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現役の葛藤を代弁『実録 くにおの警察官人生』

『実録 くにおの警察官人生』 斎藤邦夫著(共同文化社)

本書は、組織ぐるみによる裏金づくりの証拠となる「裏帳簿」を公表し、北海道警察(以下、道警に不正の事実を認めさせるきっかけをつくった元弟子屈署次長の実録だ。
上層部が裏金の恩恵を受ける傍らで、冷遇される「下の者」たち。旅費や夜食代など捜査費に窮する現場。警察学校の教壇に立った経験、不正に蝕まれる教え子たちとの再会。
警官時代に見聞した内部の実態が赤裸々に語られている。
「裏金づくりマニュアルの全貌」では、ニセ書類作成の実務にたずさわった本人だからこそわかる、具体的な手口を明かす。
つじつま合わせの工作は実に涙ぐましい。制服に身を包み、ニセ書類作成に汗水流す警官の姿が冷笑的に描かれている。
不正に関与しながらも、「サラ金に手を出すな、酒や女で不祥事を起こすな」ともっともらしく訓示する。そんな自分に嫌気がさし、著者は三五年間勤務した道警を早期退職した。
再就職して落ちついたころ、公私ともに親交の深い道警OB原田宏二氏が裏金問題を告発。身内に警官や公務員がいるなかで、実名告発に踏み切った。それによる失職や裏切り。本書では「告発者」の苦悩も吐露する。
著者は現在、ヘルパーとして福祉施設で働き、警察再生を目指す活動にたずさわる。
暴露本ではあるが、事故の失敗談を交え、ユーモアと人情味ある口調で綴られている。
警察官を拝命した純真な若者が、組織のなかで歯車のひとつに組み込まれ、良心の呵責に苛まれながらも、裏金システムに慣らされていく。
いちOBの独白は、多くの現役警官の心の葛藤を代弁しているともとれる。「若き警官たちへエールを送る」一冊でもある。

『週刊金曜日』2010年8月27日号
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by k_nikoniko | 2015-07-01 08:46 | 掲載記事(2000~2010)
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