年が明けた第1本目がこの投稿。
原発のストレステストは、この国に暮らす人々にストレスを与えるばかり。
これでストレス感じない人の神経ってどうなってるんだろう。人間じゃないよね。
欧州をならって実施するというストレステスト。
フランスでも悪評です。
昨年10月に発行された、カナール・アンシュネ紙の原子力特集号に掲載されたストレステストの記事から、一部引用してみました。
EUは13カ国に原子炉143基(62の原発施設)を保有する。福島第一事故の4日後、加盟国の国民を安心させるために、EUエネルギー担当のドイツ人のギュンター・エッテンガー欧州委員が「ストレステスト」の実施を発表した。この有名な耐久性テスト、90年代以降は銀行融資のために実施されるイメージがある。
「地震、洪水、津波、テロ攻撃、電気系統の故障といった、あらゆるリスクを再評価することが重要である」とエッテンガーは言う。しかしながら、各国は、欧州の専門家が見守られながらもこっそり、「テスト」と誤って命名された「再評価」にとりかかるだろう。そして、関係する国(欧州全体ではなく)の失格した原発施設は閉鎖されるかもしれない。
ドイツがすぐに老朽化した7基の原子炉の停止を発表し、欧州のいたるところで環境団体が「欧州レベルで計画を立て、協力して」脱原発を要求する声が高まったとき、その脅威がフランスの原子力当局を恐怖に陥らせた。
ヨーロッパ大陸で反原発の熱が優勢になるのをどう避けるべきか?
フランソワ・フィロン首相は、「耐久性テスト」の基準や方法について理解しないまま、フランス原子力安全局に緊急要請し、洪水および地震によるリスク、電力供給の停止、冷却システム、事故時における管理体制の5項目についてのテストを命じた。
<略>
欧州の原発施設の大がかりな試験は6月1日にはじまり、9月15日に各国の原子力安全局がコピーを提出し、11月中旬に結果が発表される。
「飛行機の墜落やサイバー攻撃といったリスクは排除し、すべてがうまくいっていて、何のリスクもないことを示すための飾り立てられた方法であり、きれいごとのテスト」とフランスの脱原発ネットワークは不満を隠さない。「このテスト実施を監視する欧州の専門家のなかには、独立した立場の専門家がひとりもいない。運営会社がイエスかノーか答えた質問書をまとめるだけだ。(安全性への)不信を矮小化するデマをまきちらすのをやめさせならない」とエネルギー研究団体グローバル・チャンスのベンジャマン・ドゥスュは言う。
いずれにせよ、フランス原子力安全局が言うように、「テストの日程はかなり詰まっているため、監査は本質的には既存の試験結果に基づく」ことになる。ゆえに、原発施設の安全性の真の再評価ではなく、自然災害のテストを実施するわけでもない。
原発のストレステストは、この国に暮らす人々にストレスを与えるばかり。
これでストレス感じない人の神経ってどうなってるんだろう。人間じゃないよね。
欧州をならって実施するというストレステスト。
フランスでも悪評です。
昨年10月に発行された、カナール・アンシュネ紙の原子力特集号に掲載されたストレステストの記事から、一部引用してみました。
EUは13カ国に原子炉143基(62の原発施設)を保有する。福島第一事故の4日後、加盟国の国民を安心させるために、EUエネルギー担当のドイツ人のギュンター・エッテンガー欧州委員が「ストレステスト」の実施を発表した。この有名な耐久性テスト、90年代以降は銀行融資のために実施されるイメージがある。
「地震、洪水、津波、テロ攻撃、電気系統の故障といった、あらゆるリスクを再評価することが重要である」とエッテンガーは言う。しかしながら、各国は、欧州の専門家が見守られながらもこっそり、「テスト」と誤って命名された「再評価」にとりかかるだろう。そして、関係する国(欧州全体ではなく)の失格した原発施設は閉鎖されるかもしれない。
ドイツがすぐに老朽化した7基の原子炉の停止を発表し、欧州のいたるところで環境団体が「欧州レベルで計画を立て、協力して」脱原発を要求する声が高まったとき、その脅威がフランスの原子力当局を恐怖に陥らせた。
ヨーロッパ大陸で反原発の熱が優勢になるのをどう避けるべきか?
フランソワ・フィロン首相は、「耐久性テスト」の基準や方法について理解しないまま、フランス原子力安全局に緊急要請し、洪水および地震によるリスク、電力供給の停止、冷却システム、事故時における管理体制の5項目についてのテストを命じた。
<略>
欧州の原発施設の大がかりな試験は6月1日にはじまり、9月15日に各国の原子力安全局がコピーを提出し、11月中旬に結果が発表される。
「飛行機の墜落やサイバー攻撃といったリスクは排除し、すべてがうまくいっていて、何のリスクもないことを示すための飾り立てられた方法であり、きれいごとのテスト」とフランスの脱原発ネットワークは不満を隠さない。「このテスト実施を監視する欧州の専門家のなかには、独立した立場の専門家がひとりもいない。運営会社がイエスかノーか答えた質問書をまとめるだけだ。(安全性への)不信を矮小化するデマをまきちらすのをやめさせならない」とエネルギー研究団体グローバル・チャンスのベンジャマン・ドゥスュは言う。
いずれにせよ、フランス原子力安全局が言うように、「テストの日程はかなり詰まっているため、監査は本質的には既存の試験結果に基づく」ことになる。ゆえに、原発施設の安全性の真の再評価ではなく、自然災害のテストを実施するわけでもない。
今日は、森田芳光監督の葬儀だったそうだ。
ちょうど20年前、駆け出しのフリーライターだったとき、森田監督を取材させていただいたことがある。
公開されたばかりの映画「おいしい結婚」がテーマだった。
記事を探したけど、見つからなかったので、データマン的に取材のみ担当したのかもしれない。
それでも、取材したときのことは覚えている。
「結婚なんて、早くすることないですよ。自分の好きなことをしてからで」
とおっしゃった。そして、
「北海道は離婚率が高く、女性は独立精神旺盛。ああいうのがいいと思う」
と、北海道の女性をえらくほめていらした。
それを聞いて思わず、「私、北海道生まれです」と言ってしまった。
実際、生まれただけのようなものなのだけど、つい調子に乗って。
「結婚などに縛られないで、女性も自由に好きなことをしたほうがいい」という言葉に、まだ若くてモヤモヤしていた私は、背中を押される思いがした。
帰り際、「がんばってくださいね」と言っていただいた。
それがものすごくうれしかったことを、今でもよく覚えている。
考えてみれば、つたない取材だったからかもしれない…。
あれから私は、がんばったのだろうか。
森田監督の訃報で、初心を忘れてしまったことを思い出した。
享年61歳。まだお若いのに。ご冥福をお祈りします。
ちょうど20年前、駆け出しのフリーライターだったとき、森田監督を取材させていただいたことがある。
公開されたばかりの映画「おいしい結婚」がテーマだった。
記事を探したけど、見つからなかったので、データマン的に取材のみ担当したのかもしれない。
それでも、取材したときのことは覚えている。
「結婚なんて、早くすることないですよ。自分の好きなことをしてからで」
とおっしゃった。そして、
「北海道は離婚率が高く、女性は独立精神旺盛。ああいうのがいいと思う」
と、北海道の女性をえらくほめていらした。
それを聞いて思わず、「私、北海道生まれです」と言ってしまった。
実際、生まれただけのようなものなのだけど、つい調子に乗って。
「結婚などに縛られないで、女性も自由に好きなことをしたほうがいい」という言葉に、まだ若くてモヤモヤしていた私は、背中を押される思いがした。
帰り際、「がんばってくださいね」と言っていただいた。
それがものすごくうれしかったことを、今でもよく覚えている。
考えてみれば、つたない取材だったからかもしれない…。
あれから私は、がんばったのだろうか。
森田監督の訃報で、初心を忘れてしまったことを思い出した。
享年61歳。まだお若いのに。ご冥福をお祈りします。
11月中旬、新潟県魚沼市に行ってきました。
中学3年から高校3年までを過ごしたところです。
震災の翌年の春に行ったきりなので、6年ぶり。
同級生の家に泊まり、久しぶりに会う友人とおしゃべりしたり、懐かしい場所をいくつか訪れました。
小千谷市の船岡公園から眺めた魚沼一帯の風景は、ゆるやかに蛇行する信濃川に2つの川が合流し、ほれぼれします。
水が豊か。お酒がおいしいわけだね。

