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BBCが雇用の多様性戦略で”白人の男性”を解雇

イギリスのBBCラジオのプレゼンターが、「”女性とアジア人を増やす”というBBCの雇用多様性戦略で、”白人で男性”の自分がクビになった」と訴える記事を見つけました。
この記事を読み、「女性でアジア人」の私としては、2つの意見が交錯。

ひとつは、「白人の男性であるのは、自分のせいではない(no fault of my own)」と彼は言うけれど、”自分のせいではない”肌の色や性で、これまでどれだけの人が、”白人の男性”に差別されてきたかを考えたら、その言い分はセコい、という気持ち。
このプレゼンターが悪いわけではないけれど、”自分のせいではない”肌の色や性で差別されるのは屈辱だということを、”白人の男性”も知るべき、という冷やかな感想がひとつ。

もうひとつは、仮にだけど、この男性がクビになり、その代りに「女性でアジア人」の私が採用されても、喜べないな、という思い。
単に「女性でアジア人だから」との理由で仕事をもらっても、うれしくない。
実力を買われたわけではなく、お情けなら、逆に屈辱的。

イギリスでは、テレビや新聞などジャーナリズム業界の男女や人種の偏りが問題になっているようです。

今年3月に発表された、ロンドンシティ大学の調査によると、「イギリスのジャーナリズム業界では、94%が白人で、55%が男性。男女の賃金格差は大きく、そこに暮らす他の民族の声は取り上げられていない」という結果になったそう。
でもね、「55%が男性」ということは、「45%は女性」ということで、それだけでも、日本より数段良いと思ってしまいました。

この調査の完全版に、「経験年齢別の女性が占める割合」が載っていました。

経験30年以上:女性33%
経験21年以上:女性42%
経験11~20年:女性46%
経験6~10年:女性52%
経験3~5年:女性50%
経験2年未満:女性65%

この数字を見ただけで、単純にうらやましくなります。
とりあえずジェンダー問題だけで言うと、女性が多ければ、取り上げるテーマも変わるし、視点も変わるし、報道の内容も変わると思うのです。
それと、経験30年以上は50代なので、その世代に女性が3割いるというのも、報道の内容に大きな影響をおよぼすはず。

ちなみに、日本のメディアでは、「雇用の多様性」がほとんど話題になっていません。
ググっても、ヒットしませんでした。

女性の割合は、少し古いのですが、2011年の内閣府男女共同参画局がまとめた「メディアにおける女性の参画に関する報告書」を参考まで。

新聞関連が26.8%、放送関連が25.9%。出版関連は50.5%。

年齢別の女性の割合は、新聞・放送・出版の総計で次の通り。

60代以上:女性13.2%
50代:女性15.6%
40代:女性24.5%
30代:女性33.0%
20代以下:女性49.6%

出版は比較的女性が多いので、新聞・放送に限れば、全体的に女性の割合は減り、特に50代以上の割合はぐっと下がると思います。

BBCの多様性戦略、「女性やアジア人」を優先するやり方が必ずしもいいとはいえないかもしれないけれど、日本の場合、そのぐらいの荒療治をしないと、ず~とこのまま、女性の声が届かない状況がつづくような気がします。


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by k_nikoniko | 2016-10-15 08:03 | メディア

「言論の自由」をめぐる記事が『北方ジャーナル』に

本日(2月15日)発売の『北方ジャーナル』に、「言論の自由」に関する記事が掲載されてます。
よかったらご覧ください。
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by k_nikoniko | 2016-02-15 08:43 | メディア

フランスの独立系メディアがクラウドファンディング

フランスの非営利団体系メディア『Altermondes』が、存続のためのクラウドファンディングをしています。

国際問題、人権問題などを扱うメディアで、創刊は10年前。
フランスの新聞『リベラシオン紙』とコラボで特集号を発行したり、タイムリーでユニークな企画で、読者を増やしてきました。

クラウドファンディングの締め切りまであと5日。
現在、目標の81%でもう少しです。
ご興味ある方は、こちらへ。

フランスの非営利団体系メディア『Altermondes』
フランスのオルタナティブ・メディア

『Altermondes』は原発についても書いています。

ウラン採掘に苦しむニジェールの人々
原子力と民主主義



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by k_nikoniko | 2015-11-15 12:48 | メディア

