フリーライター木村嘉代子のブログです。日々感じたことを綴っています。Copyright(C)2005-2016 Kayoko Kimura
by k_nikoniko
お問い合わせ:
k.kayoko.7☆gmail.com
☆→@に変えてください

最新の記事
こんな国際恋愛も…という話を..
at 2017-12-08 09:23
福島県大熊町の復興についての..
at 2017-10-24 20:00
南スーダンPKO自衛隊派遣差..
at 2017-10-06 08:58
”首はとられ”ないが社会を変..
at 2017-09-07 13:23
「南スーダンPKO派遣差止訴..
at 2017-08-15 08:46
ドキュメンタリー映画『まなぶ..
at 2017-07-19 09:38
3つのがんを発症した福島原発..
at 2017-06-28 11:38
南スーダンPKO派遣差止め訴..
at 2017-06-20 11:06
札幌の自主夜間中学が公立化か
at 2017-06-16 08:36
ルモンド紙より「南スーダンの..
at 2017-06-03 14:05
カテゴリ
全体
掲載記事(2011~)
掲載記事(2000~2010)
掲載記事(1991~1999)
掲載記事(1990以前)
ジェンダー
男と女
ひとりごと
フランス
イギリス
国際ニュース
社会問題
原発・核
デモ日記
戦争
歴史
メディア
カルチャー


サッカー
外部リンク
ライフログ
タグ
検索


タグ:イスラム ( 3 ) タグの人気記事

フランスのイスラム文化メディアSalamnews

サラムニューズ(Salamnews)の発行人モハメド・コランのインタビュー(2010年11月)。

サラムニューズは、フランスに住むイスラム教徒向けのフリーペーパー。2008年9月創刊の月刊誌で、15万部発行。食料品店や劇場などで配布している。

友人たちとイスラム教徒のためのメディア集団を立ち上げ、非営利団体(アソシアシオン)を創設しました。なぜなら、イスラム教徒はフランスで人口の10%を占めているにもかかわらず、その現状やひとりひとりの声を伝えるメディアがなかったからです。
 フランスには、親の出身地がマグレブ、つまり北アフリカやサハラ砂漠のモータリアやマリ、トルコ、パキスタンなど、フランスで生まれ育った2世、3世の若者が存在しています。私は、父親が白人でカトリック、母親がアルジェリア人でイスラム教徒の家庭に育ちました。祖父がフランスに移民し、私はここで生まれ、育ちました。
 マスメディアはここ10年、特に9.11以降、イスラムを政治思想との関係、もしくは安全保障の問題としてのみ伝えています。イスラムを扱う方法はこの2つだけです。
 フランスのほとんどすべてのマスメディアは、社会的、文化的、経済的な側面を忘れてしまっています。そこで、私たちは、メディア、特に大衆向けのメディアで発信し、自分たちの存在を証明しはじめたのです。影響力のあるメディアを利用して、ダイナミックに、ポジティブに、フランス社会におけるイスラム教徒の情報を伝えようと考えたわけです。
 フランスでのイスラムの歴史は、宗教を含め、少し特殊です。これは現在のフランスの大きな問題につながっています。ですから、議論の場、さまざまな意見で議論する民主主義の場を作っていきたいと考えました。
 これが創刊の主な2つの理由です。
 2002年にまず、ネットで情報発信をはじめました。フランス語によるイスラム情報ネットマガジンSaphirnewsです。学生のボランティアスタッフとともに、共同作業の実験場のようなものをはじめました。学生がジャーナリズムや出版についてここで実践し経験を積み、少しずつ専門性を高めていきました。ウェブサイトは現在、3人の編集者と編集長で運営しています。
 ネットメディアを運営するうえでの困難は、経済的なバランスにあります。ネットメディアでは十分な広告収入が期待できません。そこで、最終的に印刷物を発行することにしました。紙媒体のほうが、広告主を説得するのにより確かだとわかったのです。これが、サラムニューズの発行にいたった理由です。
 サラムニューズはフリーペーパーで、配布場所は、誰もが気軽に立ち寄るところ、巨大な販売網をもつ食料品店やパン屋、さらに劇場などです。
 制作費は広告収入でまかなわれています。エスニック文化市場が狙い目だと、突如気づいたのです。エスニック市場と呼ばれるものが存在し、その市場は持続可能です。フランスでは年間50億ユーロは見込めるといわれ、十分成熟しています。
 2つめのチャンスとして、大量消費商品の広告主の説得を試みました。誰もが知っているブランド、たとえば、コカコーラの広告です。4号目でコカコーラの広告をとりました。
 最初はパリ近郊で発行していましたが、マルセイユ版の発行にも踏み切りました。マルセイユで独自の編集をしています。
 ジャーナリストには原稿料を支払っています。ネットマガジンをはじめたときは、ボランティアに頼っていましたが、今のスタッフは、有給スタッフとボランティアの混合です。サラムニューズに関しては、常勤スタッフ5人は全員有給で、その他、フリーランスが数名です。編集長はプロのジャーナリストで、親(祖父母)の世代がベトナム出身。その他のスタッフの親(祖父母)の出身地はさまざまで、平均年齢は30代です。
 サラムニューズの考え方としては、フランスに住むイスラム教徒の情報をポジティブな視点で提供することにあります。それをうまく機能させるために、新しいスタイルを目指しています。たとえば、最新号の表紙には、フランスで人気のミュージシャンAbd al Malikを使いました。彼はボンリュー(郊外)出身で、イスラム文化を代表するひとりです。このように、現代の話題の人たちを取り上げ、サラムニューズをシンボル化させるというか、イスラムを解読させています。フランスのイスラム教徒はあまりにも軽蔑的でネガティブな姿でとらえられているので、この汚名を覆したいのです。
 フランスの場合、パラドックス的で、イスラム教徒に対するネガティブなイメージは、無知からではなく、認識不足から生じています。私の考えでは、無知はポジティブだといえます。なぜなら、情報を与えることができからです。しかし、知っていると信じていることをひっくり返すのはとても難しい。フランス人は知っていると思い込んでいるのです。
 フランス人もサラムニューズにとても関心が高いです。サラムニューズの配布先としてはイスラム教徒を優先していますが、シックで富裕層の多い16区での配布も行っています。16区では、サラムニューズが、スポーツ雑誌より早くなくなるということがわかりました。これは、イスラム教徒ではない人々がサラムニューズにとても興味を持っていて、こうした情報を求めていることを証明しています。つまり、障害になっているのは、現実の人たちではないのです。
 1998年のワールドカップ・フランス大会のときには、多国籍国家だとか、それが誇りだとかいわれたのですが、10年経った今、特にサルコジ政権になって以降、フランスは老朽化してしまったというか、おじいちゃんブームという現象におちいり、現在の姿を直視したり、将来を予測できなくなっています。
 2005年にフランスで起きた移民たちの暴動などもそうですが、世界に発信されているイスラムのネガティブなイメージから、「宗教の闘い」と多くの人は信じています。しかし、それは完全に間違っています。あの暴動は、社会問題を問うために起きたのです。
 ネットメディアの成功モデルとして、韓国のオーマイニュースは参加型メディアが有名です。しかし、私たちは参加型とは違います。オルタナティブメディアの定義はそれぞれありますが、私たちは、双方向的に民主的に議論するのが、オルタナティブメディアだと考えています。
 現在のフランスにおいて明らかなのは、民族的もしくは文化的なマイノリティが、マスメディアで自分たちを十分に表現できていないことです。深刻な格差が生じている現状です。現在のマスメディアは、マーケティングに左右され、白人のヘテロセクシュアルが主流です。黒人の意見は紹介されず、マグレブ出身のフランス人は表現されません。女性はメディアにおいて難しい状況を強いられています。
 フランスでは、人口の10%の存在が知られていません。その人たちの実際の姿が紹介されていないのは、実に嘆かわしいことです。本当に民主主義が欠如しています。
f0016260_00152539.jpg
フランス雑誌ジャーナリズム(週刊金曜日)


