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”首はとられ”ないが社会を変えるフランス政治家スキャンダル

フランスでは、女性スキャンダルで政治家が“首を取られる”ことはないが、こうした騒動は、女性に関する法律や社会を動かすきっかけになることもある。

フランスの大統領フランソワ・オランド氏は、女優ジュリー・ガイエさんとの密会が週刊誌で取りざたされ、バレリー・トリルベレールさんとの事実婚が崩壊した。

こうしたスキャンダルがあると、すぐに話題に上るのが、世論調査。オランド大統領の浮気が発覚した直後も、フランスの世論調査が「浮気に関する意識調査」を行っている。
ミッテラン元大統領が引退後に隠し子が報道されたときにも、まじめな総合誌を含め、マスコミはいっせいに「浮気」をテーマに特集を組み、「浮気」議論でわいたのだ。
ちなみに、今回の「浮気」調査は、1970年からの意識の変化が示されている。もともとフランス人が浮気に寛容だったわけではなく、男女平等が進むにつれて、考え方が変わってきているのがわかる。

ミッテラン大統領の浮気騒動があった90年代当時、浮気された妻の独白をつづった小説がベストセラーになるなど、“耐える妻”の存在がクローズアップされたりもした。
それが直接関係しているというわけでもないだろうが、フランスで婚外子の相続差別がなくなったのは、2001年12月。婚外子の差別が撤廃されたのは1979年だが、相続差別はそのままになっていた。

スキャンダルではないが、シラク元大統領政権時代の1997年から2002年に首相を務めたリオネル・ジョスパン氏の事実婚パートナーが話題になったこともあった。
この期間には、1999年に同性または異性の成人カップルを認めるパクス法、2000年に男女平等政治参画を規定したパリテ法が制定されている。

DVへの対策として新たな法律が制定されたのは、2010年。サルコジ元大統領の前妻セシル・アティヤスさんが夫のDVを暴露したのは、2007年の大統領選挙中だった。アティヤスさんは今年に入り、自叙伝を発行した。

次期大統領候補といわれたドミニク・ストロス=カーンが性的暴行容疑で逮捕されたのは2011年5月。この事件を受け、フランスのフェミニストたちは、新聞紙上で論争を展開した。セクハラ法が改正されたのは、2012年のことである。

オランド大統領の就任後、昨年には同性婚を認める法律が制定された。

日本の政治家は辞職するだけで女性に何の影響も与えない。

日本の政治家と女性スキャンダル
以下のなかには、女性スキャンダルというより、性犯罪も含まれている。
刑事責任を問われるべきケースも、辞職だけですまされているのがほとんど。

1989年
宇野宗佑首相(故人)
愛人だった神楽坂芸者が告発
宇野内閣は直後の参院選で惨敗、首相も史上最短の在任期間で退陣

2000年
中川秀直内閣官房長官、自民党衆議院議員
写真週刊誌等に愛人と一緒に撮影した写真やビデオが掲載される
辞任

2003年6月
筆坂秀世、共産党議員
酒席で女性へのセクシャルハラスメント
党中央委員会から解任、議員辞職

2009年
鴻池祥肇官房副長官、自民党参議院議員
静岡県熱海市に女性と泊りがけのゴルフ旅行に出かける、議員宿舎に女性を招く
辞任

2006年
細野豪志・民主党
山本モナとのキス&不倫旅行

2010年3月
中井洽・国家公安委員長、民主党
銀座ホステスとの路上キス、女性に議員宿舎のカードキーを貸し与える

2011年6月
高橋千秋・外務副大臣、民主党
宿直前に20代女性と深酒し、胸や尻を触るセクハラ行為

2011年8月
筒井信隆・農水副大臣、民主党
30歳下の女性と腕を組んで歩き、マンションに入る不倫疑惑

2011年5月
後藤田正純衆院議員(41)、自民党
ホステスと不倫、2人で議員宿舎にも入っていった
役職を辞め、議員宿舎を引き払う、妻に叱られ

2011年
民主党・伴野豊衆院議員(50)、国土交通委員会委員長
韓国人女性が住む東京・西麻布のマンションに頻繁に“お泊まり”

2013年2月
徳田毅元国土交通・復興政務官
19歳だった女性に飲酒をさせ、泥酔させた上、ホテルで無理矢理性的関係を結ぶ
東京地裁に提訴されたが、女性に謝罪し計1000万円を支払う、辞任

2013年7月
内閣府副大臣・西村康稔(50)、衆院議員
2012年7月、視察に訪れたベトナムで現地のホステスを買春

衆議院議院運営委員長・佐田玄一郎(60)
東京・上野のキャバクラで知り合った女子大生と湯島のラブホテルで1回4万円の援助交際を20回
議運委員長を辞任

2013年8月
山本太郎(38) 参議院議員
隠し子




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by k_nikoniko | 2017-09-07 13:23 | 男と女

フランス結婚は減少しても少子化に歯止めの理由

フランス国立人口問題研究所(INED)のシンポジウム(2000年)資料から、Henri LERIDON(国立人口問題研究所ディレクター)「家族:崩壊と継続」の一部抜粋です。