フランスのイスラム文化メディアSalamnews

サラムニューズ(Salamnews)の発行人モハメド・コランのインタビュー(2010年11月)。

サラムニューズは、フランスに住むイスラム教徒向けのフリーペーパー。2008年9月創刊の月刊誌で、15万部発行。食料品店や劇場などで配布している。

友人たちとイスラム教徒のためのメディア集団を立ち上げ、非営利団体(アソシアシオン)を創設しました。なぜなら、イスラム教徒はフランスで人口の10%を占めているにもかかわらず、その現状やひとりひとりの声を伝えるメディアがなかったからです。
 フランスには、親の出身地がマグレブ、つまり北アフリカやサハラ砂漠のモータリアやマリ、トルコ、パキスタンなど、フランスで生まれ育った2世、3世の若者が存在しています。私は、父親が白人でカトリック、母親がアルジェリア人でイスラム教徒の家庭に育ちました。祖父がフランスに移民し、私はここで生まれ、育ちました。
 マスメディアはここ10年、特に9.11以降、イスラムを政治思想との関係、もしくは安全保障の問題としてのみ伝えています。イスラムを扱う方法はこの2つだけです。
 フランスのほとんどすべてのマスメディアは、社会的、文化的、経済的な側面を忘れてしまっています。そこで、私たちは、メディア、特に大衆向けのメディアで発信し、自分たちの存在を証明しはじめたのです。影響力のあるメディアを利用して、ダイナミックに、ポジティブに、フランス社会におけるイスラム教徒の情報を伝えようと考えたわけです。
 フランスでのイスラムの歴史は、宗教を含め、少し特殊です。これは現在のフランスの大きな問題につながっています。ですから、議論の場、さまざまな意見で議論する民主主義の場を作っていきたいと考えました。
 これが創刊の主な2つの理由です。
 2002年にまず、ネットで情報発信をはじめました。フランス語によるイスラム情報ネットマガジンSaphirnewsです。学生のボランティアスタッフとともに、共同作業の実験場のようなものをはじめました。学生がジャーナリズムや出版についてここで実践し経験を積み、少しずつ専門性を高めていきました。ウェブサイトは現在、3人の編集者と編集長で運営しています。
 ネットメディアを運営するうえでの困難は、経済的なバランスにあります。ネットメディアでは十分な広告収入が期待できません。そこで、最終的に印刷物を発行することにしました。紙媒体のほうが、広告主を説得するのにより確かだとわかったのです。これが、サラムニューズの発行にいたった理由です。
 サラムニューズはフリーペーパーで、配布場所は、誰もが気軽に立ち寄るところ、巨大な販売網をもつ食料品店やパン屋、さらに劇場などです。
 制作費は広告収入でまかなわれています。エスニック文化市場が狙い目だと、突如気づいたのです。エスニック市場と呼ばれるものが存在し、その市場は持続可能です。フランスでは年間50億ユーロは見込めるといわれ、十分成熟しています。
 2つめのチャンスとして、大量消費商品の広告主の説得を試みました。誰もが知っているブランド、たとえば、コカコーラの広告です。4号目でコカコーラの広告をとりました。
 最初はパリ近郊で発行していましたが、マルセイユ版の発行にも踏み切りました。マルセイユで独自の編集をしています。
 ジャーナリストには原稿料を支払っています。ネットマガジンをはじめたときは、ボランティアに頼っていましたが、今のスタッフは、有給スタッフとボランティアの混合です。サラムニューズに関しては、常勤スタッフ5人は全員有給で、その他、フリーランスが数名です。編集長はプロのジャーナリストで、親(祖父母)の世代がベトナム出身。その他のスタッフの親(祖父母)の出身地はさまざまで、平均年齢は30代です。
 サラムニューズの考え方としては、フランスに住むイスラム教徒の情報をポジティブな視点で提供することにあります。それをうまく機能させるために、新しいスタイルを目指しています。たとえば、最新号の表紙には、フランスで人気のミュージシャンAbd al Malikを使いました。彼はボンリュー(郊外)出身で、イスラム文化を代表するひとりです。このように、現代の話題の人たちを取り上げ、サラムニューズをシンボル化させるというか、イスラムを解読させています。フランスのイスラム教徒はあまりにも軽蔑的でネガティブな姿でとらえられているので、この汚名を覆したいのです。
 フランスの場合、パラドックス的で、イスラム教徒に対するネガティブなイメージは、無知からではなく、認識不足から生じています。私の考えでは、無知はポジティブだといえます。なぜなら、情報を与えることができからです。しかし、知っていると信じていることをひっくり返すのはとても難しい。フランス人は知っていると思い込んでいるのです。
 フランス人もサラムニューズにとても関心が高いです。サラムニューズの配布先としてはイスラム教徒を優先していますが、シックで富裕層の多い16区での配布も行っています。16区では、サラムニューズが、スポーツ雑誌より早くなくなるということがわかりました。これは、イスラム教徒ではない人々がサラムニューズにとても興味を持っていて、こうした情報を求めていることを証明しています。つまり、障害になっているのは、現実の人たちではないのです。
 1998年のワールドカップ・フランス大会のときには、多国籍国家だとか、それが誇りだとかいわれたのですが、10年経った今、特にサルコジ政権になって以降、フランスは老朽化してしまったというか、おじいちゃんブームという現象におちいり、現在の姿を直視したり、将来を予測できなくなっています。
 2005年にフランスで起きた移民たちの暴動などもそうですが、世界に発信されているイスラムのネガティブなイメージから、「宗教の闘い」と多くの人は信じています。しかし、それは完全に間違っています。あの暴動は、社会問題を問うために起きたのです。
 ネットメディアの成功モデルとして、韓国のオーマイニュースは参加型メディアが有名です。しかし、私たちは参加型とは違います。オルタナティブメディアの定義はそれぞれありますが、私たちは、双方向的に民主的に議論するのが、オルタナティブメディアだと考えています。
 現在のフランスにおいて明らかなのは、民族的もしくは文化的なマイノリティが、マスメディアで自分たちを十分に表現できていないことです。深刻な格差が生じている現状です。現在のマスメディアは、マーケティングに左右され、白人のヘテロセクシュアルが主流です。黒人の意見は紹介されず、マグレブ出身のフランス人は表現されません。女性はメディアにおいて難しい状況を強いられています。
 フランスでは、人口の10%の存在が知られていません。その人たちの実際の姿が紹介されていないのは、実に嘆かわしいことです。本当に民主主義が欠如しています。
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フランス雑誌ジャーナリズム(週刊金曜日)


