不平等だと思うから。支払いは間違っていると思うからだ。
ジルベールは妻をとても愛していた。離婚したいと言ったのは妻である。
「バレンタインデーの前日に突然」と彼は言う。
妻を裏切ったことなど一度もなかった。
1982年に出会ったとき、13歳年上の彼女には3人の子供がいた。
1985年に結婚し、1991年に離婚したいといわれた。
「妻と暮らして幸せだった。夫婦喧嘩などしたことがなかった。悲しみに耐えるのは辛かった。工事現場の50mの塔から飛び降りようとしたこともある。同僚が救ってくれなかったら、飛び降りていただろう」
刑務所に入るのは、さらに辛い試練だった。
上司と両親にだけに事情を伝え、仕事へ行くかのように刑務所へ行った。
事実を知っている人は少ない。
出所しても、閉所恐怖症におそわれる。
それだけではない。「写真を撮ろうとしたら、小児愛者だから刑務所に入れられたと、町中の噂になった」と語る。
住んでいた小さな町を出て、彼はパリにやって来た。
仕事がなく、匿名で職探しをしている。
弁護士は、控訴のための費用として、給料の2か月分を請求する。判決をひるがえすチャンスなどほとんどないのに。
ジルベールは、ひとりで使用人部屋に住んでいる。両親も友人もいない。
明るい将来のために、やり直すためには、失望や愛、悲しみ、そして支払いを忘れるしか方法がない。

後妻の嘆き
彼女と同じ立場にいる多くの女性は、絶望し、逃げたくなるだろう。
彼女の夫は、脳障害が原因で深い失望感に襲われ、5年前から沈みこんでいる。
二人は海外で働いていたが、帰国を余儀なくされ、彼女は自分の仕事を失った。
50歳の今、彼女はフランスで仕事を見つける望みがほとんどない。
月2500Fの生活手当では、夫と6歳の子供との3人暮らしは不可能だ。
84歳の母親の家に同居させてもらうしかない。
夫の年金(21000F)は全額、前妻への補償手当に消える。
しかし、彼女は投げ出すタイプの人ではない。
逆境の中で、ますます強くなっていくように見える。
「夫が離婚したとき、彼の二人の子供はほとんど成人に達していて、妻とは10年以上別居していた。でも、彼は全てを受け入れた。騒ぎを起こしたくなかったし、争いにウンザリしていたからだ。彼のように、脅された人はみなこんなふうになる。お人よしというわけではなく、単に心身をすり減らして疲れ果ててしまった結果といえる。早く全てを終わらせたいと思っているだけのことだ」
積み上げられた資料を、彼女はほったらかしにしている。
「この社会は、被害者を作っているだけ。法律は、前妻が億万長者になるためにあるようなもの。すべての権利を持っているのは彼女で、裁判でもつねに正当化される。後妻には何もない。家族が見捨てられるのを嘆くこともできない。夫が何も残してくれなくても、最初の離婚で次の生活が壊されても」
果てしなく続く訴訟が、生活を次第に蝕んでいく。裁判所がほとんど重視していないのに(すでに2年も待っている)“緊急”といわれるたびに、訴訟に全力を注がなければならない。
こうした延々と続く議論や話し合いは、2つの家族を内破することになる。
1つ目の家族は、二人の子供が最終的に母親の側につき、2つ目の家族は普通の生活ができなくなる。
「いつまで戦わなければならないのだろう。昼も夜もこんなことばかり話し続けなければならないのだろうか。フランスでは一夫多妻が禁止されているのだから、別れた妻を気にして生きる必要はないのに」
実のところ、彼女も2回目の結婚だ。
最初の夫はとても金持ちだったが、離婚の際、彼女は何も要求しなかった。
自分の責任として引き受けたかったし、争いたくなかったからだ。
彼女は何に対して憤怒しているのか?
「最初の結婚で自分のために拒否したこと、再婚後に起こりうることを想像しなかったこと、そして、今になって悪夢に耐えていること」と彼女は答えた。

