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原発の本当の料金

Tera-Eco5月号の編集長のコラムです。

事故から2ヶ月、福島原発事故の原因と結果を我々は少しわかってきた。あらゆる状況でも津波に対応できる備えに関し、事業主である東京電力は明らかに先見の明がなかった。そして、原子炉の設計ミスに目をつぶっていたとの疑惑もある、東電の無関心さ。さらに、管理文書の改ざん。これらの要素が、予想外の信じられないほど巨大な津波がこの一帯を襲いかかったときに、不幸にも高額な費用をもたらした。事故の公衆衛生に関するバランスシートが作成されなければならない。日本政府と東京電力の透明性の欠如が原因で、より巨額な補償金を要請する中身になるであろう。チェルノブイリ事故から25年経った今でも、バランスシート問題は科学業界を分裂させる議論であり、福島原発についての討論でそれが終わっていないことを考えざるをえない。我々はすでに、東京の3500万の住民が最悪の事態を逃れたことを知っている。原発周辺の土地の一部では、多くの農作物が処分された。それどころか、住民は二度とそこへ戻れないかもしれない。海に関しては、汚染があらゆる生態系に広がるだろう。社会的、環境的、経済的な福島原発の費用は、少なくとも、非常に大きな工業事故の費用である。1年前にメキシコ湾にBPの石油掘削リグ「ディープウォーター・ホライズン」の爆発のように。

納税者の支持

しかし、今回はより深刻だ。BPとは違い、事故の費用を引き受けるのは東京電力だけではないと思われるからだ。日本の納税者は、たぶん、費用のかなりの部分を負わなければならないだろう。彼らは二重に支払うことになる。ひとつは直接の損害に対し、そして2つ目は損害の復興に対し。ここで疑問がわく。原子力エネルギーの生産者は、不測の工業大事故の料金を受け入れるために経済的に備えていたのだろうか? もし備えていないのであれば、納税者の並々ならぬ支援なしには機能しないのが原発だと象徴していることになる。ここで、2つ目の疑問が出てくる。最終的に支払うのは国家だと言うのであれば、事業主はあらゆる不可欠な注意を払わず、そうした注意に対する度はずれな費用を引き受けなくていいのだろうか。さて、逆に考えてみよう。最大限の安全対策に関する調査費用のすべてを事業主が負うとしたら、事業主はそれでも原発の開発を行うだろうか?


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by k_nikoniko | 2011-04-29 20:29 | 原発・核

フランス原発労働の映像が公開

メディアパルトが、フランスの原子力発電所内部で働く人たちを映したドキュメンタリー映像を公開しました。フランス電力公社(EDF)労組中央委員会から入手し、今回が初めての一般公開。
2002年にEDF労組中央委員会は、原発での労働に関するシンポジウムを何度も開催し、そのときに撮影された映像です。
ドキュメンタリーは、従業員らのインタビュー、労働関係の専門家や社会学者などが出席したシンポジウムの様子も多く含まれますが、これまでほとんど明かされることのなかった原発内部での作業も撮影されています。

映像は2部構成で、1部は「原発の労働環境」(約60分)、2部は「下請け従業員の労働問題」(約45分)です。

インタビューとシンポジウムでの会話は訳せなかったのですが、1部では「ストレスの多い仕事」、2部では「被ばくのリスクは避けられない」といった内容も話されていたようです。

これはもちろん、「福島原発で何が起きているのかに関心が集まっている」ことから公開されました。
メディアパルトによると、ヨーロッパの原発では、2000年ごろから利益追求が優先されるようになり、従業員の労働環境が問題視されるようになってきたそうです。現在、原発で働くのは80%以上が下請け従業員とのこと。

