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使用済み燃料処分は再処理から乾式貯蔵へ(ビッグイシュー)

『ビッグイシュー』(2013年7月15日)掲載

再処理継続は”ルーズ・ルーズ”(負け)の戦略

高木仁三郎市民科学基金が4月15日に原子力市民委員会を立ち上げた。
市民グループや幅広い分野にわたる科学者、技術者、弁護士などとともに、脱原発社会を構築するための課題を把握・分析し、政策をつくる場として、その公開研究会を取材。

再処理費用は年間2800億円、貯蔵なら200億円

5月20日、原子力市民委員会の核廃棄物部会・公開研究会が開催され、フランク・フォンヒッペルさん(プリンストン大学教授)とマイケル・シュナイダーさん(エネルギー・原子力政策国際コンサルタント)が、「再処理と核不拡散」について講演した。
「日本は再処理の“くびき”にはまってしまっています」。フォンヒッペルさんはまず、こう切り出す。「『使用済み核燃料は六ヶ所再処理工場へ搬出するので、別の方法はない』という考えが、まさに“くびき”なのです。そこから抜け出す方法として、再処理から貯蔵への変換が必要です」
そして、政策を変更すべき理由として、「再処理にかかる費用は年間約2800億円だが、貯蔵は約200億円。再処理は労働者の汚染をもたらし、そこから得られるものはほとんどない。プルトニウム保有量の増加、テロの危険性を増大させるだけ」などを挙げた。さらに、世界的視野からも「いまだに再処理政策を続行しようとしているのは、フランス、インド、ロシア、中国、日本の5カ国のみ。ほとんどの国は貯蔵を決めている」と説明した。
フォンヒッペルさんが提案するのは、使用済み燃料を敷地内で保存する「敷地内乾式中間貯蔵」。使用済み燃料は数年間は水で冷却しなければならないが、5年経てば、空気で冷やすだけで十分となる。そこで、使用済み燃料を5年後にプールから取り出し、専用のキャスク(容器)に入れ、原発敷地内に貯蔵するのが乾式貯蔵だ。ドイツのネッカーベストハイム原発では、事務棟の下に作られたトンネルにキャスクを貯蔵しているという。
日本ではほとんどの自治体が敷地内の貯蔵に合意しておらず、使用済み燃料の半分は13年以上もプールの稠密(ちゅうみつ)貯蔵ラックで保管されたままだ。「こうした状態で長期間プールに入れておくと、水がなくなった際、燃料発火の可能性もある」と警告。そして、「敷地内乾式貯蔵は低コストで安全な代替措置。多くの国が採用している」と助言した。

どうする!? 英仏に預けた日本の余剰プルトニウム35トン

フォンヒッペルさんは、「国際核分裂性物質パネル(IPFM)の共同議長でもあり、核不拡散の観点からも、余剰プルトニウム処理政策の提言をしている。プルトニウム処分法としてのMOX燃料使用については、「米国でもMOX燃料工場が建設中だが、見積もり額が10倍近くも高騰したため、オバマ大統領は軍事用余剰プルトニウム処分戦略を再検討している」と言う。
同じくIPFMのメンバーでもあるマイケル・シュナイダーさんは、唯一MOX燃料を使用しているフランスの余剰プルトニウム問題について解説。
昨年5月に就任したオランド大統領は、原発依存度を75%から50%に低減し、老朽化した原子炉を閉鎖すると決定した。しかしその一方、「再処理で取り出されたプルトニウムは、MOX燃料の形で再使用する」方針で、シュナイダーさんは「政策に一貫性がない」とその矛盾点を指摘した。
各国が再処理から貯蔵に転換するなか、フランスのラ・アーグ再処理工場では、海外の使用済み核燃料の再処理を引き受けている。フランスが保管するプルトニウムの総量は約80トンとここ10年横ばいだが、海外のものは減少しつつも、フランス保有のプルトニウムは増加の傾向にある。蓄積されたプルトニウムの処分はまったく追いついていない状況で、その解決策として、MOX燃料の加工・使用を継続するという。シュナイダーさんはこれを、「プルトニウム蓄積とリスクの両方の増加をもたらす、ルーズ・ルーズ(負け)の戦略」と批判。安全性や経済性、核不拡散の面から、再処理政策の転換の必要性を強調した。
また、「フランスの政策は日本にも大きな影響を与える」とも示唆。2011年末現在、フランスに保管されている日本のプルトニウム量は18トン。英国には17トンあり、合わせると35トンにおよぶ。「フランスの法律では、海外の核廃棄物を国内で処理できない。英国は自国での処理も可能と言っているが、フランスにある日本のプルトニウムは送り返すことになるだろう」。今後、大量のプルトニウムが日本に戻される事態も否定できないようだ。しかも、国内にはすでに9.3トンのプルトニウムがある。
二人は日本滞在中、政治家や原子力関係者と核廃棄物処理の方法などについて意見交換し、それに基づき、外務大臣と経済産業省宛に文書で提案した。


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by k_nikoniko | 2015-05-28 07:37 | 掲載記事(2011~)
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