今回、ここを訪れた理由のひとつは、夏の水害が気になったから。
7月、友人から、「地震よりひどいことになっている~」とメールが届きました。
震災で実家が全壊して復興住宅に暮らしている友人は、床下浸水し、田んぼも水につかったといいます。
水害の爪あとはところどころに残っていました。

このまま雪の季節に突入するしかない状況。
地盤がゆるんだまま、大雪が降れば、二次災害、三次災害の恐れもありますが、手が回らないといった様子でした。
滞在中、TPPのニュースが入り、「震災、水害、そしてTPP。三重苦だよ」と友人はぽつり。
地方へのしわ寄せはいっそう強まるばかりです。
中学3年から高校3年までを過ごしたところです。
震災の翌年の春に行ったきりなので、6年ぶり。
同級生の家に泊まり、久しぶりに会う友人とおしゃべりしたり、懐かしい場所をいくつか訪れました。
小千谷市の船岡公園から眺めた魚沼一帯の風景は、ゆるやかに蛇行する信濃川に2つの川が合流し、ほれぼれします。
水が豊か。お酒がおいしいわけだね。

今回、ここを訪れた理由のひとつは、夏の水害が気になったから。
7月、友人から、「地震よりひどいことになっている~」とメールが届きました。
震災で実家が全壊して復興住宅に暮らしている友人は、床下浸水し、田んぼも水につかったといいます。
水害の爪あとはところどころに残っていました。

