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横須賀「軍港めぐり」をしてきました

横須賀に用事があったので、空き時間を利用して、「軍港めぐり」をしてきました。
”アメリカ海軍や海上自衛隊の艦船を間近で見られる”(パンフレットのフレーズ)クルーズです。

横須賀市のHPによると、横須賀市には、「米軍関係施設が3施設(4か所)、面積約336万平方メートル(水域を除く)、市域(100.83k㎡)の約3.3%」で、「自衛隊関係施設(宿泊施設を除く)は40施設(40カ所)、面積約304万5千平方メートルが所在」、「米軍関係施設と合わせると、約640万5千平方メートル、市域の約6.4%を占めています」とのこと。

「軍港めぐり」の周遊時間は45分。1日5~6便運航されています。
この日は週末ということもあり、満員御礼でした。

沖縄がひどいことになっているのに、のんきにクルーズで米軍基地を見ていいのか、と後ろ髪をひかれつつも、「百聞は一見に如かず」で、とにかく出航。

まず見えてきたのが、米海軍横須賀基地側に停泊している自衛隊の潜水艦。
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はじめて見た潜水艦。3隻並んでいるのは珍しいそうです。


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by k_nikoniko | 2016-11-01 00:27 | ひとりごと

「被爆者の最高の姿を撮りたかった」と写真家の森下一徹さん

昨日は、「世界ヒバクシャ展」主催の「写真家・森下一徹 半世紀の軌跡 ~広島、長崎から世界ヒバクシャ展へ~」トーク&記念パーティーに参加しました。

40年以上にわたって、広島、長崎の被爆者を撮りつづけてきた森下さん。被爆者と初めて出合いを振り返り、次のようなお話をされました。

初めて被爆者を撮ったのは、写真学校を卒業してアシスタントをしていたとき。
原水爆世界大会がはじまって10年目に、原水禁と原水協に分裂したため、カメラマンが足りなくなり、1964年の京都大会に呼ばれたのが最初だった。
そこで、長崎の被爆者・渡辺千恵子さんに初めて会った。彼女が確信に満ち溢れた態度で演説する姿を見て、驚いた。たくましく、美しく、きれいな声で話したからだ。
それまで、被爆者は弱く、みじめな人と思っていた。
千恵子さんが壇上に上がると、ざわざわしていた会場がしんと静まり返った。
それ以来、被爆者をどうとらえたらいいか、考えるようになった。
惨めでかわいそうだから助けなければならない、などと言うのはおこがましい。
自分の写真には、惨めさを出さないで、強さを表現しようと思った。
被爆者の写真を撮りはじめて14年経ち、写真集を出そうと出版社にかけあったが、出版してもらえなかった。
ケロイドや傷をもつ惨めでかわいそうな被爆者の写真でなければ、本にはできないと言われた。
でも、それではだめだ。それでは、被爆者は喜ばないし、観る人に会われ実を求めてはいけない。
結果的に、そう決意して良かった。
写真集が出版されて一番喜んでくれたのは、被爆者だった。

突然、渡辺千恵子さんの髪の毛が抜けてしまったことがあった。お見舞いに行きたかったが、「強そうにしてるけど、女性だから、髪のない姿を写真家に見せたくないだろう」と言って、周囲の人が入院先の病院を教えてくれなかった。
後に千恵子さんにその話をしたら、「どうして来てくれなかったの?」と責められた。
「あれが原爆でしょう。原爆が原因で髪の毛が抜けたのです」と。
それを聞いて、びっくりしてしまった。自分が弱かったと…。
女性だからいやだろう、と思ったが、被爆者はそうではなかった。その姿を撮ってほしかったのだ。とても残念だった。
被爆者にはそういう強さがある。
それから、自分の思い通りに被爆者を撮ってきた。
被爆者は積極的に撮らせてくれた。だから偽りがない。
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by k_nikoniko | 2014-12-15 23:03 | 原発・核