家族における進化は2つある。
ひとつは、少子高齢化で、家族構成は再編成されている。
少子化で、兄弟姉妹、従兄弟、義兄弟の数は減ったが、両親、祖父母、曾祖母は減らない。二人の両親、四人の祖父母、八人の曾祖母は変わらないままである。
しかも、高齢化で、これらの縦の関係は延長しているともいえる。
子供たちにとって、同世代の横の関係は縮小しているが、縦の関係は拡大しているのである。

もうひとつは結婚の衰退で、70年代からその現象ははじまっている。
1945年生まれの女性の92%、男性の88%が50歳以前に結婚をしているが、1967年生まれになると、女性の71%、男性の65%が50歳以前に結婚し、30~35%が未婚という計算になる。
この未婚率の高さは、結婚制度が成立して以来、前例のない数字である。

離婚は増加し、1980年には結婚したカップルの3分の1が離婚している。
婚外子も増加し、1997年の出生数のうち、40%が結婚していないカップルから産まれた子供である。
これらもまた、結婚制度が成立して以来初めての現象である。
25歳以下の子供を持つ片親家族も増加している。そのうち、母子家庭が圧倒的で、85%を占める。

ただし、結婚の減少が、独身者の増加とはならない。
結婚以外の方法で、男女関係を築く、新しいカップル生活が生まれているのである。
カップルで生活する人のうち、同居から始めた人は、1968年の15%から、1988年の90%に上昇している。
1994年の調査によると、20~49歳の男性の51%が「既婚」、20%が「同居」、8%が「安定した恋人がいる」、21%が「恋人がいない」という結果になった。
男性の場合、同居の多い年齢は、25~29歳で33%。30歳以降は、結婚が5割を越す。
女性の場合、20~49歳の女性の56%が「既婚」で、18%が「同居」、8%が「安定した恋人がいる」、18%が「恋人がいない」。

同居と結婚の関係をみると、同居が5年続いているのは48%、籍を入れたカップルが30%、22%が崩壊。
10年前に同居を始めたカップルの場合、47%が結婚し、21%が同居を維持している。
20~49歳の男性で同居の経験がないのは21%。
同居相手の数は、63.8%が1人の相手、2人以上相手が変わったのは14.6%。
女性は、同居未経験者は14.6%、1人と同居が72.5%、2人以上が12.9%。

もうひとつの特徴として、カップルになった段階では、子供が介入してこないことがあげられる。
パートナーとの時間を最も重視し、二人の生活を楽しもうとする。
そして、子供を持つと決心した段階で、結婚へと移行するケースが多い。
ただし、子育ては物質的な問題だけでなく、カップルの関係維持の点においても難しい。
それが、子供を作るのをためらう理由になっている。


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by k_nikoniko | 2016-11-28 09:42 | 男と女

フランスの離婚補償手当と養育費

日本で検討されている「親子断絶防止法」の原案には、養育費について具体的な記述がありません。

フランスでは裁判で離婚が成立するため、養育費もきっちり算出し、支払いは義務化されていて、とても厳しいです。

また、離婚補償手当という制度もあります。
離婚補償手当というのは、離婚後の生活が困窮する側に対して、生活をサポートするために支払われるもの。
支払期限は、就職や再婚が決まるまでの一定期間で、3年程度だそうです。

やや古い内容(10年ぐらい前)ですが、離婚補償手当についてまとめました。

フランスの離婚補償手当は、離婚が原因で一方の配偶者の生活条件が悪化しないよう、不均衡を是正するために制定されています。
離婚補償手当は生活扶助料ではなく、過失に対する制裁金でもありませんが、一括契約的な特質を持つ手当で、離婚により生活水準が大きく低下する配偶者への弁償として支払われます。
そのため、二人の収入や財産の差がはっきりしていない場合は、支払いに同意する必要はないそうです。
妻が働き、夫との収入の差がほとんどないのなら、基本的には妻から要求することはできません。
また、一方的に離婚を要求する場合も、相手に支払いの同意を得ることはできません。
この補償手当は元金(3回分割での支払いが可能)か、定期(終身年金か一時金)の形で支払うことができます。
協議離婚の場合と、離婚裁判で通告命令が出たときだけ、定期金の期限付き支払いや、金額の修正ができます。
この定期金は、受け取り側が死亡するまで続き、補償手当支払い者が配偶者より先に死亡した場合、財産相続人が支払い義務を負います。
この補償手当は不変で決定的な一括契約的な特質を持っていますが、次の2つのケースにおいてのみ、修正が可能です。
ひとつは不正行為があった場合で、配偶者のひとりが財産や収入について離婚時に虚偽が認められたとき。
もうひとつは非常事態の場合で、訴訟手続きにおいて支払いの義務を保留・延期し、裁判所の判断に委ねられたとき。

