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札幌~ミュンヘン~フィレンツェ

昨日、札幌を発ち、ミュンヘン経由でフィレンツェに着いた。
札幌に留学していた二人の結婚式に出席する。
エコツーリズムを利用したウェディングプランとのこと。楽しみ!

偶然、脱原発を決意したドイツを経由して、イタリアへ。

札幌から成田へ向うとき、空からたくさんの田んぼが見えた。

ミュンヘンの風景は北海道に似ている。というか、北海道がドイツをまねたのだろうけど。
送電線が気になったけど、何の発電なのかはわからなかった。

ミュンヘン空港は、節電モードだった。半分ぐらい電気が消えていた。
自然光が入るデザインで、夕方の曇り空でも、充分明るかった。

ミュンヘンからフィレンツェへ向う飛行機からは、アルプスの山が至近距離(怖いぐらい)に見えた。
雪をかぶった険しい山。そして、谷間のところどころに町の明かり。

こちらでは、G20のニュースが多い。
イギリスのキャメロン首相が、「日本の地震が与えた影響は大きい」といった演説。
日本ではどのくらいG20について伝えているんだろう。

放射能から少し遠のいたことに、少し安堵感を持ってしまう。
こんな気持ち、よくないんだろうけど。
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by k_nikoniko | 2011-09-23 17:13 | ひとりごと

札幌の脱原発デモは約2000人

6万人も集まったという、昨日の東京の「さようなら原発1000万人アクション」。
マスコミの取り上げ方もこれまでと違った。北海道の新聞も一面に写真入だった。

前日の18日、札幌でも「1000万人アクション」の集会とデモが行われた。
集会は会場に入りきれないほどの人で、主催者によると約1500人だったそうだ。
その後のデモも、雨降りのなか、しかも19℃の肌寒さのなか、約2000人が参加した。
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大通公園では「さっぽろオータムフェスト2011」が開催中。
雨のせいもあるが、パレードしていた1時間ほどだけを比較すれば、オータムフェストを訪れている人より、デモ参加者のほうが多かったと思う。
これだけの人数が集まったのは、ここ近年で珍しい。

でも、札幌の集会とデモはあまり報道されなかった。
見逃したものもあるかもしれないが、東京に比べたら全然。

このところずっと、北海道では、北電のやらせメールについて報道が繰り返されている。
メールで”サクラ”を動員したのはもうわかった。
その件だけを攻め立てていても、泊原発が停止するわけでも、プルサーマル計画が白紙になるわけでもない。
シンポジウムなどが”やらせ”なのはもうわかったので、あらためて、民主的な議論をする場を設定してほしい。
”やらせ”をした理由だとか、誰がどうかかわったとか、それを追求するよりなにより、北電側に、道民をだましたことを申し訳なく思い、あらためてきちんと議論の場を提供する気持ちがあるのか、知りたい。
そして、それはいつ、どういう形で実現するのか。

18日のデモに参加した約2000人(その場に来ることができなかった人たちもいるはずなので、プラスα)が、道民の原発に対する「ノー」の意見だ。
マスコミは、北電の”やらせ”ばかりに目を向けないで、こうした声があることを伝えてほしい。
そうすることで、電力会社がどれだけ道民の意見を尊重していないか、際立たせることになると思う。

ライターという仕事をしながら、マスコミを批判するのは、とてもイヤな気持ちになる。
震災後特に、マスコミと、それとは違う立場にいるメディア関係者の間で、”対立”めいたことが起きている。
そんなことをしている場合ではないのに、溝は深まるばかり。
こうした分裂を見て秘かにほくそ笑んでいるのは、本来たたかれるべき人たちだ。
相手の思う壺…。

メディアだけでなく、あちらこちらで、こうした”対立”を生んでいる。
愛知県で福島の花火を断ったとか。こうした”亀裂”がどんどん拡がっていきそうで悲しい。
「原発事故で、人と人との絆も失ってしまった」
これは福島から避難してきた女性の言葉だ。
これもまた、思う壺。罰せられるべき人たちが、得をすることになるかもしれない。

罪を犯した人たちに反省を促すには、今回のアクションのように、人々がつながるしかない。
6万人といわず、もっともっと。
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by k_nikoniko | 2011-09-20 22:12 | 原発・核