フランスの脱原発派の声:アビニョンの反原発活動家

ボリス (「アビニョン・モナムール」のメンバー)
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「アビニョン・モナムール」の一員です。私たちは、学習会や集会を行いながら、フランス社会を少し動かそうと考えています。行動の形を拡大させ、この状況をやめさせようとしています。なぜなら、原発事故があっても、あいかわらず原発が建設されつづけているからです。
脱原発が実現するかは、とても複雑です。フランス人は、原発の技術をいまでも信じています。とても難しいというのは明らかです。
人々に実際に何かを意識してもらいたいので、「フクシマデー」というイベントを企画しました。
日本が悪い例として示したように、原発をやめなければ、将来、本当に事故が起きるでしょう。
フランスは国家権力の復活のために、核兵器を所有しています。政治的な問題点は、政党の80%が原発に賛成であり、特に、核兵器を作りつづけることに賛成だということです。実際は、核兵器を作りつづけるために、フランスでは原発をつづけています。つながっているのです。原発と核兵器は別々のものではありません。関係しているのです。

2012年3月10日、アビニョン、「フクシマデー」にて

ビデオ「フランスの原子力から考える<脱原発デモ>


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by k_nikoniko | 2013-12-25 12:31 | 原発・核

フランスの脱原発派の声:70年代からの反原発活動家

シャーリー (反原発活動家、「アビニョン・モナムール」の一員)
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1970年代から反原発運動をしています。正確には、1972年のビュジェ原発建設反対のときで、その後、クレイ=マルヴィル(1977年)原発反対など、あらゆるところで闘ってきました。私は遠くに住んでいたのですが、定年退職し、アビニョンの反原発運動家たちとコンタクトをとりました。
アビニョンに来てすぐ、福島原発事故後のフランスの新しい反原発アクション、「アビニョン・モナムール」という活動に参加しました。反原発を目覚めさせ、推し進める活動です。
明日が福島原発事故から一周年ですが、今日、原子力の問題についての集会や討論会を開催しています。
アビニョン周辺にはたくさんの原子力施設があります。トリカスタン、カダラッシュ、マルクールなどです。私たちは、この地域についてとても心配していますが、同時に、原発が建設されている国際社会についても懸念しています。
脱原発は非常に難しいです。フランスは、完全に原子力産業とむすびついています。なぜなら、核兵器を所有する国だからです。核軍備戦略です。軍事力を正当化し、採算をとるために、原発建設の決断をしています。
平和目的といいますが、実際には、軍事目的と平和目的の間にはそれほど違いはありません。平和目的といえども、原子力はとにかく、軍事目的なのです。
原子力の平和利用と軍事利用の結合は、国家のプロパガンダを作り上げています。エネルギーの代替策がないと思わせ、納得させるようとしています。環境問題の解決策は原子力だ。これが国の論理です。
フランス人はいままで、かなりそれに洗脳されていています。メディア、科学、政治によって、論証されるからです。
科学はこの戦略に存在しています。私たちはつねに原子力の必要性を感じさせられています。
原発事故が起きても、チェルノブイリ事故でさえ十分とはいえませんでした。今回、福島原発事故というとても重大な事故が起きましたが、人々は時間がたつにつれて、その出来事を忘れはじめています。
30年もの間、私たちは反原発運動をやってきましたが、いつも同じです。
原発は電気を作っていますが、それは「おまけ」でしかありません。原子力産業の軍事利用の結果として、電気を得るという平和的利用がついてくるのです。少し誇張しているかもしれませんが、最初はそうだったのです。
原子力産業の最初の数十年間は、軍事目的でした。正確な数字はわかりませんが、トリカスタン原発には6基の原子炉があったと思いますが、そのうちの2基か3基は、軍事目的のために確保されています。
次の大統領選の立候補者は、誰も脱原発についての議論をしていません。誰ひとり、です。その話をしないか、「原子力はすばらしい」と言うかです。脱原発について真剣に考えている候補者はいません。誰もこのテーマを好みません。
これは、フランス人の現実のメンタリティに関係しています。誰も脱原発について話したくないのです。たとえば、極左のメランションは脱原発ですが、彼は共産党や他の政党との連携を表明しており、共産党は原発推進派なので、この件について話しません。それを問いただしたら、「脱原発については内部で討議中」と答えました。
原子力の話を持ちだす人は、「再生可能エネルギーに少しずつ置き換えていく」と言っています。30年、50年かけてです。事故は明日起きるかもしれないということをわかっていません。明日、来年、数年後に、事故は起きるといわれています。研究によると、フランスでも、福島と同レベルの重大事故が起きる可能性があるのです。原発はすぐ停止しなければなりません。でも、それを誰も要求しません。