亡き夫の借金の遺産
55歳の彼女は、2番目の夫の死からまだ立ち直っていない。
1981年に出会い、1987年に結婚し、夫は1993年に亡くなった。
「現在の状況は悲惨だけど、美しいラブストーリーだった。やり直せたらいいのに」
彼女が今耐えているのは、惨めな生活状態、閉ざされた将来、ストレスによる健康の心配、少しだけ残っている財産を失うかもしれないという恐れ、娘の子供の親権を奪われるかもしれないという恐怖である。
元職業軍人で民間企業の技術者だった夫に、彼女は大切にされていた。
しかし、今は、家政婦のアルバイトで得る給料と、友人の援助で生活している。
夫の死で、ほとんどすべてを失った。
まず、二人が住んでいた家。
夫が彼女のために購入した家だったが、第一用益権を持つ義母に譲られた。
それから、二人の口座にあった預金。
夫の最初の結婚で生まれた3人の子供への財産相続として支払い、全額失った。
さらに、彼女のお金は、夫の前妻に奪われた。
夫は離婚の際、前妻に補償手当を支払うよう命じられていた。
唯一残っているのは、生まれ故郷のイタリアにある家だけだ。彼女と夫が半々で購入したものである。
しかし、この家も失うかもしれない。
というのは、夫は生前、子供たちに40000Fの資金援助をする約束をしていたからだ。
彼女に現金はなく、家を売るしかない。
それどころか、毎月2000Fを前妻に支払い続けなければならない。
「払いたくないわけではなく、払うことができない」
彼女は、支払額の修正を申し出る方法があることを知っている。しかし、約2年間、裁判は行われていない。弁護士に頼む気にはならない。お金がかかるからだ。

離婚・日本とフランスの違い


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by k_nikoniko | 2016-11-18 15:38 | 男と女

フランスにおける離婚した親と子の面会

「親子断絶防止法案」(正式名称「父母の離婚等の後における子と父母との継続的な関係の維持等の促進に関する法律案」)の制定に向けて、検討が進められています。
この法案の原案に対して、各方面から懸念の声が上がっています。
昨日、「面会交流等における子どもの安心安全を考える全国ネットワーク」主催の院内集会が開かれ、問題点について専門家の説明がありました。

主に懸念されるのは、DVや児童虐待の親との面会に関する具体的な配慮が示されていない、養育費の支払いについて明確な言及がない、など。

原案で気になったのは、「父母の離婚後における子と父母との継続的な関係の維持」という表現です。
たとえば、フランスも共同親権が原則ですが、「父母が離婚しても、子に対する責任を共同で負う」ことを定義としています。
日本の原案には、「父母の離婚後における子と父母との継続的な関係の維持」という長ったらしい文が15回(原案のうちの1割を占め、その分、内容がない)も出てきますが、「子に対する責任」についてはひと言も書いていません。

「関係の維持」に重きをおき、責任をとらない。
まさに日本社会の象徴のような(封建的な)原案です。

人と人との関係は、たとえ親子であっても、当事者同士が築く、もしくは、壊すのであり、どちらか片方が強制したり、他人が介入したり、ましてや国に押しつけるものではないはずです。

この原案では、「(親子)関係の維持」を強制されているようで、不気味さを感じます。

日本では、心の通った関係をなかなか築けないなかで、さまざまなところで表面的な「関係の維持」を強要され、それが原因で、多くの人が苦しんでいるのではないかと思います。
その結果として、心を病んだり、殺意を抱いたり、自ら命を断ったり、と追い詰められているのではないでしょうか。

話がそれたので、元に戻します。

フランスでは、「子に対する責任」という観点が重視されるため、責任を取れない親は、親権を取り上げられる場合があり、面会も制限されます。

DVやアルコール中毒などの親が子どもと会うときは、面会場で、カウンセラー立ち合いのもと、行われます。

日本の原案には、そうした具体的な内容が入っていません。
ソーシャルワーカーといった専門家も不足しているなかで、子どもが安心安全に守られ、子どもの権利を尊重した面会ができるか、このままでは疑問です。