フランスの原発見学レポート

2011年9月4日のメディアパールに掲載された、グラブリンヌ原発見学レポート「グラヴリンヌ:原発からの放射能を受けた地区で過ごした10時間」です。

グラヴリンヌ原発、タクシーの運転手は長所について話した。役に立つ、安全、しかも、施設から出た廃棄水を供給した養魚場でスズキやタイが育ち、粋の極みといえば環境保護によい。私は、広告フィルムの端役と体面しているような気分になった。私に案内をしてくれたフランス電力の広報担当者は、椅子の上で縮こまる。「我々は貪り食っているわけではないと、約束します」

「パリュエル原発事故」と「フランス電力による従業員の被ばくの一般化」に関する記事をメディアパールで掲載したためか、電力会社の情報サービス部から原発見学への招待があった。「原発を見学したくありませんか?」 答えは、迷いもなくもちろん。私はグラヴリンヌ原発を提案した。6基の原子炉を備えた西ヨーロッパ最大の原発で、福島第一のように海に面しており、国内でも古い原発のひとつで、施設内最古の原子炉は2011年に30年目に入る。この原子炉は、プルトニウムとウランを混合したMOX燃料で稼動している。5月に、ニコラ・サルコジが、「脱原発は“中世時代の選択”をすることになる」と宣言した場所でもある。

見学は数日後にすぐに実現した。偶然にも、フランソワ・フィヨンがビュジェ原発を見学し、「フランスには原発が必要だ」とフランスの混合エネルギー政策の指針を確認して宣言した翌日だった。

原子力のこの方針に関連して怖気づくこともなく、8月30日、朝7時30分に見学ははじまった。原発管理事務室の室長(女性)は、「2010年7月のメディアパール」を脇に抱えて、我々を待っていた。では、原発からの放射能をつねに受けつづけている地区での10時間の旅をはじめよう。ダンケルクから数キロの距離にあり、危険性が指摘されている14基の原子炉が建ち並ぶ一帯に存在している施設。そのすぐ近くを巡る本当の企画ツアーだ。

「あなたは放射能漏れを見ましたか?」

施設内の4基の原子炉の共有機械を備えた巨大な部屋で、安全品質責任者が、眼下に設置されている発電機やローター、固定子、配管の迷路について詳述する。突然、彼が振り向いた。「あなたは放射能漏れを見ましたか? あー、いいえ、フランス電力は、放射能漏れについて配慮して仕事をしています」 えーと……。左の下の配管から蒸気らしいものが漏れていますが。「あー、そうですね、これはいつものことです」

3号機の司令室では、南仏なまりのにこやかな若い男性が司令官だった。金髪の二人の化学者が、図面を参照していた。「グラヴリンヌでは、9%が女性で、そのうち90%が技術職です」と原子力発電所のジャン=ミッシェル・キリシニ所長は自慢した。見学は続く。派遣会社と請負人の住居や託児所探しの援助や、買い物の配達もする管理人室を通る。マッサージコーナーのあるサロンやフィットネスルームもある。Wiiのゲームのための部屋もある。この施設の正社員が労働条件をどう思っているのか、すぐにはわからない。労働組合セクションの責任者との翌日のアポイントメントは、直前でキャンセルされた。全く同じ時間に、管理部とのアポイントが前触れもなく入ったからだという。

グラヴリンヌ原発は、環境ISO14001の認定を受けた。情報センターの入口に、使い済み電池のゴミ箱がある。食堂では、昼食の後、事務室長(女性)が、ベルトコンベアの上のすでに通り過ぎた料理ののった皿を再びとらえた。ベルトコンベアは、ミネラルウォーターのプラスティックボトルを回収し、リサイクル廃棄物容器のなかにそれらを捨てるために、キッチンへ向って動いている。

原子力発電所の副所長(女性)は、原発への情熱を語った。ここでは退屈することがなく、やることがたくさんあり、機械に接することができる。普通とは違う仕事であり、靴を売るといったものではない。原発部門は、フランス電力の女王的存在だ。管理室の室長(女性)は、人に緊張感も与える。拘束されている気持ち。厳しさ。複雑さ。私たちはつねに多くを要求される。共同体。子どもたちは一緒に学校へ行く。牧歌的な世界の香り。フランス電力の広報担当者はそれを心配している。「私たちは完璧な世界を売ったりしていない。ケアベアではないのです」 原発の先任者の娘、運営会社、新規加入者を再び連想させる。家族的精神なのだ。