2012年3月10日、アビニョン、「フクシマデー」にて

ビデオ「フランスの原子力から考える<脱原発デモ>
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by k_nikoniko | 2013-12-22 11:05 | 原発・核

フランスの原発ひとり芝居

「原発の芝居があるのよ」と、フランスのNGOの女性に教えてもらったのが、「Avenir Radieux, une fission français(光り輝く未来、フランスの核分裂)」。

2012年3月10日、アビニョンで開催された「フクシマデー」で上演されたのを観ました。
ニコラ・ランバールさん脚本・演出・主演の原発をテーマにしたひとり芝居。
照明とビデオのみの舞台美術のなか、チェロのソロ生演奏を入れ込み、フランスの原発の歴史をつづっていきます。
Mrビーンのローワン・アトキンソンにちょっと似ているニコラさん。
歴代フランス大統領や原発ムラの政治家や要人、公開討論の様子など、物まねでひとり何役もこなします。
3・11後、フクシマの原発事故も脚本に加えました。
50年代、フランスの政治家が原発政策を決断・推進するところからはじまり、アメリカ製原子炉の輸入、海外への原発輸出、そして、チェルノブイリや福島事故にいたるまで。
特にリアルなのが、イランの原発への投資に関する事件。
フランスでは知られた話ですが、1990年代に起きたフランス国内のイスラム過激派のテロは、原発と深い関係があるといわれています。
そうした深刻な話の合間に笑いを誘いながら、原発の問題点をえぐりだしていきます。
この芝居は、フランスのトリコロール(国旗)「青・白・赤」に隠された石油・原子力・兵器を描く3部作の2作目。
1作目の「エルフ、アフリカのガソリンスタンド」は、エルフ石油の運営からフランスの新植民地主義政策と汚職を明るみにさせています。
パリを拠点にしているニコラさんですが、フランス各地で精力的に上演会をつづけています。
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by k_nikoniko | 2013-11-07 08:34 | 原発・核

フランスでも脱原発

フランスの友人から、パリで開催された脱原発集会で購入したというTシャツを見せてもらった。
折り紙でハート型にしたメッセージも。
きれいにハート型に折ってあり、それを開けるとメッセージが書いてある。こういういの、いいね。
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友人がちゃんと脱原発集会に行ってるのを知り、うれしかったです。

ちょうど東京新聞にカナール・アンシェネに掲載された「放射能の風刺画」の記事が出てたので見せた。
「『カナール・アンシェネ』だからね。それに、これが事実でしょ」と一笑に付す。
「この風刺画=フランス人は被ばくを揶揄している」と考えるのは、あまりにも短絡的だと思います。
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by k_nikoniko | 2013-10-15 08:23 | フランス

G8首脳へ先住民サミットが初の提言

2008年に採択された「二風谷宣言」の22の項目には、「原子力をクリーン・エネルギーとしてとらえる提案を拒絶する」(4)、「先住民族の自由で事前の十分な情報を得たうえでの同意を得ずして、鉱物、石油、ガス、石炭等に採掘することに関与している多国籍企業の参入促進を停止すること」(11)、「先住民族の土地において、放射能廃棄物の投棄ならびに他の有害廃棄物の投棄を差し止めること」(19)とある。