フランスの女性誌で、面会場での様子を取材した記事が掲載された(1990年代末ごろ)ので、以下に一部紹介します。


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by k_nikoniko | 2016-11-16 23:35 | 男と女

英国シングルマザー事情(1993年)

1993年7月11日のテレグラフ紙日曜版の記事の翻訳。

イギリスでは130万人がシングルペアレント(片親)で、その数は20年前の2倍に上る。そのうち、90%が女性で、イギリス人の母親の1/5がシングルマザー。しかも、若い女性が多い。
シングルマザーの70%が生活保護を受けており、40%が生活保護のみの収入。
政府は社会保障予算の負担増加を懸念している。シングルペアレントに対する国民年金給付は、ここ10年で30億ポンド以上増加した。

問題は、シングルマザーの貧困にある。
オックスフォード大学のある教授は、「両親のそろった子供に比べ、シングルペアレントの子供は病弱で、学校の成績が悪く、失業しやすい傾向にある。犯罪や非行に走りやすく、親と同様の不安定な生活を繰り返す。寿命も短い」と語る。
政府は、暴力が蔓延する荒廃の文化が広まるのを恐れている。
One plus One(結婚&恋愛リサーチ団体)の調査によると、「シングルペアレントの子供は健康状態が十分ではなく、胃潰瘍や大腸炎になりやすい。心の病をわずらう人も多い。また、成績もよくなく、学校でおちこぼれる。男子の失業率は、両親を持つ人の3倍」とのことだ。

シングルペアレントの増加は、結婚生活の崩壊と深い関係がある。
家族で暮らす場合、結婚しているケースが一番多いのは20年前と同じだが、1961年の392000組以来、結婚する人の数は徐々に減っている。
最近著しいのは、再婚、再々婚の増加で、1961年は5000組だったのが、1989年には50000組に達した。
この傾向は、離婚の増加とも関係があり、1961年の離婚は27000組だったが、1989年には164000組となり、結婚したカップルの1/3が離婚し、この数はヨーロッパ平均の2倍である。
一方、事実婚は、1961年には5%以下だったが、1988年には約50%を占めるようになった。
離婚はまた、財政を圧迫している。離婚にかかる負担は、年間13億ポンド。8.5億ポンドは生活手当、3.2億ポンドは住宅手当、7300万ポンドが法律上の費用、2700万ポンドが養育費に使われる。

最も頭を悩ませるのが、養育費である。というのも、シングルペアレントのほとんどは、再婚するか事実婚をするのだが、再び別れるケースが多いのだ。事実婚が増加していても、事実婚の崩壊は結婚の3倍で、結局、子供だけが増えていくことになる。
現在のイギリスでは、出生の30%が婚外子で、16歳以下で親の離婚や別離を経験している子どもが1/5におよぶ。

イギリスも北欧型になりつつある。北欧では、事実婚が多く、結婚したカップルの半分が離婚、出生の50%が婚外子である。
One plus Oneの調査によると、「離婚した男性が心臓病を患う確率は、既婚者の2倍。離婚者が心の病にかかる率は4~6倍。自殺を図るケースは、男女とも離婚者が4倍になっている。さらに、循環器と呼吸器の病気、もしくは事故で若くして命を落とす傾向にある。また、別れた相手の死が、ストレスの原因にもなる」とのこと。

British Medical Journalは、「シングルペアレントの子供は、他の貧困家庭の子供に比べても、最も死亡率が高い」と発表した。
再婚してもうまくいかない場合が多く、離婚率は高い。シングルペアレントの再婚により、子供は傷つくことが少なくない。

離婚が簡単にできるようになり、出生率が減少し、離婚や事実婚に対する偏見がなくなり、働く女性が増加した。このような社会で、伝統的な家族の価値へ立ち返るのは容易なことではない。
住宅および家族ローンなど、シングルマザーに不利なシステムを改善するのは可能だろう。
また、逃げる父親を追跡するサポートシステムを強化することもできるかもしれない。
もしくは、税金や他の年金システム(結婚手当てなど)で結婚したほうが有利にするか。


