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日本でもドイツ徴兵拒否青年の奉仕活動

以下は2008年の記事です。


 徴兵制度が残るドイツだが、徴兵を拒否することもでき、その場合は兵役のかわりに奉仕活動に従事する仕組みになっている。最近は日本でのボランティアを希望する若者が多く、全国各地で彼らを受け入れている。こうした取り組みは、作家の故小田実さんが立ち上げた「日独平和フォーラム」の活動のひとつであり、札幌市の「日独平和フォーラム北海道」(代表 山口たか)でも、4人のドイツ青年にボランティアの場を提供している。このほど当地を訪れた、「独日平和フォーラム・ベルリン」とボランティア派遣NGOの代表者に、市民レベルでの交流について話をうかがった。 
 
 「日独平和フォーラム北海道」では、2004年からドイツの良心的な徴兵拒否の青年を受け入れ、これまでに15人の若者が、札幌市や地方の養護施設などで約1年間のボランティア活動に従事した。 
 また彼らは、今年夏のG8サミットでは、ドイツの和解のためのNGO「行動・償いの印・平和奉仕」代表、クリスチャン・シュタッファさんらを招聘して開催される「国際シンポジュウム・市民がつくる和解と平和」(2008年7月9日)にも参加する。 
 
 札幌を訪れたのは、小田実さんと20年前から交流があったオイゲン・アインホルンさん(独日平和フォーラム・ベルリン)と、ボランティアの派遣事業を行っているijgd(国際青少年公益勤務派遣団体)のアンネ・イェグリンスキーさん。二人は、ドイツの若者の社会奉仕に対する意識、市民運動の問題点と可能性、さらにはG8サミットや日独が抱える共通の問題などについて意見を述べた。 
 
▽世界を変えるのは市民の力 
 
オイゲン・アインホルンさんの話 
 
 「日独平和フォーラム」は、ドイツと日本の隣国に対する重大な戦争犯罪を反省しようと、小田実さんが立ち上げた。 
 両国は戦争で多くの体験をしたが、いまでも数々の問題を抱えている。日本政府は、中国や韓国などとの和解を実現していない。それを若い世代に伝える必要がある。 
 両国に共通しているのは、戦後、米国との関係を強め、そのおかげもあって敗戦国から経済大国に成長した点だ。これは非常に危険な側面ともいえる。 
 
 われわれの団体は、市民運動の力に期待し、日本全国の平和運動団体と協力し合っている。政府や大企業が動くのを待つのではなく、私とあなたが一緒にすぐ動くことが大切である。「すぐに動こう、自分自身で。誰かがやるのを待っていてはいけない、私とあなたがやらなければならない」。これこそ、小田実さんが残してくれた形見である。 
 
 ドイツでは、地方ごとに小さなグループがたくさん存在し、反原発や環境破壊など具体的な課題に取り組んでいる。残念なことに、ひとつにまとまることはめったにない。 
 市民運動はツナミのようなもので、反ベトナム戦争運動といったときには大きな波になるが、その後、潮が引いたようにそれぞれの場に戻っていく。市民運動を安定したものにするにはどうしたらいいか、と私はいつも考えている。私の解決策はとてもシンプルだ。運動が盛り上がっていないときは、具体的で長期的な目標に取り組むのである。私たちの事業のひとつ、徴兵拒否の青年たちのボランティアがそれだ。徴兵拒否の青年たちを日本に送る活動をつづけることで、この団体の安定化を図り、発展を促している。 
 
 ドイツ青年たちは大使としての役割を担い、ドイツのことを日本人に伝え、日本で学んだことをドイツに持ち帰る。ドイツと日本の若者が交流し、ネットワークが構築されていく。誰もコントロールできない、国際的なネットワークができると思う。 
 
 ドイツでも日本でも、市民運動にたずさわっている人は少数派といえる。しかし、社会学者マーガレット・ミードは、「世界を変えるのは、いつも小さなグループであり、大きな集団ではない」と言っている。多数派や政府、科学者ではなく、つねに小さな集団、市民が世界を動かすのだ。 
 私とあなたは無力であり、米国がイラク攻撃するのを阻止するのは不可能だろう。しかし、地道にひとつの問題に取り組み、市民運動を組織していけば、いずれ大きな力となる。 
 
 平和のために一緒に活動したら、その瞬間、われわれは平和の一部となるのだ。そう実感することは、とても希望に満ちていて、楽観的な気持ちになるだろう。市民が世界平和を願えば、必ず実現するはずだ。 
 
▽他人の苦しみが理解できる若者に 
 
アンネ・イェグリンスキーさんの話 
 
 このNGOは、1949年に、第二次世界大戦で敵同士だった人々と理解を深めるためのキャンプからスタートした。違う国籍の人がキャンプを通して出会い、ともに活動し、コミュニティーを築いていく。戦争で失われたコミュニティーを再構築していくのだ。 
 3週間の小規模なキャンプからはじまり、次第に業務が拡張して、ボランティア派遣も行うようになった。欧州では多くの活動がボランティアでまかなわれている。われわれは、世界中の団体と協力しており、3週間から24ヶ月までの期間、環境問題などさまざまなプロジェクトにボランティアを派遣している。 
 
 もうひとつの目的は、若者に社会的責任を学んでもらうことにある。生きていくうえで必要な知恵や、お互いを理解しあう大切さを教えるのだ。 
 率先してボランティア活動をするドイツ若者は5%ほどしかいない。だから、若者たちが参加しやすいアプローチ法を工夫し、多様な分野のNGOの活動を紹介している。 
 ボランティア活動の社会学習も企画している。さらに、ボランティア終了後の進路オリエンテーションも行う。ボランティア期間が過ぎ、進むべき方向を見出せずに悩む若者も少なくないからだ。 
 
 ボランティアを経験した若者は精神的に成長する。他人の苦しみを理解できるようになり、自分で何かしなければならない、分かち合わなければならない、という気持ちが芽生える。これが一番大きな変化だ。 

『日刊ベリタ』 2008年05月03日15時19分掲載
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by k_nikoniko | 2013-08-01 20:46 | 雑誌などに掲載された記事
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