以下は、フランスの雑誌の記事より抜粋です。
補償手当が悪、という内容ですが、参考まで。

離婚補償手当を払えずて刑務所に入った男
ジルベールは、控えめな男だ。かなり内気で、典型的なお人よしといえる。
彼は、昨年71日間、刑務所で過ごした。3ヶ月の服役予定だったが、模範的な行いにより、早く出所できた。
しかし、再び刑務所入りになるかもしれない。先日の判決で、4ヶ月の服役を言いわたされた。
離婚時の収入が不均衡だったため(元妻は無職、自分は月収7000F)、彼は元妻に毎月1500F(約3万円)の支払いを命じられた。
よい仕事に恵まれ、今の収入は8500Fである。支払うのが困難なわけではない。
でも、支払いたくないのだ。裁判所が彼を非難するのは当然である。
強情、頑固、幼稚だとわかっていても、彼は支払わない。
なぜなら、不平等だと思うから。支払いは間違っていると思うからだ。
ジルベールは妻をとても愛していた。離婚したいと言ったのは妻である。
「バレンタインデーの前日に突然」と彼は言う。
妻を裏切ったことなど一度もなかった。
1982年に出会ったとき、13歳年上の彼女には3人の子供がいた。
1985年に結婚し、1991年に離婚したいといわれた。
「妻と暮らして幸せだった。夫婦喧嘩などしたことがなかった。悲しみに耐えるのは辛かった。工事現場の50mの塔から飛び降りようとしたこともある。同僚が救ってくれなかったら、飛び降りていただろう」
刑務所に入るのは、さらに辛い試練だった。
上司と両親にだけに事情を伝え、仕事へ行くかのように刑務所へ行った。
事実を知っている人は少ない。
出所しても、閉所恐怖症におそわれる。
それだけではない。「写真を撮ろうとしたら、小児愛者だから刑務所に入れられたと、町中の噂になった」と語る。
住んでいた小さな町を出て、彼はパリにやって来た。
仕事がなく、匿名で職探しをしている。
弁護士は、控訴のための費用として、給料の2か月分を請求する。判決をひるがえすチャンスなどほとんどないのに。
ジルベールは、ひとりで使用人部屋に住んでいる。両親も友人もいない。
明るい将来のために、やり直すためには、失望や愛、悲しみ、そして支払いを忘れるしか方法がない。

後妻の嘆き
彼女と同じ立場にいる多くの女性は、絶望し、逃げたくなるだろう。
彼女の夫は、脳障害が原因で深い失望感に襲われ、5年前から沈みこんでいる。
二人は海外で働いていたが、帰国を余儀なくされ、彼女は自分の仕事を失った。
50歳の今、彼女はフランスで仕事を見つける望みがほとんどない。
月2500Fの生活手当では、夫と6歳の子供との3人暮らしは不可能だ。
84歳の母親の家に同居させてもらうしかない。
夫の年金(21000F)は全額、前妻への補償手当に消える。
しかし、彼女は投げ出すタイプの人ではない。
逆境の中で、ますます強くなっていくように見える。
「夫が離婚したとき、彼の二人の子供はほとんど成人に達していて、妻とは10年以上別居していた。でも、彼は全てを受け入れた。騒ぎを起こしたくなかったし、争いにウンザリしていたからだ。彼のように、脅された人はみなこんなふうになる。お人よしというわけではなく、単に心身をすり減らして疲れ果ててしまった結果といえる。早く全てを終わらせたいと思っているだけのことだ」
積み上げられた資料を、彼女はほったらかしにしている。
「この社会は、被害者を作っているだけ。法律は、前妻が億万長者になるためにあるようなもの。すべての権利を持っているのは彼女で、裁判でもつねに正当化される。後妻には何もない。家族が見捨てられるのを嘆くこともできない。夫が何も残してくれなくても、最初の離婚で次の生活が壊されても」
果てしなく続く訴訟が、生活を次第に蝕んでいく。裁判所がほとんど重視していないのに(すでに2年も待っている)“緊急”といわれるたびに、訴訟に全力を注がなければならない。
こうした延々と続く議論や話し合いは、2つの家族を内破することになる。
1つ目の家族は、二人の子供が最終的に母親の側につき、2つ目の家族は普通の生活ができなくなる。
「いつまで戦わなければならないのだろう。昼も夜もこんなことばかり話し続けなければならないのだろうか。フランスでは一夫多妻が禁止されているのだから、別れた妻を気にして生きる必要はないのに」
実のところ、彼女も2回目の結婚だ。
最初の夫はとても金持ちだったが、離婚の際、彼女は何も要求しなかった。
自分の責任として引き受けたかったし、争いたくなかったからだ。
彼女は何に対して憤怒しているのか?
「最初の結婚で自分のために拒否したこと、再婚後に起こりうることを想像しなかったこと、そして、今になって悪夢に耐えていること」と彼女は答えた。