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by k_nikoniko | 2015-06-27 07:51 | 男と女

原発震災離婚(週刊金曜日)

『週刊金曜日』(2011年10月21日)に書いた記事です。

原発事故が引き裂いた男女の絆

当山 原発事故が起きた時、最初は夫も一緒に避難してきました。でも、事故があまりにもダラダラと続くし、政府は「大丈夫だ、大丈夫だ」としか言わないし。そうしたら、夫が「一旦帰る。福島には仕事あるから」って言い出したんです。避難生活では180万円があっという間に消えてしまいましたから。それでみんなで帰ろう、って決めたんです。でも、ちょうどその時に2回目の大地震が起きて……。それで私は、やっぱりまだ様子を見たいと思い、子どもと残りました。それからは福島との二重生活。夫は「オレが福島で働いて、仕送りするから」って。

藍田 私は、地震後すぐに娘と一緒に東京へ避難しました。夫とは電話も通じなかったし、仕事の邪魔もできないと思ったから、告げずに避難したんです。東京にいる1カ月間、夫は一度も来てくれなかったし、「そこ(東京)から危ないと言われても困る」って、話しを全然聞いてくれなかった。でも、私も仕事を中途半端にしたままにしてきたこともあって福島に帰りたくなったんです。それで、4月の終わりに「避難生活やめる」と言ったら、夫は結局それを待っていたみたいですごくうれしそうでした。
当山 やっぱり、別居生活が2カ月、3カ月と続くと精神的に追い詰められていくんですよね。これまで家族で暮らしていた家にポツンと一人。仕事して家に帰っても料理作って待っててくれる人もいないし、子どもの賑やかな声もない。友だちはみんな福島で普通に生活し始めたので、「どうしてうちだけこんな生活しなきゃいけないの。寂しいよ」と夫からは言われました。
藍田 私も一度は福島に戻ったんです。でも、五月下旬に娘が鼻血を出して、それで心配になって、夫に「鼻血出したんだよ、おかしいよ」と言ったら、「医者に行けばいいだろ」って真剣に聞いてくれなかった。外に出たら被ばくしちゃうのにって、涙がボロボロ出てきて……。それで、翌日、また娘と一緒に逃げてきました。夫には、ひじきの煮物作って置いてきたまま……。
立花遥香 私は、被ばくが心配だったから、夫に「仕事やめて」と言いました。「(福島では)子どもも絶対に産まない。耐えられない。安心して子どもを育てられるところに移ったほうがいいんじゃない」って。
立花光男 妻と私は、お互い二男・二女で、アパート暮らしだったから、身軽だったというのはあります。ただ、できれば避難はしたくなかった。地元に愛着や想い出がたくさんありますから。でも、福島でいろいろと気にしながら生活するよりは、違う土地で健康な生活を送れればいいのかな、と。
当山 放射能って見えないからわからないんですよね。夫からは「自分が生まれ育った町が汚れているとは思えない。俺は残りたい」と言われました。でも、客観的に福島を見ると、私にはもう無理なんです。生活していい場所だとは全然思えない。福島のアパートの部屋は、空気清浄機をつけてやっと0.2マイクロシーベルトまで下がるんですよ。夫には「健康が保証されないところに子どもを連れて帰れない」という話をして「仕事も見つけておいたから、こっちへおいでよ。私も働くから」って言ったんですが、彼の踏ん切りがつかなかった。それで夫から「もう耐えられない」と離婚を切り出してきました。

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by k_nikoniko | 2015-06-25 07:46 | 掲載記事(2011~)

「国際結婚」の実態を調査しない日本

12月5日に日仏会館で開催されたセミナー「日本における国際結婚の動向:ハーグ条約の視点から」に参加しました(Youtubeで公開中)。
講師は、「国際結婚」の著書も出版されている京都女子大学の嘉本伊都子教授。