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by k_nikoniko | 2015-05-23 08:06 | メディア

フランスの非営利団体系メディアAltermondes

アルテルモンド(Altermondes)のダヴィッド・エロワ編集長のインタビュー(2010年11月)

アルテルモンドは、2005年3月創刊の季刊誌。基本的には4,000部発行で定期購読者数は2,200人。

 今年の12月号が24号目で、その他特別編集で10号分発行しています。特集号は部数を増やし、たとえば、リベラシオンとのコラボで発行した「ミレニアム開発目標」の特集号は、例外的ですが、12万部発行しました。
 この手のメディアとしては発行部数も購読者数も悪くはないと思います。もちろん、安定した経営には、定期購読者を増やす必要があります。ただ、一般紙のリベラシオンでも、10万部以上の発行に対し、定期購読者数は22,000人とさほど多くはありません。リベラシオンはキヨスクでも販売していますが、定期的に読むのは2万人にすぎないのです。桁は違いますが、割合的からすると、この雑誌は悪くはありません。
 既存メディアの現状は厳しく、最も深刻なのは、リベラシオンやルモンドなど、情報全般を扱う一般紙です。新聞の情報は質が低下し、読者が減っています。
 そうしたなか、新しいタイプのメディアが出現しています。専門を絞った、しっかり地に足のついたメディアです。なぜなら、人々はより正確な情報、自分の興味のある情報を求めているからです。
 こうした状況がいつごろはじまったのか、正確にはわかりませんが、フランスのマスメディアの危機は、80年代の末ごろからだったと思います。インターネットの普及で、ますます悪化していきました。人はネットで情報を入手するようになったからです。マスコミのスキャンダルがあったりしたため、メディアへの信用も落ちました。
 新しいタイプのメディアが増えたのは、インターネットが出現した1990年代ごろだと記憶しています。1980年代にコミュニティラジオが発達し、1981年にラジオ・リーブルの設立が可能になり、オルタナティブラジオのブームが起きました。ネットメディアの発達とともに、2000年ごろから既存メディアとは違う雑誌や新聞が次々に創刊されました。
 「マスメディアの情報は正しくない」と人々は思いはじめ、本来あるべきメディアへの回帰しだしたのが、2000年代の初期の現象です。紙媒体は消える、といわれた時期です。オルタナティブメディアが発達したのは、既存メディアの信頼度の低下を反映した結果といえます。オルタナティブメディアには質のいいもと悪いものがありますが、正確な情報を提供しているものの信頼は高まっています。
 もちろん、オルタナティブメディアを信用してもらうのも容易ではありません。メディアそのものが信用されていないからです。私たちの雑誌はNGOや労働組合とかかわりがあるため、疑わしいとみなされることもあります。私たちは、ルモンドやリベラシオンでは見つけられない情報を提供しています。他の雑誌とは完全に違う情報です。
オルタナティブメディアを立ち上げるのは、普通の媒体に比べて、さほどお金がかかりません。ただ、部数や読者数を増やす難しさがあります。なかなか方法が見出せません。我々も、定期購読者を増やすのに苦労しています。
 アルテールモンドの収入の50%は購読料です。2つめの収入源は助成金で、予算のうち30%を占めます。特集によって助成先は変わります。国連やEU、自治体、県や市などから助成を受けます。残りの5%ほどは、市民団体からのわずかな広告料、それから、会費です。収入モデルはバランスがとれています。広告に依存しているわけではなく、定期購読者が増えたら、助成金を減らすことができます。
2010年の財政は悪くはなく、2011年はさらに少し良くなる予定です。いずれにせよ、定期購読者を増やすことがカギになります。経済的にはまあ大丈夫の状態ですが、快適とまではいきません。特に、このところ金融危機が響いています。
 行政からの助成金を受けられるのは、非営利団体だからです。私たちは出版社ではなく、営利企業でもありません。私たちが非営利団体にしたのは、助成金を受けることができるという理由からです。ただ、フランスの非営利団体はどこも資金繰りに苦労しています。財政難で自治体は助成金を削る傾向にあり、助成を受けるのが難しくなっています。
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by k_nikoniko | 2015-05-22 07:40 | メディア

フランスの異色雑誌XXI

ヴァンティアン(XXI)のパトリック・ド・サン=テグジュペリ編集長のインタビュー(2010年11月)

ヴァンティアンは、語りのジャーナリズムを追求する季刊誌。2008年1月創刊で、発行部数は平均50,000部。
新聞・雑誌類はキヨスクでの販売だが、この雑誌は書籍として書店で扱っている。