映像では、「arrêt de tranche」と呼ばれるメンテナンス作業を中心に撮影されています。
「arrêt de tranche」は、日本語でなんと言うのかわからなかったのですが、核燃料を入れ替えたり、定期点検といったメンテナンスのことだそうです。
このメンテナンスに、毎年2万人以上の下請け従業員が雇われるといいます。

arrêt de trancheについては、EDFのサイトで2010年3月版のパンフレット(PDF)がダウンロードできます。
要約は以下の通り。

arrêt de trancheは、安全のためのメンテナンスであり、原子力発電には欠かせないもの。
フランス国内の19原発の58の原子炉あり、良好に機能させ、事故を防ぐために、毎年20億ユーロをかけてこの作業を行っている。
arrêt de trancheには、新しい核燃料の入れ替え、安全を保証するための検査、必要なメンテナンスの3つの目的がある。
新しい核燃料の入れ替えとメンテナンスは、12もしくは18ヶ月に1度行われる。
EDFは、arrêt de trancheの予定をフランス原子力安全局(ASN)に報告し、メンテナンス終了後は、ASNの審査を受けてから、原子炉を再運転する。
arrêt de trancheには、1000人以上が作業にかかわる。700以上の箇所をチェックしなければならず、蒸気を流す3000以上のチューブなど配管類もすべて点検する。
EDFでは、併行して7~8のarrêt de trancheを行い、下請けを含む多くの従業員がたずさわる。核燃料入れ替えや冷却装置の作業は、資格を有するEDFの代理店が担当するが、メンテナンスは、アレバやアルストンなど原子力企業の下請け業者も参加する。
arrêt de tranche には3タイプある。ひとつは、核燃料入れ替えだけの作業で、期間は30日。部分点検は60日間、10年点検は90日間。
日常的なメンテナンスにはEDFの9500の代理店が行い、下請け従業員も2万人が作業をする。
arrêt de trancheの7ステップ
1)原子炉を停止する:原子炉を停止する前に、一時冷却を次第に冷やす(水温は300℃以上!)
2)タンクを開ける:核燃料を入れるために、機械を使ってタンクの栓を抜く
3)核燃料を空にする:タンクから出した核燃料は、核燃料貯蔵建屋のプールに運ばれる
4)原子炉を完全に除去する:核燃料が取り出して空になった原子炉をメンテナンスする。
5)核燃料を入れる:核燃料建屋のプールから、原子炉建屋のプールに核燃料を移す。
6)一時冷却装置の栓を閉め、真空にする:タンクの栓を閉め、蒸気のチューブの空気を抜いて真空にし、加熱する前に一時冷却装置の中をいっぱいにする。
7)原子炉の再運転:試運転を何度も行い、ASNの許可がおりたら、原子炉を再運転する。
arrêt de trancheの作業予定については、原子力発電所の存在する地方自治体が一般住民に情報を公開している。


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by k_nikoniko | 2011-04-22 02:04 | 原発・核

放射性汚染水の処理を担うフランスのアレバ

福島原発の汚染水処理に関するアレバの2011年4月19日付ニュースリリース(英文)です。

東京電力の要請を受け、アレバ社は損傷した福島原発の汚染水処理を提案してきたが、この度、その提案が受け入れられた。
汚染水は、原発への電力供給と冷却システムの回復のために、すぐに処理されなければならない。
3週間前に、アレバ社は、東京電力との作業に参加するために、放射性物質を効果的に取り扱う専門家を数人派遣した。フランス、ドイツ、アメリカのチームからの支援を受け、アレバの専門家たちは、共沈法に基づいた手段を提案していた。アレバが開発し、マルクールやラ・アーグで用いられた手法で、放射性物質を分離するために特殊な化学薬品を用いる。アレバは、放射性物質だけを除去し、これらを処理する。
アレバはまた、ヴェオリア・ウォーターの技術にも頼る。アレバは共沈法の設備を備えた巨大な処理施設を運び入れることになっている。この設備は、処理水から放射性物質のレベルを劇的に減少させることだろう。処理水は原発の冷却システムで再利用される。
この緊急事態に最も適した他の手段も平行して用いられるかもしれない。中期的、長期的なその他の作業も補充されるであろう。
これは、フランス大統領の日本訪問に引き続く活動の一部である。

3月20日までの福島原発の状況をアレバ・ドイツの技術者が公開しています。
メディアパルトの記事では、「東京電力からの情報は少なすぎる」とコメントしています。
アレバの資料はネットにアップされています。

もうひとつ、アレバ関係のニュース。
インドで、アレバ社が計画中の原発に反対するデモがあり、警察がデモ隊に向けて発砲し、ひとり死亡。

2011年4月20日13時25分
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by k_nikoniko | 2011-04-20 13:25 | 原発・核