亡き夫の借金の遺産
55歳の彼女は、2番目の夫の死からまだ立ち直っていない。
1981年に出会い、1987年に結婚し、夫は1993年に亡くなった。
「現在の状況は悲惨だけど、美しいラブストーリーだった。やり直せたらいいのに」
彼女が今耐えているのは、惨めな生活状態、閉ざされた将来、ストレスによる健康の心配、少しだけ残っている財産を失うかもしれないという恐れ、娘の子供の親権を奪われるかもしれないという恐怖である。
元職業軍人で民間企業の技術者だった夫に、彼女は大切にされていた。
しかし、今は、家政婦のアルバイトで得る給料と、友人の援助で生活している。
夫の死で、ほとんどすべてを失った。
まず、二人が住んでいた家。
夫が彼女のために購入した家だったが、第一用益権を持つ義母に譲られた。
それから、二人の口座にあった預金。
夫の最初の結婚で生まれた3人の子供への財産相続として支払い、全額失った。
さらに、彼女のお金は、夫の前妻に奪われた。
夫は離婚の際、前妻に補償手当を支払うよう命じられていた。
唯一残っているのは、生まれ故郷のイタリアにある家だけだ。彼女と夫が半々で購入したものである。
しかし、この家も失うかもしれない。
というのは、夫は生前、子供たちに40000Fの資金援助をする約束をしていたからだ。
彼女に現金はなく、家を売るしかない。
それどころか、毎月2000Fを前妻に支払い続けなければならない。
「払いたくないわけではなく、払うことができない」
彼女は、支払額の修正を申し出る方法があることを知っている。しかし、約2年間、裁判は行われていない。弁護士に頼む気にはならない。お金がかかるからだ。

離婚・日本とフランスの違い


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by k_nikoniko | 2016-11-18 15:38 | 男と女

フランスにおける離婚した親と子の面会

「親子断絶防止法案」(正式名称「父母の離婚等の後における子と父母との継続的な関係の維持等の促進に関する法律案」)の制定に向けて、検討が進められています。
この法案の原案に対して、各方面から懸念の声が上がっています。
昨日、「面会交流等における子どもの安心安全を考える全国ネットワーク」主催の院内集会が開かれ、問題点について専門家の説明がありました。

主に懸念されるのは、DVや児童虐待の親との面会に関する具体的な配慮が示されていない、養育費の支払いについて明確な言及がない、など。

原案で気になったのは、「父母の離婚後における子と父母との継続的な関係の維持」という表現です。
たとえば、フランスも共同親権が原則ですが、「父母が離婚しても、子に対する責任を共同で負う」ことを定義としています。
日本の原案には、「父母の離婚後における子と父母との継続的な関係の維持」という長ったらしい文が15回(原案のうちの1割を占め、その分、内容がない)も出てきますが、「子に対する責任」についてはひと言も書いていません。

「関係の維持」に重きをおき、責任をとらない。
まさに日本社会の象徴のような(封建的な)原案です。

人と人との関係は、たとえ親子であっても、当事者同士が築く、もしくは、壊すのであり、どちらか片方が強制したり、他人が介入したり、ましてや国に押しつけるものではないはずです。

この原案では、「(親子)関係の維持」を強制されているようで、不気味さを感じます。

日本では、心の通った関係をなかなか築けないなかで、さまざまなところで表面的な「関係の維持」を強要され、それが原因で、多くの人が苦しんでいるのではないかと思います。
その結果として、心を病んだり、殺意を抱いたり、自ら命を断ったり、と追い詰められているのではないでしょうか。

話がそれたので、元に戻します。

フランスでは、「子に対する責任」という観点が重視されるため、責任を取れない親は、親権を取り上げられる場合があり、面会も制限されます。

DVやアルコール中毒などの親が子どもと会うときは、面会場で、カウンセラー立ち合いのもと、行われます。

日本の原案には、そうした具体的な内容が入っていません。
ソーシャルワーカーといった専門家も不足しているなかで、子どもが安心安全に守られ、子どもの権利を尊重した面会ができるか、このままでは疑問です。

フランスの女性誌で、面会場での様子を取材した記事が掲載された(1990年代末ごろ)ので、以下に一部紹介します。


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by k_nikoniko | 2016-11-16 23:35 | 男と女

英国シングルマザー事情(1993年)

1993年7月11日のテレグラフ紙日曜版の記事の翻訳。

イギリスでは130万人がシングルペアレント(片親)で、その数は20年前の2倍に上る。そのうち、90%が女性で、イギリス人の母親の1/5がシングルマザー。しかも、若い女性が多い。
シングルマザーの70%が生活保護を受けており、40%が生活保護のみの収入。
政府は社会保障予算の負担増加を懸念している。シングルペアレントに対する国民年金給付は、ここ10年で30億ポンド以上増加した。

問題は、シングルマザーの貧困にある。
オックスフォード大学のある教授は、「両親のそろった子供に比べ、シングルペアレントの子供は病弱で、学校の成績が悪く、失業しやすい傾向にある。犯罪や非行に走りやすく、親と同様の不安定な生活を繰り返す。寿命も短い」と語る。
政府は、暴力が蔓延する荒廃の文化が広まるのを恐れている。
One plus One(結婚&恋愛リサーチ団体)の調査によると、「シングルペアレントの子供は健康状態が十分ではなく、胃潰瘍や大腸炎になりやすい。心の病をわずらう人も多い。また、成績もよくなく、学校でおちこぼれる。男子の失業率は、両親を持つ人の3倍」とのことだ。