日本政府は国際結婚の調査をほとんどしておらず、分析・データなど資料も少ないそうです。
私が海外にいた90年代、すでに離婚率は高く、国際結婚は圧倒的に悲劇が多かった。
外国人との結婚や恋愛は増加しているのは明らかですが、その実態はよくわかりません。
うまくいっているカップルだけが取り上げられ、まるで「国際結婚」すれば幸せになれるようなイメージが作られていますが。

嘉本さんにお聞きしたところ、 韓国のほうが、国際結婚の調査や法律に関して、ずっと進んでいるそうです。

そもそも、日本では「国際」などという言葉を使うから、まぎらわしいのです。
外国人との結婚を、イギリスでは「inter marriage(別の言い方としてはmixed marriage)、フランス語でinter mariage)」と表現します。
異民族との結婚であり、インターナショナル(国際的な)ではないと思うが。

イギリス政府が2001年4月に行った「inter marriage」調査はこちらです。




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by k_nikoniko | 2014-12-16 23:12 | 男と女

不倫をめぐる論争で白熱するフランス

日仏2プラス2の詳細を知りたい。
日英防衛協力といい、幕末の英仏権力競争を見ているようで気味が悪い。
そんななか、フランス大統領の不倫という、どうでもいいニュース。
軍事関係の取材はできないけど、フランスの不倫情報はわかるよ、というわけで、1999年に女性誌で書いた記事です。

恋愛至上主義のフランス人も不倫は許さないのです。
日本で婚外子の差別が問題になったとき、「フランスでは差別がない」と報道されましたが、フランスの婚外子は、不倫関係で生まれた子どもというより、「事実婚」のカップルに生まれた子どもが対象になっています。

以下は、90年代末に話題になった”本妻シンドローム”について女性誌に書いた古い記事の一部です。

自分より若い女性のもとへ走った夫に対する、妻の悲しみのメッセージといえる小説『本妻(La première épouse)』が1998年4月に発売され、1年間で24万部、ベストセラー・トップ10の5位になった。夫の女好きを知りながら、夫の甘い言葉を信じ、愛しつづける従順で誠実な50代の妻が主人公。愛を維持する難しさ、夫の浮気の苦しみ、結婚の現実など、女・妻・母である主人公の生々しい感情が切々とつづられている。
作家フランソワーズ・シャンデルナゴール自身の経験をもとに、微妙な女性心理を描いた小説は、フランス女性にとって身近な問題だったようで、多くの共感を得た。
発売直後には、フランスの女性誌で、作家のインタビューや"本妻シンドローム”といった特集記事が掲載された。

"本妻シンドローム”とは?
幸福な家庭を守る従順な妻の悲劇は、"第一夫人”のおごりからはじまる
フランスは愛の国。女性は自由に恋愛を楽しんでいるんじゃないの? 確かに、統計だけでみると、2.5組に1組が離婚しており、結婚という形式にとらわれないユニオン・リーブル(事実婚)もあわせると、くっついたり離れたりは日常茶飯事。しかし、フランス女性が鋼鉄のような図太い神経をもっているわけではない。
夫から別れを告げられ、無気力となり、どん底に落ち、自暴自棄になり、夫を責め、自問し、後悔し、怒り、泣く…。
小説の主人公のように、本妻シンドロームに陥る女性もいるのだ。
「私はライバルに嫉妬しなかった。"第一夫人”であることに、すっかり安心しきっていた」 過剰なほどの自信…。25年連れ添った夫が突然、それまで愛人だった女性との新生活をはじめ、妻を捨てる。絶望、痛み、憎しみ、愛。残された妻は途方にくれ苦しむ。
女好きに気づきながらも、夫が私をだますなんて一度も考えたことがなく、夫のために生き、寿命と同じく長期的な愛を望み、「君は僕の人生で一番大切な女性」とささやく夫を信じつづける妻。”夫の浮気には無関心を装い、目をつぶることに慣れてしまった”妻は、”責任感の強い現代女性として、毅然としていなければならない”とがんばり、”沈黙を守り、見て見ぬふりをし、忘れようと努め、じっと耐える”。
夫が去ったことで、妻はすべてを失う。