 私たちは、語りのジャーナリズム(ナラティブ・ライティング)の必要性に応えようと、XXIを創刊しました。語りのジャーナリズムによって、空間を想像してもらおうという考えです。
現在の新聞はニュースが多くなり、想像力を喚起できなくなりました。歴史や調査、検討といったジャーナリスティックな仕事は必要とされず、ニュースを告知するだけになっています。まるで輪転機のように、ニュースは流れていきます。
 現在、メディアが経済的に脆弱だということは明白です。いくつかの締めつけがあり、それがメディアにおける極度の消費主義の理論です。フランスではここ5~10年、メディアのベクトルが話題になりました。今日、フランスの新聞の構造は、情報の消費というベクトルでのみ語られています。経済バランスのみに正当性を見出しているのです。
 毎号、芸術的なイラストを使っています。こうしたイラストは完全に自由な表現で描いてもらっています。ここで使うイラストは、物語を伝える手法をとっています。
 記事が重要なのは間違いないのですが、グラフィックも人をひきつける要素です。XXIは読みやすい雑誌だと、よく言われますが、わかりやすい雑誌作りにも重点を置いています。ただでさえ複雑なテーマなので、うんざりしないよう、シンプルに紹介する工夫をしています。
 スタッフは常駐が5人で、そのうちジャーナリストは3人です。その他、世界各地の多くの人々と協同しています。ジャーナリストや作家などさまざまなジャンルの人が、XXIの製作に参加しています。その多くがフリーランスで、提案してきた企画を編集部で採用するかしないか決めます。
 XXIは広告が一切ないのが特徴で、書籍として書店で販売しています。売り上げも順調で、財政的にもバランスがとれている状態です。
 この雑誌は他のメディアとは競合しません。なぜなら、全く違う種類の媒体だからです。内容は多種多様で、ここから何かを学び、面白いことを想像できます。雑誌のページをめくり、写真や記事を見ながら、さまざまな世界を散歩し、数多くの世界を発見できます。
 XXIをオルタナティブメディアという分野で紹介したことはありません。これは雑誌であり、オルタナティブメディアの部分もあるかもしれませんが、特にオルタナティブメディアだとは意識していません。一般的に、フランスでは、オルタナティブというのは、政治的な側面で使われます。私たちの雑誌はそうしたジャンルとは違います。この雑誌は政治雑誌ではなく、右派とか左派とかは、私たちのコンセプトではありません。
 新聞はニュースで構成されているのは確かで、それが恒久的につづいています。ニュースはあっという間に通り過ぎていきます。インターネットに対抗する方法がないため、新聞文化は完全に本来の役目を失ってしまいました。
 世界的に、新聞は発行部数の問題をかかえています。日本の発行部数は驚異的だと思います。若者が新聞を読まなくなっているのは世界的現象で、日本のようにフランスも若い世代が新聞を読まなくなっています。若い世代はネットでニュースを読んでいます。若者と議論するときがあるのですが、彼らは明らかにこれまでとは違う方法で情報を入手しています。
 XXIを創刊したとき、インターネットの時代にいまさら雑誌をだすのか、といった意見も多くありました。しかし、私たちは紙で何かを見せたい、紙の媒体に興味を持っている人もいるし、人はインターネットだけに興味を持っているわけではない、と考えました。
 プロジェクトのうえでは、特別な層に読者を求めているわけではありませんが、2号目は若者から大きな反響がありました。たくさんの若い人がこの雑誌に魅力を感じているようです。若い人に注目され、読んでもらうこともとても重要です。