「私の妻と子どもはどこに住んでいると思いますか?」

家族、これはグラヴリンヌ原発の所長との最後に交わした議論だ。この施設の安全性が絶対であることを説得するために。「私の妻と子どもはどこに住んでいると思いますか? 原発から2キロ圏内です」 ヘルメットとフランス電力のロゴ入り作業着で、彼は心温かく見学を引き受け、パリの会議に出発するまでの3時間以上の時間を割いてくれた。

彼は“教育する”ことを望んでいる。しかし、彼の手法で。私の質問に対し、事故に関する報告書や、原子力安全当局(ASN)から送付された手紙を取り出し、原則と手順の記述にそって回答した。彼なりの“道路交通規則”である。ASNは原発から周辺環境への放射能漏れを懸念しているが? 「放射性の液体からの放射線漏れは、基準以下の非常に少ない量です」 施設の老朽化、フッセンハイムと同じ年月の古い原子炉については? 「設備は30年前より現在のほうが安全です」 原子炉建屋に入るときの派遣労働者の被ばくは? 「グラヴリンヌの集団線量は、ここ15年で2~3下がりました」 原発労働者の健康に与える危険性は? 「私はコルシカ島に花崗岩の家を持っていますが、そこでの1ヶ月の放射線量は、この原発での1年間の放射線量とほぼ同じです」

耳が聞こえない人同士の会話。質問と答えがこうもかみあわず、2つの違う言語で言い表しているかのようだ。

帰り、今朝のタクシーの妻が、駅まで送ってくれた。彼女はパリ行きの電車の時間と、原発施設からダンケルクの中心部までの往復にかかる時間を空で覚えている。彼らの息子は、この原発での研修を終えたばかりだ。

私たちは、ポール・サン・リュイ村へ向うアカキュルチュール道路を通り、原発を後にした。グラヴリンヌ原発の原子炉の塔が建つ風景。その原子炉は、ノートル・ダム・デュ・ペルペチュエル・スクールに捧げる教会の塔の遠い向こう側に並んでいる。幾千人の住民が暮らす数歩先で、設立30年のこの工場がフランスの電力の10%近くを生産している。



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by k_nikoniko | 2011-09-19 19:17 | 原発・核

原子力が逆襲するとき

2011年8月25日のTerra Ecoに掲載されたロール・ヌアラ(ジャーナリスト)の記事より。

それはあってはならないことなのに、とにかく起きてしまった。今年3月、福島第一原発の原子炉6基のうち3基がメルトダウンし、原子力に好意的だった社会、政治、産業の全てに亀裂が生じた。核の大惨事のスペクタクルに覚醒され、フクシマは、ここ数年間の核に好意的な相互理解を、数日で根元から崩した。原子力は絶対確かではない。原子力はゆるぎないわけではない。原子力はそれほど確かではない。日本のドラマと平行して、25年前のチェルノブイリが、集団的不安の鈴を鳴らす。核で得をしているかのように思わされていた人々のなかから、議論を求める声が出現する。カッサンドラ(ギリシャ神話に登場する、正しい予言をしても誰からも無視される人物)に応え、あらゆる“反対”の増加を痛烈に打撃しつつ、顧客が離脱することを予測して相互理解の新基軸を作り上げなければならない。つまり、フクシマの爆発効果を修復しなければならないのである。

2011年9月18日22時00分

1.政治
最大の逆襲は、メディアと政治の前線で繰り広げられる。事故後の最初の数日間、フランス電力およびアレバのパトロンである一部の政治家が、原発の永続的支援を再確認するために、テレビに出演した。エリック・ブッソン産業大臣から、ナタリー・コシウスコ=モリゼ環境大臣にいたるまで、政界からはフランソワ・フィヨン首相、そしてアレバの最高責任者だったアンヌ・ローヴェルジョンやフランス電力のアンリ・プログリオ総裁らがそれぞれ、原子力事故と、日本で起きような“自然災害”とを区別した。サルコジ大統領自身は3月末に、フランスの移住者の安否を確認するために東京へ飛んだ。

環境保護論者たちは叫んだだろうか? 社会主義のリーダーたちは、“すべての原発”の停止を約束しただろうか? フクシマ後の闘いは、情報の場で一戦を交える。大統領選に向けた議論を準備するために、フランソワ・フィヨンは会計検査院の監査を命じた。2012年1月31日にコピーが戻される。一方、エリック・ブッソン大臣は、脱原発につながるものも含め、可能な限りのエネルギー政策のシナリオを研究する委員会を立ち上げ、“エネルギー2050”という未来予想を開始した。少しばかりの恵みが与えられたが、それを自慢すべきではない。エネルギー政策担当のブッソン大臣は、フランス国内の原子力依存を3分の2にすることを強くすすめていた。価格競争、エネルギーの独立、温暖化効果ガスの排出量減少を維持するためだ。