このまま雪の季節に突入するしかない状況。
地盤がゆるんだまま、大雪が降れば、二次災害、三次災害の恐れもありますが、手が回らないといった様子でした。
滞在中、TPPのニュースが入り、「震災、水害、そしてTPP。三重苦だよ」と友人はぽつり。
地方へのしわ寄せはいっそう強まるばかりです。
先日、飛行機に乗ったとき、隣の男性が携帯をずっと見ていた。
30代ぐらいのビジネスマン(のよう)で、いまどきの若者風。
「ドアが閉まりましたので、電気機器の使用はお控えください」のアナウンスも無視。
滑走路を走行中、客室乗務員が最終チェックしたとき、「電源をお切りください」と注意され、いったん携帯を置いたが(電源は切らなかった)、彼女が去ると、また携帯をいじりはじめた。
私は飛行機に乗るたび、「落ちるかも」と心配するタチなので、気になってしょうがない。
堪りかねて、「すみません、電源切っていただけますか?」と声をかけた。
そうしたら、「ハイ」と言って携帯の電源を切った。
あまりにも素直な「ハイ」だったので、あっけにとられた。
なら、どうしてもっと早く、電源を切らないんだ?
飛行機に乗るたびに、「電波を発する電気機器の使用は、飛行の妨げになりますので、電源をお切りください」というアナウンスが流れるので、「携帯の電源オンが重大事故につながるかもしれない」と思っていた。
自分の不注意や自己中心的な行為で、何百人の命を巻きぞいにするかもしれない、と考えたらゾッとする。
そんなことを考えずに、自分のやりたいことをやる(この場合は携帯を使いつづける)としたら、モラルが低下しているとしか思えない。
しかし、実際、飛行機での携帯使用はどのぐらい危険なのだろう?
客室乗務員も、電源を切るところまで見届けなかった。いつも思うのだけど、チェックは甘い。
ということは、見逃してもさほど危険ではないということか?
大事故につながるかもしれないけれど、客が減るのを恐れて無理強いしないのであれば、経済中心主義的で恐ろしい。
以前、上空でメールチェックをしている若い女性を見かけ、このときもヒヤヒヤして、客室乗務員に質問したことがある。
「上空でなら、携帯のメール使ってもいいんですか?」と。「いえ、だめです」との返答だったけど、その危険性はどのくらいなのだろう?
あいまいなアナウンスと態度は、かえって人を不安にする。
本気で危ないのなら、もっと徹底してほしい。
それよりなにより、公共のマナーを守る大切さを知ってほしい。
30代ぐらいのビジネスマン(のよう)で、いまどきの若者風。
「ドアが閉まりましたので、電気機器の使用はお控えください」のアナウンスも無視。
滑走路を走行中、客室乗務員が最終チェックしたとき、「電源をお切りください」と注意され、いったん携帯を置いたが(電源は切らなかった)、彼女が去ると、また携帯をいじりはじめた。
私は飛行機に乗るたび、「落ちるかも」と心配するタチなので、気になってしょうがない。
堪りかねて、「すみません、電源切っていただけますか?」と声をかけた。
そうしたら、「ハイ」と言って携帯の電源を切った。
あまりにも素直な「ハイ」だったので、あっけにとられた。
なら、どうしてもっと早く、電源を切らないんだ?
飛行機に乗るたびに、「電波を発する電気機器の使用は、飛行の妨げになりますので、電源をお切りください」というアナウンスが流れるので、「携帯の電源オンが重大事故につながるかもしれない」と思っていた。
自分の不注意や自己中心的な行為で、何百人の命を巻きぞいにするかもしれない、と考えたらゾッとする。
そんなことを考えずに、自分のやりたいことをやる(この場合は携帯を使いつづける)としたら、モラルが低下しているとしか思えない。
しかし、実際、飛行機での携帯使用はどのぐらい危険なのだろう?
客室乗務員も、電源を切るところまで見届けなかった。いつも思うのだけど、チェックは甘い。
ということは、見逃してもさほど危険ではないということか?
大事故につながるかもしれないけれど、客が減るのを恐れて無理強いしないのであれば、経済中心主義的で恐ろしい。
以前、上空でメールチェックをしている若い女性を見かけ、このときもヒヤヒヤして、客室乗務員に質問したことがある。
「上空でなら、携帯のメール使ってもいいんですか?」と。「いえ、だめです」との返答だったけど、その危険性はどのくらいなのだろう?
あいまいなアナウンスと態度は、かえって人を不安にする。
本気で危ないのなら、もっと徹底してほしい。
それよりなにより、公共のマナーを守る大切さを知ってほしい。
ヨーロッパやアメリカで繰り広げられている占拠デモを、日本では「反格差」と呼んでいる。
フランスでは、このタイプのデモを、“憤慨(indigné)のデモ”と名づけられている。
現在フランスでベストセラーになっている、ステファン・エセルの「Indignez-vous!(怒りなさい!)」から、この名がついたと聞いた。
この本は、フランスが陥っている新自由主義を批判している。
「反格差デモ」からは、「貧乏人が騒いでいる」といった印象を受けるのではないだろうか。
「私には関係ない」と、敬遠したくなるような。
「格差」は結果であり、その元凶となっているのは、現在の社会システム「新自由主義」であり、ヨーロッパの人たちはそれに抗議している。
日本でいう「反格差デモ」は、なにかごまかされているような感じがしてしまう。
10月15日のロンドンのデモで、参加者に話を聞いた。
彼女たちも、「新自由主義」に怒っていた。
ケニー(学生)
今の政府のシステムは、誰のためにもなっていない。だから、この運動に参加した。
フォリナ(学生)
メガバンクの金融システムで、若者が犠牲になっている。
ルー
現在の独占システム、金融システムを考えるべきとき。私たちは社会を変えたいと思って、デモに参加した。
私は慈善事業関係の仕事をしているが、政府は補助金を大幅にカットしている。
失業率は非常に高くなっている。
大学進学にはお金がかかる。貧困家庭は大学に行くことができず、格差は広がるばかり。
教育を受けることができる人だけが、得をする社会などおかしい。
18歳の若者たちは、将来に何を期待しらいいのか。
ニコル
特に教育システムは消耗しきっている。
納税者の私たちが、何の恩恵を受けないのは不公平。こんな世の中は、もうたくさん!
さらに金融危機が起きたら、どうなるのか。
同じことを何度も何度も何度も繰り返すだけで、現在の政府の政策は何も生み出さない。
私たちの税金が、金融機関や企業を救済するために毎年失われていく。
経済を支援するためにお金が使われ、公共のためには使われない。
私たちは、人々のためにお金を取り戻したい。
話を聞いたなかで、ルーさんが言った次の言葉が特に心に残った。
「これは民主主義の崩壊だと思う。イギリスは民主主義国家のリーダーであるのに、今では、閉塞した社会になってしまっている」
「民主主義の先進国としての誇りを失う」という苛立ちは、フランス人からも見受けられた。
日本も同じだと思う。「反格差デモ」ではなく。
日本では、中東のデモも西欧諸国のデモも、いっしょくたにしてしまっているけれど、私はそうは思わない。
民主主義を勝ち取るための「アラブの春」と、民主主義国家の非民主的政策に怒る「ヨーロッパやアメリカ(日本も)のデモ」は、全く違う種類の“抗議デモ”だ。
フランスでは、このタイプのデモを、“憤慨(indigné)のデモ”と名づけられている。
現在フランスでベストセラーになっている、ステファン・エセルの「Indignez-vous!(怒りなさい!)」から、この名がついたと聞いた。
この本は、フランスが陥っている新自由主義を批判している。
「反格差デモ」からは、「貧乏人が騒いでいる」といった印象を受けるのではないだろうか。
「私には関係ない」と、敬遠したくなるような。
「格差」は結果であり、その元凶となっているのは、現在の社会システム「新自由主義」であり、ヨーロッパの人たちはそれに抗議している。
日本でいう「反格差デモ」は、なにかごまかされているような感じがしてしまう。
10月15日のロンドンのデモで、参加者に話を聞いた。
彼女たちも、「新自由主義」に怒っていた。
ケニー(学生)
今の政府のシステムは、誰のためにもなっていない。だから、この運動に参加した。
フォリナ(学生)
メガバンクの金融システムで、若者が犠牲になっている。
ルー
現在の独占システム、金融システムを考えるべきとき。私たちは社会を変えたいと思って、デモに参加した。
私は慈善事業関係の仕事をしているが、政府は補助金を大幅にカットしている。
失業率は非常に高くなっている。
大学進学にはお金がかかる。貧困家庭は大学に行くことができず、格差は広がるばかり。
教育を受けることができる人だけが、得をする社会などおかしい。
18歳の若者たちは、将来に何を期待しらいいのか。
ニコル
特に教育システムは消耗しきっている。
納税者の私たちが、何の恩恵を受けないのは不公平。こんな世の中は、もうたくさん!
さらに金融危機が起きたら、どうなるのか。
同じことを何度も何度も何度も繰り返すだけで、現在の政府の政策は何も生み出さない。
私たちの税金が、金融機関や企業を救済するために毎年失われていく。
経済を支援するためにお金が使われ、公共のためには使われない。
私たちは、人々のためにお金を取り戻したい。
話を聞いたなかで、ルーさんが言った次の言葉が特に心に残った。
「これは民主主義の崩壊だと思う。イギリスは民主主義国家のリーダーであるのに、今では、閉塞した社会になってしまっている」
「民主主義の先進国としての誇りを失う」という苛立ちは、フランス人からも見受けられた。
日本も同じだと思う。「反格差デモ」ではなく。
日本では、中東のデモも西欧諸国のデモも、いっしょくたにしてしまっているけれど、私はそうは思わない。
民主主義を勝ち取るための「アラブの春」と、民主主義国家の非民主的政策に怒る「ヨーロッパやアメリカ(日本も)のデモ」は、全く違う種類の“抗議デモ”だ。
6年ぶりにロンドンを訪れた。
エンジェルに用事があり、その辺を歩いたら、大きく変貌していた。
昔(10年以上前)は何もなかった通りは店でうめつくされ、ショッピングセンターもできていた。
大型店舗チェーンが多く、いかにもグローバリゼーションの尖端を感じさせる。
初日に2件万引きを目撃してしまった。いずれも若者。
繁栄しているようで、儲けてるのは一部の人だけなのだろう。
夜のBBCニュースで、翌日、デモが行われることを知った。
「ギリシャ、ウォール街、スペインのデモが、ロンドンにも広がった」との報道。
セントポール寺院近くに集まり、シティをデモ行進するという。
ニュースでは、集合場所は私有地で、進入禁止とか。
翌日朝10時、デモ隊の侵入を阻止するため、すでに警官が警備をしていた。
デモ隊の姿はまだ見えない。
セントポールに立ち寄った後、オリンピック会場となるストラトフォードに行ってみた。
ロンドン東部イーストエンドは、ずっと昔は何もなく、足を踏み入れたことがなかった。
地下鉄を降りたら、いきなり近代的な都会が現れてビックリ。
巨大ショッピングセンターがピカピカしていた。