 XXIを創刊するまで、フィガロなどの海外特派員としていました。辞めた理由はシンプルです。右や左に派遣され、特派員として伝えるのは、そこで起きた出来事だけです。その背景にある物語を伝えることが欠如していると思ったのです。統計や数字を語るだけでは、真実が見えてきません。
 ジャーナリストというのは、世界に興味を持つこと。世界で起きていることに興味を持ち、その興味を人々と分かち合いたい、と思う、それが、ジャーナリストだと思います。
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フランス雑誌ジャーナリズム(週刊金曜日)


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by k_nikoniko | 2015-05-21 07:47 | メディア

フランスのネットメディアRue89

リュ89(Rue89)の発行人ピエール・アスキ氏のインタビュー(2010年11月)

リュ89は、2007年5月開設のネットマガジン。2010年6月より月刊誌を発行。

 26年間働いたリベラシオンを2007年に辞め、同僚たち4人でリュ89を創設しました。実験的に新しいことを開発する場合、新聞のような大グループとは一緒にできないと判断しました。大グループは保守的すぎます。
 リュ89は、ジャーナリストとジャーナリストではない人の情報で構成する参加型のメディアです。まずジャーナリストが調査や検証を行い、一般の人たちがそれを発展させ持続させ、異なった視点で意見を追加していきます。ただし、韓国のオーマイニュースのような市民ジャーナリズムではありません。情報を検証したりするプロのジャーナリストは必要だと考えているからです。
 私たち4人のジャーナリストは、リベラシオン電子版にブログを開設していたという共通点がありました。私は5年間の北京特派員時代に、他の同僚はアメリカやパリなどでブログを書いていました。こうした経験を通し、双方向メディアの持つ力に気づき、伝統的なメディアの使われ方は良くない、と考えるようになったのです。新聞では読者は抽象的存在ですが、ネットでは具体的で、読者の立場が変わります。私たちは、ネットメディアを開設し、ジャーナリストと読者の新しい関係を構築することを考えはじめました。
 リベラシオンやルモンドなどの新聞では、読者は抽象的存在でしかありません。しかし、ネットメディアの読者は具体的存在です。書いた記事にコメントが投稿され、他の人がそれを読み、考えや批判、追加したいこと、さらに新しい情報を書き込みます。私たちのサイトには、それぞれの記事に100ものコメントが書き込まれます。こうすることですべてが変化していきます。インターネット革命は、技術や経済の変化ではなく、読者の立場を変えた点にあります。誰もが表現者になりうるのです。
 ネットメディアでは、ジャーナリストと読者の関係が水平です。日本のことは知りませんが、フランスやアメリカ、イギリスでは、市民は全くジャーナリストを信用していません。ジャーナリストは信用に値しない仕事になってしまいました。ネットメディアでは、信用関係を見出すことができます。なぜなら、ジャーナリストが読者と同じ位置にいるからです。新聞において、ジャーナリストと読者は縦の関係です。ジャーナリストは、国を動かす経済界や政界のエリートの一員になってしまい、国民とは断絶している。20年ほど前からこう言われています。ジャーナリストと読者が水平の関係であるネットメディアでは、読者を疎外することはありません。
 開設から3年半で大躍進し、フランスで一番のネットメディアに成長しました。サイトの訪問者(シングルビジター)は月170万にのぼります。
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by k_nikoniko | 2015-05-20 07:46 | メディア