フランス経済誌「原発の選択」

フランスのオルタナティブ経済雑誌Alternatives Economiquesの4月号のPhilippe Frémeaux発行人コラムより。

絶対的なリスク

日本を直撃した原発事故は、フランスが選択してきた原子力政策の正当性の議論を再浮上させている。フランスの原発が福島原発より安全であろうとも、日本と同じ時期に、フランスでも、エネルギー生産の手段が提起する本質的な問題が投げかけられている。

原子力エネルギーの問題点は、リスクが伴うという固有の性質にある。この場合、たとえ小さくても、取り返しのつかない種類の事故を生み出す可能性がある点だ。思い出してみよう。プルトニウムが放射線を出さなくなるまでには何十億年もかかる。すなわち、原子力の危険性は、その絶対的な性質により、技術者や専門家にとっては貴重な確率計算を、無意味なものにしてしまうのだ。我々がこの文章を書いている今でさえ、福島原発事故がもたらす影響を完全に測定することはできない。しかし、ひとつだけ確かなことがある。1986年のチェルノブイリ事故より最悪な爆発が我々をかすめたという事実だ。爆発による汚染は、3500万人が暮らす東京の人家集中地帯まで及んだかもしれない。

脱もしくは反原発の決断は、技術的選択というより、政治的選択、社会的選択、倫理的選択であると見定めることができる。我々の同胞たち、そして将来の世代に対する人間としての責任が問われているのだ。それはまたライフスタイルの選択でもある。人類を途方もないリスクへと向わせている、つねにプラスという名目の経済システムの究極目的に対する問いである。

原子力はフランスのエネルギー生産のなかで大きな比重を占めているため、すぐに全面的な方向転換するのは不可能だ。そして、事態がどうなろうとも、放射性廃棄物の管理、老朽化した施設の段階的な解体といった残骸を責任持って引き受けなければならない。だからといって、脱原発は不可能ではない。脱原発は、エネルギー経済における並々ならぬ努力が前提とされる。さまざまな再生エネルギーへの依存を大幅に高め、よりフレキシブルで地方分権化したエネルギー提供に対応するエネルギー網と消費スタイルの再編成が求められるだろう。一方で、再生エネルギー生産の収益を上げるためには電気料金が高くなり、省エネ製品開発のための設備投資を促し、快適な生活をある程度維持しながらも消費者行動を変化させなければならないだろう。結果的には、再生エネルギーの依存が、あらたな雇用で利益を出すことになるだろう。ドイツの例にとっても、風力および光起電力の開発は、すでに35万人以上の雇用を生み出している。

原発の選択は、50年以上もの間、技術者の確信、産業界の利益、国家権力の意向によってなされてきた。どのような議論も禁じられてはいない。今こそ、民主主義に立ち戻るときである。


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by k_nikoniko | 2011-04-19 00:41 | 原発・核

来日したフランスIRSN所長のインタビュー

フランスのネットメディア・メディアパルトに掲載された、IRSN(フランス放射線防護原子力安全研究所)のジャック・ルプサール所長のインタビューの一部(かなり省略してます)翻訳です。記事は有料です。

日本へ行った際、福島原発へ近寄ることができたか? 現地の状況は?
作業員以外、誰も福島原発の施設内に入ることはできない。正確な状況については情報が不十分だ。たぶん、第2、第3原子炉の格納器がもれていると思われるが、それがどの位置なのかわからない。タンクなのか、原子炉の底の部分なのか、パイプなのか。

東京電力が現状を伝えないのは当然のことか?
状況を理解しなければならない。施設の状態はひどく悪化している。放射線量が高いエリアが多く、そこには誰も近寄れない。停電がつづき、ヘルメットの電灯で作業していたほどだ。多くのセンサーが壊れてしまっている。原子炉に近づくことができない。スリーマイル島のときも、炉心が溶融しているのを調査できたのは事故から6年後だった。

日本は情報公開を控えているのではないか?
「控えている」という言葉は批判的であり、それには応じられない。ただ、東京電力のトップが全情報を提供しているとは思わない。社員の責任や階級といった日本文化も関係している。情報の透明性において、日本はフランスと同じ文化ではない。福島原発に関しては、事故初日に技術者が何をしたのかまったく知らされていない。原子炉がどのぐらいの時間停止したのか。壊れる前に使える時間がどれだけあったのか。活用できる時間が十分になかったのか、と考えることもできる。危機管理にきわめて重要な最初の数時間、原発で何が起こっていたのか。我々は何も知らない。