シングルペアレントの増加は、結婚生活の崩壊と深い関係がある。
家族で暮らす場合、結婚しているケースが一番多いのは20年前と同じだが、1961年の392000組以来、結婚する人の数は徐々に減っている。
最近著しいのは、再婚、再々婚の増加で、1961年は5000組だったのが、1989年には50000組に達した。
この傾向は、離婚の増加とも関係があり、1961年の離婚は27000組だったが、1989年には164000組となり、結婚したカップルの1/3が離婚し、この数はヨーロッパ平均の2倍である。
一方、事実婚は、1961年には5%以下だったが、1988年には約50%を占めるようになった。
離婚はまた、財政を圧迫している。離婚にかかる負担は、年間13億ポンド。8.5億ポンドは生活手当、3.2億ポンドは住宅手当、7300万ポンドが法律上の費用、2700万ポンドが養育費に使われる。

最も頭を悩ませるのが、養育費である。というのも、シングルペアレントのほとんどは、再婚するか事実婚をするのだが、再び別れるケースが多いのだ。事実婚が増加していても、事実婚の崩壊は結婚の3倍で、結局、子供だけが増えていくことになる。
現在のイギリスでは、出生の30%が婚外子で、16歳以下で親の離婚や別離を経験している子どもが1/5におよぶ。

イギリスも北欧型になりつつある。北欧では、事実婚が多く、結婚したカップルの半分が離婚、出生の50%が婚外子である。
One plus Oneの調査によると、「離婚した男性が心臓病を患う確率は、既婚者の2倍。離婚者が心の病にかかる率は4~6倍。自殺を図るケースは、男女とも離婚者が4倍になっている。さらに、循環器と呼吸器の病気、もしくは事故で若くして命を落とす傾向にある。また、別れた相手の死が、ストレスの原因にもなる」とのこと。

British Medical Journalは、「シングルペアレントの子供は、他の貧困家庭の子供に比べても、最も死亡率が高い」と発表した。
再婚してもうまくいかない場合が多く、離婚率は高い。シングルペアレントの再婚により、子供は傷つくことが少なくない。

離婚が簡単にできるようになり、出生率が減少し、離婚や事実婚に対する偏見がなくなり、働く女性が増加した。このような社会で、伝統的な家族の価値へ立ち返るのは容易なことではない。
住宅および家族ローンなど、シングルマザーに不利なシステムを改善するのは可能だろう。
また、逃げる父親を追跡するサポートシステムを強化することもできるかもしれない。
もしくは、税金や他の年金システム(結婚手当てなど)で結婚したほうが有利にするか。


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by k_nikoniko | 2015-06-27 07:51 | 男と女

「国際結婚」の実態を調査しない日本

12月5日に日仏会館で開催されたセミナー「日本における国際結婚の動向:ハーグ条約の視点から」に参加しました(Youtubeで公開中)。
講師は、「国際結婚」の著書も出版されている京都女子大学の嘉本伊都子教授。

日本政府は国際結婚の調査をほとんどしておらず、分析・データなど資料も少ないそうです。
私が海外にいた90年代、すでに離婚率は高く、国際結婚は圧倒的に悲劇が多かった。
外国人との結婚や恋愛は増加しているのは明らかですが、その実態はよくわかりません。
うまくいっているカップルだけが取り上げられ、まるで「国際結婚」すれば幸せになれるようなイメージが作られていますが。

嘉本さんにお聞きしたところ、 韓国のほうが、国際結婚の調査や法律に関して、ずっと進んでいるそうです。

そもそも、日本では「国際」などという言葉を使うから、まぎらわしいのです。
外国人との結婚を、イギリスでは「inter marriage(別の言い方としてはmixed marriage)、フランス語でinter mariage)」と表現します。
異民族との結婚であり、インターナショナル(国際的な)ではないと思うが。

イギリス政府が2001年4月に行った「inter marriage」調査はこちらです。




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by k_nikoniko | 2014-12-16 23:12 | 男と女

不倫をめぐる論争で白熱するフランス

日仏2プラス2の詳細を知りたい。
日英防衛協力といい、幕末の英仏権力競争を見ているようで気味が悪い。
そんななか、フランス大統領の不倫という、どうでもいいニュース。
軍事関係の取材はできないけど、フランスの不倫情報はわかるよ、というわけで、1999年に女性誌で書いた記事です。

恋愛至上主義のフランス人も不倫は許さないのです。
日本で婚外子の差別が問題になったとき、「フランスでは差別がない」と報道されましたが、フランスの婚外子は、不倫関係で生まれた子どもというより、「事実婚」のカップルに生まれた子どもが対象になっています。