「慰安婦」無視の司法記者クラブで感じたこと

今日、はじめて司法記者クラブの記者会見に参加した。
変な雰囲気。まぁ、それはいいとして。

悲しかったのは、元「慰安婦」のイ・ヨンスさんが記者会見終了直前に最後の訴えをしたとき、前席にいた二人の女性記者同士が何か話だし、聞いていなかったこと。
この娘たち(という表現しかできない、悪いけど)は、イ・ヨンスさんがわざわざ韓国から来た被害者だということをわかっていないのだろうか?
あまりにも失礼。話を聞いてからおしゃべりすればいいのに。

「慰安婦」問題が持ち上がったとき、今日いた記者のほとんどは子どもだったと思われる。
この問題が棚上げされつづけている結果が、こういう若者にさせているのだと、ものすごく憤りを感じた。

この記者たちの親の世代でもある私たちにも責任があると痛感。
怒ると暑い。が怒る。

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by k_nikoniko | 2014-07-25 23:40 | メディア

フランスのオルタナティブ・メディア

2010年10月30日~11月1日の3日間、フランスの市民団体(RECIT:市民教育ネットワーク)主催の第4回国際会議に参加し、オルタナティブ・メディアのワークショップ(3回)と報道番組を解読するメディアリテラシーのワークショップ(1回)を受講しました。

オルタナティブ・メディアのワークショップ
「私たちが必要なメディアとは? 市民メディアをどう支えるか? ジャーナリストと市民とで情報をどのように協働構築すべきか?」
講師は、Altermondeのダヴィッド・エロワ編集長と、青少年向け持続可能な開発教育サイトG-grainのKiagi編集長フローラン・デプュイ氏。
受講者は3名(グルノーブル在住の若い女性、ナンシー在住のモロッコ女性、私)だけでしたが…。

1回目は、「どのメディアから情報を得ているか」について、受講者と講師がいろいろメディアをあげていきました。
XXI、Rue89、ルモンド・ディプロマティック、クーリエ、メディアパール、ポリティスなど、既存メディア以外のメディアが多数出てきました。
そして、講師が「大手マスメディアの後退と新メディアの躍進」について解説。フランス人のメディアに対する不信、総合紙・誌ではなく、専門分野(環境や人権、国際問題、経済など)に的を絞った新雑誌が売れているという話でした。
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2回目は、「持続可能な開発教育サイトKiagi」の説明と、AltermondeおよびG-grain(Kiagi)の運営や資金源などについて。いずれもアソシアシオン(市民団体)のため、助成金を資金源としていること、有給スタッフやボランティアについての話がありました。

3回目は、メディアの役割について。

メディアリテラシー「テレビ報道分析」
講師は、RECIT代表のディディエ・ミノ氏他
30分間、F2のニュース番組を観て、参加者が感想・意見を述べて議論。
ニュース内容は、「年金問題の抗議デモ(かなり長かった)」「ハイチの洪水」「乳がん」など。
議論で出た意見としては、「組合員に直接インタビューしていない」「コメンテーターが説明するだけ」(年金)、「フランス人のジャーナリストだけが登場」(ハイチ)、「考える時間を与えない」など。
RECIT発行の「テレビ報道分析」(2008年)では、「37分間に24のテーマを取り上げ、分析がない」「感情に訴えるような話しぶり」「人々の暮らし、社会運動、情報を天気予報と同じ手法で紹介している」などの問題点を指摘しています。

