フリーライター木村嘉代子のブログです。日々感じたことを綴っています。Copyright(C)2005-2016 Kayoko Kimura
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英国、デモに表れたオリンピックへの不満(ビッグイシュー)

来年のオリンピック開幕に向け、会場となるロンドン東部は、急ピッチで開発が進められている。ストラットフォード周辺は巨大ショッピングモール街へと大変身。以前は下町情緒残る地域だったが、多国籍企業ブランドの近代的なビルが立ち並び、昔の面影はない。
繁栄を享受しているようなロンドンだが、世界各地で抗議行動が拡大した10月15日、金融街シティでデモと占拠が行われ、参加者からはオリンピックへの不満も聞かれた。
ロンドン東部出身のニコルさんは、「私たちの税金なのに」と怒りをぶつけた。「立ち退きさせられた住民もいるの。貧困家庭は特にひどい状況においやられたわ。会場建設には、多額の税金が使われている。オリンピック終了後、あの場所を地元住民のためにどう使うの? そのまま残るだけじゃないかしら」「私たちはチケットを手に入らないのよ。企業が大量のチケットを買い占めてしまったから!」
抗議行動の集合地点となったセントポール寺院前広場では、デモの日以来、市民がテントに寝泊りし、「ロンドン証券取引所占拠」をつづけている。「納税者が何の恩恵も受けないのは不公平」との声にどう応えるかが、オリンピック成功のカギになりそうだ。

『ビッグイシュー日本版』(2011年12月15日)「世界短信」に掲載

ロンドンのシティ占拠とオリンピック

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by k_nikoniko | 2015-06-09 09:16 | 掲載記事(2011~)

子どもを守る除染作業「朝鮮学校にも補助を」(週刊金曜日)

『週刊金曜日』(2011年7月29日)「金曜アンテナ」に掲載された記事です。
子どもの被害を防ぐため除染作業――「朝鮮学校も平等に補助を」
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by k_nikoniko | 2015-06-07 08:44 | 掲載記事(2011~)

仏・放射能監視団体が測定結果公表(週刊金曜日)

『週刊金曜日』(2011年6月10日)「金曜アンテナ」に掲載された記事です。
「正確な放射線排出量を知るべき」 仏・放射能監視団体が測定結果公表


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by k_nikoniko | 2015-06-05 08:57 | 掲載記事(2011~)

集団的自衛権が命を守れない理由(週刊女性)