他に情報不足な点は?
プルトニウムが施設内で検出され、炉心の大規模な溶融の可能性が発表された。しかし、その後に入手した情報では、プルトニウムは一部の場所でしか検出されていないことがわかった。炉心溶解の論理は成り立たない。たぶん、プルトニウムは事故以前に存在しており、最近まで発見されていなかったのだろう。それを証明する資料は手に入れていないが…。

まだ情報が不足しているか?
コミュニケーションをとるには、人的資源が必要とされる。東京電力の技術者たちは収束しない事故との闘いをつづけている。それに専念しているのだ。危機的状況下でのコミュニケーションは、事前に組織化されている場合にのみ可能である。うまく組織化されたコミュニケーション体制は、人々のショックに対応するための本質だ。手段と準備の問題である。

住民にどのようなリスクがあるか?
原発周辺の20km圏内が避難地区となり、その判断は正しいと考えることができる。20~30km圏内の屋内退避区域は複雑だ。この地域は問題がないと私は言い切ることができない。日本政府は屋内退避するよう言っているが、いつになったら外に出ていいのかは言っていない。24時間か48時間たったら、あらたな決断をしなければならない。それがされていないようだ。必需品の供給がない状態で生活するのは不可能である。その区域内にスーパーはあるが、誰も食料の供給に行きたがらない。人々は汚染された食品の摂取についても恐れているが、他に選択肢がない。

日本は海外からの支援をもっと求めるべきではないのか?
アメリカの存在が大きい。核拡散や日米同盟の理由で、日米協力は非常に重要だ。アメリカは我々より情報を持っている。日本とフランスの協力関係は、特に核燃料再処理にあり、安全についてではない。
危機的状況において、協力関係は、事前に用意されていたときにのみ効果を発揮する。日本政府とIAEAの間でさえ、危機的状況での関係は準備されていなかった。このタイプの協力は、危機が起こる前に、事故の場合の措置への備えに同意していたときにはじめて機能する。

日本はなぜフランスが送ったロボットを受け入れなかったのか?
これも同じことで、ロボットを機能的に使うには、事前に準備が必要だったのだ。フランスのロボットは操作するための技術者がいなくてはならない。緊急の際に簡単にできるものではない。

ロボットが必要であれば、あらかじめ準備すべきだったと?
事前の備えは、原子力の危機管理で重要なカギとなる。適確な手順を事前に知っていたら、成功するチャンスは高くなる。福島原発事故の初日は、適確な対応策がとられず、失われた一日だったのだろう。たぶん、備え不足だったと思われる。津波が施設の管理を乱した以上に不利益を与えている。

地震や津波のある地域に原発を建設することが、まずもって事前の備え不足といえないか?
原発は地震には耐えうるが、津波は過小評価されていた。非常用発電機がずぶぬれになり、冷却を確実に行うことができなくなった。

安全基準を強化しなければならないか?
本質的な防護予測に関して、基準は十分ではない。事業者は、基準を、達成すべき目的のように考えている。基準を超える可能性がある、という基本からはじめなければならないだろう。それを実現するには、事業者と専門家の議論が必要だ。レベルの国際基準に関する原子力安全計画も、まだ多くの改善の余地が残されている。

福島事故の後、状況は変わるか?
障害があるときだけ大きな進歩がある。そう言ってしまうのは悲しいが、そういうことなのだ。


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by k_nikoniko | 2011-04-16 17:25 | 原発・核

フクシマ後の気候とエネルギーの方程式

フランスのネット・マガジンTera-Ecoに掲載された記事(省略、意訳あり)です。
Tera-Ecoは、フランスの地方都市ナントの若者が立ち上げた、「持続可能な開発」と「経済」をテーマのサイト。
雑誌の発行もはじめ、最近、フランスで注目のメディアです。
福島原発事故以来、関連記事が毎回掲載されています。

フクシマ後の気候とエネルギーの方程式
福島原発事故は、世界中の国々のエネルギー政策における原子力発電に疑問を投げかけた。原発事故は、気候とエネルギーの方程式の解答を、円積法のように複雑にしてしまった。しかし、この事故はまた、深淵に向って盲目的に突っ走っていた人類にとって、今必要とされている気づきを与えてくれたともいえる。

