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原発震災離婚(週刊金曜日)

『週刊金曜日』(2011年10月21日)に書いた記事です。

原発事故が引き裂いた男女の絆

当山 原発事故が起きた時、最初は夫も一緒に避難してきました。でも、事故があまりにもダラダラと続くし、政府は「大丈夫だ、大丈夫だ」としか言わないし。そうしたら、夫が「一旦帰る。福島には仕事あるから」って言い出したんです。避難生活では180万円があっという間に消えてしまいましたから。それでみんなで帰ろう、って決めたんです。でも、ちょうどその時に2回目の大地震が起きて……。それで私は、やっぱりまだ様子を見たいと思い、子どもと残りました。それからは福島との二重生活。夫は「オレが福島で働いて、仕送りするから」って。

藍田 私は、地震後すぐに娘と一緒に東京へ避難しました。夫とは電話も通じなかったし、仕事の邪魔もできないと思ったから、告げずに避難したんです。東京にいる1カ月間、夫は一度も来てくれなかったし、「そこ(東京)から危ないと言われても困る」って、話しを全然聞いてくれなかった。でも、私も仕事を中途半端にしたままにしてきたこともあって福島に帰りたくなったんです。それで、4月の終わりに「避難生活やめる」と言ったら、夫は結局それを待っていたみたいですごくうれしそうでした。
当山 やっぱり、別居生活が2カ月、3カ月と続くと精神的に追い詰められていくんですよね。これまで家族で暮らしていた家にポツンと一人。仕事して家に帰っても料理作って待っててくれる人もいないし、子どもの賑やかな声もない。友だちはみんな福島で普通に生活し始めたので、「どうしてうちだけこんな生活しなきゃいけないの。寂しいよ」と夫からは言われました。
藍田 私も一度は福島に戻ったんです。でも、五月下旬に娘が鼻血を出して、それで心配になって、夫に「鼻血出したんだよ、おかしいよ」と言ったら、「医者に行けばいいだろ」って真剣に聞いてくれなかった。外に出たら被ばくしちゃうのにって、涙がボロボロ出てきて……。それで、翌日、また娘と一緒に逃げてきました。夫には、ひじきの煮物作って置いてきたまま……。
立花遥香 私は、被ばくが心配だったから、夫に「仕事やめて」と言いました。「(福島では)子どもも絶対に産まない。耐えられない。安心して子どもを育てられるところに移ったほうがいいんじゃない」って。
立花光男 妻と私は、お互い二男・二女で、アパート暮らしだったから、身軽だったというのはあります。ただ、できれば避難はしたくなかった。地元に愛着や想い出がたくさんありますから。でも、福島でいろいろと気にしながら生活するよりは、違う土地で健康な生活を送れればいいのかな、と。
当山 放射能って見えないからわからないんですよね。夫からは「自分が生まれ育った町が汚れているとは思えない。俺は残りたい」と言われました。でも、客観的に福島を見ると、私にはもう無理なんです。生活していい場所だとは全然思えない。福島のアパートの部屋は、空気清浄機をつけてやっと0.2マイクロシーベルトまで下がるんですよ。夫には「健康が保証されないところに子どもを連れて帰れない」という話をして「仕事も見つけておいたから、こっちへおいでよ。私も働くから」って言ったんですが、彼の踏ん切りがつかなかった。それで夫から「もう耐えられない」と離婚を切り出してきました。

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by k_nikoniko | 2015-06-25 07:46 | 掲載記事(2011~)

国連人権委が福島原発問題にはじめて勧告

国連の人権規約委員会が7月24日に出した勧告のなかに、今回はじめて、福島第一原発事故問題が言及されました。
福島事故が人権問題として、国連で取り上げられたのは、画期的なことです。

7月25日に行われた記者会見で配布された、海渡雄一弁護士の「日本政府報告書審査の概観」によると、審査では次のような質問がされたそうです(引用)。

「スイスのケリン委員が、福島原発後の状況に懸念があるとして、特別報告者(アナンダ・グローバー氏)のレポートを取り上げ、国際基準(年間1ミリシーベルト)の20倍の線量地域に帰還政策がとられていること、帰還した者に月次の補償がなされるのか、避難している人々にどの程度の情報が提供されているかなどの質問がなされた。」