戦う前にパワハラで悲鳴の現場

「自衛官の反応はゼロですよ」
集団的自衛権が閣議決定して1か月半。自衛官の相談機関「米兵・自衛官人権ホットライン」事務局長で軍事評論家の小西誠氏のところには、これといった問い合わせはないという。
「大半の自衛官は新聞やテレビの報道に無関心で、政治的教育もされません。危機感を抱くのは、実際に訓練が始まってからでしょう」
イラク戦争のときも同様で、派兵が現実味を帯びるまで、家族や隊員からの相談はほとんどなかった。
「それよりも……」と、小西氏は語気を強める。
「毎日寄せられるのは、辞めたい、死にたいというメールです。自衛隊は深刻な状態に陥っているのです」
ホットラインを立ち上げて10年たつが、パワハラや自殺の相談は年々増加しているという。多いときに1日2回、少なくても週3~4回は、新しい自衛官からの悲痛な声が届く。
最近の特徴は、幹部自衛官からの相談が目立つこと。一般隊員より待遇がよく、命令する立場の幹部自衛官が、さらに上級の幹部から嫌がらせや暴行を受ける。
「過剰任務に、海外派兵や災害派遣などが加わり、パンク状態なのです。私もびっくりしましたが、幹部隊員は、平日は夜中の1時2時まで働き、土日も出勤しているんです」
こうしたストレスフルな環境のなか、いじめが陰湿化していく。一般企業でみられる現象が、自衛隊内でも起きているのだ。
自衛官のストレスの激化は、「トランスフォーメーションがきっかけ」と小西氏は分析する。ソ連の崩壊で仮想敵国が中国に移り、00年ごろに自衛隊は北方重視から南西重視に再編した。部隊の配置や任務が大きく変わり、訓練も、装甲車で敵を狙う作戦から、近距離のゲリラ戦へと転換。それまで戦車に乗っていた隊員が、小銃を持たされ、相手の目を見て撃ち、「トドメを刺す」射撃まで要求されるようになった。
この訓練は大きなストレスとなり、異常な戦場心理状態を生みやすくする。
ほぼ同時期に海外派兵もはじまり、とたんに自殺者が急増した。極限まで精神的に追い詰められた結果、暴力や恫喝という形で、自分より弱者へと向かう。
「集団的自衛権はさらなる追い打ちになりますよ。パワハラや自殺はエスカレートするでしょう」と小西氏。
集団的自衛権で安部首相は「国民の命」を守るというが、実際は「日本と密接な関係にある他国」を守るために行使される。だが、人権が奪われ、自分の命さえ危うい自衛官に任務の遂行は土台無理な話だろう。
自衛隊の上層部や政府は、自衛隊の実態をある程度知りながらも、怖くて見ようとしないのだという。
「自殺者は統計上約100人ですが、未遂を合わせたらものすごい数です。自殺理由の半分は”不明”となっていますが、パワハラですよ。遺書があるので、わかっているはずです。刑事責任が問われるのが嫌で、ごまかしているんですよ」
こうなると徴兵制導入も心配だが、「国家総動員型の世界戦争はまだ想定外。地域紛争ぐらいなら志願で十分です。高報酬を提示すれば、志願者は集まるでしょう。残念ながら」
ここまで強引に「壊れた軍隊で戦争をさせようとしている」のは、ひとえに、軍事大国家復活の夢をかなるため。安倍首相が打ち出している一連の政策で着々と、そして巧妙に”戦争ができる国”に仕上がりつつある。
女性活用もしかり。
「女性自衛官を3倍、5倍に増強する手段も考えられます。現在は約1万3000人しかいませんから」
「女性が輝く社会」と謳う陰に、女性を積極的に戦争で活躍させたいという目論みが透けて見える。
「最終的には、石破茂幹事長の言うように、軍事法廷で懲役300年や死刑にして、派兵を強制するしかない。母親たちに反対されては困るので、特定秘密保護法などで周りを固め、社会全体に軍国主義の雰囲気を盛り上げているわけです」

『週刊女性』2014年9月2日号


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by k_nikoniko | 2015-06-01 07:47 | メディア掲載記事(2010~)

フランス脱原発めざし6万人の「人間の鎖」(ビッグイシュー)

福島第一原発事故から1年の3月11日の午後、フランス南部で大規模な「人間の鎖」が実施され、約6万人が参加した。フランス各地から貸し切りバスが運行し、ドイツ、スイス、ベルギーからも多くの人が集まった。
手と手で、もしくは「人間の鎖」と書かれたオリジナルのリボンでつないだ距離は、リヨンとアヴィニョンを走る国道7号線の230キロメートル。ここは原子力施設集中地帯で、子の地域を流れるローヌ川沿いには、14基の原子炉が存在する。MOX燃料製造工場を有するマルクール原子力施設から30キロ圏内のアヴィニョンでは、南仏特有のミストラルが吹くなか、11時半から「人間の鎖」の準備が始まった。
「アヴィニョンでは福島事故の直後から、月1回、『人間の鎖』を行ってきました。150人だった参加者がやるごとに増え、1000人に。そこで、アヴィニョンからリヨンまでつなげてみよう、と考えたのです」とジャン=ピエール・セルヴァンテスさん。この日、アヴィニョン地区の参加者は主催者発表で5600人。脱原発の世論がなかなか高まらないフランスだが、史上最大の脱原発デモとなり、その様子は各メディアで報道された。

