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おしゃべりな毎日

フリーライター木村嘉代子のブログです。日々感じたことを綴っています。Copyright(C)2005-2023 Kayoko Kimura   

イラクの戦争は終わっていない

日本は今日、終戦記念日。
でも、海を隔てた隣の国ロシア(北海道から見れば)がらみで、グルジアが紛争中。
ここにいると鈍感になるけど、世界のあちこちで戦いはつづいている。

6月、イラク人といろいろ話をした。
”和解”について引っかかっていたときなので、それについても聞いてみた。
「もしアメリカが謝罪し、方針を変え、我々イラクを援助してくれたら、彼らを許すだろう。でも、アメリカが方針を変えるとは思わない。これまでもウソをついてきたし、非常に無礼だったし、我々をコントロールしようとしたし。彼らが謝罪するとは思えない」
この言葉はそっくりそのまま、アジアの人々の日本人に対する気持ちを表しているのかもしれない。
ちょうどイラク人たちはアメリカ人と会う機会があり、私もそこに同席させてもらった。
終わった後、「『君たちは悲惨な国から来ているのに、そんな風には見えないね』って彼は言ったよね、どう思う?」と聞かれた。
その部分は聴き取れなかったのだが、アメリカ人の言い分は非常に失礼だと思った。
誰のせいであの国が悲惨になったのか。それでもポジティブに生きるしかない。
敵に泣きっ面など見せたいわけがない。
「アメリカ人はイラク人に泣きついてもらいたいんだろう」と友人は笑っていたけど。
G8前だったので、それについても尋ねたら、「国際会議にはいつも失望させられる。イラクにとって良い政策が話し合われたことがない」と答えた。
同じような質問をそのアメリカ人にもしたら、「どんな形であれ対話は必要だ」とのこと。
それを友人に伝えたら、「それは“ある種の”対話といえる」と冷ややかに言った。
相手を対等とみなしてこそ、本当の対話が成立する。
ベトナム戦争時には、米軍内で反戦運動が盛んだったと聞いた。
「でも、イラク戦争において、そうした動きはないと思う」と友人は言っていたが、BBCのこんな映像を見つけた。
イラク戦争を反対する元米兵のピースウォークを追っている。
「僕はイラク人が憎かったわけじゃない。任務だったんだ。でも、申し訳ない」と涙を流して語っている。加害者もまた深く傷ついている。
by k_nikoniko | 2008-08-15 11:28 | ーイラク