勧告の訳は以下の通りです。

福島原子力事故

委員会は、締約国が設定した福島の被ばく量の上限が高くいこと、数か所の避難区域が解除されたために人々が高レベルの放射能に汚染された地域に戻ることを余儀なくされている状況を懸念する。

締約国は、福島原発事故で被害をこうむった人々の生命を保護するために必要なあらゆる措置を講しなければならない。そして、住民にとって危険のない放射線量である地域以外はすべの汚染された地域は、避難区域と指定しなければならない。
締約国は、放射線量のレベルをモニタリングし、原発事故の被災者に適時その情報を提供すべきである。


こうした勧告の法的拘束力がうんぬんされますが、日本は勧告を遵守しなければなりません。
人権規約委員会の英語の名称は「Human Rights Commitee」で、各国の人権を擁護し、人権の尊重を促すのを目的とし、国連で採択された「自由権規約」の実施を監視するために設置されました。
日本は1979年にこの自由権規約に批准しています。
日本国憲法第98条2項では「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」とうたっています。
この自由権規約を実施していないとみなされて出された勧告には従わなければなりません。
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by k_nikoniko | 2014-07-29 10:31 | 原発・核

フランスの脱原発派の声:70年代からの反原発活動家

シャーリー (反原発活動家、「アビニョン・モナムール」の一員)
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1970年代から反原発運動をしています。正確には、1972年のビュジェ原発建設反対のときで、その後、クレイ=マルヴィル(1977年)原発反対など、あらゆるところで闘ってきました。私は遠くに住んでいたのですが、定年退職し、アビニョンの反原発運動家たちとコンタクトをとりました。
アビニョンに来てすぐ、福島原発事故後のフランスの新しい反原発アクション、「アビニョン・モナムール」という活動に参加しました。反原発を目覚めさせ、推し進める活動です。
明日が福島原発事故から一周年ですが、今日、原子力の問題についての集会や討論会を開催しています。
アビニョン周辺にはたくさんの原子力施設があります。トリカスタン、カダラッシュ、マルクールなどです。私たちは、この地域についてとても心配していますが、同時に、原発が建設されている国際社会についても懸念しています。
脱原発は非常に難しいです。フランスは、完全に原子力産業とむすびついています。なぜなら、核兵器を所有する国だからです。核軍備戦略です。軍事力を正当化し、採算をとるために、原発建設の決断をしています。
平和目的といいますが、実際には、軍事目的と平和目的の間にはそれほど違いはありません。平和目的といえども、原子力はとにかく、軍事目的なのです。
原子力の平和利用と軍事利用の結合は、国家のプロパガンダを作り上げています。エネルギーの代替策がないと思わせ、納得させるようとしています。環境問題の解決策は原子力だ。これが国の論理です。
フランス人はいままで、かなりそれに洗脳されていています。メディア、科学、政治によって、論証されるからです。
科学はこの戦略に存在しています。私たちはつねに原子力の必要性を感じさせられています。
原発事故が起きても、チェルノブイリ事故でさえ十分とはいえませんでした。今回、福島原発事故というとても重大な事故が起きましたが、人々は時間がたつにつれて、その出来事を忘れはじめています。
30年もの間、私たちは反原発運動をやってきましたが、いつも同じです。
原発は電気を作っていますが、それは「おまけ」でしかありません。原子力産業の軍事利用の結果として、電気を得るという平和的利用がついてくるのです。少し誇張しているかもしれませんが、最初はそうだったのです。
原子力産業の最初の数十年間は、軍事目的でした。正確な数字はわかりませんが、トリカスタン原発には6基の原子炉があったと思いますが、そのうちの2基か3基は、軍事目的のために確保されています。
次の大統領選の立候補者は、誰も脱原発についての議論をしていません。誰ひとり、です。その話をしないか、「原子力はすばらしい」と言うかです。脱原発について真剣に考えている候補者はいません。誰もこのテーマを好みません。
これは、フランス人の現実のメンタリティに関係しています。誰も脱原発について話したくないのです。たとえば、極左のメランションは脱原発ですが、彼は共産党や他の政党との連携を表明しており、共産党は原発推進派なので、この件について話しません。それを問いただしたら、「脱原発については内部で討議中」と答えました。
原子力の話を持ちだす人は、「再生可能エネルギーに少しずつ置き換えていく」と言っています。30年、50年かけてです。事故は明日起きるかもしれないということをわかっていません。明日、来年、数年後に、事故は起きるといわれています。研究によると、フランスでも、福島と同レベルの重大事故が起きる可能性があるのです。原発はすぐ停止しなければなりません。でも、それを誰も要求しません。