イギリスの下町人情連続ドラマ「イーストエンダーズ」は、まだ続いているのだろうか。
そんなことを考えてしまった。
あのドラマに出てくる素朴な風景や人物は、この街の近代化に伴い、どう変化したのかなぁ。
ショッピングセンターの横がオリンピック会場。
道路から金網ぞいに、スタジアムが見えた。土曜日の朝だから、工事はしていなかった。
よく見えなかったので、デパートの上から、もう一度眺めた。
まだあまり完成していない印象。しかし、大開発である。


午前中は人がまばらだったが、昼ごろにはものすごい賑わいになった。
地下鉄を降りた大勢の人たちが、ショッピングセンターのなかに呑み込まれていく。
オリンピック開催時には、もっと多くの人が訪れるのだろう。
12時過ぎ、再びサンポールへ。
ここには、デモの人たちがたくさん集まっていた。


女子大生二人は、「不公平な今の社会に反対するために参加した」と言う。
また、若い女性の二人組みにも話を聞いた。
「今の金融システムは間違っている。税金が私たちのために使われていない。今の政権はまったく民主的ではない」
「私イーストエンド出身。オリンピックの再開発で、この地区を立退きさせられた人もいる。チケットは高すぎて地元の人は買えない。チケットの多くは、企業にわたっている。私たちの税金なのに、何の恩恵もない」
何が驚いたかというと、デモを取り囲む警官の数。
ロンドン在住の友人によると、キャメロン政権になってから、デモの制圧が強まったという。


途中、デモ隊と警官の衝突があるかと思わせるような雰囲気になった。
セントポールの地下鉄は封鎖され、機動隊まで動員された。
最後まで見届けることはできなかったが、非暴力で終わったようだ。
エンジェルに用事があり、その辺を歩いたら、大きく変貌していた。
昔(10年以上前)は何もなかった通りは店でうめつくされ、ショッピングセンターもできていた。
大型店舗チェーンが多く、いかにもグローバリゼーションの尖端を感じさせる。
初日に2件万引きを目撃してしまった。いずれも若者。
繁栄しているようで、儲けてるのは一部の人だけなのだろう。
夜のBBCニュースで、翌日、デモが行われることを知った。
「ギリシャ、ウォール街、スペインのデモが、ロンドンにも広がった」との報道。
セントポール寺院近くに集まり、シティをデモ行進するという。
ニュースでは、集合場所は私有地で、進入禁止とか。
翌日朝10時、デモ隊の侵入を阻止するため、すでに警官が警備をしていた。
デモ隊の姿はまだ見えない。
セントポールに立ち寄った後、オリンピック会場となるストラトフォードに行ってみた。
ロンドン東部イーストエンドは、ずっと昔は何もなく、足を踏み入れたことがなかった。
地下鉄を降りたら、いきなり近代的な都会が現れてビックリ。
巨大ショッピングセンターがピカピカしていた。

イギリスの下町人情連続ドラマ「イーストエンダーズ」は、まだ続いているのだろうか。
そんなことを考えてしまった。
あのドラマに出てくる素朴な風景や人物は、この街の近代化に伴い、どう変化したのかなぁ。
ショッピングセンターの横がオリンピック会場。
道路から金網ぞいに、スタジアムが見えた。土曜日の朝だから、工事はしていなかった。
よく見えなかったので、デパートの上から、もう一度眺めた。
まだあまり完成していない印象。しかし、大開発である。


午前中は人がまばらだったが、昼ごろにはものすごい賑わいになった。
地下鉄を降りた大勢の人たちが、ショッピングセンターのなかに呑み込まれていく。
オリンピック開催時には、もっと多くの人が訪れるのだろう。
12時過ぎ、再びサンポールへ。
ここには、デモの人たちがたくさん集まっていた。


女子大生二人は、「不公平な今の社会に反対するために参加した」と言う。
また、若い女性の二人組みにも話を聞いた。
「今の金融システムは間違っている。税金が私たちのために使われていない。今の政権はまったく民主的ではない」
「私イーストエンド出身。オリンピックの再開発で、この地区を立退きさせられた人もいる。チケットは高すぎて地元の人は買えない。チケットの多くは、企業にわたっている。私たちの税金なのに、何の恩恵もない」
何が驚いたかというと、デモを取り囲む警官の数。
ロンドン在住の友人によると、キャメロン政権になってから、デモの制圧が強まったという。