ヨーロッパおよびフランスのエネルギー計画に必要な大改訂

私たちはまだ、福島原発事故の規模がわかっていない。スリーマイル島原発事故より深刻だといわれている。この原発施設は、非常に高レベルの技術を有し、地震地帯として明白な日本に位置している。その事実が、原子力分野への信頼を崩した。

信頼喪失により、「この事故は地震地帯と関連しており、福島の原子炉は老朽化していた」という常識的な議論は聞くに耐えないものになるだろう。政府がそれを知っていながらそのままにしていたのであっても、それに気づいていなかったのであっても。どちらのケースにしろ、このような重大なリスクを、誰が故意に、もしくは無意識に隠蔽しているのか? その疑惑は、原子力産業の情報開示が一流とは考えられないだけにいっそう深まる。

原子力運営に対する疑問は、より具体的で鋭さがともなう。どのような措置が信頼に値するのか? 東京電力がそうであるかのように、民営の事業主は安全確保やメンテナンスへの予算を抑えるだろうとつねに疑うべきか? 政府の安全委員会は、必要なときには指令と手厚い補助を強制する重みを持ちうるのか? 非常事態の際に、事業主と政府の関係がどのよう組織されるのか? つまり、ヨーロッパで全面的に行われているエネルギー市場の自由化が、主要な問題点なのである。この事故の不幸中の幸いともいえるのは、エネルギー政策を支配している新自由主義のイデオロギーが「モンスター(怪獣)」(フランスのエネルギー組織)の根源であり、性急に問うべき課題を再認識できたことだ。

原子力の減速

福島原発事故につながった第一の要因は、「低コスト・万全ではない安全性」の実施計画にあったはずだ。不十分な安全対策は想像できる。原子力発電所の封鎖を求めるのは不可能ではない。

封鎖は、信頼喪失という社会的許容の理由からだけでなく、経済的収益性と巨額な出費からもいえる。福島原発事故の経済的影響を見積もるのは容易ではない。津波、地震、原発事故を総合した影響は、日本の国内総生産に及び、日本経済は数ヶ月間厳しい状況を強いられるだろう。

人々の暮らしや経済政策において、潜在的リスクが高いのが明らかな原発政策に関し、銀行との契約を結ぶ委員会、そして新しい原発施設を着工中の政府のなかの誰が、決断を下すのだろうか。

原子力競争は大幅に減少するだろう。

目を開く

すべての国が同じ方法で問題を解決するわけではないが(原発による電力の依存度はゼロから、フランスのように75%と異なる)、福島原発事故が、原発への依存を減少させる方向に動くのはほぼ間違いないだろう。

私たちは、根本的な選択に直面している

1)火力とガスの発電で原子力の分を補う。火力とガスは現在でも低予算で電力を生産している。しかし、この選択がもたらす結果は明確である。二酸化炭素の排出による温暖化の悪化だ。

2)方向転換し、エネルギーの消費を大きく減らし、再生可能エネルギーで原子力の分を補う。
まず、エネルギーの消費減少を強制的に行う。第一に節電。エネルギーの浪費は、幸せにつながらない。私たちはそれを知っている。その一方で、電力消費は経済活動や雇用活動をもたらす。マーケティング関係者は広告でいっぱいにし、永久に欲望を喚起させる。私たちはそうした生活を解毒しなければならないが、それは簡単ではない。

さらに、投資を増やさなければならない。住居の断熱材は、100㎡当たり約30,000€する。3,000万の住居の改築を早く実現させるには相当な費用である。実際のエネルギー料金としての一世帯の収益性は明らかではない。しかし、すべての分野で、エネルギー効果を改善しなければならないだろう。

再生可能エネルギーに基づく多くの希望もある。風力や太陽エネルギーは、世界で250TWH(1.5%)だが、非常に急速に増加している(ここ10年で年30%の伸び)。将来の増加スピードに注目したい。年10%で増加したら、20年後には250から1,700TWHになる。20%で増加したら、2030年には10,000TWH近くに達する。他の再生可能エネルギーも多かれ少なかれ増加するだろう。

