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福島の現実(週刊女性)

地産地消を奨励の福島県、弁当持参は「復興の妨げ」の声も

前出の森園さんは、いまでもガラスバッチをつけ、線量計を持ち歩き、外出時にはマスクも欠かさない。
「このところ、『自分だけが浮いている』と感じますね」と苦笑する。子どもがいなかったこともあり、夫とともに郡山にとどまった。
20代に化学物質などが原因で体調を崩し、食事療法を取り入れて健康管理に気をつかってきた森園さん。それだけに、放射能による体への負担を心配だ。
「除染がはじまったときは、すごく期待しました。実際、自宅を除染してもらったら、効果があったので」(森園さん、以下同)
屋外の空間線量は0.7μ㏜だったのが、今は0.2μ㏜ぐらいに。放射能汚染物の入ったフレコンパック4個は、庭に埋めてある。
「除染というより、移染ですよね。ホットスポットもあちこちにあるし」
たとえば、公民館横の砂利の上は、昨年10月の測定で11μ㏜。雨どいがなく、雨が直接落ちるからだと推測する。
「ここは、お母さんがバギーで通るところ。”早く除染したほうがいいのでは?”と施設の職員に言ったら、”そういわれても…”と。そんな感覚なんですよ」
行政も政治も、子どもの目線でやるべきだと思っている。
「甲状腺がんの疑いで85人の子どもが手術を受けたのに、”命にかかわらない”と平気で言ってのける大人の、なんて無神経なこと!」
口には出さずとも、母親たちの不安は消えたわけではない。その証拠のひとつに、子どもの室内遊技場はいつも満員だという。
森園さんは、「風評被害と言われることが一番のストレス」と嘆く。
「原発事故がなかったら、実害も風評被害もなかったんです。どんなにとりつくろっても、原発事故で汚染されたのは事実。それを認めたうえで、どういう政治や行政をやっていくか、どう物事をとらえて生きていくか、を考えるべきなのに」
それをいっさいやらずに、復興にひた走る福島。復興バブルで、土木建築や不動産関係は儲かり、収入格差も広がっている。
「除染が公共事業になってますよね」
除染事業を担うのは大手ゼネコンだが、実際に作業をする2次、3次の下請け。作業者の健康被害は顧みられているとはいえない。
「被ばくをないものとして、事業が進められている。それが怖いです」

帰宅困難区域の女性「帰ったら危ない」で町民に叩かれる

脱原発訴訟にたずさわる河合弘之弁護士は、事態は深刻だと指摘する。
「時間が経てばたつほど悪化している。不可逆なコミュニティ崩壊、家庭崩壊が今も進行中です」
福島での分断や対立は複雑だ。逃げ出したい若夫婦と残りたい年老いた親との亀裂。3世代で住んでいたのに、避難先の狭い仮設や借り上げ住宅で分かれて暮らすことになった家族。まとまって移動できなかったため完全に分解された地域。
「4年経ち、家を買った人はもう戻る気はない。物理的にも精神的にも、故郷の復興は難しくなっています」(河合弁護士、以下同)
仮設や借り上げに住む人と、もともとの地域の人たちとの摩擦も生じている。「昔は4時起きして、乳しぼりや畑仕事をしてきたのに、朝起きてもすることがない。毎月10万の賠償金をもらい、パチンコに行ったり、昼間から酒を飲んだり。全員ではないけれど、普通の人は弱いですからね。そうすると、”なんだあいつら”という話になる」
同じ仮設のなかでも、自主避難者は切り詰めて生活しているのに、帰還困難地域から来ている人たちは羽振りがよく見える。そんな日常的な心の行き違いがどんどん積もっていく。
「思いやり、惻隠の情というのをお互い持たないと、ますます分断が深まっていくでしょう」
だが、こうした状況が好都合な人たちもいる。
「国や電力会社は、コミュニティが崩壊してくれたほうがいいんですよ。集団での強い要求が出してこないし、対策も簡単だから」
除染などどうでもいい――、そう住民が言い出すのを待っている。それが、電力会社や政府の本音ではないか、と河合弁護士は見る。
臭いものにはふたをして復興したことにする。そして、〝はい再稼働しましょう!〟というわけだ。
「国や東電を相手に原発事故の損害賠償や刑事責任を追及すること。そして、いちばん大切なのは、再稼働差し止めの裁判を日本全国で展開することです」
近々再稼働が危ぶまれる原発は、川内(鹿児島県)、大飯(福井県)、高浜原発(福井県)。これらすべての原発の差し止め裁判を河合弁護士は担当している。
「原発を2度と稼働させない。それが究極の目標です」
郡山市は2月24日、市議会で『九州電力・川内原子力発電所の再稼働に反対する意見書の提出を求める請願』を採択した。
傍聴した前出・森園さんは、「小さな声でも、”2度とこのような原発事故を起こさない! 再稼働と原発輸出を絶対に許さない!”と言いつづけてきた」とこの4年間を振り返る。
また木幡さんも、「原発を誘致して、稼働したら、原発事故でこうなってしまう。それを世間に知らせなくちゃいけないんだよね」と言い、次のように結んだ。
「もう終わったと思ってるみたいだけど、まだ終わってないんだよ」

『週刊女性』2015年3月24日号


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by k_nikoniko | 2015-07-28 07:58 | 掲載記事(2011~)
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