途中、デモ隊と警官の衝突があるかと思わせるような雰囲気になった。
セントポールの地下鉄は封鎖され、機動隊まで動員された。
最後まで見届けることはできなかったが、非暴力で終わったようだ。
フランスでは、カダフィ大佐の殺害場面が何度もテレビで放映された。
そのたびに目を背けるか、チャンネルを変えるか。
とても直視などできない、残酷な映像だ。
「知られたくない真実」を葬るために、カダフィ大佐は裁かれることなく殺害されたのではないか。
こうした憶測が飛び交っている。
サルコジ大統領は、カダフィ大佐と原子力に関する会談をしている。
独裁者の死によって、リビアがどうなっていくのか、まったく予測がたたない。
カダフィ大佐が殺害された20日、フランス在住のチュニジア人有権者による制憲議会選挙がはじまった。
新憲法を策定するための議員選出選挙で、217議席のうち、フランス在住チュニジア人から10議席選ばれる。
手元の資料によると、全体的には、政党数は110、候補者11000人で、無党派を加えた1570のリストから選ぶそうだ。
有権者数は約750万人だという。
居候している友人の夫がチュニジア人で、毎晩、選挙の準備をしていた。
フランス国内では、44のリストが候補者を立てている。有権者は6~7万人とのことだ。
数が多すぎて、主張の違いをどう区別するのか、とも思う。
世論調査では、イスラム政党(Ennahda)が20~30%獲得するだろうと予測している。
フランスの投票は3日間、国内数ヶ所で行われた。
最終日22日(土)の夜7時ごろ、投票場のひとつ、16区のチュニジア領事館に行ってみた。
最寄り駅の地下鉄のホームには、投票を終えたチュニジア人がたくさんいた。
領事館の前は長蛇の列。

3歳ぐらいの娘を連れた男性は、この選挙に「期待している」と満面の笑みで答えた。
パリに数年住んでいる若い男性二人は、「チュニジアの民主主義がはじまる」「たくさんの人が投票に来ていて驚いただろう?」と笑った。
どの顔も喜びにあふれていた。

自らの手で、ゼロから民主主義の国を作り上げる。
前途多難ではあろうが、可能性に満ちている。
うらやましいと思った。
そのたびに目を背けるか、チャンネルを変えるか。
とても直視などできない、残酷な映像だ。
「知られたくない真実」を葬るために、カダフィ大佐は裁かれることなく殺害されたのではないか。
こうした憶測が飛び交っている。
サルコジ大統領は、カダフィ大佐と原子力に関する会談をしている。
独裁者の死によって、リビアがどうなっていくのか、まったく予測がたたない。
カダフィ大佐が殺害された20日、フランス在住のチュニジア人有権者による制憲議会選挙がはじまった。
新憲法を策定するための議員選出選挙で、217議席のうち、フランス在住チュニジア人から10議席選ばれる。
手元の資料によると、全体的には、政党数は110、候補者11000人で、無党派を加えた1570のリストから選ぶそうだ。
有権者数は約750万人だという。
居候している友人の夫がチュニジア人で、毎晩、選挙の準備をしていた。
フランス国内では、44のリストが候補者を立てている。有権者は6~7万人とのことだ。
数が多すぎて、主張の違いをどう区別するのか、とも思う。
世論調査では、イスラム政党(Ennahda)が20~30%獲得するだろうと予測している。
フランスの投票は3日間、国内数ヶ所で行われた。
最終日22日(土)の夜7時ごろ、投票場のひとつ、16区のチュニジア領事館に行ってみた。
最寄り駅の地下鉄のホームには、投票を終えたチュニジア人がたくさんいた。
領事館の前は長蛇の列。

3歳ぐらいの娘を連れた男性は、この選挙に「期待している」と満面の笑みで答えた。
パリに数年住んでいる若い男性二人は、「チュニジアの民主主義がはじまる」「たくさんの人が投票に来ていて驚いただろう?」と笑った。
どの顔も喜びにあふれていた。