「この2つの事業は少し見かけだおしである」と市民団体グローバル・チャンスの技術者で理事長のベンジャミン・ドゥスゥは批判する。「原子力の費用(解体や核廃棄物など)はシナリオに大きくかかわっているが、会計検査院が検討している費用、そして特に核燃料サイクル保証費用は、原子力の継続を仮定した場合だけのものだ。脱原発はイエスかノーか、4世代原子炉はイエスかノーか、MOX燃料はイエスかノーか、EPRはイエスかノーか、などなど。同様に、会計検査院は産業界が提供した数字のみに基づこうとしている。ブッソンの未来予想実施は、もっとひどい。4ヶ月で可能なあらゆるシナリオを考えるとは、大それた望みである。この委員会を構成するメンバーは、フランス電力の前総裁ピエール・ガドネックスや、エネルギー経済法律研究センターの所長ジャック・ペルスボワといった“見事な資格を備えた”人たちだが、未来予想など何もわからない、筋金入りの原子力推進派だ」 多くのオブザーバーたちであっても、少なくとも1年はかかる作業の研究である。実効の適用性などどうでもよく、脱原発の問題を考えることを主義として拒否していないことを、政府は叫んでいるのかもしれない。

2.安全性
権力者の反論のもうひとつの大きな軸は、安全性である。フクシマ後の最初の数日間、原子力反対派は、原発にともなう危険性に関して本質的な相互理解にいたった。地震、津波、干ばつ、火災、洪水……。原発はどのように防御できるのか? 「原子炉に実施される一連の“ストレステスト”を我々に委ね、政府はまず原発施設の状態について安心させたがっている」とフランス原子力安全当局(ASN)の職員のひとりは断言した。「もし日本の事故がフランスの安全基準を見直すのに役立つのであれば、それはいいことだ」 有名な“ストレステスト”とは、原発運営業者が質問用紙に書き込み、それを原子力安全当局へ返送するだけだ。より目を引くのはむしろ、原子炉の冷却装置に備えてある救済システムの停止が長引いた場合に作動する特殊電流設置したという、4月のフランス電力の発表だ。

3.イメージ
「ヨーロッパ中の原発反対派はすぐに、チェルノブイリとこれを同一視した。チェルノブイリとこれを比較するあらゆる試みを鎮めなければならない」 この証言は、イギリス政府と原子力企業(アメリカのウエスティングハウス、フランスのフランス電力とアレバ)との間のメールのやりとりから引用した。イギリス政府と原子力企業はグルになって、フクシマの事故のインパクトを最小限にするために、公式通達を練り上げていたのである。

イギリスでもどこでも、チェルノブイリは産業界の悪夢として記憶に残っている。「すぐに危機細胞会議が開かれた。進行中の事故についてどう伝えるか? 特に、チェルノブイリとのあらゆる同一視をどう阻止するか」とフランスのサイト製作会社の責任者は説明する。合言葉は? 「チェルノブイリは旧ソ連で起きた大惨事であり、フクシマは“自然災害”である」 新聞での議論、テレビ出演する専門家、フランス電力やアレバのパトロンたち、大臣たちなど、原子力推進派は業界を独占している。原発推進派は全員、見事な平静さを装った。調査結果のネガティブな数値(フランスの70%が20年か30年後の脱原発に賛成)に対し、気候変動、世界的な電力需要、さらに事業者の賢明さ(!)などと言って反駁する。しかし、核と同様のイメージに関連したことには、利害関係者が平静な態度を表明している。「世論の大きな後退はない」とアレバのスポークスマンのレギ・アスレは断言する。「事故の数日後、確かに、我々は感情的だった。人々は地震や津波、大規模な崩壊による瓦礫のイメージを目にした。しかし、数週間後、これは他の国の違う現実だ、と世界中で解釈された」 イタリアは原発を放棄したが? 「この決断はベルルスコーニと非常に強く関係している」 ドイツはどうか? 「ドイツの電気料金はフランスの約2倍で、1キロワット/時は24サンチームだ」 正常で分別のある議論があるとすれば、そこには肯定を見出だすことになる。さまざまな局面を総合して考えなければならない。気候変動、我が国の産業の価格と競争。「原発を停止して高い電気代を払う覚悟はあるか?」 議論ははじまったと言える。