先住民族の価値観を尊重し持続可能な世界へ

 7月1日から平取町と札幌市で開催されていた「先住民サミット」アイヌモシリ(リは小文字)は、G8首脳および日本政府への先住民族からの提言を採択し、4日間の討議を終えた。G8首脳に向けた提言の序文では、「先住民族の価値観、宇宙観、哲学、伝統的な暮らしは、持続可能な世界につながる最も効果的な道筋である」とうたっている。G8サミットにあわせて先住民族が集まり、先住民族の立場から提言するのは今回がはじめて。会議には、最終的に12カ国22の先住民族が出席し、参加者はのべ1500人近くにのぼった。 

 
 発表されたのは、G8首脳に対しての「二風谷宣言」、そして「日本政府への提言」の2部構成になっている。
 
 「二風谷宣言」では世界の先住民族から21項目の要求がだされ、第1番目として、国連先住民族権利宣言の実現を求め、政府の開発援助や投資といった政策には宣言を主軸にすえて利用するよう促している。また、気候変動の緩和対策、生物学的な資源の保全、鉱物資源の採掘などの決定には、先住民族への情報公開はもちろん、同意や参加を実施することも強調している。 
 
 さらに、この宣言にまだ調印していないカナダ、米国、ロシア、ニュージーランド、オーストラリアへ圧力をかけることも盛り込まれている。 
 
 アイヌ民族から日本政府への提言では、最初に、法整備や行政レベルでの対応を求め、「過去のアイヌ政策を反省し、明確な言葉で公の場で謝罪することからはじめなければならない」と主張。政府が設置する予定の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」メンバー8人のなかにアイヌ民族の委員が1名しかいないことは認められないとし、少なくとも半数以上がアイヌ民族から選出されるよう求めた。 
 
 提言発表後に開かれた記者会見では、外国の通信社記者から、「G8の首脳はこの提言をまともに受け取ると思うか?」といった厳しい質問がでたが、それに対して、国連先住民族問題常設フォーラム議長のビクトリア・T・コープスは、「生物多様性条約を作るうえで、各国は先住民族との交渉を行った。もはや我々と交渉せざるをえない状況であるとわかっているはずだ」と回答した。 
 
提言は「先住民族サミット」のHPからダウンロードできる。 


『日刊ベリタ』 2008年07月07日20時45分掲載
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by k_nikoniko | 2013-09-20 17:58 | 掲載記事(2000~2010)

フランスの原子力から考える<放射性物質輸送・核廃棄物>

フランスの原子力から考える<放射性物質の輸送・放射性廃棄物>」をアップしました。
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by k_nikoniko | 2012-09-30 22:22 | 原発・核

原子力について良い質問をしよう

8月19日のTerra Ecoに掲載されたポール・キレの寄稿です。

ポール・キレは、社会党政権時代、都市計画大臣、防衛大臣、郵政・通信大臣、内務・治安大臣を歴任し、現在はコルド・シュル・シエル市長。政治家や組合、市民団体、ジャーナリストによるクラブ「ゴーシュ・アヴニール(左派の未来)」の立ち上げ人でもある。

「良い質問をして人に何かたずねると、それぞれの物事の真実を自ら発見する」 このプラトンの素晴らしい助言を、現代の民主主義体制における政策決定者は、固定観念としてとらえていないようだ。民主主義の目的が「ものごとの真実」を見出すのではなく、共同利益を憂慮しつつ人類共同体を優先的に管理することにあるのであれば、後者が追及すべきことは、管理者の根本的な懸念であるべきだ。とはいうものの、「良い質問をする」のを心配し、有権者の矛盾を管理する方法を知らないという恐れと、自分たちに都合のいい解決策を押しつけようという意図から、本来追及すべきことに立ち向かうのを拒否するといったことが、管理者たちにはよく見られる。