メディアのワークショップに参加して、最近のフランスメディアについて、驚いた点と気づいた点

新雑誌が売れている : 良質の新メディアは知名度も高く、一般読者から支持されている
新聞の宅配制度が一般的ではないフランスでは、惰性で新聞をとる人は少なく、新聞離れは著しい。知り合いのフランス人たちも、新聞の内容はネットでチェックする程度だった。
これまで一般紙や総合誌を読んでいたフランス人は、さほど抵抗なく新メディアへと移行しているのかもしれない。
テレビも、24時間報道番組のチャンネルがいくつかあり、そちらへシフトしている。
ラジオに関しては、ニュースや文化といった専門分野の放送の聴者は横ばいとのこと。
日本でも、新聞代4000円を他のメディアに使ってくれたら、良いものができるのに…と思いました。
マスコミを批判しながらも、なぜ日本人は行動を変えないのか、が疑問です。

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by k_nikoniko | 2013-11-13 08:30 | メディア

モロッコでジャーナリストの仮収容に抗議するデモ

今年9月にモロッコでジャーナリストが逮捕された事件。

秘密保護法案が通ったら、同じようなことが日本でも起きそうです。
モロッコの独立系メディアについては知らなかったし、メディアの状況が日本とあまり変わらないのも興味深かったです。
もし秘密保護法案が通ったら、この仕事やめよう…。腰抜けと言われても。日本ではフリーのために抗議デモなどしないだろうから。

『メディアパール』 2013年9月28日

モロッコを脅迫するアルカイダのビデオにリンクさせたのを理由に、独立系メディアサイト『Lakome』のジャーナリストのアリ・アヌズラが「テロを煽った」罪で投獄された。長ければ懲役20年の刑を言い渡されるかもしれない。モロッコ特派員。

モロッコのラバト特派員

「アヌズラはジャーナリストだ。テロリストじゃない!」「なぜアリを逮捕したかって? 彼が真実を伝えたからだ」「アリ・アヌズラとみんなで連帯しよう」 「テロを煽った」としてジャーナリストのアリ・アヌズラの容疑を通告したモロッコ議会の前に、木曜日、数百人が集まった。権力に対する批判的編集で有名な独立系ネットメディア『Lakome』のアラビア語版ディレクターであるアヌズラは、モロッコを脅迫するアルカイダのビデオにリンクさせた投稿で起訴された。

弁護士、ジャーナリスト、NGOの活動家、アーティスト、政治家の何人かが、彼の釈放と課徴金の破棄を求めてラバトに結集した。タンジェでも、数十人がデモを行った。NGOの「2月20日運動」と「モロッコ人権団体(AMDK)」の活動家カミリア・ラウヤンヌは、「権力側は、テロ問題にからめて彼に復讐している」とみている。
火曜日の夜、1週間拘束された後、アヌズラは予審判事の前に呼ばれ、テロ擁護、テロの煽動と物的補助の容疑で起訴された。そして、テロ犯行者が普通収容されるサレ刑務所に移送された。彼は2003年の反テロリスト法に基づいて起訴された。彼の弁護士によると、最長で懲役20年になる可能性があるという。

モロッコを脅迫するテロリストに関する記事のなかで、アヌズラは、聖戦を呼びかける-プロパガンダの煽動であることは明らかなのだが-イスラム・マグリブ諸国のアルカイダ(AQMI)のビデオとリンクさせた。このビデオはスペインの新聞El Paisのブログで閲覧可能だったが、その後削除された。Lakomeのフランス語版サイトはこのビデオを掲載したが、サイトのディレクターのアブバキ・ジャマイはそのとき何の心配もしていなかった。翌日に起訴の情報を電話で知り、アブバキ・ジャマイは、同僚に対する拘留訴因に「茫然とする」とひとりごとを言った。

アヌズラの弁護士アブデラヒム・ジャマイ氏は、反テロリスト法で起訴されたという事実は「とんでもないこと」で「常識外れ」だと述べた。「これは世論に対する告訴だ。ジャーナリストを告訴するのは、表現の自由を脅かすということである」と弁護士は断言した。「実際には何もしておらず、冤罪であることが問題だ。物的証拠を探すなら、ネットサイトを見つけて分析すればいい」



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by k_nikoniko | 2013-10-21 08:53 | メディア