4.財政
財政の面もまた、公式である。フクシマはフランスの原子力産業を苦境に追いやった。そう言っているのは、昔から活動している反原発運動家ではなく、アレバの新最高責任者リュック・ウルセル自身だ。このグループの前半期の数値が公開された。新社長によると、フクシマが原因で、ドイツと日本を中心に、多くの契約取り消され、その額は1億9千100万ユーロである。グループの受注残高の減少はどれほどか。前半期の純利益は3億5千100万ユーロで、2010年の同時期の58%減。

ここでもまた、冷静さを保ち、勝負の成り行きを見守るのが慣例だ。中国は12基の原子炉をほしがっている、イギリスは8基、南アフリカは2基、インドのジャイプルは6基。リオとパリ間の飛行機が墜落したからといって、エアバスの注文がなくならないように、フクシマが原子力開発を急に止めたりしない。

「全てが間違いである」とエネルギー情報調査室ワイズ・パリの創設者で技術コンサルタントのマイケル・シュナイダーはみている。「アメリカの民間企業は、原子炉の新建設という考えを破棄したほうがいいと思っている。南アフリカのEskomは、入札募集を取り消されたとき、パニックに陥った。中国はすでに福島の事故以前に、原子力への投資より年間5倍も多く再生可能エネルギーに費やしている。インドは、ジャイプルのアレバのEPR原子炉計画への反対が根強い……」 原子力の支持者たちは、狼狽していない。「気候温暖化の理由で、原子力の需要は増えるだろう」と、7月末に福島で、IAEAの天野事務局長は予測した。日本の事故は、さほど大きな変化をもたらさないだろう。アレバやフランス電力のロビーではそう断言している。「せいぜい、いくつかの計画が遅れるだけ」と、アレバのレギ・アスレは説明する。エネルギーの国際機関によれば、原発が世界の電力生産の16.9%に相当するのであれば、10年後の世界の原子力電力生産は27%に増加する、と『エコノミスト』の研究分析サービスは予測している。「中国、インド、ロシアが予定している原子炉が加われば、ドイツが廃止する原発の5倍もの生産能力になる」とフランス電力は計算している。闘いははじまったばかりだ。


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by k_nikoniko | 2011-09-18 22:00 | 原発・核

フランスの原子力の国民投票

2011年8月31日のメディアパルトに掲載されたポール・キレのブログ「原子力:なぜ国民投票か?」です。

最近の新聞上での議論で私は、重要な問題に関して、政策決定者によって巧妙に管理された混乱が、どのように真実を隠蔽する意図をしばしば覆い隠すかを述べた。逃げ口上はつねに同じである。誤った証明、決まりきった表現、沈黙、「言ってない」……。原子力を例にとり、我々と次の世代の生活に非常に関係の深にもかかわらず、議論のないまま政策が決定してしまうのを避けるために、より民主的な方法を実施されることを提案した。

国民投票でフランス人の意見を反映するという私の提案は、適切な論評の対象になり、私はここで自分の考えを正確に述べたい。

国民投票の原則は憲法11条(2008年7月23日改正)に規定されていることを、まず思い出してほしい。特に、「大統領の発案、政府の提案、……もしくは、両議院の共同による議会の提案に基づいて……、公権力の組織に関して、国の経済・社会・環境政策および公共サービスの諸改革に関して、あらゆる法案を国民投票にかけることができる」 議会提案の場合、国民投票は「10分の1以上の有権者の支持に基づいて、5分の1以上の議員で国民投票を発議することができる。この発議は、議員提出法律案の形式で、1年未満に交付された合法的規定の廃止を目的にすることはできない」

私は、市民の協議方法に逆らって、形式化された典型的な批判を充分に理解していないわけではない。国民投票の形への漸次的な推移(1969年)、議会手続きによる結果の方向転換(2005年の欧州憲法、そしてリスボン条約)、議会の決定力の削除、衆愚政治への傾き。これにもかかわらず、私は、人々の意思表示の道具として国民投票を用いる可能性があると確信している。それには3つの条件が必要だ。
-反対の意思表示も含めて、本当の意味での公開議論を開催するために、事前の情報が最大限に公開されること
-議会はそのやり方を敬遠しないこと
-国民投票の手続きは、問題が将来に重要にかかわることだけにすること