我々と次の世代の生活にとって非常に関係の深い重要な課題について、真実を隠蔽するための確固たる選択を普通に隠し、巧妙に管理された混乱をいきわたらせるといったことが起きる。とにかく、未来を約束する政策が、実際の議論なしに決まり、実施されることが可能なのだ。原子力を例にとってみよう。この言葉は、人類の最先端の科学や技術を想起させる言葉だが、同時に、恐ろしい記憶をよみがえらせ(広島や長崎の原爆による20万人の死、チェルノブイリや福島の原発事故)、深刻な不安にもつながっている。いまだに10数の国が無視できないほどの核兵器を保有し、核軍備拡大や核を利用したテロの危険性をはらみ、原発施設の原子炉の安全性にも不安が残る。

おもしろいことに、核兵器開発と平和利用の原子力開発は、大きく異なった懸念を含んでいるにもかかわらず、政策決定者は、この問題に取り組むとき、同じ逃げ口上で訴えている。誤った証明、決まりきった表現、沈黙、「言ってない…」

核兵器

「使用しない兵器」は抑止としての兵器の存在で、東西の「恐怖の抑止力」と呼ぶものがあった時代、40年間にわたる栄光の歳月を有していた。平和の保障とみなされたこの抑止力は、幻想的で費用のかかる軍備競争と解釈されながら、次第にレベルを上げていった(宇宙での使用を管理する意思もそこに含まれる)。フランスでの核兵器の保有は、アメリカとNATOと関係しながらも独立の意思を確実にする方法として、50年前から存在している。ある意味で正当化しながら、国連の安全保障理事会の常任理事国は、核兵器を唯一公式に保有でき、アメリカ、旧ソ連、中国、イギリス、そしてフランスの5カ国は“サロン”に参加することで、大国のステイタスを維持しているという感覚を持っている。

現在の国際社会は、過去の国際社会とはもはや似てはいないことを、誰もがわかっている。核抑止力の特性はもはや支持されないことは明らかだ。誰を対象にしているのか? テロリスト集団を懸念しているからではことはよくわかっている。では誰か? 中国か? ロシアか? イランか? “生命維持に不可欠な利益を脅かすであろう”あらゆる存在は、ヨーロッパとNATOへのフランスの帰属に関して危険な賭けにでるという、公式な回答である。“大国のステイタス”を正当化するために核兵器を保持するという必要性は、世界の流れに影響を与えている列国間の現実的な力関係の認識に逆らうことはできない。新しい大国が出現している。国際協調においてフランスよりすでにとても大きな力を持つ国が存在し、それは核兵器の保有とは関係のないことである。いくつかの国(特にフランス)は黙秘しているが、この進化を充分考慮すると、国連の安全保障理事国の構成は終焉を迎えるだろう。

評価の基本要素を公衆の面前に持ち込むことが必要だ。政治的責任者は、1960年代初頭からフランスの“核抑止力”を正当化するような、儀礼的で形式に、根拠もなく単純に繰り返している。しかし、公衆の面前に持ち込むことで、それをあまり還元させないながらも、より正直な言葉を使うよう、政治的責任者を導くことになるだろう。そして、“核兵器のない世界”の予測した国際レベルへ向わせる努力に対し、フランスはなぜそれをほとんど評価しない主義なのか、またそれに対してなぜ無気力にみえるのか、政治的責任者はそのことを知るための鋭い疑問を自ら問うことになるだろう。

市民の原子力

ここにもまた、電力生産の資源が70年代に石油依存からとって代わって以来、公式議論として、どれだけのいい加減さとウソが広められたか! 原子力使用のメリットはよく知られている。電力生産コストが比較的安いこと、炭化水素の重要性の低下、温暖化効果ガス排出が少ないこと。同時にまた、都合の悪さも持ち合わせている。投資額が莫大なこと、核廃棄物貯蔵の複雑さ、原発施設解体の手間、事故の危険性。しかし、徹底的な研究に基づいた真剣な議論はこれまでされず、矛盾は戯画的な対立とスローガンの交換の段階を超えて表現されることはなかった。一般の人々は責任ある意見を述べ、納得できるような意思表示をするような状態にないのだ。にもかかわらず、決定された選択を認めなければならず、どんな結果でも引き受けなければならない。