2012年3月10日、アビニョン、「フクシマデー」にて

ビデオ「フランスの原子力から考える<脱原発デモ>
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by k_nikoniko | 2013-12-22 11:05 | 原発・核

事故直後の福島の女性たちの訴え

2011年6月に福島に行こうと決めたのは、福島の母親たちのお話を聞いたからでした。
東京で集会に参加し、福島からの3人のお母さんの訴えを聞きました。
福島の方々がどのような思いで日々暮らしているのか、その実状を直接耳にするのははじめてでした。
不思議なほど、福島からの声は、私たちに届きません。
メモもとらなかったので、うら覚えですが、お母さんたちのお話の一部を紹介します。

福島第一原発のある町が出身で、父親は東電の下請会社の社員だった。
原発の恐ろしさは、子どもの頃から知っていたが、反対運動には参加してこなかった。
結婚して福島県伊達市で暮らしはじめる。
原発からは50キロ離れているので、何かあったら逃げられるだろうとたかをくくっていた。
事故が起きたときは、周囲の人が驚くほど、子どもたちに完全装備させ、学校に通わせた。
まわりのお母さん、お父さんたちにも、原発の危険性を訴えたが、冷たい反応をする人もいた。
テレビに出演などしたため、無視されることもあった。
PTAの役員をやっている責任から、自分だけ逃げるようで、避難を決意するのをためらったが、最終的に札幌へ避難することにした。

福島市在住で、子どもは今年高校に進学。
希望する進学校に合格した息子を尊重し、福島にとどまる決意をする。
福島原発の電気が東京で使われていることも知らなかったし、原発についてはほとんど関心がなかった。
最初は御用学者の「安全」という言葉を信じていたが、学校の対応などの疑問から、自分で勉強をはじめ、さまざまな事実に気づいた。
この事故で、はじめて、市や県に問い合わせたり、直接職員にかけあったりした。
「子どもの20ミリシーベルト問題」では、文科省にまで出向いた。
福島県では、県産の農産物の安全性を謳い、東京などにも売り込んでいるが、福島産のものは食べないでほしい。
「息子が年下の女性と結婚するとしたら、今、学校給食を食べている世代かなぁ」と想像したら、給食に汚染された食品が使われるのではないかと心配になり、調べはじめた。
これまで何も知らなかったことを反省している。
今後も福島にとどまり、自治体を動かす力になりたいと思っている。

事故が起きた当初、御用学者の言葉を信じ、放射能の危険性には無頓着だった。
心配する知り合いに、「大丈夫だよ」となぐさめるのが私の役目だった。
インターネットの情報もいろいろで、真実がわかなかった。
子どもを守らなければ、と自らさまざまなツールを駆使し、正しい情報を収集していった。
自分で調べた結果、避難すべきだと決意した。
まわりの親たちにも説得しているが、多くがまだ安全だと信じている。
どうしていいのか、迷っている親たちもたくさんいる。
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」には、「本当は安全じゃないんですよね?」と電話で聞いてくるお母さんが増えた。
そういう親に、できるだけ真実を伝えたいと思っている。
私には、子ども以外、失うものは何もない。
だから、放射能も怖くないし、国や自治体、東電も怖くない。
一筋縄ではいかないけれど、子どもたち、その孫、そしてその孫のために闘うしかない。
子どもたちは、「外で遊びたい」とも言わない。その聞き分けの良さが、かえって不安だ。
この反動がどのように爆発するのか、精神的なストレスを心配している。
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by k_nikoniko | 2013-09-15 09:06 | 原発・核