『ビッグイシュー日本版』(2012年4月15日)「世界短信」に掲載

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by k_nikoniko | 2015-05-31 08:06 | メディア掲載記事(2010~)

使用済み燃料処分は再処理から乾式貯蔵へ(ビッグイシュー)

『ビッグイシュー』(2013年7月15日)掲載

再処理継続は”ルーズ・ルーズ”(負け)の戦略

高木仁三郎市民科学基金が4月15日に原子力市民委員会を立ち上げた。
市民グループや幅広い分野にわたる科学者、技術者、弁護士などとともに、脱原発社会を構築するための課題を把握・分析し、政策をつくる場として、その公開研究会を取材。

再処理費用は年間2800億円、貯蔵なら200億円

5月20日、原子力市民委員会の核廃棄物部会・公開研究会が開催され、フランク・フォンヒッペルさん(プリンストン大学教授)とマイケル・シュナイダーさん(エネルギー・原子力政策国際コンサルタント)が、「再処理と核不拡散」について講演した。
「日本は再処理の“くびき”にはまってしまっています」。フォンヒッペルさんはまず、こう切り出す。「『使用済み核燃料は六ヶ所再処理工場へ搬出するので、別の方法はない』という考えが、まさに“くびき”なのです。そこから抜け出す方法として、再処理から貯蔵への変換が必要です」
そして、政策を変更すべき理由として、「再処理にかかる費用は年間約2800億円だが、貯蔵は約200億円。再処理は労働者の汚染をもたらし、そこから得られるものはほとんどない。プルトニウム保有量の増加、テロの危険性を増大させるだけ」などを挙げた。さらに、世界的視野からも「いまだに再処理政策を続行しようとしているのは、フランス、インド、ロシア、中国、日本の5カ国のみ。ほとんどの国は貯蔵を決めている」と説明した。
フォンヒッペルさんが提案するのは、使用済み燃料を敷地内で保存する「敷地内乾式中間貯蔵」。使用済み燃料は数年間は水で冷却しなければならないが、5年経てば、空気で冷やすだけで十分となる。そこで、使用済み燃料を5年後にプールから取り出し、専用のキャスク(容器)に入れ、原発敷地内に貯蔵するのが乾式貯蔵だ。ドイツのネッカーベストハイム原発では、事務棟の下に作られたトンネルにキャスクを貯蔵しているという。
日本ではほとんどの自治体が敷地内の貯蔵に合意しておらず、使用済み燃料の半分は13年以上もプールの稠密(ちゅうみつ)貯蔵ラックで保管されたままだ。「こうした状態で長期間プールに入れておくと、水がなくなった際、燃料発火の可能性もある」と警告。そして、「敷地内乾式貯蔵は低コストで安全な代替措置。多くの国が採用している」と助言した。