浮気は結婚生活における必要悪なのか?
真実の愛を求め、不倫をめぐる論争でいつも白熱
そもそもフランス語に”浮気”という言葉は存在しない。一般に使われる”infidélité”は「不実」を意味する。愛を誓った相手に不実であっても、これが本気になる可能性は十分あるのだ。
夫に浮気された女性の感情は、フランス人も日本人もあまり変わらない。違いがあるとすれば、結婚に対する考え方だろう。
フランスでも、結婚は本人同士の愛情よりも、家庭を作るという意識が強かった。結婚してたくさん子どもを授かるのが最も大切なことだとされていた。
女性が自由を獲得した1968年の5月革命で、結婚の意味が大きく変化した。お互いの意志での結婚。お互いの自由を認めた関係。しかし、ここで新たな問題が生じた。相手を束縛しないのなら、浮気も自由なのか?
現実には、「ノン」と否定する人が圧倒的だ。フランスでの離婚の大きな原因は、夫か妻以外の人との恋愛関係。特に女性は夫の不貞に厳しく、離婚の7割は女性からの要求によるもの。
結婚は家庭作りのたもではなく、男女の愛が中心となった。であれば、浮気が決定的なダメージを与えるのは当然である。
「パートナーの浮気の事実をはっきり知りたい」と答えたフランス人は、1983年には46%だったが、1994年は65%に増えた。

浮気アンケート(1994年のフィガロ紙&調査会社ソフレが実施した調査)
・相手が浮気をしていると疑ったことはあるか(男女)
  ある 20%、ない 72%、無回答 8%
・相手の浮気の事実を知りたいか(男女)
  知りたい 65%、知りたくない 26%、無回答 8%
・相手が浮気していたらどうするか(複数回答、男女)
  何が起きたのか理解するために話し合う 53%
  離婚を申し出る 18%
  ケンカする 17%
  相手を取り戻そうと努力する 16%
  一時的な別れを申し出る 13%
  浮気相手と別れるよう要求する 10%
  自分も浮気する 8%
  何も言わない 5%
  無回答 10%

『VoCE』 1999年8月号

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by k_nikoniko | 2014-01-12 00:22 | 男と女

30数年で男尊女卑から変化したフランス(『フランス式美人道A to Z』)

ほんの数十年前まで、フランスは典型的な男尊女卑の社会でした。
フランス革命も女性はカヤの外で、1804年には「フランス民法典」で家父長権が認められました。
服従を強いられていた女性が権利を回復したのは、60年代のフェミニズム運動以降。
家長権がフランス民法から削除されたのは1970年で、離婚が認められたのはその5年後のことです。
30数年で男女のあり方は大きく変化しています。
「20年前より家事分担が改善した」と女性誌アンケートに答えた女性は75%。
北欧や英米には遅れをとっていますが、男女のいい関係を模索しながら前進しているのがみてとれます。
試行錯誤を繰り返しながらお互い歩み寄る道をを探り続けていく姿勢は、ぜひとも参考にしたいものです。
日本では、男女のコミュニケーションが断絶しているようだから。

『フランス式美人道A to Z』より
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by k_nikoniko | 2013-06-14 20:03 | 掲載記事(2000~2010)

良い結婚の科学的分析

ニューズウィーク1999年4月26日号に掲載された、「結婚」のナゾに関する記事。
ワシントン大学のジョン・ゴットマン博士の科学調査をはじめ、その他いくつかの分析が紹介されている。
離婚率の高いアメリカだが、この記事は「いかに幸せな結婚生活を維持するか」が中心。
幸せな結婚生活を送るカップルを調査し、「成功の秘訣」を分析している。
詳細を知りたい方は、ジョン・ゴットマン博士のHPで。

以下記事の抜粋。

結婚生活を崩壊させる一番の理由は「怒り」であると考えられがちだが、実際は、「批判」「侮蔑」「弁護」「妨害」が要因になっている。
幸せなカップルは、お互いの夢や不安をよく理解している。