電力生産における原子力エネルギーの使用は、国民投票の手続きを真剣かつ責任を持って取り組む問題として適切だといえる。有用性、危険性、費用、日程表といった全面的に透明性のある情報と議論は、過剰な情熱と誤用された単純さを確実にさけることになるだろう。

そこで、4つのステップを提案する。

1.専門家を交えた研究委員会が、原子力エネルギーの3つのシナリオを念入りに作成する。そのメンバーは、これらのシナリオを正しい方法で詳述し、特に投資および消費の経費、エネルギーの代替資源の開発、日程表、雇用についての将来性を完全に分析すべきである。

3つのシナリオは次の通り。

シナリオ1:原子力による電力生産の現在の傾向のまま発展を継続し、予定されていたEPR原子炉の建設を維持し、4世代原子炉に着手し、ITERの研究を続ける。

シナリオ2:2020年までに原発の出力を60%へと徐々に減少させる目標に向けて、2012年から全ての原発施設を停止し、解体していく。フラマンヴィルのEPRの建設を中止し、パンリーのEPR計画をキャンセルし、原発施設の解体と施設区域の再生に向けた産業活動を発展させる。

シナリオ3:2020年から、寿命を迎えた(1977~1985年に建設された原子炉)施設の新たな取り替えをせず、その時点で状態を再点検する。

2.このシナリオ作りの結果は、大キャンペーンを通して情報公開される。フランス人によく理解されたところで、公開討論を行う。

3.この2つのプロセスの後、議会での審議にゆだねる。議会での討議の末、ひとつのシナリオが選択され、それを国民投票にかける議員提出法律案の形で申請する。

4.フランス人は国民投票によって、この法案に対する意見を出す。

こうしたやり方は、民主的で透明性があり、知性と責任感に訴える。この方法は難しく、「全面的な受け入れか、全くの否定か」という中身のないスローガン、まやかしの決まり文句、反論の余地のない引き受け、戯画、安請け合いという議論もないまま認可される容易さとはほど遠い。

この方法で選択することにより、左派と環境派は、将来を約束する大事な決断にフランス人を参加させる可能性を強く印象づけるだろう。


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by k_nikoniko | 2011-09-17 18:03 | 原発・核

原子力について良い質問をしよう

8月19日のTerra Ecoに掲載されたポール・キレの寄稿です。

ポール・キレは、社会党政権時代、都市計画大臣、防衛大臣、郵政・通信大臣、内務・治安大臣を歴任し、現在はコルド・シュル・シエル市長。政治家や組合、市民団体、ジャーナリストによるクラブ「ゴーシュ・アヴニール(左派の未来)」の立ち上げ人でもある。

「良い質問をして人に何かたずねると、それぞれの物事の真実を自ら発見する」 このプラトンの素晴らしい助言を、現代の民主主義体制における政策決定者は、固定観念としてとらえていないようだ。民主主義の目的が「ものごとの真実」を見出すのではなく、共同利益を憂慮しつつ人類共同体を優先的に管理することにあるのであれば、後者が追及すべきことは、管理者の根本的な懸念であるべきだ。とはいうものの、「良い質問をする」のを心配し、有権者の矛盾を管理する方法を知らないという恐れと、自分たちに都合のいい解決策を押しつけようという意図から、本来追及すべきことに立ち向かうのを拒否するといったことが、管理者たちにはよく見られる。

我々と次の世代の生活にとって非常に関係の深い重要な課題について、真実を隠蔽するための確固たる選択を普通に隠し、巧妙に管理された混乱をいきわたらせるといったことが起きる。とにかく、未来を約束する政策が、実際の議論なしに決まり、実施されることが可能なのだ。原子力を例にとってみよう。この言葉は、人類の最先端の科学や技術を想起させる言葉だが、同時に、恐ろしい記憶をよみがえらせ(広島や長崎の原爆による20万人の死、チェルノブイリや福島の原発事故)、深刻な不安にもつながっている。いまだに10数の国が無視できないほどの核兵器を保有し、核軍備拡大や核を利用したテロの危険性をはらみ、原発施設の原子炉の安全性にも不安が残る。

おもしろいことに、核兵器開発と平和利用の原子力開発は、大きく異なった懸念を含んでいるにもかかわらず、政策決定者は、この問題に取り組むとき、同じ逃げ口上で訴えている。誤った証明、決まりきった表現、沈黙、「言ってない…」