どうする!? 英仏に預けた日本の余剰プルトニウム35トン

フォンヒッペルさんは、「国際核分裂性物質パネル(IPFM)の共同議長でもあり、核不拡散の観点からも、余剰プルトニウム処理政策の提言をしている。プルトニウム処分法としてのMOX燃料使用については、「米国でもMOX燃料工場が建設中だが、見積もり額が10倍近くも高騰したため、オバマ大統領は軍事用余剰プルトニウム処分戦略を再検討している」と言う。
同じくIPFMのメンバーでもあるマイケル・シュナイダーさんは、唯一MOX燃料を使用しているフランスの余剰プルトニウム問題について解説。
昨年5月に就任したオランド大統領は、原発依存度を75%から50%に低減し、老朽化した原子炉を閉鎖すると決定した。しかしその一方、「再処理で取り出されたプルトニウムは、MOX燃料の形で再使用する」方針で、シュナイダーさんは「政策に一貫性がない」とその矛盾点を指摘した。
各国が再処理から貯蔵に転換するなか、フランスのラ・アーグ再処理工場では、海外の使用済み核燃料の再処理を引き受けている。フランスが保管するプルトニウムの総量は約80トンとここ10年横ばいだが、海外のものは減少しつつも、フランス保有のプルトニウムは増加の傾向にある。蓄積されたプルトニウムの処分はまったく追いついていない状況で、その解決策として、MOX燃料の加工・使用を継続するという。シュナイダーさんはこれを、「プルトニウム蓄積とリスクの両方の増加をもたらす、ルーズ・ルーズ(負け)の戦略」と批判。安全性や経済性、核不拡散の面から、再処理政策の転換の必要性を強調した。
また、「フランスの政策は日本にも大きな影響を与える」とも示唆。2011年末現在、フランスに保管されている日本のプルトニウム量は18トン。英国には17トンあり、合わせると35トンにおよぶ。「フランスの法律では、海外の核廃棄物を国内で処理できない。英国は自国での処理も可能と言っているが、フランスにある日本のプルトニウムは送り返すことになるだろう」。今後、大量のプルトニウムが日本に戻される事態も否定できないようだ。しかも、国内にはすでに9.3トンのプルトニウムがある。
二人は日本滞在中、政治家や原子力関係者と核廃棄物処理の方法などについて意見交換し、それに基づき、外務大臣と経済産業省宛に文書で提案した。


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by k_nikoniko | 2015-05-28 07:37 | メディア掲載記事(2010~)

上関原発に反対する「長島の自然を守る会」(ビッグイシュー)

『ビッグイシュー日本版』(2011年9月1日)掲載

瀬戸内の「奇跡の海」を守りたい。
中電が分断したコミュニティの修復がカギ

上関原発に反対する「長島の自然を守る会」の高島美登里さんに聞く

「福島の本当に大きな犠牲のうえなのですが……」 上関原発建設の反対運動をつづけてきた高島美登里さんは感慨深げに言う。
福島第一原発事故を受け、間一髪、山口県熊毛郡長島田子ノ浦湾の埋め立て工事が中断された。中国電力が総勢600人を動員して工事を強行したのは今年2月21日。反対住民150人とこれまでにない激しい攻防になった。3日目に67歳の女性がケガをして救急車で運ばれ、工事は縮小されたが、3月も強行工事が確実視されていた。
そうした最中の3月11日の事故。工事を継続しようとする中国電力に対し、3月13日に山口県知事と上関町長が「慎重な対応を」と要請。6月の県議会で山口県知事が工事の許可免許延長を認めないと明言し、原発建設は事実上不可能になった。
上関原発反対運動は、計画が浮上した1982年にはじまる。特に、予定地から3.5キロ対岸にある祝島の島民は9割以上が反対し、魚場と生活を守るために30年近く果敢に闘ってきた。漁業権を守りぬき、毎週月曜日にデモを行う島民の活動に、心を打たれた市民も多く、支援の輪が広がっていった。
山口県防府市に住んでいた高島さんが、祝島を訪れたのは26年前。「祝島のおばちゃんたちがハチマキをしめてデモする姿はテレビで見ていましたが、直接足を運んだのはそのときがはじめて」。通いつづけるうちに、島民たちの「離島ゆえの生活の厳しさが育んだ自律心と誇り高さ」に圧倒されたという。
1999年9月、高島さんは有志8人と「長島の自然を守る会」を結成する。きっかけは、同年4月に中国電力が提出した「環境影響評価準備書」のずさんさ。ハヤブサやスナメリなど周辺の生きものに関する記載が抜け落ち、地元住民から数々の不備が指摘されたのだ。
早速、高島さんらは専門家に調査を依頼。その結果、長島の自然の価値が学術的に立証された。「研究者に、『ここは世界遺産にすべきですよ』と言われたときは驚きましたね。
想像以上でした」