離婚の危機は、第一段階が7年目(平均5.2年)、第二段階が16~20年目(平均16.4年)。
問題が生じた場合、その4年後に別れるケースが多い。

夫婦のパワーバランスが違うと離婚にいたりやすい。
妻と役割を分かち合えない夫は、関係崩壊のリスクが高い。

結婚生活がうまくいっている夫婦はより健康で、自己免疫力も高い。
子どもの健康状態もよい。

ケンカになった場合、うまくいっている夫婦は「やり直そう」と試み、途中でこれ以上悪化しないよう努力する。
ケンカすることが、二人の絆を強める方法として扱われる。

とはいえ、努力しても結婚生活を維持できないこともあるし、DVなど維持すべきではないケースもある。
出会った頃に惹かれたものは何かを、お互いに問い直し、それがまだ残っているのであれば、結婚生活をつづけていく希望がある。

結婚の良好度を測るクイズも紹介されていた。
12以上〇なら、グッドカップル。お試しを!(ただし、日本人にも適用されるかはわかりません)

1) 妻/夫の仲のいい友人の名前を知っている
2) 妻/夫が最近直面しているストレスを知っている
3) このところ妻/夫をイラつかせている人たちの名前を知っている
4) 妻/夫がずっと思い描いている夢をいくつか知っている
5) 妻/夫の人生の基本的哲学を知っている
6) 妻/夫が好意を持つ身内(親戚)をリストアップできる
7) 妻/夫は自分のことをよく知っていると感じる
8) 二人が一緒ではないとき、妻/夫を好きだと思うことがよくある
9) 妻/夫を愛情込めてタッチしたりキスすることがよくある
10) 妻/夫は自分を心から尊重している
11) 二人の関係に熱愛や情熱がある
12) 二人の関係の一部に、まだ確かにロマンスが存在する
13) 妻/夫は夫婦関係であることに感謝している
14) 妻/夫は一般的に自分のパーソナリティーが好きである
15) 性生活はほぼ満足している
16) 1日の終わりに、妻/夫は自分を見てうれしそうである
17) 妻/夫は自分の親友のひとりである
18) 一緒に話すだけで楽しく思う
19) 議論のなかで、得るもの与えるものがたくさんある(お互い影響を与え合っている)
20) 意見が合わないときでも、妻/夫は自分の話をちゃんと聞いてくれる
21) 妻/夫は普段、問題解決のために、大きな力になってくれる
22) 一般的にいって、人生の基本的な価値とゴールが、よくかみ合っている


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by k_nikoniko | 2010-09-20 08:05 | 男と女

国際結婚の悲劇

今日は裁判の傍聴。
妻を殺害したネパール人の判決だった。こういう事件は胸が痛くなる。

離婚を迫る妻に激昂し、殺害。生後6ヶ月の長女の遺体を近くの川に流し、さらに、店舗兼自宅を放火。
殺人、死体遺棄、放火の罪で、27歳のネパール人が懲役15年を言い渡された。
求刑は懲役23年だったが、事件の背景に言語の壁や意識や習慣の違いによる感情の行き違いがあった、と裁判長は指摘した。

この事件の背景からさまざまな問題が見えてくる。

被告はひどく顔色が悪かった。日本語はまったく話さず、妻の家族のほうも最後まで見なかった。

事件が起きたのは、北海道倶知安町。
オーストラリア人スキー客が急増し、セレブなコンドミニアムが建ち並び、国際リゾート化している地域だ。
先日、ここを見学してきたばかりなので、その華やかが、かえってこの事件を悲しくさせる。
ネパール人と妻はカレー店を経営していたが、この町に住む私の知人は、その店の存在を知らなかったそうだ。
外国人は多い町だが、そのほとんどがオーストラリア人で、外国人コミュニティには入れなかったのだろう。
オーストラリア人とネパール人に対する日本人の見方も、同じではなかったかもしれない。

二人の結婚までの経緯は知らないが、言葉が通じず、お互いの文化や習慣を理解できていないうえでの関係は、障害もたくさんあるだろうと想像できる。
愛があれば乗り越えられる、といった次元ではないときもあるはずだ。
「結婚」の概念も、それぞれ異なったのかもしれない。
男性がそもそもどんな人柄だったのか、コミュニケーションが十分にできない関係では、なかなかわからない。もともと暴力的だったのか、追いつめられて豹変したのか。
日本人同士でも、それを知るのが難しいかったりするのだから。