相馬高校放送局の演劇「今 伝えたいこと(仮)」

JCJ特別賞を受賞した相馬高校放送局。
原発をテーマにした演劇「今 伝えたいこと(仮)」のライブを、昨年12月に仙台で観ました。
DVD上映とは違い、女子高生たちの生の叫びは強烈でした。
上演後のトークショーでの彼女たちの会話もまた、深く胸に突き刺さりました。

以下、彼女たちのお話です。

芝居をやることで、当時のことを思い出し、つらい。
後半の観客席に向かって叫ぶシーンは、練習の時も本番の時も、毎回つらい。

思い出すのがつらくて、本当は忘れてしまいたいぐらい。
忘れたら、原発とかどうなるのかと考えると、忘れるわけにいかなくて。

シナリオは実体験を集めて書いた。普段言わなくてもいいようなことも言って。
自分のつらいことを掘り起こして他人に話すのは、聞く側もつらい。
「地デジ買った?」という普通の会話でさえ、そのひとつひとつの会話が地雷になるかもしれない。
普段の会話で、使わなくてもいい気をつかうようになった。
つらかったことは話すのも聞くのもつらい。
私は被害が少なかったので、「自分はどうしてこんなに幸せなんだろう」と思ったりする。

音響を担当しているが、毎回涙が出る。
観客が涙を流している音が聞こえ、真剣に聞いてくれているのがわかり、うれしかった。
家の中も毎時0.2マイクロシーベルトで、放射能は本当に怖いです。

原発に関しては、しょうがないかな、とあきらめた部分もある。

普段あたりまえのもののありがたみ、価値観が変わった。
いつも「おはよう」と言っていた人がいなくなって…。
日常の幸せをかみしめている。
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by k_nikoniko | 2013-08-26 08:41 | 原発・核

原発のリスク保険は誰が払うべきか?

フランスのメディアTera-Eco電子版の2011年6月13日に、「原発事故のリスク保険」に関する記事が掲載されました。

記事は次のような内容(全訳ではありません)。

原発事故を予想して、消費者に課税し、共同資金を積み立てなければならない。しかし、その金額は? そして、誰が運営するのか? 原発は民間セクターにとどめておくべきだろうか?

福島第一原発事故の損失額は、厳密に見積もるのは不可能だ。人々の苦しみや不安、生態系の崩壊はお金に換算できるのだろうか? 金銭での見積もりには限界があるケースとして、2つの項目がある。

・災害復興にかかわる費用:心の健康に関してはもちろんのこと、地域住民へのケアと補償を考慮に入れながら、地上と海上を元の状態に復興するうえでの危機管理。

・経済的損失(流通の断絶、東京電力の価値損失、日本の株価の下落、経済活動への影響、日本および海外の原子力産業とそれに伴う産業の雇用、既存原発の安全に必要な再建費用、今後徐々に脱原発に向けるための費用など)。規模の程度や項目ごとの合計額を知るには時間がかかる。津波の影響をどのようにしてうまく区別するか? 確実にその総額は、1000億さらには1兆ユーロになる。

これらの費用はオペレーターが援助してくれるのではなく、支払う側の国(つまり国民)と補償されない被害者、もしくは、国か被害者がけりをつけるということをみなわかっている。

なにより、原子力エネルギーの消費者にリスク保険料を払わせるのは、論理的であると思われる。化石燃料による発電の気候への影響を懸念し、そして、十分とはいえないまでも、ヨーロッパ市場で割当量が決められ、長年望まれてきたのである。民間保険会社は原子力の危険性に向き合おうとしなかった。解体の貯え(総額が問題になったとしても)と事故時の現金化に適した共同資金の創設には慎重である。原発保険を増加するのは容認しかねるだろう。結局のところ、総額の計算が残されている。一方では重大事故の可能性、もう一方ではその事故に関連した損傷の総額を加算するのが重要だ。

めったに起きない出来事に対して、可能性を計算するのは非常に難しいのは明らかだ。同様の原理に関して:社会は、少ない可能性で重大な結果を及ぼす事故を受け入れる用意ができているだろうか? 計算の方法に関して:ときには最小限であるが、悲劇的になるかもしれない事故の全体像を推測すべきだろうか? 4つの事故(チェルノブイリが1つ、福島第一原発は3つの原子炉)と数えるべきか、ひとつとすべきか? 事故の可能性を目標にし、それに応じて原発の適正規模を決める立案者がよい計算をするとみなすべきだろうか?