海水の透明度15.8メートル、絶滅危惧種や希少種の宝庫

瀬戸内海の海岸線は埋め立てが進み、自然の姿をとどめるのはわずか25%ほど。しかし、瀬戸内海の西端に位置する長島は高度成長期の開発からまぬがれ、自然海岸が75%も残っている。海の透明度は15・8メートル。現在までの調査で、絶滅危惧種や希少種の生物が次々に発見された。
「瀬戸内の原風景が残っている。調査すればするほど、『このままの姿を次の世代の子どもに渡したい』との思いは募りました」
会を立ち上げ、影響評価のやり直しと上岡原発計画の中止を求める署名運動、国際シンポジウムの開催、研究者と連携した現地調査を開始した。
主に環境面から反原発を訴えてきた高島さん。「一番大切にしているのは役割分担。祝島の人たちの命を賭けた闘いを中心に、どれだけサポートできるか。私たちがよかれと思っても、祝島の人にとって迷惑になるのならやめよう。その原則は絶対に踏み外してはいけない、と」
08年には国際的保護対象種に指定されているカンムリウミスズメが確認された。しかし、山口県知事が田ノ浦の埋め立てを許可し、09から里山を削る工事がはじまった。昨年9月に本格的な埋め立て工事が開始され、月に1回の頻度で攻防が繰り返されていた。
今年2月の強行工事の際、高島さんは「どこまで持ちこたえられるか」不安だったそうだ。「祝島の方は平均年齢80歳。3日間寝ないで闘かったんですね、私たちでもヘトヘトなのに。漁師やおばちゃんが大企業に対抗しているから……。中国電力のやり方は、かつてないほど高圧的でした。3月に大攻勢があれば、かなりの犠牲者が予想される自体でした」
とりあえず工事は中断になったが、上関原発計画が中止されたわけではなく、白紙撤回に向けた運動は今後もつづく。原発に頼らない町づくりも緒についたばかりだ。
自然エネルギー100%やエコツーリズムなどをどう現実化していくか。その実現には、推進派と反対派に分断をされた上関町のコミュニティの修復も必要だ。
瀬戸内海の生態系が残る“奇跡の海”は、市民の力で守られた。「活動をはじめたとき、『どれだけ責任持てるのか』と推進派の方に言われましたが、それは当たっています。『原発反対』と外の人間がワッと来て、計画がなくなったら、寂れた町だけが残る。かかわる者として町の行く末を見守っていく責任があると思います。私は私の持ち場で」と高島さんは語る。


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by k_nikoniko | 2015-05-18 07:39 | メディア掲載記事(2010~)

活断層から地震を予測 渡辺満久さん(ビッグイシュー)

3.11・東北沿岸の巨大活断層が動いた。
活断層の変動履歴から地震を予測

阪神・淡路大震災以降、急速に知られるようになった”活断層”。
活断層を調べることによって、何がわかるのだろうか?
大飯原発の活断層調査専門チームのメンバーでもある渡辺満久さん(東洋大学教授)に話を聞いた。

原発の再稼動をめぐる調査で、最近頻繁に見聞きするようになった“活断層”という言葉。活断層とは、数十万年前以降の比較的最近動いた断層で、近い将来にも動く可能性のある断層のこと。地震の発生する場所や規模を予測するのに、重要な情報源となっている。
「断層が動くと、地面の軟らかい断層が盛り上がったり、崖ができます。崖や坂を調査して、それができたのは川の浸食なのか、それとも断層の活動によるものなのかを判断します」と、渡辺満久さんは話す。地震学者にとって活断層は一つの状況証拠にすぎないが、「どこに活断層があり、どのように動いてきたかという変動履歴を扱うのは、変動地形学研究者なんです」
活断層は古い断層と違い地表に起伏として痕跡が残っているので、航空写真や地形図で「ここが怪しい」という箇所を確認し、活断層と予測できる地点で数メートル程度の溝(トレンチ)を掘って壁面の地層についての綿密な調査を行う。
最近は陸上と同じ方法で、海底の活断層が認定できるようになってきた。海底の活断層の位置や規模がわかれば、より地震の起こる場所や程度が予測可能になるのではないか。こうした期待も高まっている。
「忸怩たる思いがあるのです。3.11の前に、東北の沿岸にひとつづきの巨大断層があるのがわかって、驚いていたんですね。今回、その断層が動いてしまいました」
従来、海底活断層はプレート境界の地震とは関係ないと考えられがちだったが、そうではないとわかってきたのだ。津波の高さについても、理論的なシミュレーションだけでなく、海底活断層がどのように動くのかを計算したほうが、実際の高さに近い数値が出るという。