30年前、この問題に関して、残酷な失望を経験した。1973~1981年の期間に、右派政権が不透明性なまま原発建設計画を加速させて推し進め、その後、左派政権はエネルギー政策に関する公開議論を約束した。この必要不可欠な議論は、残念なことに、1981年の秋に、議会でのみ討議されるにとどまった。その結果、本当の意味での公開議論を実現させようという自覚とはほど遠いものになってしまった。

ここでもう一度、核兵器と同様に、世界は変化したことで、一般市民に充分な情報公開が欠かせなくなり、矛盾するようだが、それが必要になった。なぜなら、人々は意思表示を求めているからだ。当然ながら、問題は複雑になり、(“賛成”と“反対”の)断固たる立場間の対立を避ける試みがされなければならない。最近の左派と環境派の議会では、電力生産における原子力の今後の位置づけについて、可能性のある3つのシナリオという方法で提案された。

シナリオ1:原子力による電力生産の現在の傾向のまま発展を継続し、予定されていたEPR原子炉の建設を維持し、4世代原子炉に着手し、ITERの研究を続ける。

シナリオ2:2020年までに原発の出力を60%へと徐々に減少させる目標に向けて、2012年から全ての原発施設を停止し、解体していく。フラマンヴィルのEPRの建設を中止し、パンリーのEPR計画をキャンセルし、原発施設の解体と施設区域の再生に向けた産業活動を発展させる。

シナリオ3:2020年から、寿命を迎えた(1977~1985年に建設された原子炉)施設の新たな取り替えをせず、その時点で状態を再点検する。

これらのシナリオからひとつを選ぶ際、分析プロセスを経てから決定を下すのが条件となる。この決定を導く研究委員会は、シナリオを正しい方法で詳述でき、特に投資および消費の経費、エネルギーの代替資源の開発、日程表、雇用についての将来の結果を完全に分析すべきである。この作業の結果は一般に公開され、フランス人は国民投票で意見を出すことができ、好ましいシナリオに関して明快な方法で意見を述べることができる。

核兵器と市民の原子力という2つの非常に難しい基本要素に関して、“質問をする”のが民主的な健全な機能にとって有益であると知ることで、一般の人々ははっきり見通して、将来を約束する選択への意思表示ができる。


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by k_nikoniko | 2011-09-17 14:45 | 原発・核

フランス科学者4人の「原発を擁護する理由」

2011年7月22日のメディアパルトの記事です。

善悪二元論で反対派をたたくのではなく、脱原発派と原発推進派の本質的な議論を展開するのを目的に、今回はフランスの原発推進派4人をインタビューしています。

インタビューした相手は有名な研究者ですが、原子力産業の経営陣といった原子力勢力ではなく、フランス電力公社やアレバの代弁者でもありません。ただ、職歴からもわかるように、原子力業界となんらかの関係を持っています。

カトリーヌ・セザルスキー:世界的に著名な天文物理学者、フランス科学アカデミーのメンバー。2009年よりエネルギー長官。原子力エネルギー庁(CEA)で天文物理と物質科学管理の責任者。現在のポストでは決定権は持たないが、政府のアドバイザーとしての機能を果している。

セバスチャン・バリバール:パリ高級師範学校の統計物理研究所に所属するフランス国立科学研究センターの研究所所長。科学アカデミーのメンバー。温暖化ガス排出減少に向けた原子力開発を推進する「Sauvons le climat」加入。

エドゥアール・ブレザン:物理学者、技術者。1963~1989年は原子力エネルギー庁勤務。1986~1991年は高等師範学校の物理部門の責任者。フランス国立化学研究センター理事長の後、科学アカデミー理事長。科学アカデミーでは、フクシマ第一原発事故担当責任者。

クリスチャン・シモン:化学者。ピエール&マリー・キュリー大学学部助教授。次世代原子炉に使用する「溶解塩」に関する研究をしている。この「溶解塩」は太陽熱集熱器やバッテリーの電解液のようにも使用できる。