以下は、90年代末に話題になった”本妻シンドローム”について女性誌に書いた古い記事の一部です。

自分より若い女性のもとへ走った夫に対する、妻の悲しみのメッセージといえる小説『本妻(La première épouse)』が1998年4月に発売され、1年間で24万部、ベストセラー・トップ10の5位になった。夫の女好きを知りながら、夫の甘い言葉を信じ、愛しつづける従順で誠実な50代の妻が主人公。愛を維持する難しさ、夫の浮気の苦しみ、結婚の現実など、女・妻・母である主人公の生々しい感情が切々とつづられている。
作家フランソワーズ・シャンデルナゴール自身の経験をもとに、微妙な女性心理を描いた小説は、フランス女性にとって身近な問題だったようで、多くの共感を得た。
発売直後には、フランスの女性誌で、作家のインタビューや"本妻シンドローム”といった特集記事が掲載された。

"本妻シンドローム”とは?
幸福な家庭を守る従順な妻の悲劇は、"第一夫人”のおごりからはじまる
フランスは愛の国。女性は自由に恋愛を楽しんでいるんじゃないの? 確かに、統計だけでみると、2.5組に1組が離婚しており、結婚という形式にとらわれないユニオン・リーブル(事実婚)もあわせると、くっついたり離れたりは日常茶飯事。しかし、フランス女性が鋼鉄のような図太い神経をもっているわけではない。
夫から別れを告げられ、無気力となり、どん底に落ち、自暴自棄になり、夫を責め、自問し、後悔し、怒り、泣く…。
小説の主人公のように、本妻シンドロームに陥る女性もいるのだ。
「私はライバルに嫉妬しなかった。"第一夫人”であることに、すっかり安心しきっていた」 過剰なほどの自信…。25年連れ添った夫が突然、それまで愛人だった女性との新生活をはじめ、妻を捨てる。絶望、痛み、憎しみ、愛。残された妻は途方にくれ苦しむ。
女好きに気づきながらも、夫が私をだますなんて一度も考えたことがなく、夫のために生き、寿命と同じく長期的な愛を望み、「君は僕の人生で一番大切な女性」とささやく夫を信じつづける妻。”夫の浮気には無関心を装い、目をつぶることに慣れてしまった”妻は、”責任感の強い現代女性として、毅然としていなければならない”とがんばり、”沈黙を守り、見て見ぬふりをし、忘れようと努め、じっと耐える”。
夫が去ったことで、妻はすべてを失う。

浮気は結婚生活における必要悪なのか?
真実の愛を求め、不倫をめぐる論争でいつも白熱
そもそもフランス語に”浮気”という言葉は存在しない。一般に使われる”infidélité”は「不実」を意味する。愛を誓った相手に不実であっても、これが本気になる可能性は十分あるのだ。
夫に浮気された女性の感情は、フランス人も日本人もあまり変わらない。違いがあるとすれば、結婚に対する考え方だろう。
フランスでも、結婚は本人同士の愛情よりも、家庭を作るという意識が強かった。結婚してたくさん子どもを授かるのが最も大切なことだとされていた。
女性が自由を獲得した1968年の5月革命で、結婚の意味が大きく変化した。お互いの意志での結婚。お互いの自由を認めた関係。しかし、ここで新たな問題が生じた。相手を束縛しないのなら、浮気も自由なのか?
現実には、「ノン」と否定する人が圧倒的だ。フランスでの離婚の大きな原因は、夫か妻以外の人との恋愛関係。特に女性は夫の不貞に厳しく、離婚の7割は女性からの要求によるもの。
結婚は家庭作りのたもではなく、男女の愛が中心となった。であれば、浮気が決定的なダメージを与えるのは当然である。
「パートナーの浮気の事実をはっきり知りたい」と答えたフランス人は、1983年には46%だったが、1994年は65%に増えた。

浮気アンケート(1994年のフィガロ紙&調査会社ソフレが実施した調査)
・相手が浮気をしていると疑ったことはあるか(男女)
  ある 20%、ない 72%、無回答 8%
・相手の浮気の事実を知りたいか(男女)
  知りたい 65%、知りたくない 26%、無回答 8%
・相手が浮気していたらどうするか(複数回答、男女)
  何が起きたのか理解するために話し合う 53%
  離婚を申し出る 18%
  ケンカする 17%
  相手を取り戻そうと努力する 16%
  一時的な別れを申し出る 13%
  浮気相手と別れるよう要求する 10%
  自分も浮気する 8%
  何も言わない 5%
  無回答 10%

『VoCE』 1999年8月号

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by k_nikoniko | 2014-01-12 00:22 | 男と女