ずれの被害は防げない。
立て直し必要な六ヶ所再処理工場

調査や研究は理系なのにもかかわらず、地形学は日本では地理学に入り、専門家は人文科系学部に所属している。「文系に、活断層の専門家がいるとは思わないですよね。ですから、これまで活断層や地震の専門委員会や国の審査委員会では地形学ははずされ、ほとんど地震学と地質学の専門家で構成されていました」
こうした理由もあり、原発立地のずさんな活断層評価がまかり通ってきたという。日本の陸上には、グループにして200ぐらいの活断層がある。それらが集中する地域のひとつが、美浜やもんじゅなどが立ち並ぶ一帯だ。渡辺さんは反原発の立場には立っていない。しかし、「問題は、活断層が最も基本的な情報なのに、『ここには活断層がない』とごまかしてきたり、本来の長さを短縮してデータを勝手に書き換えてきたことです」と言う。
渡辺さんらが原発施設の再調査をした結果、現存する活断層の存在が相次いで明るみに出てきた。「活断層の観点からだけですが、大丈夫なのは玄海原発のみです。そのほかはすべて、たとえば40キロの活断層を8キロに値切って地震規模を小さく見積もったり、活断層を無視しています」
「地面がずれる」場所にある原発は再稼動してはいけない、と渡辺さんは指摘する。「活断層が動いて地震が起きると、地盤の悪いところの建物は崩壊し、大変な被害になります。これは、地震規模を適切に想定し、耐震性を高めれば、揺れによる被害は軽減できます。活断層によるもうひとつの被害は、土地がずれること。それをみんな忘れているのです」
ずれの被害は防ぎようがなく、致命的だ。六ヶ所再処理工場は、活断層でしなり、曲がった土地の上に建てられているという。「原子力を維持したいのであれば、核燃料リサイクルの基地である六ヶ所再処理工場を建てなおさなければなりません。この施設の耐震補強は無理なので、場所を変えるしかありません。巨額を費やさなければならないでしょう」
六ヶ所で事故が起きたら、日本のみならず、北半球が放射能で汚染される。「原発が必要だというのはわかりますが、だからといって危険なところに建設していいというのはおかしいじゃないですか。疑わしきは止めるべきですよ。今の状況では再稼働は容認できません。すべての施設の安全性を新調に検討すべきだと思います」

『ビッグイシュー日本版』(2013年3月1日)掲載



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by k_nikoniko | 2015-05-17 12:32 | メディア掲載記事(2010~)

富士山が噴火すれば 小山真人さんに聞く(ビッグイシュー)

よく噴火しているからこそ美しい富士山。
噴火が起きれば、火山灰で空港は閉鎖、流通や交通がストップ。

日本の象徴、富士山は現役の活火山だ。
富士山の地下深くではマグマ活動に関連する地震が毎年数十回程度起きているという。
将来発生する恐れのある噴火について、小山真人さん(静岡大学教授)に話を聞いた。