核兵器

「使用しない兵器」は抑止としての兵器の存在で、東西の「恐怖の抑止力」と呼ぶものがあった時代、40年間にわたる栄光の歳月を有していた。平和の保障とみなされたこの抑止力は、幻想的で費用のかかる軍備競争と解釈されながら、次第にレベルを上げていった(宇宙での使用を管理する意思もそこに含まれる)。フランスでの核兵器の保有は、アメリカとNATOと関係しながらも独立の意思を確実にする方法として、50年前から存在している。ある意味で正当化しながら、国連の安全保障理事会の常任理事国は、核兵器を唯一公式に保有でき、アメリカ、旧ソ連、中国、イギリス、そしてフランスの5カ国は“サロン”に参加することで、大国のステイタスを維持しているという感覚を持っている。

現在の国際社会は、過去の国際社会とはもはや似てはいないことを、誰もがわかっている。核抑止力の特性はもはや支持されないことは明らかだ。誰を対象にしているのか? テロリスト集団を懸念しているからではことはよくわかっている。では誰か? 中国か? ロシアか? イランか? “生命維持に不可欠な利益を脅かすであろう”あらゆる存在は、ヨーロッパとNATOへのフランスの帰属に関して危険な賭けにでるという、公式な回答である。“大国のステイタス”を正当化するために核兵器を保持するという必要性は、世界の流れに影響を与えている列国間の現実的な力関係の認識に逆らうことはできない。新しい大国が出現している。国際協調においてフランスよりすでにとても大きな力を持つ国が存在し、それは核兵器の保有とは関係のないことである。いくつかの国(特にフランス)は黙秘しているが、この進化を充分考慮すると、国連の安全保障理事国の構成は終焉を迎えるだろう。

評価の基本要素を公衆の面前に持ち込むことが必要だ。政治的責任者は、1960年代初頭からフランスの“核抑止力”を正当化するような、儀礼的で形式に、根拠もなく単純に繰り返している。しかし、公衆の面前に持ち込むことで、それをあまり還元させないながらも、より正直な言葉を使うよう、政治的責任者を導くことになるだろう。そして、“核兵器のない世界”の予測した国際レベルへ向わせる努力に対し、フランスはなぜそれをほとんど評価しない主義なのか、またそれに対してなぜ無気力にみえるのか、政治的責任者はそのことを知るための鋭い疑問を自ら問うことになるだろう。

市民の原子力

ここにもまた、電力生産の資源が70年代に石油依存からとって代わって以来、公式議論として、どれだけのいい加減さとウソが広められたか! 原子力使用のメリットはよく知られている。電力生産コストが比較的安いこと、炭化水素の重要性の低下、温暖化効果ガス排出が少ないこと。同時にまた、都合の悪さも持ち合わせている。投資額が莫大なこと、核廃棄物貯蔵の複雑さ、原発施設解体の手間、事故の危険性。しかし、徹底的な研究に基づいた真剣な議論はこれまでされず、矛盾は戯画的な対立とスローガンの交換の段階を超えて表現されることはなかった。一般の人々は責任ある意見を述べ、納得できるような意思表示をするような状態にないのだ。にもかかわらず、決定された選択を認めなければならず、どんな結果でも引き受けなければならない。

30年前、この問題に関して、残酷な失望を経験した。1973~1981年の期間に、右派政権が不透明性なまま原発建設計画を加速させて推し進め、その後、左派政権はエネルギー政策に関する公開議論を約束した。この必要不可欠な議論は、残念なことに、1981年の秋に、議会でのみ討議されるにとどまった。その結果、本当の意味での公開議論を実現させようという自覚とはほど遠いものになってしまった。

ここでもう一度、核兵器と同様に、世界は変化したことで、一般市民に充分な情報公開が欠かせなくなり、矛盾するようだが、それが必要になった。なぜなら、人々は意思表示を求めているからだ。当然ながら、問題は複雑になり、(“賛成”と“反対”の)断固たる立場間の対立を避ける試みがされなければならない。最近の左派と環境派の議会では、電力生産における原子力の今後の位置づけについて、可能性のある3つのシナリオという方法で提案された。

シナリオ1:原子力による電力生産の現在の傾向のまま発展を継続し、予定されていたEPR原子炉の建設を維持し、4世代原子炉に着手し、ITERの研究を続ける。

シナリオ2:2020年までに原発の出力を60%へと徐々に減少させる目標に向けて、2012年から全ての原発施設を停止し、解体していく。フラマンヴィルのEPRの建設を中止し、パンリーのEPR計画をキャンセルし、原発施設の解体と施設区域の再生に向けた産業活動を発展させる。