イクメンも気軽に集うパリの子ども専用カフェ

2010年11月のある土曜日、パリ19区にあるカフェゾイド(Cafézoide)に行ってみました。
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ここは、8年前にオープンしたフランス初の子ども専用カフェ。
遊んで、笑って、学べるカフェです。
非営利団体が運営し、プロの教育者(音楽やダンスのインストラクターなど)とボランティアが子どもたちに遊び場を提供しています。
土曜日ということもあり、カフェは子どもたちと親でいっぱい。
驚いたのは、父親「フランスのイクメン」が多いこと。
まあ、育児するパパはフランスではすでに定着しているのですが。
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カフェゾイドは、年会費(子ども6ユーロ、大人10ユーロ)と、子どもひとり1回2ユーロの利用料(お金がない子どもは無料)で、1日中遊ぶことができます(昼食もしくは飲み物付)。
ただし、親の食事代は別で4~5ユーロ。
1階はカフェ、2階は広々したスペースになっていて、音楽やお絵かきなどを教えてもらえます。
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カフェに集まってくる子どもたちは、国籍も文化もさまざま。
代表のアンヌ=マリーさんは、「ここには暴力はありません。あらゆる国籍、あらゆる文化の子がやってきて、みんなで遊びます。私たちはすべての子どもたちを受け入れます。すべての子どもたちが私たちの子どもなのです」と語ります。
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食事はランチのみで、メニューは野菜中心のスローフード。
農業支援をしている非営利団体AMAPから野菜を購入しています。
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日本の「子育てサロン」と大きく違うのが、パパの人数が多いこと。
アンヌ=マリーさんは、「ママとパパの人数は同じぐらい。カフェなので、男性も居心地がいいようです。子どもたちと自由に楽しく過ごしてますよ」と笑う。
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また、カフェゾイドは、毎月最終金曜日に、このようなカフェをオープンしたい人向けに、運営方法などを教えています。
いまでは、フランスに子ども専用カフェがいくつかあるそうです。
家族の変容、教育崩壊、貧富の格差など、フランスの子どもを取り巻く環境は厳しく、こうしたカフェの存在は、子どもたちにも親にも必要なのだと感じました。
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by k_nikoniko | 2013-11-14 08:55 | 男と女

永遠の男性像を求めて

10数年前、イギリスの新聞電子版に「白人社会に住む黒人女性の理想の男性」に関する記事が掲載され、そのときに書いたものです。

 理想の男性像は、時代によって異なる。10年前のトレンディ男が、現在はダサいということも、よくある話し。日本国内ではキムタクからタッキー、全世界的にはブラピからデカプリオといったように、女性の好みは日々変化する。それでは、それぞれの国、それぞれの人種の典型的な男性像は、変わっていくものなのだろうか? どういうわけか、フランス人というと「え! ベレー帽かぶって、愛をささやくの?」とか、イタリア人といえば、「やっぱり女好き?」とか、ほぼ不変的なイメージができあがっているから不思議だ。
 周囲からの印象で語られるならまだしも、「日本男児たるもの」風に、勝手に自ら男性像を作り上げている人たちもいる。この価値観が時代に逆行してしまっているために、いただけないと批判され、ピンチに陥っている男性たちもいるのだ。日本男子ではない。ステレオタイプの黒人の男性たちである。
 「たくさんの女性との間に数多くの子供を産ませる」 ちょっと言葉は悪いが、イギリスの新聞によると、これが黒人社会で自他共に認める男性像なのだそうだ。ダンスでデートが始まり、熱烈な恋愛期間があり、子供で関係が終わる。強さが男のシンボルの彼らにとって、「子沢山であること」が勲章らしい。しかし、時代は刻々と変化している。白人社会に住む黒人女性は、こんな同郷の男たちにウンザリしているのだ。彼女たちは、BMWを持ち、花をプレゼントしてくれるような優しい男性、永遠の幸せを約束してくれる堅実な男性を理想としだしたからである。こんなメメしいことは、主義に反する。黒人男性にとっては、最も苦手とている振る舞いが、求められているのだ。
 これでは、男と女の溝は深まるばかり。黒人男性は、知的な黒人女性が苦手。自分を尊敬してくれる女性が好きなのだ。行き着く先は、ウブな若い女の子。そして、デートが始まり、子供で終わる・・・。
 これまでの価値観がひっくり返り、男性は戸惑う。まして、男性が絶対的権力を持っていた文化圏ほど、そのドンデン返しは大きいといえる。男女平等に敏感な白人社会で生活する黒人たちは、そのギャップに悩むのも当然だろう。
 同じ文化、肌の色を持ちながら、価値観がズレてしまうのは、男性にとっても、女性にとっても、寂しいものだ。黒人男性たちは、子供の数自慢をする時代は終わったと、ひそかに感じているそうだ。だからといって、女性たちの理想とする男性像をそのまま受け入れることができるのか。新しい黒人男性像は未定で、本人たちもこれからどう作り上げていくかを模索中という。
 男性は、女性の理想に近づいていくのか、それとも、わが道を突っ走るのか? いずれにしても、時代の流れの中で、男と女の理想は、永遠ではないということは確かだ。
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by k_nikoniko | 2013-09-25 08:00 | 男と女

90年代末にフランスで売れた本『独身女性とハンサム王子』2/2

「独身者」の存在が社会的に認められるまでの歴史。
「独身者」への視線から、「結婚」のあり方が見えてくる。
面白い。

以下、翻訳です。

第1章
1 ひとりで生きる:長い歴史
独身の歴史は、特に女性の歴史である。「嘲弄の言葉、さもなければ、枠外、さらにはアブノーマル」(Farge 1984 p296)。独身にいたる長い道のりはどこからはじまったのか?