日本の火山の寿命は100万年、200万年というが、雄大な姿でそびえる富士山は誕生からまだ10万年。人間の年齢にたとえると、元気溌剌10歳ほどの新しい火山だ。
「約2000年前に今のきれいな円錐形となり、私たちはたまたまその姿を見ているのです。火山は活動が停止して10万年もたてば、侵蝕されゴツゴツの山になります」と語小山真人さん。
火山とは、簡単に言うと地下の溶けた岩石(マグマ)が地表に出てくる場所。地球の表面をおおうプレートの境界の地下深部はマグマが発生しやすいため、プレート境界にそって火山の列ができている。日本列島付近は4枚のプレートが折り重なっており、まさに火山密集地帯だ。「日本で認定されている活火山は110。富士山もその一つで、いつ噴火しても不思議ではないのです」
気になるのは、地震と噴火の関係。3.11の東日本大震災で、富士山の火山活動は刺激されなかったのだろうか?
「そうした現象は今のところ観測されていませんが、中・長期的な影響はわかりません。数年、数十年後に3・11の地震が原因で噴火する可能性はありますね。過去に、富士山の近くで起きた大地震が噴火を引き起こした実例があるからです」
過去の信頼すべき文書に、781年から10回の富士山の噴火記録が残されている。そのうち7回が奈良・平安時代、2回が室町時代、残り1回が江戸時代。最後は、江戸時代1707年の宝永噴火だ。この噴火はマグニチュード8.7の宝永東海・南海地震発生の49日目に起きた。富士山噴火史上まれにみる激しさで、莫大な噴煙が立ち上り、16日間にわたり、広範囲に火山礫や火山灰を降らせた。直接の死者は知られていないが、後の被害は大きく数十年も続いたという。
「宝永噴火では、火山灰で家や農地が埋没して耕作ができず、飢餓でおおぜい亡くなっています」

予想が難しい富士山、
登山客や観光客の被害が心配

それ以降、300年以上沈黙している富士山。マグマは地下深部から少しずつ上昇して溜まり、その蓄積量に見合った大きさの噴火が起きてもおかしくない、と小山さんは言う。
富士山で大規模噴火が起きた場合、溶岩がふもとまで流れたり、降り積もる火山灰による被害が心配される。「仮に宝永噴火と同じ噴火が起きれば、羽田と成田の空港は閉鎖され、東名高速は沼津、東海道新幹線は三島から東が封鎖になり、流通や交通がストップします。風向きによっては浜岡原発にも火山灰が薄く積もる可能性がありますが、その対策はされているのでしょうか。そもそも原発の立地については活断層だけでなく、火山学も深くかかわっています。過去十数万年以内に火砕流や溶岩が到達したところにある場所に、原発は建てるべきではありません。川内原発と泊原発はそのケースに相当します」
関東大震災や阪神・淡路大震災などの大地震については記憶に刻まれていても、火山の大噴火の史実を知る人は少ない。市民の知識にもばらつきがある。富士山のハザードマップが2004年に完成し、山麓の全家庭に配布された。防災対策も着々と進んではいるが、予知は万全とはいえず、課題も残る。
「前兆通りに噴火しやすい有珠山は警報と避難に成功しましたが、富士山は予測が難しくて…」
最大の心配は、登山客や観光客の被害だ。「噴火予報をすばやく確実に伝える手段がありませんからね。落石に備えて、山登りの際には必ずヘルメットを用意するとか、シェルター作りなども考えるべきです。登山は危険と隣り合わせだという意識を持つことが大切です」
今でさえ観光客は飽和状態なのに、世界遺産に登録されれば、さらなる増加が予想される。「ハザードマップを最初に作成しようとした時、観光業界の反対にあいましたが、いい面を強調するだけでなく、リスクにも触れるべきです。富士山はよく噴火しているからこそ美しいのだと」
火山のおかげで、私たちは風光明媚な地形を楽しむことができ、温泉や地熱といった恩恵も受けている。その一方で、誰でも噴火の危険に遭遇しかねない。火山を正しく理解したい。

『ビッグイシュー日本版』(2013年3月1日)掲載


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by k_nikoniko | 2015-05-16 08:15 | メディア掲載記事(2010~)

イラク戦争の劣化ウラン弾で白血病に(週刊金曜日)