国際的、というのは、単に外国人と話して、友だちになるだけではない。
こうした悲劇が起きない、共生できる社会を作ることにもあると思う。
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by k_nikoniko | 2009-03-11 20:37 | 男と女

両親の離婚と子供の殺意

離婚した親を憎み、犯罪に走る子供の事件が続いています。
前にも書きましたが、イギリスもフランスも離婚が多いにもかかわらず、私が知っている限りでは、親殺しといった事件に遭遇したことはありません。
6月、ロンドン在住の友人と昼食をしているとき、「日本では離婚したら母親が子供を引き取るのが普通で、父親は子供に会う機会が少ない」という話になりました。友人は、「それはおかしいよね。だからあんな放火事件が起きちゃうのよ。イギリスでも相当恐ろしい殺人事件があるけど、親殺しなんてないわ」と一言。
あれからも似たような犯行が続いています。
この現象は日本独特で、イギリスやフランスとの違いを考えると、やはり離婚のあり方にあるように思います。
子供のために愛情もなく同居することは賛成しませんが、“子供の権利”を無視した別れ方は問題です。
子供の想像力不足を嘆いていますが、大人のほうこそ自分のことにいっぱいいっぱいで、子供の将来について想像を働かせる余裕がないのではないでしょうか。

ずいぶん以前から、フランスのメディアでは、離婚と子供に関するテーマでひっきりなしに議論が繰り返されていました。
そのうちのひとつに、「離婚した父親が子供と会う権利」があります。
フランスでは、離婚して母親が子供を引き取った場合でも、最低でも週に一度は父親と過ごすことが義務づけられています。
にもかかわらず、争って離婚したり別れた父親は、子供と会う機会を失うケースが多いそうです。
そこで、子供に会うことができない父親たちは団結し、権利を主張しはじめました。
10年ほど前の女性誌に、次のようなレポートが掲載されています。

母親と暮らす子供のうち、父親に会う機会が一ヶ月に一度より少ないのは42%で、全く会っていない子供もいる。
ある調査によると、離婚や別離後に母親と暮らす子供は全体の85%で、父親と子供の関係の断絶をするのは、元夫を嫌悪する母親である場合が多い。
父親が再婚などで新しい家族を形成すると、子供との絆が弱くなる。ひとり暮らしの父親の場合、62%の子供は父親と月数回会っているが、再婚した父親に月数回会う子供は30%に減少する。父親が関係を断つのか、母親が父親に近づかないようにさせるのかはわからないが、父親と子供の関係の弱さが、現代社会で最も重要な問題になっていることは確かである。
母親が子供を連れて実家に戻ってしまって父親と会うチャンスがなくなる場合など、どうするかが問われている。
いずれにしても、子供に会うために戦っている父親は15%しかいない。というのも、裁判で勝訴する可能性が低いからだ。
ある社会学者の調査によると、父親が親権を得る可能性は、0.5~30%と裁判官の偏見によって幅がある。離婚裁判には女性優位の性差別がある。養育費を支払わない父親の99%が有罪とされ、そのうち24%は刑務所送りとなる。一方、父親に子供を会わせようとしない母親は、11%だけが有罪とされ、刑務所に入るのは0.7%のみである。
父親に子供を会わせようとしない軽犯罪は、過去15年で10倍に増えており、父親と子供の関係を壊している。
養育費を支払わない父親のうち30%は、支払い能力がない人だが、母親はそれを理由に子供を会わせようとしない。
これに対し、昔のフェミニズム運動のように、父親たちは直接行動に出はじめた。その結果、政府も動き、子供に会う権利は保護される傾向にある。父親に子供を会わせようとしない母親には罰金を課せられるなど、制裁を下されることになった。


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by k_nikoniko | 2006-08-30 16:26 | 男と女