シナリオ3:2020年から、寿命を迎えた(1977~1985年に建設された原子炉)施設の新たな取り替えをせず、その時点で状態を再点検する。

これらのシナリオからひとつを選ぶ際、分析プロセスを経てから決定を下すのが条件となる。この決定を導く研究委員会は、シナリオを正しい方法で詳述でき、特に投資および消費の経費、エネルギーの代替資源の開発、日程表、雇用についての将来の結果を完全に分析すべきである。この作業の結果は一般に公開され、フランス人は国民投票で意見を出すことができ、好ましいシナリオに関して明快な方法で意見を述べることができる。

核兵器と市民の原子力という2つの非常に難しい基本要素に関して、“質問をする”のが民主的な健全な機能にとって有益であると知ることで、一般の人々ははっきり見通して、将来を約束する選択への意思表示ができる。


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by k_nikoniko | 2011-09-17 14:45 | 原発・核

フランス原発施設マルクールの爆発

2011年9月12日のメディアパルトの記事より。

9月12日正午少し前に起きた炉の爆発で、核廃棄物処理工場Centracoの正社員1人が死亡し、4人負傷、そのうち1人は重傷だった。Centraco工場は、ガール県のマルクール原子力施設に近いコドレ町に位置し、フランス電力の子会社Socodeiが運営する。従業員350人で、そのうち派遣労働者160人のこの工場は、低レベル核廃棄物処理を行っている。ここで処理されるのはおそらく、弁やポンプ、工具といった金属か、たとえば手袋や作業服などの燃料物質にかかわるものと思われる。Centracoでは、廃棄物の量を減らし、可能であればリサイクルし、小包の形に包装する。小包にされた廃棄物はその後、ANDRA(国立核廃棄物管理機関)で取り扱われる。

燃料廃棄物は、一般の焼却炉に似てはいるものの、原子力産業に適合させた焼却炉だ。金属廃棄物は、1300~1600℃の誘導電動炉で溶解させる。

原子力安全当局(ASN)によると、爆発したのは、金属廃棄物を溶かす予定の炉で、爆発の理由はわかっていない。フランス電力によると、爆発が火災を引き起こしたが、火は消し止められた。

内緊急計画(PUI)が開始されたが、原子力安全当局によると、施設外部への放射能の漏れはなかった。フランス放射能防護原子力安全研究所(IRSN)はすぐに、施設周辺の放射能線量の状況を調査するため、測量計を携帯して現地にとんだ。測量の結果は9月12日月曜日の夜にわかるはずである。一方で、市民団体CRIIRADはその地方のモニターポストを確認したが、月曜の午後の段階で放射線は検出されなかった。原子力当局は、午後に危機対策組織を解散した。

測量の最終結果で、かなりの放射能漏れが確認されたら不思議なことだ。事故はむしろ、「一般的な」工業事故として登録されるようである。だからといって、重大さが軽減されたわけでは全くない。これまでも、Centraco工場は、安全教育と設備管理維持に関して、非難されていなかったわけではないようだ。

工場は、「原子力の見張り番」である原子力安全当局から何度も警告を受けている。2011年5月25日、火災報知器のテストを試みたとき、機能不全により焼却部門の火災警報器の喪失を引き起こした。この事件は、INESの原子力事象の重大度レベル1とみなされた。2010年8月15日、電力供給の欠陥で、化学物質含有ガスの漏れを制御するシステムが停止した。この事故もレベル1とみなされた。2008年11月26日、火災報知器の半年ごとの点検を怠っているのが、内部監視官によって明らかにされた。これもまた、レベル1の事象とみなされた。そして、2005年10月7日、火災のリスクを調査する大がかりな抜き打ち検査で、さまざまな「異常」と「目立った逸脱」が確認された。火災時に防火スタッフが使う放射線量計の数々の不具合、自動火災報知器が備えつけていない保管庫、溶接部署の隣の可燃性液体の存在など。

もちろん、これらの異常は基本的には取り除かれた。そして、2008年、2010年、2011念の火事は、たぶん、9月12日の事故とは何の関係もないだろう。それでも、Centracoの火災に対する安全性に欠落があることを表しているといえる。


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by k_nikoniko | 2011-09-14 13:15 | 原発・核