『週刊金曜日』(2012年11月2日)「『金曜日』で逢いましょう」
「放射能はとても危険」。子どもたちが元気になるよう希望を与えたい
ザイナブ・カマル・モニーさん

白血病を発症したのは十三歳のとき。喉の痛みや手足の赤い斑点がつづき、検診を受けた。「父親が医者に『娘の病名を妻に伝えないでほしい』と言うのが聞こえ、何の病気なのか、とても怖かったです」。受診した病院では、多くの大人たちが亡くなっていた。二〇〇四年一〇月、イラク戦争から一年半が過ぎたころだった。
湾岸戦争直後の一九九一年四月生まれ。この戦争で米軍ははじめて劣化ウラン弾を大規模に用いた。居住地のバスラには三〇〇トン以上が使用され、イラク戦争では国内にその三~五倍が投下されたといわれる。イラクでは一九九三年以降、白血病などのがん、先天性障害などが増加し、劣化ウランの被ばくが原因と推定されている。
扁桃腺炎と告げられ、バスラ子ども専門病院に入院。「子どもたちの髪が抜けるのが不思議でした。でも、家族には質問できませんでした」。骨髄検査の強烈な痛み、抗がん剤注射の苦しい日々。一番のショックは脱毛だった。「病気そのものよりも、髪を失うほうが悲しかったです」。今でこそ、「健康が大切。髪は元に戻るので大丈夫」と言えるようになったが、そのころは泣いてばかり。入浴時に母がいつもなぐさめてくれた。
一年半ほど経ち、自分の病名を知った。「衝撃はなかったです。治療を終えなければ、とだけ考えました」。バスラは医薬品が不足し、医療設備も整っていなかった。治安も著しく悪化していた。「移動はとても危険でしたが、バグダッドまで家族と通院しました」。
医療状況は現在もさほど改善されていない。日本と比べ、イラクは白血病が治る確率も低い。子どもの治療を放棄してしまう親もいる。「治療を継続してあげて」。それが切なる願いだ。二年半におよぶ入院と治療。「でも、希望を失いませんでした」。入院生活にも楽しみがあった。「コンピュータゲームをしたり、年上の患者と遊ぶのは面白かったです」
病気が完治してからは、自分が過ごした院内学級を手伝い、子どもたちに勉強や絵などを教えはじめた。「絵を描くのは大好き」。アーティストになりたい気持ちもあるが、親の望む薬剤師を目指ざして勉強中だ。
二十一歳の今、最後の高校生活を送っている。得意科目は英語と生物。余暇はネットやチャット。サッカー・イラク代表のアクラム選手のファン。化学治療や点滴から解放され、ずっと夢見ていた、ごく普通の生活を満喫している。
この秋、セイブ・ザ・イラクチルドレン広島の招きで来日。広島、名古屋、東京、福島を訪問した。「薬などの支援をしてくださった日本のみなさんに感謝しています」。最新技術の国――イメージしていた近代的な工業都市とは違う日本を発見。「自然豊かで美しい。“庭園”みたいな風景です」。
日本では、自らの経験を伝えた。「戦争が病気の原因だと思っています。放射線はとても危険。でも、市街地には戦車や装甲車が放置されたままです」。市民への放射線に関する啓蒙もなされていない。
小児がんの患者には、「薬をしっかり飲み、辛抱強く耐えて。免疫力を高める食事を」と助言する。「病気に苦しんでいる子どもたちを見ると、とても辛いです。彼らの痛みや苦しみがよくわかるので。子どもたちが元気になるよう、私は希望を与える存在になりたいです」。福島市の聴衆の前でもそう語った。

ザイナム・カマル・モニー
1991年4月10日、バスラ生まれ。両親、兄弟、妹の6人家族。13歳で白血病を発症するが、病気を克服。高校に復学し、現在は最終学年の3年生。JIM-NET(日本)の支援を受け、院内学級の補助スタッフになる。


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by k_nikoniko | 2015-05-15 08:54 | メディア掲載記事(2010~)