粗野なアプローチではあるが、とりあえず推測を進めよう。フランスと比較可能な世界の原発施設は、運転中の14000年・原子炉で、重大な事故(チェルノブイリと福島第一)は2回起きた。30年後を推測してみよう。そのときフランスの原発施設は1800年・原子炉が稼動している。チェルノブイリのケースを度外視して、今後30年間でフランスの原発施設で10%の事故の可能性があるだろう(1800/14000の比で端数切捨て)。損失額については、事故1回につき1兆ユーロ程度だろう。そこで、1000億ユーロの共同資金を積み立てる必要がある。30年で、電力生産量は約12000テラワット。現実的かどうかは抜きにして、1メガワットにつき0.8ユーロほどのリスクカバー率の保険料にしなければならない。合計では、年間3~4億ユーロになる。

もちろん、ここで出た数字は例でしかない。会計検査院の監査は、透明性のある方法で、多様な分野の専門家の意見を聞いて、より正確にわかるようにしてくれなければならない。この件については、科学的真実は存在しないであろうが、推測といくつかのデータの有効性を認めなければならない。

実行するにあたり、制度上の問題が存在する。今日、原発施設に使われる税金は、約4億ユーロだ。我々の例では、共同資金を運営企業の会計に残らないようにするためには、年間7億ユーロを使わなければならない。建造物1つにつき、事故が起きなければ多すぎる金額で、重大な事故の場合は十分とはいえない。それは国家の予算になるだろう。したがって、共同資金にたくわえを別にとっておくべきか、一般予算に残すべきか? たぶん、共同資金の予算に残すほうが論理的だろう。そこで2つの問いが出てくる。運営企業が民間であっても利益はふさわしくなく、原発の潜在的な損失は必然的に社会化されていると言うことではないだろうか? したがって、原発は、公共組織に属しているに過ぎないと理解できないだろうか?


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by k_nikoniko | 2011-07-23 00:57 | 原発・核

原発の本当の料金

Tera-Eco5月号の編集長のコラムです。

事故から2ヶ月、福島原発事故の原因と結果を我々は少しわかってきた。あらゆる状況でも津波に対応できる備えに関し、事業主である東京電力は明らかに先見の明がなかった。そして、原子炉の設計ミスに目をつぶっていたとの疑惑もある、東電の無関心さ。さらに、管理文書の改ざん。これらの要素が、予想外の信じられないほど巨大な津波がこの一帯を襲いかかったときに、不幸にも高額な費用をもたらした。事故の公衆衛生に関するバランスシートが作成されなければならない。日本政府と東京電力の透明性の欠如が原因で、より巨額な補償金を要請する中身になるであろう。チェルノブイリ事故から25年経った今でも、バランスシート問題は科学業界を分裂させる議論であり、福島原発についての討論でそれが終わっていないことを考えざるをえない。我々はすでに、東京の3500万の住民が最悪の事態を逃れたことを知っている。原発周辺の土地の一部では、多くの農作物が処分された。それどころか、住民は二度とそこへ戻れないかもしれない。海に関しては、汚染があらゆる生態系に広がるだろう。社会的、環境的、経済的な福島原発の費用は、少なくとも、非常に大きな工業事故の費用である。1年前にメキシコ湾にBPの石油掘削リグ「ディープウォーター・ホライズン」の爆発のように。

納税者の支持

しかし、今回はより深刻だ。BPとは違い、事故の費用を引き受けるのは東京電力だけではないと思われるからだ。日本の納税者は、たぶん、費用のかなりの部分を負わなければならないだろう。彼らは二重に支払うことになる。ひとつは直接の損害に対し、そして2つ目は損害の復興に対し。ここで疑問がわく。原子力エネルギーの生産者は、不測の工業大事故の料金を受け入れるために経済的に備えていたのだろうか? もし備えていないのであれば、納税者の並々ならぬ支援なしには機能しないのが原発だと象徴していることになる。ここで、2つ目の疑問が出てくる。最終的に支払うのは国家だと言うのであれば、事業主はあらゆる不可欠な注意を払わず、そうした注意に対する度はずれな費用を引き受けなくていいのだろうか。さて、逆に考えてみよう。最大限の安全対策に関する調査費用のすべてを事業主が負うとしたら、事業主はそれでも原発の開発を行うだろうか?