再生可能エネルギーの効果的な導入を速めるには、さまざまな要因に関係する。企業を支援する市民の努力、需要に応える十分な材料の入手とそれによる低価格化などだ。

気づきへのアピール

気づきは大きな挑戦である。この賭けは不可欠である。危機と暴力にあふれた世界を持続させるのをやめ、より人間的な世界を創るための「計画」に挑む激しさをともなっている。

それは簡単なことではない。

私たちは、これまで拒否してきた束縛を受け入れなければならないだろう。エネルギー料金はますます高くなる。同時に、消費を減らし、リバウンド効果の回避へと向わされる。

収入の多くを投資し、消費を減らす。それは社会政策なしには不可能であり、この仮定のもとでは、まったく困難である。

資源とエネルギーの消費を減少させる活動へと、経済の変化が強いられ、加速するだろう。それがなされるとき、必ず抵抗や強い疑問の声が上がるだろう。これまでのエネルギー生産や配分における「消費者」分野での雇用が失われ、修繕、リサイクル、メンテナンス、建築、農業といった分野で雇用が生れる。これらは若者にあまり人気がないのだが!

福島原発と中東の危機がもたらした強烈な衝撃が、私たちを目覚めさせ、前例のない挑戦を受け入れさせ、挑戦する気にさせることを願う。


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by k_nikoniko | 2011-04-14 15:57 | 原発・核

日本人の消費電力量は少し多い

ヨーロッパは日本に比べて室内が暗い。知り合いはハロゲンの環境照明を使っていました。
明るい日本と消費電力の差があるのか、日本人の年間消費電力を他国と比べてみました。
単純な数字だけの比較、しかも産業界も含まれていると思われるので、個人消費というわけではないのですが。
世界原子力協会のサイトを参考にしました。各国により年は違いますが、2006~2009年の数値です。

日本のひとり当りの年間消費量は7900キロワット時。
年間総電力は、1兆850億キロワット時。火力30%、ガス25%、原子力24%、石油11%、水力7.5%。

ちなみに、韓国は、4690億キロワット時。ひとり当たりの年間消費量は7700キロワット時ですが、1980年には850キロワット時でした。

アメリカのひとり当りの年間消費量は12400キロワット時。
年間総電力は、4兆1190億キロワット時。火力49%、ガス22%、原子力20%、水力6%。

フランスのひとり当りの年間消費量は6800キロワット時。
年間総電力は5700億キロワット時で、総消費電力は4470億キロワット時。
余剰分(ほとんどが原発で生産された電力)はベルギー、ドイツ、イタリア、スイス、イギリスへ輸出しています。
原子力が75%で、70年代のオイルショック以降、原子力依存が高まりました。

ドイツのひとり当りの年間消費量は6300キロワット時。
年間総電力は6370億キロワット時。火力50%、原子力20%、ガス12%、風力6%。

イギリスのひとり当りの年間消費量は5220キロワット時。
年間総電力は3710億キロワット時。ガス44%、火力28%、原子力18%、風力2.5%、水力1.3%、その他(主にバイオマス)3%。
フランスからの電力の輸入は、2009年度28億キロワット時。

イタリアのひとり当りの年間消費量は5200キロワット時。
年間総電力は3180億キロワット時。ガス54%、火力15%、水力14%、石油9%。
イタリアには原子力発電所はありません。
が、フランスの原発で生産された電力に頼り、2007年は480億キロワット時を輸入しています。
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by k_nikoniko | 2011-04-11 11:44 | 原発・核

放射線からからだを守る食事法

放射能が放出されているのが明らかな今、多くの人が知りたいのは、どうしたらその害を最小限に抑えることができるか、だと思います。
でも、実用的な情報は、なかなか入ってきません。

内部被ばくした場合、食事で放射線に抵抗する方法があるようです。
英語とフランス語のグーグルで検索すると、放射線防護の食事法のサイトが見つかります。
基本の文献のひとつが、長崎で被ばく患者の治療にあたった秋月辰一郎医師の著書。
これによると、玄米、味噌、海藻などが、放射線の影響を低減する食品だそうです。