結婚すること
 人間社会を構成するものは、①宗教:社会関係のオリジナルの形、②結婚:文明の基礎であり、人間の歴史を貫いている。民俗学では、結合という言葉を好むが、この言葉は、結婚の中心的機能を表す。より大きなコミュニティにおける結合であり、戦争を避けるための小さなグループを含む(女性の交換)。
 夫婦生活の具体的なあり方に何の意味も与えない起源から、結婚は中心的な位置を占めていたといえる。それは今の時代とは全く違ったあり方であり、種族によって全く違っている。ある社会では、夫婦は別々に暮らしていた。重要なことは、結婚によって封印された血族関係であり、2つの家族、2つの社会のグループを結びつけることである。しかし同時に、特別の二人の結びつきでもある。公共の秩序と、集団的利益の問題。結婚は、二人の人間の個人的結合(ユニオン)とみなされてきた。
 ユニオンという言葉は、より強い意味として捉えなければならない。現代のカップルは、パートナー間において、普通より親密で、相互主体的なコミュニケーションの方法が開かれている。平行して、特に、個人の自律が強調される。これが不安定さの要因となり、同盟(alliance)契約の崩壊へと導く。反対に、原始社会では、私たちのような親密さが存在しなかった。結婚としてのユニオンが全てであり、個人を超越していた。完全な永続的な構成だったのである。

耐えがたい独身者
 それゆえに、独身者は、自然に反すると考えられていた。このような社会において、独身という事実が生じたとき、それは耐えがたいものとして感じられる。非常識さと危険性をそれぞれが包み隠そうとした。もしくは、とんでもない不幸者に結婚を強要させ、独身者を抹消しようとした。アフリカのChaggaでは、女性との接触を恐れ、結婚を拒否する男性が現れることが何度かあった。それは、首長が関わるほど、重要な問題であった。 「独身の男性ほど、アブノーマルで、軽蔑され、敵意を持たれる地位などない」(Heritier 1996)。
不屈の人々の中には(とても珍しい)、独身を維持している人もいた。彼らは、呪われていると疑われ、悪い精神とみなされた。そして、彼らを排斥することで、社会秩序が回復される。やもめは、以前結婚していたということから、少しだけよかった。未亡人は反対に、独身女性よりましと考えられることはほとんどない。現代でも、結婚から離脱した女性は、同じ状況の男性より否定的で、非常識とされている。もちろん、独身女性は、未亡人よりひどい。中国皇帝の時代において、男性と関係を持たずに死んだ処女は、他の悪魔がその道から離れるほど危険で冷酷な悪魔と見なされた。しかし、やもめのように容認されない未亡人は、女性にとって、とてもアブノーマルだということを意味する。Ojibwaでは、未亡人は3、4年、喪に服す。人里離れ、髪をとかさず、ボロ服を着て、灰におおわれて過ごす。インドの伝統では、未亡人は、夫婦のベッドにもはや寝る権利はなく、土間に寝て、質素な食事をし、孤独で控え目な生活をする。死によってのみ名誉を回復し、夫の葬式で生きたまま焼かれた。

グレート・バッファロー・ウーマン
 結婚の義務に従わない人もいた。身体障がい者や他の先天性障がい者は、規範のノーマルとして認められず、コミュニティから排除される。より自発的な方法で、禁止に立ち向かうこともあった。変質者は悪魔と交流を保つと非難されて生きた。男性は特に、独身であることで、誤解されることが多かった。しかし、社会秩序において、それほど危険がないのならば、女性の独身者より容認された。女性独身者は、コミュニティがなければ何の価値もなく、男性がいなければ、何の価値もない。独身女性は二重に耐えがたかった。
 それに挑もうとする女性の中には、計略を用いて耐える人もいた。Francoise Heritierによると、インディアンのOjibwaのグレート・バッファロー・ウーマンのように、特別の才能を証明する人も存在した。彼女は、自給自足の方法を学び、狩りの規則を尊重しつつ、男性の地位に達した。女性でありながら、彼女は社会的に実際の男性となった。
 反対に、独身男性は、女性的な面を発達させることはめったにない。どちらかというと、家庭の女性によって担おうとする。彼らが恥を感じずにできる唯一の家事・料理は、男性のシンボルである火に関したことである。だから、男性は肉を焼くのを好み、バーベキューの肉を焼くのは男性なのである。
 パラドックス的に、逆境の中にいたにもかかわらず、初期の独身女性は、男性独身よりもより大きく自律心を発達させていくことに成功した。しかし、これらのケースは、例外的であり、すべての女性は男性に服従するというモデルはそのまま残った。バランスの概念に基づく社会においては、結婚が社会秩序のベースとなっていたため、独身の男性もまた、例外だった。ある日、このバランスが崩れた。

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by k_nikoniko | 2013-09-11 08:30 | 男と女