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by k_nikoniko | 2011-04-29 20:29 | 原発・核

フランス経済誌「原発の選択」

フランスのオルタナティブ経済雑誌Alternatives Economiquesの4月号のPhilippe Frémeaux発行人コラムより。

絶対的なリスク

日本を直撃した原発事故は、フランスが選択してきた原子力政策の正当性の議論を再浮上させている。フランスの原発が福島原発より安全であろうとも、日本と同じ時期に、フランスでも、エネルギー生産の手段が提起する本質的な問題が投げかけられている。

原子力エネルギーの問題点は、リスクが伴うという固有の性質にある。この場合、たとえ小さくても、取り返しのつかない種類の事故を生み出す可能性がある点だ。思い出してみよう。プルトニウムが放射線を出さなくなるまでには何十億年もかかる。すなわち、原子力の危険性は、その絶対的な性質により、技術者や専門家にとっては貴重な確率計算を、無意味なものにしてしまうのだ。我々がこの文章を書いている今でさえ、福島原発事故がもたらす影響を完全に測定することはできない。しかし、ひとつだけ確かなことがある。1986年のチェルノブイリ事故より最悪な爆発が我々をかすめたという事実だ。爆発による汚染は、3500万人が暮らす東京の人家集中地帯まで及んだかもしれない。

脱もしくは反原発の決断は、技術的選択というより、政治的選択、社会的選択、倫理的選択であると見定めることができる。我々の同胞たち、そして将来の世代に対する人間としての責任が問われているのだ。それはまたライフスタイルの選択でもある。人類を途方もないリスクへと向わせている、つねにプラスという名目の経済システムの究極目的に対する問いである。

原子力はフランスのエネルギー生産のなかで大きな比重を占めているため、すぐに全面的な方向転換するのは不可能だ。そして、事態がどうなろうとも、放射性廃棄物の管理、老朽化した施設の段階的な解体といった残骸を責任持って引き受けなければならない。だからといって、脱原発は不可能ではない。脱原発は、エネルギー経済における並々ならぬ努力が前提とされる。さまざまな再生エネルギーへの依存を大幅に高め、よりフレキシブルで地方分権化したエネルギー提供に対応するエネルギー網と消費スタイルの再編成が求められるだろう。一方で、再生エネルギー生産の収益を上げるためには電気料金が高くなり、省エネ製品開発のための設備投資を促し、快適な生活をある程度維持しながらも消費者行動を変化させなければならないだろう。結果的には、再生エネルギーの依存が、あらたな雇用で利益を出すことになるだろう。ドイツの例にとっても、風力および光起電力の開発は、すでに35万人以上の雇用を生み出している。

原発の選択は、50年以上もの間、技術者の確信、産業界の利益、国家権力の意向によってなされてきた。どのような議論も禁じられてはいない。今こそ、民主主義に立ち戻るときである。


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by k_nikoniko | 2011-04-19 00:41 | 原発・核

TPPと日本の農産物、そして放射線汚染

3月13日(日)は、札幌でTPPに関する「開国フォーラム」が開催される予定でした。
参加を申し込んであったのですが、11日の地震の後すぐに、「中止」のお知らせメールが届きました。
このメールは素早く届きました。こうした迅速な対応は、ここじゃなくて、原発で発揮してほしかった…。

フランスの放射能調査団体の声明を読むと、今後の日本農業は、致命的な打撃を受けそうな気がします。
少なくとも、フランスは日本の食品を警戒するだろうなぁ。
チェルノブイリ事故のときのことを思い出すと、そういう事態は避けられそうにありません。