[PR]
by k_nikoniko | 2015-05-23 08:06 | メディア

モロッコ美容の本

新刊の宣伝です。
モロッコ手作りコスメの本」を11月20日に発売します。
モロッコ美容の紹介と手作りコスメのレシピ、モロッコ旅日記といった構成です。
お近くの書店やインターネットで購入できます。
お手にとっていただけましたら幸いです。

f0016260_1143437.jpg

[PR]
by k_nikoniko | 2009-11-13 01:12 | ひとりごと

西欧視点ではない女性の言葉

お会いしてみたい人のひとりに、モロッコのフェミニズム社会学者のファティマ・メルニーシーさんがいる。
ラバトのモハメド5世大学に在籍されているはずだ。
イスラム社会で女性の権利や生き方を主張するのはかなり大変だと思われるが、鋭く切り込み、その潔さがカッコいい。
彼女に共感できる点は、フランス語や英語で執筆し、西欧社会の問題をも指摘するところにある。それがまた、スカッとするのだ。
日本もイスラム圏も、フェミニズムは西欧から学ぶことが多いが、その理論をそっくりそのまま当てはめようとしても、やはり無理がある。
もちろん、西欧の女性は自律していると認めるが、いつもそこでジレンマを感じてしまう。
メルニーシーは西欧式をそのままコピーするのではなく、イスラムやモロッコの伝統や文化に基づいて、自分の身近な女性たちの自律を追究している。
しかも、それを西欧社会に堂々と発表しているところが、素晴らしい。
日本語訳になっているのは、「ハーレムの少女ファティマ」と「ヴェールよさらば」だけなのが残念だ。
今読んでいる「ヴェールよさらば」(心泉社)の第二章で、次のような一節があった。
ちなみに、原本は湾岸戦争後の1993年発行だが、日本では2003年に刊行されている。
湾岸戦争が教えてくれた貴重な教訓として、書いている。

……普通のアラブ人は恵まれてはいないかもしれないが、それよりも孤独で、か弱いのは、表向きは権力の衣をつけたアラブの指導者の方だ。
 孤独で脆いのが私たちのリーダーだとは! テレビを見ながら私は何度か涙をこらえたことがある。リーダーたちの毅然とした表情の下に、私たちの無力と悲しみが映し出されているからだ。実際、アメリカ側についたにしろ、アメリカ側と戦ったにしろ、どちらを選択したにしてもそれは同じであった。
……湾岸戦争は、強大な力を秘めた指導者と、つねに力を奪われてきた国民との間の歴史的な距離を取り払った。そしてそれこそが、多くの子どもたちをはじめとするイラク人の死を正当化する唯一の理由である。少なくとも彼らは、これから築いていくべき民主主義の犠牲者になったといえるだろう。
 強いアラブ指導者は強いアラブ国民なくしては存在しない。私たちがこの戦争以前に考えていたのとは裏腹に、国民の強さは愚かしい武器によって得られるものではない。強い国民というのは、教育と高度な技術を持った国民のことであって、指に引き金をかけ、無数の弾薬の上にあぐらをかいているような国民ではない。これは標的になる犠牲者が同胞であろうと外国人であろうと同じことだ。

「アラブ」を「日本」に代えて読んでみてください。
[PR]
by k_nikoniko | 2008-09-19 00:28 | ジェンダー