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フランス女性もうらやむスウェーデンの育児対策

ヨーロッパで最も育児政策が充実しているのはスウェーデン、というのは、フランスでもたびたび語られる。
1999年の女性誌では、「スウェーデンの政策をフランスに導入できるか?」と問いつつ、スウェーデンの育児政策を取材して記事が掲載された。

スウェーデンには行ったことがないためよくわからないが、サッカーのサポーターのかなり無礼な態度に接し、唖然としたことがある。
レディファーストの習慣はあまりないのかも?
男女同権だから、といわれれば、納得できないわけでもない。

以下、フランスの記事の翻訳です。

先月、スウェーデン出張のため空港へ向かっているとき、先方の秘書から携帯に電話が入った。会議のキャンセルしたいという社長から申し出だ。社長の子供が熱を出して学校を早退することになったが、妻は仕事を抜けられない。仕事中の妻に代わって、父親である自分が面倒をみなければならない、と言うのだ。
フランス人にしてみれば、「超現実主義者」といえるが、スウェーデンでは違う。民主主義と男女平等が結びつき、男女の権力と責任が分担されている国スウェーデンでは、25年前からこういうことが珍しくないのだ。

国会の44%、市町村議会の41%、県議会の48%が女性で、20の大臣のうち11人が女性であり、政党のほとんどが男女同数であるスウェーデンは、世界で最も男性社会ではない国である。
スウェーデンでは、25~55歳の女性の80%が働いている。
1995年までは、アイルランドの次にヨーロッパで出産率が高かった。このところの不景気のため、1990年の2.1人から1.5に減少した。
女性が仕事と家庭の両立が、スウェーデン政府の優先目的であり、国家予算も明確だ。スウェーデンの法律は、働く母親のためにあるのだ。
スウェーデンでは、子供1人につき年間60日間の有給休暇(給与の80%を支給)が認められている。男性も、子供の病気の場合、会社を休む(年間平均7日)。
育児休暇はほぼ完璧だ。給与の80%支給が11ヶ月あり、子供が8歳になるまで分割して休みをとることができる。カップルの仕事の状況に合わせて、休暇を取得する自由がある。
唯一決められているのは、有給休暇の60日間のうち、30日を父親、30日を母親がとらなければならないことである。スウェーデン人の多くが、11ヶ月の育児休暇を取得している。
政府の奨励もあり、男性も次第に育児休暇をとるようになっている。1998年には、30%の男性が1ヶ月から半年の育児休暇をとった。

保守党の若い女性議員は、「育児政策のおかげで、少しずつ考え方が変わった。女性は、仕事か子供かの選択をもはやする必要はない」と言う。
4歳と2歳の子供を持つ33歳の彼女は、完璧なモデルといえる。政治の世界に入る以前、男性社会の本拠地ともいえる海軍の長官だった。それでも、二人の子供を出産し、キャリアを犠牲にすることなく、出産休暇を利用した。
議員に選出されたとき、同じく海軍に勤務していた夫は、朝7時30から15時30のパートタイム勤務を選んだ。そうすれば、子供を迎えに行き、夕飯の世話ができるからだ。

広告デザイン会社を経営している35歳の女性は、11歳、4歳、2歳の3人の子供を持つ。第一子のときは出産休暇を11ヶ月とったが、後の二人の子供は、広告代理店の社員である夫と育児を分担した。二人でやりくりを続けている。週2回、夫は15時30に退社するので、彼女は夜遅くまで仕事をすることができる。

スウェーデン人は、他のヨーロッパ人よりも仕事と育児をうまく両立しているのだろうか?
ストックホルムに住むフランス人によると、ストレスが少ないという。
「この国は子供に優しい。家庭生活が社会と結ばれている。8時~17時という就業時間は、学校の授業時間に合わせてある。19時には、すべてのスウェーデン人が家族一緒に夕飯をとる。ベビーシッターを雇う人は少ない。この国では特に、母親というイメージが満足感を与えるものとみなされている。家庭生活が社会生活に完全に一致しているのだ。レストランでは、ビジネスランチをしている男性のすぐ横で、子供をベビーカーに乗せた女性が食事をしている。パリの有名レストランではありえない話だ」

スウェーデンは完璧なのだろうか?
いやそうでもない。「もっとよくなるはず」とスウェーデンの女性は要求している。男性はワイシャツのアイロンをかけるようになったが、民間企業の責任あるポストについているのは男性である。男性は女性より平均で15~20%給料が高い。
「組織は男性社会のままだ。その結果、大半の社長は重要なポストに男性を選ぶ。一方、女性の多くは、弾圧を恐れて地位を要求しない」とある女性は言う。

実際、80%の働く女性は、パートタイムで働き、伝統的な職種にとどまっている。
知っての通り、スウェーデンはヨーロッパで最も税金が高い。3/4の勤務時間であれば、フルタイムより課税の面で有利だ。
無料の幼稚園は存在しない。1~6歳の子供は託児所に入るが、その費用は、国家が約70%を負担し、残りは収入に応じて決められる。
つまり、収入が少ないほうが税金や託児所の費用が少なくなるのである。

重要なポストにつくスウェーデン人であっても、他のヨーロッパ諸国に比べて時代遅れのところもある。ベビーシッターや家政婦(政府から何の援助もない黒人が多い)を雇うのは、スウェーデン社会ではよく見られない。
また、「排除的な」スウェーデンでは、企業が多忙なエリート管理職に加担するケースもみられる。ベビーシッターや家政婦の料金を、労働者が負担するよう、契約の際に交渉することも可能だ。男女の社員に、育児休暇の補助金の80%の加算を求める企業もある。

フランス人の目からすると、次のように見える。
将来母親になる可能性のある女性は、企業にとって心配の種であり、その代償としてお金を徴収されている。
若い母親に対し、育児休暇後に同じポストと同じ給料で復職させないなどという、法を守らない雇用者に気をつけなければならない。
「問題をはらんだ防御策だ。最近、管理職の女性のひとりが、1年間の休暇後に電話をかけてきた。『来週仕事に復帰する』と。彼女の代理で働いていた人は、その女性と同様に有能なのだが、私には選択の余地がない」


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by k_nikoniko | 2016-11-27 10:15 | ジェンダー
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