自らの手で、ゼロから民主主義の国を作り上げる。
前途多難ではあろうが、可能性に満ちている。
うらやましいと思った。
福島原発事故の放射能が引き金になり、離婚を決意した女性たちに取材した。
離婚など珍しくないご時世だが、彼女たちの話を聞くのは、とても胸が痛かった。
“放射能”の心配がなければ、離婚の危機などなく、夫婦生活をつづけていたであろう。
私が話を聞いたのは、子どもをつれて避難し、夫との二重生活を経験した後、離婚協議に入った女性たちだ。
避難していない女性の多くは、放射能について夫に相談もできずにいるという。
仮にお金で補償されたとしても(取材した女性たちは自主避難なので、補償の対象ではない)、壊れた夫婦関係は修復できない。
人間関係は、お金で解決する問題ではない。
放射能と夫婦関係の取材ではつねに、「子どもを守るために避難したい母親」と「家族を養うために留まって働くことを優先する父親」が話に出てきた。
家族における男女の役割は、“最先端の原発技術”を誇る日本で、何十年も変わっていない。
原発事故と男女の役割を一緒くたにするな、と言われるかもしれないが(この問題はどんな場合でも議論にならず、後回しにされる)、この取材をしている間つねに、やるせない気持ちになった。
伝統的な家族の役割分担が、“放射能”という生命にかかわる一大事を乗り越えるものどころか、夫婦関係に重くのしかかっているからだ。
「子どもを守るために避難したい母親」も、「家族を養うために留まって働くことを優先する父親」も、“放射能”に加えて、慣習だとか常識だとかに縛られ、がんじがらめになって苦しんでいる。
こうした状況が、日本特有のものなのか知りたく、何人かに質問してみた。
日本在住のイギリス男性「妻と夫の立場やそれぞれの意見は、人間の正直な言い分として理解できる。その上であえて言うとしたら、母親が幼い我が子の健康を心配するのは至極当然で、それを優先すべきなのももっともなこと。夫は、幼子の命を思い、仕事や居住地を変える選択をしてもいいのではないか? その決断ができないのは、自分に自信がないからか。会社の辞めて新天地で就職することに臆病になっているのではないか。日本男性は変化を好まないからかもしれない」
イタリア在住の日本女性「夫婦で話し合わないのでしょうか? イタリアでは政治的意見が正反対の夫婦が珍しくないのですが、こういうときには、とことん議論すると思います」
フランス在住のフランス女性「フランス人にとって仕事は二の次。男性も家族を優先し、仕事を辞めて避難するはず」
イギリス在住の日本女性「日本では今でも、『夫が家族を養う』という考えが残っているのですか?」
ヨーロッパの家族のあり方が正しい、と言っているわけではない。
日本の伝統的な家族で、女性も男性も幸せであるのなら、何も問題はない。
が、本当に、これで幸せといえるのだろうか…。
震災後、“絆”という言葉が、美化されて用いられている。
私個人の意見としては、“絆”は、危機が起きたときに急遽見直されるべきものでもないと思っている。
そして、“絆”を結ぶには、激しいぶつかりあいも必要だと思っている。
相手に従属するだけでなく、お互いを尊重する関係でなければ、“絆”は築けないとも思う。
取材した記事は、10月21日発売の『週刊金曜日』に掲載されています。
離婚など珍しくないご時世だが、彼女たちの話を聞くのは、とても胸が痛かった。
“放射能”の心配がなければ、離婚の危機などなく、夫婦生活をつづけていたであろう。
私が話を聞いたのは、子どもをつれて避難し、夫との二重生活を経験した後、離婚協議に入った女性たちだ。
避難していない女性の多くは、放射能について夫に相談もできずにいるという。
仮にお金で補償されたとしても(取材した女性たちは自主避難なので、補償の対象ではない)、壊れた夫婦関係は修復できない。
人間関係は、お金で解決する問題ではない。
放射能と夫婦関係の取材ではつねに、「子どもを守るために避難したい母親」と「家族を養うために留まって働くことを優先する父親」が話に出てきた。
家族における男女の役割は、“最先端の原発技術”を誇る日本で、何十年も変わっていない。
原発事故と男女の役割を一緒くたにするな、と言われるかもしれないが(この問題はどんな場合でも議論にならず、後回しにされる)、この取材をしている間つねに、やるせない気持ちになった。
伝統的な家族の役割分担が、“放射能”という生命にかかわる一大事を乗り越えるものどころか、夫婦関係に重くのしかかっているからだ。
「子どもを守るために避難したい母親」も、「家族を養うために留まって働くことを優先する父親」も、“放射能”に加えて、慣習だとか常識だとかに縛られ、がんじがらめになって苦しんでいる。
こうした状況が、日本特有のものなのか知りたく、何人かに質問してみた。
日本在住のイギリス男性「妻と夫の立場やそれぞれの意見は、人間の正直な言い分として理解できる。その上であえて言うとしたら、母親が幼い我が子の健康を心配するのは至極当然で、それを優先すべきなのももっともなこと。夫は、幼子の命を思い、仕事や居住地を変える選択をしてもいいのではないか? その決断ができないのは、自分に自信がないからか。会社の辞めて新天地で就職することに臆病になっているのではないか。日本男性は変化を好まないからかもしれない」
イタリア在住の日本女性「夫婦で話し合わないのでしょうか? イタリアでは政治的意見が正反対の夫婦が珍しくないのですが、こういうときには、とことん議論すると思います」
フランス在住のフランス女性「フランス人にとって仕事は二の次。男性も家族を優先し、仕事を辞めて避難するはず」
イギリス在住の日本女性「日本では今でも、『夫が家族を養う』という考えが残っているのですか?」
ヨーロッパの家族のあり方が正しい、と言っているわけではない。
日本の伝統的な家族で、女性も男性も幸せであるのなら、何も問題はない。
が、本当に、これで幸せといえるのだろうか…。
震災後、“絆”という言葉が、美化されて用いられている。
私個人の意見としては、“絆”は、危機が起きたときに急遽見直されるべきものでもないと思っている。
そして、“絆”を結ぶには、激しいぶつかりあいも必要だと思っている。
相手に従属するだけでなく、お互いを尊重する関係でなければ、“絆”は築けないとも思う。
取材した記事は、10月21日発売の『週刊金曜日』に掲載されています。
サルコジ大統領に娘が誕生した。4人目の子どもだという。カーラとははじめての子。ついでに、カーラも初産ではない。
昨夜から、フランスはそのニュースがひっきりなしに流れた。(カダフィ大佐の死亡で、トップニュースは変わってしまったけど)。
夜のニュース番組では、「フランスでは、45歳以上で“パパ”になるケースが増えている」という特集があった。
64歳で父親になった男性がインタビューに答えていた。
フランスでも「アラ還」が人気らしい。ちょっと笑えた。
別のニュース番組では、「子どもの誕生は来年の選挙に影響するか」を報道した。
イギリスのブレア元首相とキャメロン首相のケースを紹介し、イギリスの政治専門家の「どちらも選挙には関係なかった」というコメントで締めくくっていた。
選挙戦を前に、「良き父像」をアピール。と、かんぐりたくなるのも、わからなくもない。
このところ、サルコジ大統領はまったくといっていいほど存在感がなかった。
社会党の大統領候補者を決める投票に、メディアも国民も関心が集中していたからだ。
すでに社会党が政権を取ったかと思うぐらいの、注目度だった。
先週の日曜日(16日)に、フランソワ・オランドが社会党の大統領候補者に決まり、その後の世論調査では、「60%以上の得票率でオランドが大統領に選出される」との結果になったそうだ。
よその国の政治の話だが、フランス社会党の大統領候補者選挙は、面白かった。
ちなみに、フランスの有権者であれば誰でもこの投票に参加できるが、事前に登録を済ませなければならないそうだ。
最初に立候補したのは6人で、10月5日に討論会が生中継された。
1回目の投票は9日(日)。266万5千人が投票し、オルランドが39.2%、マルティーヌ・オブリ(女性)が30.4%が残った。予想に反して、セゴネル・ロワイヤルが6.9%で4位、脱グローバル化を訴える(正統)左派のアルノー・モントブールが17.2%を獲得して3位についた。
翌日からの注目は、モントブールとロワイヤルの票がオランドとオブリのどちらに流れるか。
知り合いの女性たちは、「マルティーヌ・オブリ」を支援しつつも、「どーせ、女性がフランス大統領になるわけない」とややあきらめムード。
オルランドかオブリかは、“脱原発”にも大きくかかわっている。
オブリは脱原発を表明していたが、オルランドは態度が曖昧だった。
脱原発派は、「オブリが選出されれば、脱原発の可能性が高い」との期待していた(が、実際はオブリは勝つ見込みがない、という声のほうが大きかった)。
12日、オルランドとオブリの討論会が生中継された。視聴率は“歴史的”な高さだったという。
16日(日)の2回目は、229万人が投票し、オルランドが勝って大統領候補者に決まった。
結局、モントブールもロワイヤルもオルランドについたが、オブリも43.61%獲得し、かなりの健闘だったと思う。本人も、「これだけ票が取れて満足」と語っていた。
こうした選挙をみていて、つくづく、フランスはサルコジ政権に辟易し、変革を求めていると感じた。
16日、友人の息子夫婦の家で昼食を食べているとき、23歳の妻が、「マルチーヌが勝たないかなぁ~」としみじみつぶやいたのが印象的だった。
28歳の夫も、「もうこんな生活はたくさん。この5年間、フランスは悪くなるばかりだ」と。日本マンガ好きの彼は、「日本のほうがいいから、日本に住みたい」と、とんでもないことを言っていた。
フランスで今、いいニュースを見つけるのは、とても難しい。
大統領の子どもの誕生でさえ、皮肉たっぷりに語られてしまうほど、不健康な空気に満ちている。。。
あ、ひとついい話しがあった。
フランスで社会党政権が誕生すれば、脱原発の可能性がグッと高まる。
フランスが動けば、他もつづくだろう。
他力本願になってしまうけど、この点ではフランスに期待できそう。。。
昨夜から、フランスはそのニュースがひっきりなしに流れた。(カダフィ大佐の死亡で、トップニュースは変わってしまったけど)。
夜のニュース番組では、「フランスでは、45歳以上で“パパ”になるケースが増えている」という特集があった。
64歳で父親になった男性がインタビューに答えていた。
フランスでも「アラ還」が人気らしい。ちょっと笑えた。
別のニュース番組では、「子どもの誕生は来年の選挙に影響するか」を報道した。
イギリスのブレア元首相とキャメロン首相のケースを紹介し、イギリスの政治専門家の「どちらも選挙には関係なかった」というコメントで締めくくっていた。
選挙戦を前に、「良き父像」をアピール。と、かんぐりたくなるのも、わからなくもない。
このところ、サルコジ大統領はまったくといっていいほど存在感がなかった。
社会党の大統領候補者を決める投票に、メディアも国民も関心が集中していたからだ。
すでに社会党が政権を取ったかと思うぐらいの、注目度だった。
先週の日曜日(16日)に、フランソワ・オランドが社会党の大統領候補者に決まり、その後の世論調査では、「60%以上の得票率でオランドが大統領に選出される」との結果になったそうだ。
よその国の政治の話だが、フランス社会党の大統領候補者選挙は、面白かった。
ちなみに、フランスの有権者であれば誰でもこの投票に参加できるが、事前に登録を済ませなければならないそうだ。
最初に立候補したのは6人で、10月5日に討論会が生中継された。
1回目の投票は9日(日)。266万5千人が投票し、オルランドが39.2%、マルティーヌ・オブリ(女性)が30.4%が残った。予想に反して、セゴネル・ロワイヤルが6.9%で4位、脱グローバル化を訴える(正統)左派のアルノー・モントブールが17.2%を獲得して3位についた。
翌日からの注目は、モントブールとロワイヤルの票がオランドとオブリのどちらに流れるか。
知り合いの女性たちは、「マルティーヌ・オブリ」を支援しつつも、「どーせ、女性がフランス大統領になるわけない」とややあきらめムード。
オルランドかオブリかは、“脱原発”にも大きくかかわっている。
オブリは脱原発を表明していたが、オルランドは態度が曖昧だった。
脱原発派は、「オブリが選出されれば、脱原発の可能性が高い」との期待していた(が、実際はオブリは勝つ見込みがない、という声のほうが大きかった)。
12日、オルランドとオブリの討論会が生中継された。視聴率は“歴史的”な高さだったという。
16日(日)の2回目は、229万人が投票し、オルランドが勝って大統領候補者に決まった。
結局、モントブールもロワイヤルもオルランドについたが、オブリも43.61%獲得し、かなりの健闘だったと思う。本人も、「これだけ票が取れて満足」と語っていた。
こうした選挙をみていて、つくづく、フランスはサルコジ政権に辟易し、変革を求めていると感じた。
16日、友人の息子夫婦の家で昼食を食べているとき、23歳の妻が、「マルチーヌが勝たないかなぁ~」としみじみつぶやいたのが印象的だった。
28歳の夫も、「もうこんな生活はたくさん。この5年間、フランスは悪くなるばかりだ」と。日本マンガ好きの彼は、「日本のほうがいいから、日本に住みたい」と、とんでもないことを言っていた。
フランスで今、いいニュースを見つけるのは、とても難しい。
大統領の子どもの誕生でさえ、皮肉たっぷりに語られてしまうほど、不健康な空気に満ちている。。。
あ、ひとついい話しがあった。
フランスで社会党政権が誕生すれば、脱原発の可能性がグッと高まる。
フランスが動けば、他もつづくだろう。
他力本願になってしまうけど、この点ではフランスに期待できそう。。。
10日前、夜行列車でフィレンツェからパリに入った。
夜10時半ごろ発の寝台切符をフィレンツェで買う。
「一番安い6人部屋は若者が多いけど、4人部屋はあなたのような旅行者だから大丈夫」と窓口の女性。
「男女、どういう組み合わせか、わからないんですよね~?」と一応聞いてみたら、「それは選べないわね」とあっさり。
誰が乗り込むかわからない、というのは、かなりのスリル。
結局、北京からの若いカップルと、アフリカ系フランス人の若い男性が同じ部屋だった。
2段ベッドの上の段だったので、登ったら最後、顔も洗わず、着の身着のままで寝てしまった。
いろいろ気にしたわりには、翌朝8時ごろまで熟睡してしまった。
「男女ごっちゃの寝台はちょっとね~」と言うのは私ぐらいかと思ったら、フランス人の友人も、「知らない独身男と同じ部屋で寝るなんて、ありえない!」と目を丸くした。
もうひとり、イタリアに住んでいた友人は、男ばかりの部屋になり、車掌のほうから、「部屋を変えたほうがいい」と言われ、変えてもらったことがあるという。
「その場で判断」がイタリア式らしいが、大荷物があると車両の移動が大変だし、事前にわかるといいのになぁ。
パリに着いた夜、友人から、「今夜、コメディ・フランセーズの招待状があるけど、行く?」と誘われ、「雰囲気だけでも」と軽い気持ちで出かけた。
生まれてはじめてフランスの演劇。芝居は好きだが、フランス語はムリだろう、と、これまで一度も観たことがなかった。
その夜の演目は、ラシーヌの悲劇「ベレニス」。
フランス古典主義悲劇は、まったく予備知識がなく…。
舞台装飾も衣装もはシンプルで、7人の役者が2時間たっぷり語る。
思い切り寝てしまった。もったいない。でも、やっぱり演劇の台詞は難しすぎる。