こうした状況で、TPPはいったいどうなるのでしょう。
アメリカはこれに便乗して、TPPを迫ってくるのではないでしょうか。
「日本の農産物は不安」と煽りたてるのは簡単だし、それに乗せられてしまう日本人もたくさんいそう。

市民の抵抗もむなしく、原発建設が決まっていくのと同様、農業政策も市民の存在を無視して進められていく。
このところ、食品加工の歴史などを調べていて、つくづくそう思いました。
輸入増加を延期するよう嘆願する文書などを読むと、農業従事者や中小企業の食品加工会社がささやかな抵抗をしていたにもかかわらず、ほとんど聞き入れられなかったことがわかります。

フランスは農業大国でもあるからか、今回の原発事故を、放射能汚染が及ぼす農作物への影響として重大にとらえています。
日本では全くといっていいほど、そうした観点からの議論がありません。
農業を蔑視してきた路線が、こんなところからも見てとれます。

この事故から引き起こされる今後の問題を考えると、ものすごく悲観的になってしまいますが、落ち込んでいても何もならないので、できることをこつこつ積み重ねていくしかないですね。

TPPについても、忘れないように監視していきたいと思います。


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by k_nikoniko | 2011-03-19 16:08 | 原発・核

フランスの脱原発ネットワークのHPから

875の団体が参加するフランスの“脱原発”ネットワーク(Réseau "Sortir du nucléaire")のHPの一部を紹介します。
原発事故の状況は、新聞や通信社などの記事から構成されています。
フランス人はマスメディアをあまり信用しない、と書いたのですが、ここの記事も、フランスのマスメディアからは、AFP通信とRLTのみ。
アメリカのメディアが多く用いられていますが、そうであれば歪曲も考えられ、それはそれで問題がありそうです。
海外の情報をどう伝え、どう収集するか。大きな課題です。

このページの最後には、11人のスポークスマンの連絡先が記され、次のような一文が添えてあります。
「脱原発ネットワークの11人のスポークスマンは取材に応じます。なるべく各自の携帯に電話をしないで、ネットワークの固定電話に連絡をお願いします。緊急事態ですので、ご理解ください。ジャーナリストが十分に情報を手に入れ、その情報を伝えることが最も重要です」

以下、“脱原発”ネットワークの「日本の大規模原発災害
3月20日15時からパリの国民議会前で集会を行います。
日本人犠牲者の追悼および原発の危険性を訴える集会に、たくさんの人が参加してください。

脱原発ネットワークでは、老朽化したフランスの16に原子炉を即刻停止し、脱原発に向けた計画を要求する声明を発表しました。

日本での原発の危機は、私たちがこれまで何度も恐れていたように、次第に大災害へ向って拡大している。今、私たちの心に浮かぶのは、この事故で犠牲になる人たち、そして、大災害を避けるために命を賭けて尽力している労働者たちのことだ。私たちはまた、長年、自国の原発計画の恐ろしい危険性を告発し、非常に困難な環境で警戒の業務に従事しつづけてきたエコロジスト団体や日本の反原発団体の友人たちとの連帯を表明したい。

原発事故の脅威は現在、福島第一原発の6つの原子炉へと拡大した。
脱原発ネットワークは、恐怖に怯えながら、原発の大災害の悪化と日本政府の無力さを認めた。

3月16日21時(フランス時間)時点での状況

3つの炉心の部分的な溶融、2つの使用済み核燃料の火災、5つの水素による爆発が、福島第一原発で起きた。3月11日の地震と津波以来、途方もない量の放射線が空中に放出した。4つの原子炉では、使用済み核燃料が環境に接触するだろう。

「スローモーションの悪夢だ」とマサチューセッツ工科大学のトーマス・ネフ博士が発表。(ロイター通信)

1号機原子炉の炉心は70%溶融。3月12日の水素爆弾に耐えた原子炉は、周辺の放射線を400mSv/時、12時間の被ばくで死に至る量まで一時的に増加した。炉心は一次回路への海水の注入で冷却。放射線を含む蒸気の放出はつねに起きている。

2号機原子炉の炉心は33%まで溶融。原子炉は3月15日の水素爆発に耐えた。炉心は一次回路への海水注入で冷却。2号機原子炉の一次回路は、日本当局によると、「それほど問題ではない」と言うが、放射線を含む蒸気は噴出。(ニューヨークタイムズ紙) 放射線を含む蒸気の放出はつねに起こっている。