放射線防護の食事について紹介しているのは、オーガニックやマクロビオテック関係のサイトが圧倒的です。
それらの情報から、日本の伝統的な食生活が、放射線防護には効果的だとわかりました。
肉や脂肪、砂糖を多く用いる西洋的な食事は控えたほうがいいそうです。

免疫力をアップしたり、体内の有害物質(今回は放射性物質)を排除する食事として、日本の伝統的な食事はとても優秀です。
今回の事故は、最近の日本人の食生活のあり方を考えるきっかけにしたいものです。
放射線の影響を少なくする食事」にもう少し詳しく書いてあります。

「体内から有害物質を排除する」という考え方は、フランスで多くみられます。
リンパ・ドレナージュというマッサージも、そのひとつ。
また、ホメオパシーの薬には、「放射線デトックス」や「水銀デトックス」などがあります。
ただし、ホメオパシーは専門医の診断(フランスでは医療のひとつとして確立)が必要です。
精油(エッセンシャルオイル)にも、放射線を防ぐ作用があるとされているものがあります。
レントゲンや放射線治療の前に、からだに塗るなどして使用します。
この場合の精油は認定済みの高品質にかぎり、100円ショップや雑貨屋で市販されているものはダメ。

もちろん、放射線は浴びないのが第一です。
今回のように放射線放出があった場合は、バラバラのデータを単発的に公表するのではなく、誰もがわかるように、できるだけ正確にデータを分析して、影響の範囲をはっきりさせることが重要です。
それがあってこその適確な対策、でしょう。
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by k_nikoniko | 2011-04-07 11:06 | 原発・核

放射線の影響を少なくする食事

放射線の影響を少しでも減らす食事について、海外のサイトでも紹介されています。
基本になっているのは、長崎の聖フランシスコ病院で被ばく患者の治療にあたった秋月辰一郎医師の著書。
1980年にイギリスで出版された「Nagasaki 1945」です。
玄米、味噌、たまり醤油、ワカメ・コンブ他の海藻、カボチャ、海塩を食べてもらい、砂糖やお菓子を避けた結果、多くの患者が助かったそうです。

「Diet for the Atomic Age」は、低レベルの放射能を毎日受けている核時代に生きる現代人の食事について、栄養士のSara Shannonが書いた本(絶版)。
科学的なデータを集めて分析し、放射能から身を守る日常生活の食事を紹介しています。
最適な食品は、精製していない穀類、生野菜、豆類、海藻、味噌、テンペ、豆腐、ナッツ、種。
避けたほうがいいのは、肉、脂肪、砂糖、精製もしくは加工した食品。
最適な食品を摂取することで、放射能やその他の汚染に抵抗できる高エネルギー細胞を作り出すとのこと。

1日の献立ガイド
精製していない穀類、麺類、パスタ……45~50%
野菜(葉野菜、キャベツ類、黄野菜)……20~30%
豆類(レンズ豆、ヒヨコ豆、テンペ、豆腐など)……5%
海藻……5%
種とナッツ……5%以下
白身魚……5%以下
季節の果物……5%以下

フランスの医学系サイト「MEDECIN direct」の3月23日の記事「放射線を防護する食べ物は?」では、次のように説明しています。(一部抜粋)

3つの基本
選択吸収:体内が有益なミネラルですでに飽和状態であれば、放射性鉱物はより少なく吸収する
キレート:食品のなかには、放射性物質を組織から取り除き、器官から排泄するものがある
からだの抗酸化・抗酵素のレベルを高くキープし、免疫力を向上させる

選択吸収はどうしていいのか?
・pHバランスをややアルカリ性気味の中性が、放射線への抵抗力が高いとの研究結果がでている。pHバランスを保つ(酸性になりすぎない)ために、有益なミネラル(カルシウムやマグネシウム)を体内にためておくのがよい。
・特に砂糖を控え、肉やソーセージを減らす。

そのためには、どのようなミネラルがいいですか?
カルシウムは、ストロンチウム90、ストロンチウム58、バリウム140、ラジウムに取って代わり、骨を守る。
カリウムは、セシウム137・134、カリウム42に取って代わり、筋肉、腎臓、肝臓、生殖器を守る。
ヨウ素は、ヨウ素131に取って代わり、甲状腺や生殖腺を守る。
鉄は、プルトニウム238・239、鉄238・239に取って代わり、肺、肝臓、生殖腺を守る。
亜鉛は、亜鉛65に取って代わり、骨と生殖腺を守る。
ビタミンB12は、コバルト60を防ぎ、肝臓と生殖器を守る。
イオウは、イオウ135に効果があり、皮膚を守る。
こうしたミネラルが豊富に含む食品を摂取するのは、放射線防護をするうえで必要となる。