部屋に戻り、パンフレットをおさらいし、「あ~、こういうことだったのね」と、場面を思い出してみたりした。
ここで書くまでもないのだろうけど、「ベレニス」は、父の死で急遽ローマ皇帝の座についたティテュスは、パレスチナの女王ベレニスと結婚の約束をしていたが、異国の女性との婚姻は認めないというローマの掟から、ベレニスと別れなければならない。が、なかなか決心がつかず、ベレニスに言えない。
ベレニスは、まさかティテュスから別れを告げられるとは、信じたくない。別れるぐらいなら、いっそ死を選ぼうと考えている。
もうひとり、ティテュスの友人であり、秘かにベレニスを愛しているアンティオキュスも苦悶する。
最終的にティテュスとベレニスは、「愛しながらも別れ、生きていく」ことを決意する。
残念ながら、舞台の台詞は理解できなかったけれど、場面を振り返ると、ティテュス、ベレニス、アンティオキュスの演技から、哀しみ、苦しみ、不安、絶望感は伝わってきた。
言葉はわからなくても、辛くなるぐらいだった(途中、寝ちゃったけど)。
政治(仕事)か愛かの選択。
これだけ苦悩したら、人の痛みを理解できるリーダーになれるのではないか、と思う。短絡的だろうか。
10月9日(日)は、来年のフランス大統領選に出馬する社会党候補を決める第1回目の投票日だった。
6日だったか、6人の候補者(多い!)の討論会がテレビで生放送された。
少しゴシッピーな話題だが、候補者のなかには、フランソワ・オランドとセゴレル・ロワイヤルの元夫婦がいる。
討論会では隣同士だった。元夫婦が並んで出演するなど、日本ではスキャンダラスかも。
政策などそっちのけで、「元夫婦がバトル!」と騒ぎそうだ。
選挙の結果、オランドが38%で1位、4位のロワイヤルは第2回決選投票には残らなかった。
オランドは元妻の健闘を称え、ロワイヤルは「結果にがっかりした」としおらしく涙ぐんでいた。
日本の政治家も、愛妻家だとか、子煩悩だとか、言われているけれど、なんだかリアリティが感じられない。
それに比べ、フランスの政治家はドロドロ人間臭い。
どっちがいいのかはわからないけど、個人的には、人間臭いリーダーのほうが、人間のための政治をしてくれそうな気がして、好ましい。
夜10時半ごろ発の寝台切符をフィレンツェで買う。
「一番安い6人部屋は若者が多いけど、4人部屋はあなたのような旅行者だから大丈夫」と窓口の女性。
「男女、どういう組み合わせか、わからないんですよね~?」と一応聞いてみたら、「それは選べないわね」とあっさり。
誰が乗り込むかわからない、というのは、かなりのスリル。
結局、北京からの若いカップルと、アフリカ系フランス人の若い男性が同じ部屋だった。
2段ベッドの上の段だったので、登ったら最後、顔も洗わず、着の身着のままで寝てしまった。
いろいろ気にしたわりには、翌朝8時ごろまで熟睡してしまった。
「男女ごっちゃの寝台はちょっとね~」と言うのは私ぐらいかと思ったら、フランス人の友人も、「知らない独身男と同じ部屋で寝るなんて、ありえない!」と目を丸くした。
もうひとり、イタリアに住んでいた友人は、男ばかりの部屋になり、車掌のほうから、「部屋を変えたほうがいい」と言われ、変えてもらったことがあるという。
「その場で判断」がイタリア式らしいが、大荷物があると車両の移動が大変だし、事前にわかるといいのになぁ。
パリに着いた夜、友人から、「今夜、コメディ・フランセーズの招待状があるけど、行く?」と誘われ、「雰囲気だけでも」と軽い気持ちで出かけた。
生まれてはじめてフランスの演劇。芝居は好きだが、フランス語はムリだろう、と、これまで一度も観たことがなかった。
その夜の演目は、ラシーヌの悲劇「ベレニス」。
フランス古典主義悲劇は、まったく予備知識がなく…。
舞台装飾も衣装もはシンプルで、7人の役者が2時間たっぷり語る。
思い切り寝てしまった。もったいない。でも、やっぱり演劇の台詞は難しすぎる。