3号機原子炉の炉心は何パーセント溶融しているかわからず。原子炉は3月13日の水素爆発に耐え、炉心は一次回路への海水注入で冷却。3号機原子炉のタンクは損傷に耐えたが、その重大さを無視された。日本政府は本日、そのことについて何度も説明を変えた。(ニューヨークタイムズ紙) にもかかわらず、政府は、プルトニウム燃料を収容している原子炉の冷却が最優先だと断言。プルトニウムは、これまでの燃料より不安定で反応しやすい。[Mox燃料は、フランスの原子力企業Arevaが生産した燃料](訳注:太文字は訳者) ヘリコプターが原子炉に向けて直接水をかけようとしたが、原子炉周辺の放射線量レベルが高すぎ、活動を断念した。(Today News) 放射線を含む蒸気は、3月16日10時(日本時間)に事故中の原子炉から噴出した。(共同通信)

3号機原子炉の使用済み核燃料プールの冷却装置に問題がある、とIAEA。使用済み核燃料プールの冷却装置の停止は、炉心の溶融のように大事故の原因になる。そして、環境への大量の放射線放出が行われる。[使用済み核燃料は無害物質ではない。放射線物質の燃えカスである。それが永久に冷却しなければ、溶解し、大量の放射線物質が放出する。例えば、停止して1ヶ月たった1300MWの原子炉は、残留出力が6MWもある] 事故を起こした原発の使用済み燃料プールは、原子炉の下に位置しており、炉心と違い、鋼鉄やセメントの層で保護されていない。つまり、水がなくなれば、高濃度の放射線を含む使用済み燃料が周囲に直接放出されるということである。(Broomberg)

福島第一原発の4号機、5号機、6号機原子炉は地震の間、停止していたため、原子炉の使用済み核燃料プールの水の冷却装置も機能せず、今度はそれらが、24時から深刻な問題になってきた。

3月15日と16日の2回の水素爆発のたびに、4号機原子炉の使用済み核燃料プールで火災が発生した。アメリカ原子力安全委員会の委員長によると、4号機原子炉プールには水が入っておらず、3月16日20時(フランス時間)に濃度の高い放射線の排出を引き起こした。(AFP通信) 東京電力は、燃料の分裂により原子炉が再燃焼し、巨大な放射線放出のリスクを無視できないと発表。(共同通信) 放射線物質の量が多すぎ、労働者は水を注入したくても近づくことができない。(共同通信) 放射線を含む蒸気の放出はつねに起きている。

3月15日、5号機原子炉の使用済み核燃料プールの水位が2mに低下。その理由は、使用済み核燃料の冷却装置の故障で、水温が上昇したため。(Bloomberg)

6号機原子炉の使用済み核燃料プールの水温も上昇。

日本原子力安全・保安院によると、3月16日10時40分(日本時間)の原発正門の放射線レベルは、10mSv/時に達したという。16時(日本時間)には1.5mSv/時に安定。その量は、自然に浴びる放射線レベルの1万倍に相当する。東京電力によると、月曜日、730から800人の作業員が福島第一原発から退去させられたという。兵士(訳注:自衛隊のこと)の数は増加し、施設で作業にあたっている。(ニューヨークタイムズ紙) 放射線量が増加し、さらなる作業員の退去となった。原発はコントロール不能になり、6つの原子炉におよぶ原発事故のリスクが拡大した。

原発から130km離れた場所でも放射能を検出。福島県は、3月16日8時(日本時間)、福島市の水道からヨードとセシウムが発見されたと発表。3月15日、福島第一原発から8km離れた浪江町では、いつもの6600倍の放射線が測定された。水曜の朝、震源地から南へ130kmの茨城で測定された放射線レベルは、いつもの300倍だった。(RTL) アメリカ国防総省は、米軍兵士に対し、福島第一原発から80km以内への立ち入りを禁止した。(ニューヨークタイムズ紙)


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by k_nikoniko | 2011-03-17 22:01 | 原発・核