キレート食品は何がありますか?
アルギン酸塩:海藻(ワカメ、コンブ、ヒジキなど)に含まれる。
ジビコリン酸:味噌に含まれる。
ペクチンと食物繊維:リンゴ、精製していない穀類、ヒマワリやカボチャの種、野菜、大豆
イオン酸:キャベツ類、カブの葉、ロケット、ラディッシュの葉

抗酸化食品は何がありますか?
蜂花粉(ビーポーレン):免疫力を高める。
ビート:造血作用がある。
酵母:ビタミン12を含み、放射線を防ぐ。
ニンニク、高麗人参、タマネギ
クロロフィル:レタス、生野菜、クロレラ、大麦の葉、新芽、海藻
赤いフルーツ
緑茶、昆布茶

*ただし、医師の診断のうえ、正しく取り入れること


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by k_nikoniko | 2011-04-06 14:21 | 原発・核

映画の話、放射能がらみだけど

私が子どものころの60年代は、「放射能」はものすごく恐ろしいものでした。
今よりずっと、広島や長崎の原爆も時間的に近く、冷戦のまっただなかで、「核爆弾」にリアル感がありました。

50~60年代の映画のなかには、そんな恐怖感を描くものがいくつかあります。
昔観た映画で、覚えているものを書き出してみました。

ゴジラ
1954年 日本 監督:本多猪四郎 出演:宝田明、河内桃子
核実験の影響でゴジラがよみがえり、大暴れ。

生きものの記録
1955年 日本 監督:黒澤明 出演:三船敏郎、志村喬、千秋実
水爆の恐怖にとりつかれた男が、自分の工場を売り払い、ブラジルに移住すると言いはじめる……。

キッスで殺せ! Kiss me deadly
1955年 アメリカ 監督:ロバート・アルドルッチ
男は深夜の路上で女を車に乗せるが、襲われて、女性は死んでしまう。事件を追ううちに、ある鞄をめぐる争奪戦に。この鞄には、不思議な光を放つ物体・放射能が入っていた。

24時間の情事 Hiroshima, Mon Amour
1959年 フランス/日本 監督:アラン・レネi 出演:エマニュエル・リヴァ、岡田英次
日本人男性とフランス人女性が、広島を歩きながら、戦時中の過去を打ち明ける。女性は敵国ドイツの兵士と恋に落ち、男性は原爆で生活が崩壊してしまった。

ラ・ジュテ La Jeté
1962年 フランス 監督:クリス・マルケル
第3次世界大戦後、パリは廃墟と化し、生き残った人々は地下で暮らしていた。一人の男が、自ら実験台となり、記憶をたどる。

博士の異常な愛情 Dr Strangelove
1963年 イギリス 監督:スタンリー・キューブリック 出演:ピーター・セラーズ
アメリカの空軍基地で、水爆搭載ミサイルがソ連に向けて発射する作戦が実行に移される。阻止しようとするが、間に合わず…。

同じくキューブリック監督の「2001年 宇宙の旅」は、今の福島第一原発の状況に似ている。
人間が作ったコンピュータ「ハル」を人間が制御できないという…。

放射能や原発の話ではないけれど、こんな映画もある。

悪魔をやっつけろ Beat the Devil
1953年 アメリカ
ハンフリー・ボガード主演の喜劇で、アフリカのウラン鉱山の奪い合いがひとつのテーマになっている。

洪水の前 Avant de Déluge
1954年 フランス アンドレ・カイヤット監督
冷戦時代、第3次大戦がはじまるのを恐れた5人の若者は、ヨットで逃走を計画するが、資金不足から強盗を企て、警備員を殺してしまう。

Les Palmes de M. Schutz
1996年 フランス クロード・ピノトー監督 イザベル・ユペール、フィリップ・ノワレ
キューリー夫妻の出会いから発明までを描いた作品。
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by k_nikoniko | 2011-04-06 01:07 | 原発・核