1.なぜ原子力エネルギーはいまでも必要か

セバスチャン・バリバール:世界的な地球温暖化の現状では、二酸化炭素を排出しないエネルギーを見出さなければならない。地理的地域によって状況は異なるが、先進国では、太陽や風力エネルギーが原子力に取って代わる可能性はない思う。電力は大量に貯蓄できない。脱原発のドイツの選択は、ガスと石炭の消費を増やすことになるだろう。ドイツ政府はつい最近それを告白した。すべての原発を無炭素エネルギーに代えるのは、恐るべき挑戦ともいえ、10年の間に実現するとは思わない。ドイツはフランスより1人当りの二酸化炭素排出量が1.5~2倍多く(2007年でフランスの6トン/㎥に対し、ドイツは9.6トン/㎥)、さらに悪化するだろう。

エドゥアール・ブレザン:経済学者は、エネルギーの需要が2050年には2倍になると言っている。同時に、2050年までに、地球の温度を2℃以上上昇させないという目標を達成するには、世界で温暖化ガスの排出量を半分にしなければならない。排出量を半分にして消費が2倍になるというのは、恐ろしい方程式だ! 目標達成のためにはあらゆるエネルギーが必要になる。再生可能エネルギーはもちろんだが、原子力も必要だ。

カトリーヌ・セザルスキー:天文物理学と同じく、私は地球を全体として見ており、世界規模で未来を非常に重要視している。各地の気候変動の正確な影響を予測することはできなくとも、二酸化炭素排出を減らすことが最も重要だと考える。石油の時代はもうすぐ終わる。いつか? それは代替エネルギーの発展の仕方による。現在の速度でいけば、「低価格の」石油は25~30年後に終了する。石炭の埋蔵量は莫大だが、それを使用すると二酸化炭素の大量の排出を伴う。石油とガスの地政学的緊張と、気候温暖化の事実から、化石燃料以外の資源を探す必要性が問題になってくる。太陽熱、風力、バイオマス、海洋エネルギーなど、いろいろ期待できるが、どんな場合でも、原発を止めることはできないと思う。そうするのは適当ではない。ノルウェーとオーストリアは、水力発電で多く生産する可能性があり、隣国との送電も活発だ。これらの国では原子力がなくてもよい(しかし、オーストリアは原発を有する隣国から電力の一部を購入している)。フランスの状況は同じではない。フランスは長い間、最も望ましい方法で、水力発電を運営してきた。原発はその後、火力とバランスを保ちながら、成果を上げてきた。

2.原発施設はどこにでも建設していいのか

エドゥアール・ブレザン:どこでもいいのではなく、政治的に安定している国に建設すべきである。2010年にフランス政府がやろうとしていたが、カダフィの統治するリビアに原発施設を売ってはいけない。それから、エンジニアや技術者の教育が行き届いた企業の存在する国でもあるべきだ。これらの条件が満たされたときに、原発の稼動が優位になる。ドイツとイタリアはこの選択権を手放すという失敗を犯したと思う。

セバスチャン・バリバール:原発は先進国と、中国やインド、ブラジルのような新興国に向いている。それらの国は、必要な技術レベルを有し、安全性の問題に協力できる。こうした条件により、化石燃料は発展途上の国々が活用するよう保存できる。

カトリーヌ・セザルスキー:原発は世界規模の二酸化炭素の問題を解決しない。それぞれの国が、自身の資源と工業発展に応じてエネルギーの選択をする。山岳地帯の国(スイス、ノルウェー、チリ、オーストリア)は水力発電が重要な位置を占める。太陽光線が強い(「サンベルト」)の国々は、太陽熱集熱器などを最大限に活用できるかもしれない。中国の電力需要は非常に多く、あらゆる方面で重大な発達をしている。アメリカは、エネルギーの独立を確実にするために最も安価な方法を選ぶだろう。それが天然ガスである危険性がある。アメリカでは、無炭素エネルギーでなくてはならないという意識があまり強くない。

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by k_nikoniko | 2011-07-26 13:35 | 原発・核