部屋に戻り、パンフレットをおさらいし、「あ~、こういうことだったのね」と、場面を思い出してみたりした。
ここで書くまでもないのだろうけど、「ベレニス」は、父の死で急遽ローマ皇帝の座についたティテュスは、パレスチナの女王ベレニスと結婚の約束をしていたが、異国の女性との婚姻は認めないというローマの掟から、ベレニスと別れなければならない。が、なかなか決心がつかず、ベレニスに言えない。
ベレニスは、まさかティテュスから別れを告げられるとは、信じたくない。別れるぐらいなら、いっそ死を選ぼうと考えている。
もうひとり、ティテュスの友人であり、秘かにベレニスを愛しているアンティオキュスも苦悶する。
最終的にティテュスとベレニスは、「愛しながらも別れ、生きていく」ことを決意する。
残念ながら、舞台の台詞は理解できなかったけれど、場面を振り返ると、ティテュス、ベレニス、アンティオキュスの演技から、哀しみ、苦しみ、不安、絶望感は伝わってきた。
言葉はわからなくても、辛くなるぐらいだった(途中、寝ちゃったけど)。
政治(仕事)か愛かの選択。
これだけ苦悩したら、人の痛みを理解できるリーダーになれるのではないか、と思う。短絡的だろうか。
10月9日(日)は、来年のフランス大統領選に出馬する社会党候補を決める第1回目の投票日だった。
6日だったか、6人の候補者(多い!)の討論会がテレビで生放送された。
少しゴシッピーな話題だが、候補者のなかには、フランソワ・オランドとセゴレル・ロワイヤルの元夫婦がいる。
討論会では隣同士だった。元夫婦が並んで出演するなど、日本ではスキャンダラスかも。
政策などそっちのけで、「元夫婦がバトル!」と騒ぎそうだ。
選挙の結果、オランドが38%で1位、4位のロワイヤルは第2回決選投票には残らなかった。
オランドは元妻の健闘を称え、ロワイヤルは「結果にがっかりした」としおらしく涙ぐんでいた。
日本の政治家も、愛妻家だとか、子煩悩だとか、言われているけれど、なんだかリアリティが感じられない。
それに比べ、フランスの政治家はドロドロ人間臭い。
どっちがいいのかはわからないけど、個人的には、人間臭いリーダーのほうが、人間のための政治をしてくれそうな気がして、好ましい。
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